ウルトラマンレジェンド Episode.CROSSOVER   作:ハジケハムスター・ポッポ

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お待たせしました。例によって前後編です。
中編は挟まなくて大丈夫そうかなと(楽観視)。

お気づきかと思いますが、前回カガリが出撃しない=アスランの乗った輸送機とスカイグラスパーが遭遇しない=双方落ちずアスランとカガリが出会わない、ということでアスランとカガリの初邂逅は別のところになります。
まあ二人ともそれぞれ先達のおかげでメンタル強化されてるし精神的にも成長早いしで何とかなる……はず。


それでは本編をどうぞ。


オーブ近海の決戦(前編)

 アークエンジェルは遂にザラ隊の襲撃を受けた。

 

 奪われたGAT-Xナンバーの四機に加えアズナブル隊のRFグフカスタム、それも新型のフライトユニットを装備してディン以上の機動性まで確保した二機も同伴して。

 

 相手は装備上、空戦特化。

 前回と前々回は空中戦と水中戦に分散していたため、ネオ・バルバトスやゲシュペンストMk-Ⅱ・タイプSのように水中でも戦える機体がそちらを引き受けることで上手くいっていたのだが、この二機も――ネオ・バルバトスは本来の装備であればマガバッサー亜種と戦った時のように可能なのだが――空中戦は不得手である。

 攻撃出来るだけマシなのだが、アークエンジェルの形的に全機が格納庫から出て艦上に立てるわけではない。

 正確には立てなくもないが、自由度が制限される上にアークエンジェル側の視界や戦術のマイナスになる可能性が大きいのだ。

 

 ダ・ガーンも合体すれば飛べるが、仮に出撃したとしても使命の関係で専守防衛になるだろう……それでもありがたいが。

 

 

「ちいっ!」

 

「この機体は私達が抑える!」

 

「貴公らは足つきを狙え! 本懐を遂げるがいい!」

 

「「「「了解!」」」」

 

 

 現状最大戦力と言っていいサーガのダブルオークアンタはラルとノリスのRFグフカスタムに抑え込まれ、残る空中戦可能でまとも戦力は一誠の量産型Mk-Ⅱ改・タイプGに沙耶のガンダムXのみ。

 キラのエールストライクは短時間しか飛行出来ず、スカイグラスパーでは火力、ついでに耐久力不足。

 しかもザラ隊の面々は歴戦のベテランパイロットであるラルとノリスに鍛えられ、その才能を見事開花させていた。

 

 ここにきてアークエンジェル、及び同行したウルトラ騎空団との差が埋まりつつあったのだ。

 

 

「何で蒼き巨星と青の鬼神がセットで地球に降りてんだよ! 連中、重力下での戦いのが得意だってもっぱらの噂だぞ!?」

 

「あっちの指鉄砲のやつに乗ってる人、ホントそれだったよ」

 

「あのブリッツって機体が消えないだけ助かってるけど、張り付かれたら絶対ヤバいわよ!」

 

 

 ムウの愚痴に三日月が応え、リアスは焦っていれど戦局を冷静に捉えていた。

 グゥルに乗っている以上、仮にミラージュコロイドを展開しても一発でバレるだろうが、リアスの言うようにアークエンジェルに張り付かれたら危険度が一気に高まる。

 

 

「ゲシュペンストォ! 今日こそ借りを返してやる!!」

 

「空飛んでりゃ勝てると思うなよ!」

 

 

 例によって一誠とイザークがぶつかり合い、それのフォローに入ろうとした沙耶はディアッカに邪魔をされる。

 

 

「こっちは夜まで待つ気は無いんでね!」

 

「待ってもらう気も無いわ」

 

 

 いつもの如くクールな沙耶だが、実際は余裕など無い。

 そもそもガンダムX、汎用性と出力の高さやサテライトキャノンの凄まじさを除くと決め手になる武器が無いのである。

 ブレストバルカンに大型ビームソード、それにシールドバスターライフル……標準的な装備はあるのだが、ZガンダムのハイパーメガランチャーやダブルオークアンタのGNバスターソード/バスターライフルのような取り回しの良い高火力武器、もしくは量産型Mk-Ⅱ改・タイプGのジェット・ファントムのような必殺技系の武器も無い。

 

 

(そこがこの機体の今後の課題だけど、この戦局を乗り切らないとそれどころじゃない……!)

 

 

 対して今相対しているバスターは射撃戦特化、上述の通りサテライトキャノン以外では中距離までしか対応出来ないガンダムXにとって厳しい相手だ。

 反面、バスターは近距離戦に殆ど対応出来ない欠点もあるのでPS装甲にも有効な大型ビームソードが通じる分、どうにか接近出来れば勝機はある。

 

 ――そんな時に。

 

 

「ラル殿はザラ隊の援護を! この剣のガンダム、私がこのまま相手取る!」

 

「了解した! 勝利の暁には一杯馳走させて頂こう!」

 

「「「「「!!」」」」」

 

 

 よりによってラルのRFグフカスタムがダブルオークアンタから離れ、アスラン達の加勢に回ってしまった。

 ダブルオークアンタを除けば三日月のネオ・バルバトスくらいしか対処不可の強敵……しかもそのネオ・バルバトスも空中戦がほぼ不可能の今、対抗策は無いに等しい。

 

 

「獲物を前に舌なめずりなど愚者のやること! 仕留められる時は迅速に仕留めるのが定石と心得よ!」

 

「「ハッ!」」

 

 

 量産型Mk-Ⅱ改・タイプGをデュエル、ガンダムXをバスターが封じ、残るエールストライクはアスランが翻弄している。

 アークエンジェルに痛手を与えれば彼らもそれに反応し、隙を見せるかもしれない。

 そこを突いて撃墜するか、そうでなくても戦闘不能にさえ出来れば……。

 

 ――だが、彼らにも『そんな時』は訪れた。

 

 

 

 

 

「これは……! レーダーに反応、戦艦クラスです!」

 

「なんですって!?」

 

「捕捉とライブラリ照合、急げ!」

 

「捕捉完了! 本艦のライブラリ……照合しました! ペガサスA――降下の際に合流していた、ウルトラ騎空団の艦です!!」

 

「「「「「!!」」」」」

 

 

 ――とてつもない援軍が、ベストなタイミングで遂に合流を果たしたのだ。

 

 

 

 

「アークエンジェル捕捉! って総リンチ状態!?」

 

「あっちは空中戦出来る機体が少ないからな」

 

「言ってる場合か!」

 

 

 流の報告(しかも操艦しながら)を受けたレジェンドがドリンクを吸いつつのんびり答え、艦長の勇治がツッコミを入れる。

 ぶっちゃけアルトアイゼン・リーゼもエールストライクと同じようなものなので、海上戦闘はやり難いということで今回レジェンドは指揮専門に回っていた。

 専門、というのは総大将であるレジェンドが最前線に立って戦闘することが多いから。

 それはそれとして、指揮とはいうものの基本レジェンドは余程でない限りパイロット達の自主性を尊重し、あまり口出ししない。

 

 

「可変機組は出撃準備出来てるし、ゼルガードも出れる。ついでに何かラスティのガンダムMk-Ⅴも出る気満々なんだけど……アレ空中戦不対応だろ。どしたのアイツ」

 

「知らん、アイツに聞け」

 

「まー出たいなら出たいで別にいいんだけどさ」

 

 

 アークエンジェル側に対し、ものすごく緩い。

 というのも、いざとなればレジェンドはネオ・グランゾンで出撃する気であるからだ。

 ぶっちゃけあんなもんここで出したら蹂躙どころか瞬殺もいいところ、結局『何ですぐ出さないんだ』的なことになって甘えかねなくなるのでやらないだけで、やろうと思えばすぐやれる。

 

 

「さてと……あーあー、出撃メンバー聞こえるか?」

 

『どうしたんでありますか超師匠?』

 

「見ての通りアークエンジェルとサーガ達が、あー……何だっけ。ストライク以外のパクられ機体とやたら強いグフカスタム二機に半ばリンチにされている」

 

『『『『『いや表現!?』』』』』

 

「あと俺のアルトは今回地形に不向きの上、今はステラも乗艦しててスタッフも少ないから俺は指揮のみになる」

 

 

 ……時々マイクから『ずずずー』とドリンクを吸う音が聞こえ、緊張感が滅茶苦茶薄れていく。

 レイトあたりがいればツッコミの一つも入っただろうが、生憎とペガサスAにはツッコミが出来てもそれを放棄する、もしくはする余裕がないメンバーしかいない。

 

 

「したがって戦場では――」

 

『『『『『……ゴクリ』』』』』

 

「お前らや味方が墜ちなきゃ何してもいいや」

 

「「「「「適当(アバウト)ォォォォォ!!」」」」」

 

 

 自分が出ないからか、レジェンドも指揮……というか指示が投げやり状態。

 出番が無いという不憫も受け入れ気味になっているため、あとは好きにしろと言わんばかりにブリッジの適当な椅子に腰掛け寛いでいる。

 とりあえず、操舵・砲手・通信その他を一手に引き受け(させられ)ている流は彼をぶん殴っても許されると思う。

 

 兎にも角にもイマイチ締まらない出撃をしたペガサスA組だが、いの一番はまさかのガンダムMk-Ⅴ――つまりラスティである。

 

 

 

 

「何だ、あの機体は!?」

 

「新型!? それにウェイブライダーっぽいのがたくさん……!」

 

「降下の際に確認した三機ね。何より人型で飛行可能なライン・ヴァイスリッターやゼルガードがいるのは助かるわ。団長さんは……仕方ないわね、あの機体は」

 

 

 マリューもアルトアイゼン・リーゼの事を理解したようで、割と簡単に納得した。

 すると通信が入ってくる。

 

 

『よう、久しぶりだな。ラミアス艦長』

 

「ッ!? 貴方、確かミゲルさん!?」

 

『覚えててくれたんだな。俺達一同、援護に入るぜ』

 

「でも、貴方達は……」

 

『心配無用だぜ。俺もラスティも、今はウルトラ騎空団のメンバーだ』

 

 

 サーガのパイロットスーツによく似た、オレンジ色のパイロットスーツに身を包んだミゲルの言葉にマリューのみならずブリッジのクルー達は驚愕。

 だとすれば、もう一機確認された機体に乗っているのは……。

 

 

 

 

 

「アスランコノヤロー!!」

 

 

ズガアァァァァァン!!

 

 

「うわあああああ!?」

 

「「「アスラン!?」」」

 

 

 マイクを切っていたので声ではバレなかったが、ラスティの駆るガンダムMk-Ⅴの突撃ドロップキックがイージスに炸裂、イージスはグゥルから落とされて海に落下。

 足場代わりにアークエンジェルの乗れそうな部位に着地して、通信マイクを入れ直す。

 

 

「キラ、皆も久しぶり!」

 

「ラスティ!? その機体……いやそれよりも今……」

 

「キラさ、覚えてるか? アスランがイージス奪って、ストライクにキラが乗ったって時のこと」

 

「え? あ、うん」

 

「俺そん時のことが何か無性に腹立ってさ。任務優先は分かるけど、撃たれたら終わりと思われてすぐさま死んだことにされて……ウルトラ騎空団に助けられたから、今こうして生きてるけど」

 

 

 そこまで聞いて、キラは『ああうん。これは怒るよね』とコックピットで一人頷く。

 というか、聞こえてた面々は全員そりゃそうだとキラ同様の反応。

 

 

「そんなわけで一発ぶん殴ってやろうとああしたわけ。生身で直接顔合わせる機会があったら、鼻フックデストロイヤーしてやろうとも考えてる」

 

「鼻にわさびとからし突っ込むのが効くよ」

 

 

 三日月のとんでもないアドバイス。

 ……実はこれ、オーフィスがアザゼルにやった。

 ついでにサーゼクスもルミナシアにお仕置きでやられた……総督も魔王様も何やられてるんですか。

 

 

「あっちのオレンジ色の機体、ガンダムキュリオスにはミゲルが乗ってるよ。相性良すぎっしょアレ」

 

「ミゲルも!?」

 

「いやーちょっと前に色々あってさ。そこの件で俺とミゲル、団長に許可貰ってウルトラ騎空団に参加したんだ。他にも新しいメンバーいるからあとで紹介するよ」

 

 

 サラッと重要なことを言い放ったラスティだが、今それを追求する必要は無い。

 彼やミゲルが『仲間』であり『友人』なのは変わらないから。

 

 

「つーかよりによってグフカスタム二機とかマジすぎだろ。六機だけでザフトの大半の部隊より戦力上だって」

 

「今、海に一機落ちたけどね」

 

「……しのぶさん?」

 

「まあ、一応やっておこうかと」

 

 

 アズの言葉に三日月やリアスもヒュッケバインMk-Ⅱの方を見ると、何故か合掌していた。ヒュッケバインMk-Ⅱが。

 それに倣い、リバウやネオ・バルバトスらもさり気なくイージスが落ちた辺りに向けて合掌……あまりにもシュールな光景すぎて、ザラ隊やラルにノリスも呆気にとられた程である。

 

 色々と衝撃的な光景ではあったものの、全員がハッとして戦闘は再開。

 アスランもレジェンド程ではないが不憫だった。

 

 

「やかましいわコノヤロー」

 

 

 

 

 一方、海に叩き落されたアスランだが……。

 

 

「くっ……予想外の奇襲だったとはいえ直撃を受けてしまったが、教官の言った通り簡易スクリューモジュールを装備しておいて正解だったな」

 

 

 意外にも冷静だった。

 

 簡易スクリューモジュール――出撃前、ザラ隊の面々に対しラルとノリスが海に落とされた時の対策として用意した『推進方法』。

 水中ではブースターの効力が上手く働かない、もしくは全く動作しない場合を考慮しての推力であり、文字通り推進方法なので機動力は水中用の機体に比べ大きく劣る。

 だが、まさか空中から水中に落とされた機体が水中戦を仕掛けてくるとは予想だにしないであろうというゲリラ戦思考は正に正解。

 アークエンジェルの艦底に水中から飛び出してMA形態へ変形し組み付き、スキュラの一発でも撃ち込んでやれば……。

 そう思ったアスランであったが、レーダーに反応を確認する。

 指揮官用機体として開発されたイージスだからこそと言うべきか、同時に『それ』が水中を突き進んでくる様子をモニタリング出来てしまったのだ。

 

 ――黒く、赤い双眸の巨大な異形がこの戦場へ向けて迫ってくる様を。

 

 

「何だ、あれは……!?」

 

 

 アスランは驚愕と困惑しつつも緊急事態と考え、至急戦闘中の自軍へと通信する。

 

 

「こちらアスラン・ザラ! 皆、聞こえるか!?」

 

『アスラン!? 貴様、無事ならさっさと前線に復帰しろ馬鹿者ォ!』

 

『イザーク抑えて!』

 

「すまない! 足つきに水中から奇襲返ししようと思ったが緊急事態だ!」

 

『はぁ!?』

 

「この戦域に何かが迫っている! それも水中を猛進しながら!」

 

 

 

 

 ――アスランが捕捉した存在は、アークエンジェルやペガサスAでも確認された。

 

 

「ソナーに反応有り! これは……潜水母艦クラス!?」

 

「もしかして、ザフトの――」

 

「熱源探知……ぜ、全体から!?」

 

「何ですって!?」

 

「バカな……! 潜水母艦クラスの生命体だとでもいうのか!?」

 

 

 

 

 

「パターン的に怪獣だよね、これ」

 

「明らかにな」

 

「今動けるウルトラマンは?」

 

「ダイゴか流。俺や一誠は変身相手が戦場に出ているし、ガイや沙耶も出撃しててウイングやガンダムXは現状自動操縦にしたらまず撃墜される。サーガは変身条件が厳し過ぎて不可能だ」

 

 

 先程までの緩い空気とは打って変わり、レジェンドが腕組みしつつ真面目な表情で流と勇治の疑問に答える。

 しかし今回は戦場が海ということもあり、おそらく多くのウルトラ戦士は不利・不得意な場所での戦いになるため安易に『誰々が行け』とは言えない。

 レジェンドのように海中でもブッ飛んだ速度が出せるのはチートラマンか、もしくは究極形態やスーパーウルトラマン――所謂合体ウルトラマン――ぐらいなのだ。

 

 そうしているうちに、接近して来る反応の正体が肉眼でも確認出来るようになってきた。

 

 硬そうな漆黒の身体に赤く大きな複眼、そして目を引く巨大な黄色い角。

 

 

「え……まさかアレ昆虫怪獣!?」

 

「相当デカいな……」

 

「……バトラ」

 

 

 『戦闘破壊獣』や『破壊魔獣』とも呼ばれるそれが、いよいよアークエンジェルとザラ隊……そしてウルトラ騎空団と邂逅する。

 

 

 

〈続く〉




前回輸送機は墜ちなかったが、海に落とされましたアスラン。

そしてレジェンド、(最初)やる気ねぇぇぇ!
これナタル見たらブチギレそう。
いやタイタスとフーマも出てないけどさ、さすがにここまでのんびりしてな……いと思う。きっと。

デカい・硬い・強いの三拍子揃ったバトルモスラ、バトラ遂に登場です。
果たして先に援軍として到着するのは黒い方か、緑の方か!?


それではまた次回。

二択決定戦! シン一人乗りする最終ゲッターはどちらだ!?

  • 真ゲッタードラゴン(大決戦版)
  • 真・ゲッター1(スパロボα仕様)
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