ウルトラマンレジェンド Episode.CROSSOVER   作:ハジケハムスター・ポッポ

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お待たせしました。おそらく本編は今年最後の投稿になると思います。
次回は特別編を投稿したい……けど、気分によっては本編連投になるかもしれません。
そもそも多忙につき特別編投稿だって年越すかもしれないのに。


それでは本編をどうぞ。


光(後編)

 原初の星晶獣、四大天司、そしてそれに連なるベリアル……様々な情報が絡み合い困惑する一行であったが、今重要なのは浮力消失現象に関わる事だと、一先ず手稿の情報を糸口に今後の調査方針について話し合う。

 

「全空に普遍的に存在……つまり元素そのものとして、どこにでもいるという事か。姿はないが、どこにでも……ルリアの状態と関係がありそうだな」

 

「なるほど、じゃあ……今まで感知出来なかった薄い気配を、最近になって感じ取ったという事は?」

 

「顕現の予兆ではないでしょうか? 元素の集合は実体化を意味するかと」

 

「……顕現する場所によってはかなり危険だな」

 

「「「「「え?」」」」」

 

 

 カタリナ達が話している間、無言だったレジェンドが突然口を開く。

 

 

「団長、その意味は?」

 

「お前達、ヒッポリト星人の戦法は既に説明していると思うが、奴らは目標を何らかの方法で誘き出し……」

 

「カプセルでいいんだよな、アレ。あれに閉じ込めてヒッポリトタールでブロンズ像に……まさか!?」

 

「気付いたか、レイト。顕現した場所がヒッポリト星人の狙い通りだった場合、その四大天司が捕らえられ――」

 

 

 ヒッポリトタールによってブロンズ像にされる。

 

 レジェンドの言葉にルリア達は青褪めた。

 もしブロンズ像にされることで星晶獣の能力や権能などが封じられたりすれば、それは同時に空の世界のバランスが失われ……世界そのものが終わる。

 そうでなくても壊滅的被害が起こるのは明白だ。

 

 

「推測の域は出んが、現状四大元素にその四大天司の意思が少なからず作用してるのはほぼ間違いあるまい。だとすれば今言った事も起こり得るかもしれん」

 

「だ、だったら早く見つけないと!」

 

「落ち着けルリア。星晶獣絡みで焦る気持ちも分からなくはないが、闇雲に探し回って見つかるものでもないだろう。ましてや高位の星晶獣だぞ」

 

 

 そうレジェンドに言われ、ルリアはしょぼんとなるがそこにカタリナのフォローが入る。

 

 

「団長の言う通り落ち着いて行動するんだ、ルリア。とりあえず様子を探るために、ポート・ブリーズに向かおう」

 

「ポート・ブリーズに? あ、風が集まる島だから?」

 

「あぁ。四大元素を司る存在が顕現するなら、そうした立地の可能性が高いだろう」

 

「それを踏まえて考えると、火はバルツ公国、水はアウギュステ列島で、土はルーマシー群島かな。並べてみるとファータ・グランデ空域って四大元素縁の島が多いわね」

 

「アマリの言う通り、奇しくも四大元素に因んだ島が明確に存在しているからある意味助かったな」

 

「うむ! では早速ポート・ブリーズに行くとしよう! ウルトラ騎空団は騎空艇や戦艦、飛行機類がいくつもあるからこういう時は迅速に行動出来て良い!」

 

「あの島を任せようと思ったラカムさん達はグランサイファー共々今この世界にいませんがエリアルベースが彼処に駐留してますし、ここで得られた情報を共有して皆で――」

 

 

 だが突然、しのぶの声を遮るような振動と天井からパラパラ落ちる埃に一行は異変を感じた。

 

 

「な、何!?」

 

「……ッ!? 上だ、一階に何かいるぞ!」

 

 

 カタリナの言葉を受け、それぞれがいつでも戦闘に移れるよう急ぎ態勢を整えつつ地下から一階へと戻ると、そこにいたのは――。

 

 

「……――――」

 

「ゥヒッ……!? な、なんだぁ、こいつら!?」

 

 

 アウギュステにてシェロカルテ達を襲った、結晶で構成され翼を持つ謎の物体――ヴァーチャーズと呼ばれたモノが光を放ち、叡智の殿堂を中から攻撃していた。

 

 

「そんな……! ほ、本が、本が燃えちゃう!」

 

「大丈夫です、アルシャさん! 今、僕の杖で防壁を形成します!」

 

「そんでその隙にあいつらをぶっ飛ばせば解決だ!」

 

「……ん? ……ッ! 避けろ、フーマ!」

 

「へ?」

 

「ちぃっ!」

 

 

 惨状を見てテンパるアルシャをヨハンとフーマが落ち着けつつ対処しようとするが、何かに気付いたレジェンドがフーマに忠告するものの間に合いそうになく、衝撃と共にフーマが突き飛ばされ――。

 

 

 

 

 

ドォォォン!!

 

 

「ぐうっ!」

 

 

 

 

 

 ――爆発音と共に、レジェンドが吹き飛ばされ中央の大きな柱に激突し……その衝撃で柱が崩れ落ち、ウルトラ騎空団も四隅にレジェンド同様吹き飛ばされる。

 

 そしてレジェンドと同じ場所にはゼットとステラ、それにアズや、杏寿郎を始めとした巌勝を除く鬼討組の面々が一緒に吹き飛ばされていた。

 

 

「痛ってー……! ステラ、大丈夫か!?」

 

「うん、大丈夫」

 

「よし、アズも無事そうだし――」

 

「お館様!!」

 

「「「「「!!」」」」」

 

 

 杏寿郎の声がした方を向くと、そこには服の胸元が焼け焦げて肌が露出し、その露出した部分にかなりの火傷を負ったレジェンドが杏寿郎に抱き起こされていた。

 

 

「超師匠!」

 

「抜かった……オーロラルパワーとレジェンドプロテクトの維持よりここの蔵書の保護を優先して、そちらにエネルギーを回したらこのザマだ。場所が場所だけに反撃すればここに被害も出るから安易に反撃すら出来ん……あの野郎、自分達に何のデメリットも無いからと遠慮なくブッ放しやがって……!」

 

「無理に喋らないでください!」

 

「しのぶ……酷く見えるが実際は然程でもない、安心しろ。 かといってダメージが無いわけでもないがな。人間態ではあれしきの攻撃でまだダメージを受けるか……トレーニングメニューの再考が必要だ」

 

 

 無防備な状態かつ相当な威力のものが直撃したにも関わらず、そう言ってのけるレジェンドに心配と安堵が半々になる杏寿郎達。

 とはいえ、しのぶは急ぎ救急箱を取り出してレジェンド用に調合された薬品と包帯を使い、アズにサポートしてもらいつつ手早く応急処置を済ませる。

 

 

「……すまん」

 

「いえ、こういう時にこんな事を言うべきではないと思いますが……今の攻撃を受けたのがレジェンド様で良かったです。レジェンド様でこれならフーマさんは勿論、マジンガーZEROさんを除く誰が受けても確実に重傷……下手すれば即死だったかもしれません」

 

「完全無防備状態だったからな……万全の状態なら背後から受けても無傷なんだが」

 

 

 それはそれでどうかと思う……とその場にいた全員の考えが一致したのはさておき。

 

 

「お館様、先程の言い方から下手人について何か知っているようでしたが」

 

「ああ。って言っても奴は攻撃後さっさと離脱したのかもういない。ついでだからハッキリ言っておく。そいつに対抗出来る戦力は俺やマジンガーZEROを除けば今この場にいる面子だとゼロ(レイト)しかいない」

 

「ゼ……ゼロ師匠しかまともに戦えないって、どんな化け物なんでございますかですか超師匠!?」

 

「以前であればオーブやジードでもどうにか出来ただろうが、この俺が明らかにその差を理解出来る程、以前より力を増していた」

 

 

 ウルトラ戦士が表現するパワーアップとレジェンドが表現するパワーアップは比率が違う。

 分かりやすく例えると『最強フォームなら倒せる』と『究極フォーム数人でどうにか倒せる』くらいの違いだと思ってくれればいい。

 レジェンドがそうまで言う相手が敵にいると聞き、ゼット達は戦慄する。

 

 そして――。

 

 

「だめ……! そ、そんなの絶対に……

 

 だめぇぇぇ!

 

「「「「「!」」」」」

 

 

 倒壊した柱の向こう側から、ルリアの叫び声と共に強い力の波動を感じた。

 

 

「今の声は……ルリアちゃん!」

 

「声の感じから余程切羽詰まった様子だが……」

 

 

 蜜璃と小芭内がレジェンド達の意見を代弁していると、アルシャとヨハンが息を切らせつつ合流。

 

 

「あ! 良かった、団長さ……その怪我ッ!」

 

「アルシャ、ヨハンも大事無いか」

 

「一番大事になってるのは団長さんです! 絶対無敵を体現したような団長さんがこうなるなんて……」

 

「叡智の殿堂に気を向けすぎて修行不足が露見しただけの自業自得だ。お前達が気にするほどのことじゃない。それよりもあちら側にルリア達がいる、早く合流するぞ。願わくば、先の俺のミスで分断された他のメンバーが集まっていてほしいものだな」

 

「だからっ……あぁもう!」

 

 

 アルシャは視線の先のアズを見ると、アズも何が言いたいのか分かったのか、ダメージからか少しヨタヨタ歩きなレジェンドの左右に回り込み……。

 

 

「お……おい?」

 

「……うん、完全に気絶したりしてないから大丈夫」

 

「普通なら男の人の方がいいのかもしれないけど、心配させた罰代わりに私達で我慢してください!」

 

 

 強制的に、よくある『肩を貸してもらう』状態にした。

 その様子を見たしのぶはちょっとムッとしつつ、蜜璃は「愛ね! キュンキュンしちゃう!」と興奮気味。

 なお、本人達がやりたかったのもあるが実際のところ肩貸しベストであろう杏寿郎やゼットは戦力になるので、サポート型のアルシャや、まだ直接戦闘に向かないアズがレジェンドの補助に回った方が効率が良いのだ。

 

 ステラはゼットにくっついているので除外。

 おまけに経歴が経歴だけに、ある程度戦闘もこなせるので、やっぱりその二人が一番である。

 

 美少女二人に支えられるという、団長としては締まらない格好だがレジェンドは文句を言わずそのまま、ゼットや杏寿郎らが周りを固めつつルリア達の方へ向かう。

 どうやらレジェンドの願い通りに残りのメンバーが集結してたようで、レジェンドがアルシャとアズに支えられてる姿にはやはり一部女性陣がむくれ気味だったものの、治療された様子を見てこうなる直前のことを思い出した。

 

 

「レジェンド様、お怪我を……!」

 

「気にするな、アーシア。よくある火傷だ。特別な治療が必要なわけでもないし、神器による治療はしなくていい」

 

「レジェンド自身がこう言ってんだ。まずカタリナの方を治療してやれ。俺らの師匠はこの程度でへばったりしねーからよ」

 

「レイトさん……はい、わかりました」

 

 

 まだ少し納得しきれないアーシアだったが、レジェンド自身とレイトに言われては仕方ないようでカタリナの方へ駆けていく。

 

 

「カタリナに何かあったのか?」

 

「ちょっと足をな。まあ酷い怪我でも後遺症になったりするやつでもないし、俺のこの人間態の即席リカバリーオーラで止血もしといたから問題無いぜ。ってかそれ言ったらアンタのその怪我のがヤバいだろ! いくら完全無防備だって言っても、その完全無防備状態の人間態でコスモミラクル光線直撃したのに無傷で起き上がってくるようなアンタが、そうやって火傷受けたままってのがまずおかしいんだよ!」

 

 

 ……また一つ、レジェンドの(色々おかしい)武勇伝が追加されてしまった。

 スーパーウルトラマンとなったタロウの最強必殺光線を人間態かつ直撃を受けたのに無傷って何なんだホントこの光神!!

 確かにそんな存在が火傷を負ってそれを再生しないというのもおかしな話だが、その前問題があまりにデカ過ぎる。

 

 

「治療していないのは奴の目を欺くためでもある。『ウルトラマンレジェンドでも人間態ならば再生力はあまり高くない、もしくは再生出来ない』と。ぶっちゃけ全然そんなことはないが、そう思ってくれれば御の字程度にな」

 

「奴?」

 

「俺にこの傷をつけた張本人……レイバトスだ」

 

「レイバトスだと!?」

 

 

 レイトが大声を出した事で皆が振り向くが、レジェンドは丁度いいと思ったらしくそのまま続けた。

 

 

「お前の言う通り、そもそも完全な無防備状態ではあったが俺に何かしら傷を付けられる奴自体そうはいない。元のまま、もしくは少し強くなった程度なら大して問題なかっただろうが、直撃とはいえここまで明確に威力が上がっていたとなれば話は変わってくる」

 

「生半可なやつじゃまともな勝負にならねえってことか……今のところタイマンで勝機があるのは?」

 

「元々全力のお前でどうにか、というレベルだ。融合合体抜きで考えるなら遊撃隊に限定すると、ベリアルぐらいだな。最強・究極形態ならば複数人いれば十分勝機がある。グリッターティガなら一人でも問題無くいけそうだが」

 

「マジか……しかも勝機があるっつってもオーブトリニティやジードのウルティメイトファイナルを揃えなきゃいけないんだろ? どっちにしても難易度高すぎだろ。アイツ、聞いた話じゃ元の強さでも一発でオーブのトリニティフュージョンを解除するぐらい強かったらしいぜ」

 

「……こちらも単純な基礎戦闘力の大幅な底上げが必要だろう。奴は何処ぞの戦闘民族じゃあるまいし、死んで生き返ったからパワーアップしました、なんて簡単な話ではあるまい。おそらくはレイバトスの能力をそこまで引き上げられる『何か』がいるはずだ。最低でも強化されたレイバトスをも上回る何かが、な」

 

 

 正直かなり深刻な話だが、騒いだところでどうしようもない。

 状況が状況だけに、いざとなればゼットと一時的に強制分離してでもレジェンドが対処しなければならないかもしれない事態だが、頭に入れておくものの今は襲ってきた謎の物体の正体と浮力消失現象の問題、そしてガイアとアグルの救出を優先しなければ。

 

 そうしていると、似たような色の二人が落ち込んでしまう。

 ルリアとフーマだ。

 

 

「俺の所為……だよな。レジェンドがそんな怪我したのも、柱が崩れてピンチになったのも」

 

「バカ僧が」

 

「バッ……!?」

 

「言っておくが人間態で完全無防備の俺でもお前らとは比べ物にならんくらい、俺の基礎防御力は高いんだ。伊達に三超神最硬と呼ばれているわけではない」

 

 

 バカと若僧の合体造語をぶつけられ、唖然としたフーマにレジェンドは続ける。

 

 

「受けてみて分かったが、アレはお前というよりお前かタイガかタイタス……そして一誠を狙ったものだ。それを偶然お前が狙いやすい位置に出てきたからお前が狙われたに過ぎん。端的に言えば他の三人に撃たれる場合もあった。それに俺が割り込んだだけだ、お前が気に病むな」

 

「な……!?」

 

「今のお前らはこうして分離して活動しているものの、本質的には四人で一つの命を共有している状態にある。即ち誰か一人でもやられればまとめて四人御陀仏というわけだ。何でかは知らんが、それを奴は知っていてお前らを狙ったんだろう。なんせ上手くいけば四人(+一匹)が一度に葬れる上、それに関わる連中の精神にも大打撃だ。レイバトスめ、ダメージで済む俺に誤射ってザマーミロ」

 

 

 はっはっはと笑うレジェンドが多少なりともフーマに気を遣っているのを付き合いの長いレイトは気付いている。

 まだ責任を感じているとはいえフーマはある程度立ち直るも、今度はルリアの方が更に落ち込んでしまう。

 

 

「……レジェンドがこんな大怪我をしたのに私……少し戦えて、やっと力になれたって思ってて……!」

 

「え、ルリア戦ったの? マジで?」

 

「おお、言ってなかったか? こう……星晶獣の力を断片的に使う感じでな、俺ら前衛組を纏めて援護する形で」

 

 

 レイトが説明し、レジェンドがほうほうとそれを聞く。

 

 

「今までは召喚だけだったのに……成長したなぁ、ルリア」

 

「でもっ……!」

 

「――そうやって他人を思いやれるってところは、それ以上成長するのがなかなか難しいもんだ」

 

「え……?」

 

「成長する部分も、成長の仕方も、個人個人で差が出るものさ。全員同じならそれこそクローンじみてて嫌になるな、俺は。 ……自分の最初の頃を思い出してみろ。少なくともルリアは、アマリと一緒に俺達と出会った時より心も力も成長していると、俺は思っている」

 

 

 ――そんなレジェンドの言葉にルリアの心は温かくなる。

 そしてそれに同調するように……。

 

 

「我もー」

 

「私もですっ!」

 

「無論俺もでございます!」

 

「勿論、私もね」

 

「オーフィスちゃん……アーシアさん……ゼットさん……アマリ……」

 

『そしてレジェンドの真の専用機たる我が太鼓判を押してやろう。この場に出ていないゴジラとゴモラも同じ気持ちだろうからな』

 

「マジンガーZEROさん……」

 

 

 かつてアガスティアで出会った面子を皮切りに続々と同意する者が現れ、ルリアは嬉しさで泣きそうになった。

 ちゃんと皆は見ていたのだ、彼女が少しずつ成長していく姿を。

 

 

「フーマにも言ったが俺の怪我のことで気に病むな。この事で俺自身も修行不足を実感したところだ」

 

「え……常時修行中になるよう、不可視の枷を自分に厳重に付けてるアンタが?」

 

「あ! それもあったか! いや何かこう……エネルギーの巡りが悪いと思ったら、それもやってたんだよ! いやー、日常生活する上で当たり前になっててすっかり忘れてたわ。思い出させてくれてありがとう、レイト」

 

「ってオイ! アンタ素で忘れてたのか!? あんな見ている奴が真っ青になる、テクターギアが玩具にしかならないようなもん自分にかけておきながら!!」

 

「うん。慣れって怖いな」

 

「俺はあれに慣れてるアンタが怖ぇーよ!! しかもあれ自動でバージョンアップすんだろ!? 完全無防備どころか明らかに自分から弱体化しといてダメージその程度に抑えるとか、どんだけ戦力詐欺してんだアンタ!!」

 

 

 聞けば聞くほどレジェンドのトンデモ能力が判明していくというか、ある意味弟子の方が師匠のスペックや事情を理解してないか?

 そんな師弟のやり取りにようやくルリアとフーマを含めて笑みが零れる。

 

 

「さて、そんな皆さんに朗報です! こっちに抜けられそうな道があります!」

 

「わかったぜ! 姐さん、歩けそうか?」

 

「あぁ、アーシアのおかげで消耗した体力はともかく傷はもう無い。あとは団長だが……」

 

「私達が――」

 

「支えていきます!」

 

「「「「「むぅぅ〜……」」」」」

 

「レイバトスの一撃よか、こっちのがよっぽどキツイんですが」

 

 

 この機会を逃さんと、先程までと同様にアズとアルシャがレジェンドを挟む形で支えていた。

 ついでにいつの間にかオーフィスはレジェンドに肩車状態……抜け目無い龍神である。

 そんな大半の女性陣の心を独り占め状態なレジェンドをアザゼルが嫉妬の視線で見ているが……。

 

 

「お前には到底無理な光景だな」

 

「一々追加ダメージ与えんなよ邪竜騎士!」

 

 

 ゼロガンダムから手痛い追撃を受けるのだった。

 

 

 

 

 街に出たレジェンド達だったが、謎の物体は街にも跋扈しており一般人はおろか見た事も無い敵だからか警備隊の方も大混乱に陥っていた。

 カタリナが指揮を執ろうと思ったところに、レジェンドが前に出て――。

 

 

「攻撃タイミングに差異はあるが形状や性質は皆同じか。認識・鑑定完全完了。殲滅目標はあの謎の物体全て。該当目標以外への影響完全遮断。光気充填・集束・放射準備完了。

 

 ……ふんッ!!

 

 

 何やら呟いた後、レジェンドから途轍もない光の奔流が全方位に放たれ――一瞬の後、謎の物体は全て跡形も無く消滅していた。

 

 

「……ふう」

 

「え……えええっ!?」

 

「なんと! さすがお館様!」

 

「まさに絶技。しかも周囲に全く被害は無い」

 

「わあぁぁぁ! お館様凄い凄い!」

 

 

 まさかの出来事にアルシャが驚きの声を上げるが、杏寿郎や小芭内、蜜璃はレジェンドへ尊敬の念を向ける。

 なお、レジェンドがどういう存在か知っているレイトなどは「まあレジェンドだし」で納得してしまう。

 

 当の本人はというと。

 

 

「一先ず一掃したが、一時しのぎに過ぎん。出てこなければ御の字だが、再度出現した場合に備えて各方面の警備隊は今のうちに態勢を立て直せ! 被害状況と現状報告急げ! 手の空いている者は避難経路の確認だ! 負傷者の治療は最優先で行い、安全な場所へ速やかに誘導しろ! 戦えない者を戦場から遠ざける事が自分と相手の命を助ける事に繋がると心得よ!!」

 

「「「「「は、はいっ!!」」」」」

 

「……すげぇな。パッと見ただけですぐ指示飛ばしたぜ」

 

「はは……これでは私の立つ瀬が無いな」

 

 

 一瞬で状況把握し、街の警備隊に指示を出した。

 ビィやカタリナは勿論、レイトを始めとした一同もレジェンドの行動の速さに舌を巻いて感心する。

 

 そんな彼らの所へシェロカルテが小型騎空艇で現れた。

 理由を聞いてみると――。

 

 

「はい、実は……この災厄で私達商人も色々ありまして、小型騎空艇で各地を回ってるんですよ〜」

 

「商業も大変だな。ん、通信……ミツバからか。こちらレジェンド、どうした? ……タイミング悪過ぎだ、くそっ」

 

「どうしました?」

 

「ああ……どうやら俺らが叡智の殿堂で一騒動してるうちに別の島で怪獣が出たらしくてな。対処可能なメンバーと共にヒリュウ改でそちらに向かったらしい」

 

「ええっ!? それじゃあ、島の移動は……」

 

「俺達飛べるメンバーで運んでもいいが、全員はキツイ上に万が一落としたら――」

 

「ナシナシ! それ絶対にナシー!」

 

 

 同行していたジータが両手でバツを作ってレジェンドの案を却下、そもそも飛べる面子の体力的な問題もあって現実的ではない。

 それに、今はまだ落ち着いているがまたこの場に謎の物体が現れる可能性だってある。

 

 色々考えていると、ふとシェロカルテの小型騎空艇が目についたカタリナはとある案を思いついた。

 

 

「小型騎空艇……そうか、ちょうど良かった! シェロカルテ殿、頼みたいことがある。詳細を話せる時間は無いが、ルリア達を乗せてポート・ブリーズに行って貰えないか?」

 

「カタリナ!」

 

「あぁ違うんだ、ルリア。私は君を庇って言っているんじゃない。君を頼って言っているんだよ」

 

「星晶獣感知は現状ルリアしか出来ん。しかも今回はその星晶獣を如何に早く感知出来るかが命運を分けると言っても過言じゃない。その為にはルリアの同行が不可欠だ」

 

「団長の言う通り。今のルリアならきっと出来る。この世界を、皆を守って欲しいんだ」

 

「…………」

 

「そしてアマリ、ルリアを頼む。あのゼルガードというゴーレム、いや機体は君がいて始めて動かせると聞いた。ルリアと一番近く、そして長く共にいた君だからこそルリアの一番の支えになれる」

 

 

 ルリアとアマリ、二人の世話係として長く二人を見てきたカタリナだからこそ言える言葉。

 それは彼女らの心に深く染み込んでいく。

 

 

「けどこの人数……小型騎空艇だと誰を……」

 

「ゼルガードは飛べるから、私とルリアはゼルガードに乗って行くわ」

 

「怪我が残ってるレジェンドさんは小型騎空艇に乗って! 無理は駄目、絶対!」

 

「……いや、グランとビィ、それからジータが乗れ」

 

「「「「「え!?」」」」」

 

「もう一つあるだろう? 今の落ち着いているこの場なら安全に済ませて大勢乗れる手段が」

 

 

 レジェンドの言った手段に皆が悩む中、一誠とタイガがその手段に気付いた。

 

 

「「ダ・ガーンジェットだ!!」」

 

『ああ、今なら問題無く合体を済ませられる! 急ぎ指示を頼む、一誠!』

 

 

 以前はオカ研メンバーやランスロットやヴェインらを乗せて飛んだダ・ガーンジェット。

 戦艦ほど乗せれるわけではないが、島から島へ飛ぶには文句無しの移動手段だ。

 

 

「私達もこちらが一段落したら後を追うさ」

 

「僕とアルシャさんも残りますよ」

 

「はい! あ、団長さん。デートの約束、忘れないで下さいね!」

 

 

 カタリナとヨハンはともかく、アルシャの爆弾発言で何かレジェンドへ一斉に(特定の女性陣が)目を向ける。

 結局何かしらの形で不憫なレジェンドに一誠やタイガ、レイトは心の中で合掌。

 

 それはさておき。

 

 

「お前らだけじゃ島間の移動手段が無いだろ。俺もダブルオーライザー共々ここに残るぜ。相棒なら少し詰めりゃコックピットの座席裏に後二人、オーライザー側に二人は乗れるしな」

 

「ゼロ師匠!? でも、さっきの話じゃ……」

 

「連中がバカじゃなけりゃ、レジェンドが無事……とまではいかなくとも健在と知ったら無闇矢鱈と仕掛けるようなマネはしねえだろ。二度も同じようにやられるレジェンドじゃねえ。それに、万が一ここに怪獣とかが現れたら対処出来る奴が全くいないとマズいだろうが」

 

 

 ゼットの異論をバッサリ切ったレイトの意見は尤もだ。

 それにダブルオーライザーならばいざとなったらトランザムで一気に目的地までかっ飛んで行くことも出来る。

 

 そうしているうちにダ・ガーンジェットとゼルガード、シェロカルテの小型騎空艇の準備が整い――カタリナはルリアに再度声を掛ける。

 

 

「……頼めるか、ルリア?」

 

「……うん! わかったよ、カタリナ! 災厄の調査は私に任せて!」

 

「あぁ、その意気だ! アマリ、君も頼んだぞ。そして……ゼルガードも」

 

「カタリナも気を付けて。行くよルリア、ゼルガードの手に乗って。それからすぐコックピットに」

 

「うん!」

 

「団長、二人を……って何だそれは!?」

 

 

 カタリナがレジェンドに声を掛けようとすると、レジェンドはネオ・グランゾンを取り出して乗り込もうとしている最中だった。

 

 

「はわっ!? なんか物凄く強そうな……!」

 

「オイ!? アンタ、ダ・ガーンジェットに乗るんじゃないのかよ!?」

 

「移動中に襲われんとも限らんからな。ゼルガード一機に任せきるわけにもいくまい。マジンガーZEROでは強すぎるし」

 

「亜種とはいえ魔王獣瞬殺したそれも大概だっての……」

 

 

 確かに安心ではあるのだが。

 頼りきるのはいけないので今のところは移動と、その最中に起きる戦闘のみに限定してレジェンドは使う事にしている。

 

 そしてダブルオーライザーを取り出して乗り込んだレイトと、カタリナにヨハン、アルシャ……そしてレジェンドが指示を出した街の警備隊の面々が見守る中……ネオ・グランゾンとゼルガード、ダ・ガーンジェットにシェロカルテの小型騎空艇が発進。

 

 

「それでは皆さん、ご武運を〜!」

 

「ガンバレよ! 後でまた絶対に合流しようぜ!」

 

「ゼロ師匠に皆、お気を付けて〜!」

 

「バァカ! それはこっちの台詞だっての! まだ怪我治ってないレジェンドとネオ・グランゾンに頼り過ぎんじゃねーぞ!」

 

 

 ダブルオーライザーの右手人差し指と中指を立てて揃えたハンドサインを眺めながら、レジェンド達は島を飛び立ち……この災厄――浮力消失現象にまつわる、四大天司を巡る旅に出るのだった。

 

 

 

〈続く〉




『どうして空は蒼いのか』編、漸く本当のスタートとなりました。

久々にネオ・グランゾン登場……今回は移動手段扱いだけど。
だって本作オリジナル武装や縮退砲使わずとも「ブラックホールクラスター、発射!」で決着つきそうな機体をフルで使ったらヌルゲーみたいになるし……マジンガーZEROは本気のブレストファイヤー一発で空の世界終わっちゃうから。

レジェンドが色々自身に枷や制限を課してる理由ですが、彼が活躍してばかりだと周りが育たなかったり、彼自身の修行のためだったり色々ありますが、本作における『敵側との違い』というのもあります。
今回レジェンドが言っていたように『敵側は特に理由が無い限り手加減や遠慮をする必要が無い』に対して、レジェンド達は『周りの目や被害を気にしながら行動しなければならない』……勿論例外はあるものの、何事もただ全力全開でやればいいわけではないという事をしっかり学ぶ意味もあるんです。
味方側の宿命ですね。


それではまた次回。

二択決定戦! シン一人乗りする最終ゲッターはどちらだ!?

  • 真ゲッタードラゴン(大決戦版)
  • 真・ゲッター1(スパロボα仕様)
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