ウルトラマンレジェンド Episode.CROSSOVER   作:ハジケハムスター・ポッポ

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大変お待たせしました、いよいよ本章の見せ場の一つです。
彼らの戦闘シーンでは『目覚めた勇気』を流しながらお楽しみください。


それでは本編をどうぞ。


勇

 眼前にはゆっくりと迫る溶岩の怪人クマソガミ。

 

 離れた場所には心配する者、緊張する者、そして……自分達を信じ見守る者。

 大切な――自分達が守るべきもの。

 

 今、彼らの思いは重なり、勇者は真の姿へと至る。

 

 それが司るは――『勇気』。

 

 

☆

 

 

 クマソガミを決意の表情で見据えるギャスパー。

 その手には日常モードのバーンが、スーパーカー状態で握られている。

 

 

「準備はいい、バーン!?」

 

『勿論だ。見せてやろう、ギャスパー。私達の底力を!』

 

 

 バーンの言葉に力強く頷くギャスパーに、もうかつての怯え逃げていた少年の面影は無い。

 見守る者達が各々の思いを抱く中、遂に彼らは動いた。

 

 

「ブレイブ、チャージ!」

 

 

 手にしたバーンを発進させるように投げるギャスパー。

 

 ここまでなら今までと同じだろう、しかし今日は違う。

 ギャスパーの左腕に着けたバーンブレスが展開され、龍の顔のようになり――。

 

 

「バーン、ガーンッ!!」

 

「おおっ!!」

 

 

 そのバーンブレスから放たれたレーザーのようなシグナルサインをうけたスーパーカー状態のバーンが急ブレーキを掛けながら変形、飛び上がる。

 

 

「何かいつもと違うぞ!?」

 

『こ、これはもしや……!』

 

 

 タイガと、ダイレクター内のダ・ガーンが真っ先に反応する。

 

 

「ガーンダッシャー!!」

 

 

 バーンの左腕、ギャスパーがバーンブレスを着けている場所と同じ部分が光ると、突然巨大なトレーラーが出現。

 そしてサイド部分のウイングバインダーらしき部位が左右に展開、そこからなんとトレーラー前部の下方のバーニアらしきものが火を噴き、トラクタ部分ごとトレーラーを直角に持ち上げていく。

 

 

「「「「「うおおおおお!!」」」」」

 

「な……何だあれは!? 星の民でもあんなものは……」

 

「バカめ、派手な変形合体はロマンの塊なんだよ! それからガオガイガーやダ・ガーンみたいなタイプの勇者はな、ド派手な変形合体はイコール戦闘力の高さと言っても過言ではない!」

 

 

 女性陣は純粋に驚いているが、一誠やタイガら男性陣……それこそシンにグラン、リクとムウまでも大興奮。

 ミカエルは相変わらずだが……レジェンドに論破されて黙り込む。

 さすが、勇気で大概の事は解決してしまうGGGを直属組織にしているだけあって、凄い説得力である。

 

 丁度90度持ち上がったところでトラクタ部分が中央から左右に展開、その中に隠されていた頭部が現出する。

 いつの間にか現れていた腕部にドッキングして肩部になり、両腕を上げるように可動。

 実はトレーラーの時は見えにくかったが、サイド部分を展開した時に腕部も現れていたのである。

 

 さらに胴体部の胸部からドラゴンヘッドを形どった部位が出現し、上がっていた両腕部が下ろされドラゴンヘッドの周囲も完全に展開された。

 同時に前腕部の手首部分――爪を模したストッパーのような部分が展開され、中から両手が出現。

 

 

「たあっ!!」

 

 

 バーンが掛け声と共に飛び上がりつつキューブ状に折り畳まれ、何かを納めるように空けられていたスペースへと格納、バックパック部分が空いていた部分の蓋をするように閉じられる。

 

 しかし、まだ終わらない。

 

 額の宝石――ドラゴンストーンから放たれた光に導かれ、ギャスパーがその機体の中に入っていくのだ。

 一誠やリアス達が驚く中、顎部が少し下がり両眼に光が灯る。

 

 

龍 神 合 体 !

 

バ ー ン ガ ー ン ! !

 

 

 滾る力を光にして溢れさせ、左腕を突き上げその名を高らかに告げた。

 

 

「「「「「おおおおお!!」」」」」

 

『アレ? 俺のライバルってあっちじゃなかったっけ? アルビオンとかいう白いのじゃなくて、こう……色的にも赤と青で対照的なパワフル同士のバトルしてた気が』

 

 

 新たな姿のバーン、即ちバーンガーンを見た一誠らは一気にテンションMAX。

 おまけにドライグに至ってはアルビオンじゃなくて目の前のバーンガーンがもう片方の二天龍だと、存在しない記憶が組み上げられている始末。

 女性陣も、ルリアやステラのように目を輝かせる者や、アリーザやしのぶのように驚きが何より勝っている者など、反応は様々。

 

 

「……は? え?」

 

「ギャスパー……! あの子、あんなに立派になって……!」

 

 

 女性陣で例外は、この何が何だか理解が追いつかないミカエルと、かつてのギャスパーを一番知っているため、成長に大きな感動を覚えたリアスだ。

 

 様々な思いの視線を向けられ――彼らは今、クマソガミに立ち向かう。

 

 

 

 

 

 対峙するバーンガーンとクマソガミ。

 

 突如大きく変化した相手に警戒するクマソガミとは違い、バーンガーンの方は闘志が漲っている。

 自分は一人ではない――ギャスパーとバーン、二人の気持ちが重なり降誕したバーンガーンにもはや恐怖は無い。

 

 やはりと言うべきか、先に動いたのはバーンガーン。

 

 どっしりと構え、右腕を軽く引き――。

 

 

「バーンナッコォ!」

 

 

 勢いよく突き出すと、バーンガーンの右腕が射出された。

 バーンナックル、即ちロケットパンチ。

 何かが来るとは分かっていても、腕そのものが飛んでくるとは予想してなかったクマソガミは見事直撃をもらってしまう。

 

 

「うおおお! ロケットパンチだ!」

 

『ほう。押さえるべきは押さえているようだな。スーパーロボットの鉄板はロケットパンチと胸部からの攻撃、そして目からビームだ』

 

「あとあれだ、ミサイルとかもあるといいな」

 

『うむ。それに胸部からの攻撃は出来れば熱線類が望ましい』

 

 

 一誠が興奮しているのはいいとして、マジンガーZEROとレジェンドが言っているのはまんまマジンガー系。

 

 そんな話をしている間に態勢を立て直したクマソガミは、接近戦を仕掛けるべくバーンガーンへと突撃。 

 両手をそれぞれ大剣に変え、加えて威嚇するかのように背中に翼状の突起が生える。

 

 しかし、バーンガーンは怯まない。

 

 

「ツインランサー!」

 

 

 バーンガーンは二対の剣――正確には剣というより小剣、ないし小太刀が近い――を取り出し、クマソガミが大剣を振るうタイミングに合わせてクロスさせ、それを防いだ。

 

 

「おおっ!」

 

「うむ! 見事な防御だ!」

 

「だが、若干の体格差と武器の大きさが……」

 

 

 ハリベルの言う通り、重量差で少しずつバーンガーンが押され始めた。

 力の差はほとんどなく、前述のように重量による差が出てしまっているのだ。

 

 

「くっ……!」

 

 

 ――しかし、思いもよらぬ声が彼らに届いた。

 

 

☆

 

 

 時はほんの少し、バーンが合体を開始する瞬間まで遡る。

 

 レジェンドとマジンガーZEROは結託して眼前の状況をウルトラ騎空団の艦船全てに流していた。

 マジンガーZEROが自身の目で見た景色をレジェンドの専用多目的ブレスレットにリアルタイム転送、それをレジェンドが各艦船へ秘密裏にリンクさせ、各艦船の各モニターに遠隔操作で強制出力。

 色々とんでもないことをやっているが、それは『コイツらだから』で流してもらいたい。

 

 つまりギャスパーとバーンの勇姿はモニターを見ている団員達に筒抜けだったのである。

 

 

「おいおいおいおい! 何か熱い展開が始まってんじゃねえか! 畜生! 現場にいられなかったのが悔しいったらありゃしねえ!」

 

「えええええ!? 青がメインカラーとか私じゃないのか、普通!」

 

「相方がバーンじゃ、どうやってもベアじゃ無理でしょ……」

 

「いいねえ、なかなか正統派じゃない。ん……? ちょっとゴメン、盛り上がってるところ悪いんだけど……ソーンとニオ知らない?」

 

 

 エリアルベースではカミナを始め紅蓮と螺巌のメンバーが大盛り上がり、ベアトリクスとゼタがいつもの調子でやり取りし、シエテも感心……した直後に同じ十天衆の二人の不在に気付く。

 

 

「ソーンさんとニオさんでしたら、この映像を見てすぐに飛び出して行きましたよ」

 

「ニアちゃんんんんん!? そのままスルーしちゃったの!?」

 

「はい♪ 何やら切羽詰まった感じでしたので」

 

(あ、そういえばソーンって飛べたのよね……ニオも一応飛べたけど、あの大きさならソーンにくっついて行った方が早いか)

 

 

 ニアがのんびりとシエテに教えると、ヨーコは内心レジェンド達が何処にいるか判明したのでそこへ直行したのだろうと、ソーンとニオの行き先を予想した。

 正にビンゴだったのだが。

 

 

「ワムも行きたいけど、レジェが困るから我慢。ワムは良い子なので」

 

 

 ロリっ娘の姿の六龍の碧――ワムデュスがふよふよしつつ、自賛しているとはいえしっかりとレジェンドの身を考えて行動しているのは確かに良い子と言えた。

 

 

 

 

 

 ペガサスAでもやはりバーンガーンへの合体でモニター前は大騒ぎ。

 

 

「ナタルがいたらまた騒いでたわね、絶対」

 

「確かに」

 

「にしてもいきなりあの大きさのトレーラーが出てくるってのは、格納庫のスペース的に欲しい技術ですよ! 機体や装備が増えりゃハンガーをその分、圧迫しちまいますからね」

 

「それはあるな。しかもあの機体、少なくとも必要なものは全て本体に揃っている。基本的に武器を外部から装備する手間が無いのは、戦闘準備の時間がそれだけ短縮出来るという大きなメリットだ」

 

「しかもそれは機体のサイズに基準する。小型ならまだしもMSクラスになってくると人の手だけでなく大型の装置も使わなければならない。 ……自身の手だけでやりそうなのもいるが」

 

 

 マリューとノイマンはともかく、マードックにアポロンゼスト、そして艦長の勇治は完全にメカニック目線。

 ついでに勇治が言った『自身の手だけでやりそう』なのは当然の如く、どこぞの研究施設を大剣と斧でブッ壊しまくった男である。

 

 

「ちょっと気になったんだけど、あの青い機体……顔

がデュエルとかに似てない?」

 

「ああ、うん。確かに」

 

「ゼットさんのZガンダムとかのが似てるだろ?」

 

「それはそうなんだけど……」

 

「ミリアリアが言ってるのは、MSじゃないのにって点だろ。大きさも同じくらいだからな」

 

 

 ここで兄貴分のミゲルがミリアリアの疑問を的確に捉えた。

 ミリアリアもそれが嬉しいのか『そう、それ!』と笑顔で頷きながら肯定している。

 

 

「そういうことか。言われてみればダ・ガーン達とも似てるっていうか、どっちかっていうとデュエルやイージスとかよりダ・ガーン達の方に似てるかも」

 

 

 サイが納得したように首肯する。

 

 しかし、忘れてはいけない事があるのをお分かりだろうか……?

 

 

 

 

 

「また俺一人で全部やらされてるのどうにかなりませんかね!?」

 

「「「「「あっ……」」」」」

 

 

 

 

 

 もう艦長副長含めてブリッジクルーの役割全て一人で熟してるも同然な前宮流、別名ウルトラ騎空団の火野映司。

 

 索敵してから各種砲塔や発射管のトリガーコントロールを自身のパネルに移行して、更に操舵しながら確実に迫って来ていた魔物に全弾直撃。

 有り体に言ってバケモンである。

 

 

「え……マジか!?」

 

「やはり私が見込んだ通りだな」

 

「シエルさん、おたくのマスター兼艦長を部屋にブチ込んできていいですか」

 

『お願いします。必要ならばクロロホルムも提供しますが』

 

 

 ――その後、場が落ち着いた事で制御AIのシエルにコントロールを任せ、流はというと『強制的に休ませる』名目で勇治にウルトラパワー全乗せボディブロー&クロロホルムという力技を叩き込み、気絶した勇治を肩に担いで彼の部屋へ運んで行った。

 いつもの彼の激務を考えれば、これくらいは許されるだろう。

 

 

「……何かMSの関節がブッ壊れるような音がしてたんだけど」

 

『マスターなら問題ありません、数日休めば全快しますから。レイオニクスの中でも桁違いに頑丈なので』

 

「レイオニクスってすげーな……」

 

「ラスティ、レイオニクスが皆あんなわけじゃないからね?」

 

 

 ライがそう注意しておくが、彼らは既にレジェンドやドギーのような、レイオニクスでなくともバグってる連中を見ているのである程度は理解している。

 

 ――レイオニクスじゃないのにすげーな、って意味だけど。

 

 

 

 

 

 最後にヒリュウ改。

 

 

「そうだギャスパー、バーン! 困難と知ってなお立ち向かう諦めない心! それが勇気だ!!」

 

「凱機動隊長が先ほどから荒ぶっていますね」

 

「でも気持ちは分かるかな。リク君から聞いたばかりの頃とは大違いだもん」

 

「最近のアイツはしっかり飯食うようになってたしな。ウルトラ騎空団総料理長としちゃ、それが一番だぜ」

 

「ああいう子は一気に伸びるわよ。壁ってのはね、大きけりゃ大きいほど超えるのは大変だけど……逆にそこを超えちゃえばあとを駆け上がるのは苦じゃないから」

 

 

 凱、ボルフォッグ、命に加えてジャグラーとサギリがハンガーに備え付けてあったモニターで観戦し、案の定凱が一番盛り上がっていた。

 休憩時間だというのにその場のノリでIDアーマーを装着する程に。

 

 

「む、相手に変化が……」

 

「アイツも翼みたいなのを隠していたのか」

 

「ちょっと押され始めてるわね……」

 

「やっぱりあの形態での戦闘に慣れていないのが厳しいわ。何とか反撃の切っ掛けが――」

 

「負けるな、バーンガーン!!」

 

 

 突然今まで以上に声を上げた凱に命達はビクッとするが、続けた凱の言葉は彼女らの心に響いた。

 

 

「本当なら今すぐ駆けつけてやりたいが、今俺達に出来ることはこうして聞こえるか分からない声援を送ることだけ……! だからこそ、こんなちっぽけなことでも俺は全力を尽くす! 何故なら、君達が全力で戦っているからだ!! 押し返せ、バーンガーン!! 相手の大きさが何だ! 勇気の大きさなら君達の方が何倍も上だぜ!!」

 

 

 勇者王らしい、熱いエール。

 

 そして彼だけではない。

 

 

 

 

 

「青くて剣を持ってんのは強え奴の証拠なんだよ! 俺や相棒みたいにな! そんなありきたりの溶岩野郎なんざぶった斬れ、バーンガーン!!」

 

 

 ダブルオーライザーのコックピットで、カタリナやエルシャらと見守るレイト(ゼロ)。

 

 

 

 

 

「今のお前らにとっちゃソイツは大した敵じゃねえだろ。デビュー戦のカモになってくれた礼として、跡形もなくブチのめしてやりな!!」

 

 

 後継者になりそうなシンに続き、期待していたギャスパーが遂に立ち上がったことでテンションが上がっている竜馬。

 

 

 

 

 

 彼らを皮切りに各々の場所でバーンガーンへの声援が次々と湧き上がる。

 

 声は届かないだろうが、せめて思いだけは。

 

 ――しかしレジェンドは満足しない。

 

 そう、『思いだけ』などという半端なことに。

 

 

☆

 

 

 クマソガミの重撃に耐えるバーンガーンだが、彼の……いや彼らには、彼らを応援する声が聞こえていた。

 バーンガーンの中にいるギャスパー、彼の多目的ブレスレットを通じてウルトラ騎空団の団員達の声援が二人に届いていたのだ。

 

 

『バーン、皆が……!』

 

「ああ、私にも聞こえるぞ、ギャスパー!」

 

『僕達はあいつと戦っているけれど、戦っているのは僕達だけじゃない!』

 

「今この場にいない皆も、私達の背中を押してくれている!」

 

『やろう、バーン!』

 

「行くぞ、ギャスパー!」

 

 

 多くの声援を受け、再び勇気の炎を滾らせた二人――バーンガーンは脚を踏ん張り、クマソガミが変化させた両手の大剣を弾き飛ばそうと力を入れ、徐々に腕を開かせていく。

 

 訂正しよう、バーンガーンは大剣を弾き飛ばそうとはしていない。

 弾き飛ばすのは、否――吹き飛ばすのはクマソガミそのものだ。

 

 気付いているだろう。

 バーンガーンの胸には何があるのかを。

 

 

「ドラゴンバースト!!」

 

 

 バーンガーンの胸の龍頭から特大の火球が放たれ、反応も防御も出来ずに至近距離でそれを受けたクマソガミは大きく吹き飛ばされた。

 合体前でも使えたドラゴンバーストだが、元々の出力やサイズは勿論のこと、ギャスパーを勇気の源として体内に取り込んだバーンガーンのものはバーンの時より遥かに威力が高い。

 

 

「「「「「よっしゃあああああ!!」」」」」

 

 

 正に形勢逆転。

 一誠にトライスクワッド、グランにビィにスタン、さらにシンやムウ、リクとゼットも大歓声を上げる。

 ルリアとステラも手を繋いで喜びジャンプしているし、杏寿郎ら鬼討組は後方師匠面というか、うんうん頷いていた。

 

 問題は自身も気付かないうちに、ミカエルにテキサスクローバーホールドを炸裂させていたレジェンドである。

 アマリやアズが必至に止めさせようとしているが、悲しいかな盛り上がっているこの場の空気がそれを阻む。

 

 それはともかく、不意を突かれて吹っ飛んだクマソガミはかなりの大ダメージだったらしく、未だ態勢の立て直しが出来ない。

 

 つまり千載一遇の好機。

 

 ここでバーンガーンは勝負に出ることにした。

 

 ――そう、己の切り札……つまり、必殺技。

 

 

「デュアルランサー!」

 

 

 先程まで大剣を受け止めていたツインランサーの柄を連結させ、さらに折り畳まれていた翼が展開される。

 そして軽快に回転させながら軽くジャンプすると、デュアルランサーの片刃から虹色に輝く光が放出され始めた。

 

 

「これは……来るぞ!」

 

「必殺技だな!」

 

「よぉし、いけぇ! ギャスパー君、バーン!」

 

「そういやさっきからダ・ガーンが静かなんだけど」

 

 

 一誠が少し気になる事を口にしたが、それよりもクマソガミが何とか立ち上がり今度は両手を弓と炎の矢に変え、バーンガーンへと狙いを定める。

 

 しかし、バーンガーンは止まるどころか脚に力を込め、ブースターまで使って突撃してきた。

 

 

「これで決める!」

 

 

 慌てて炎の矢を放つも、照準がブレた炎の矢では勢いに乗るバーンガーンに当てることは出来ず、回避され――バーンガーンはそのまま高く飛び上がる。

 

 デュアルランサーを両手持ちして振り被った瞬間、バーンガーンとギャスパーの姿が重なった。

 

 

 

 

 

「『はあああああっ!!』」

 

インペイル! ノヴァ!!

 

 

 

 

 

 急降下による加重速度を加え、エネルギーを片刃に収束したデュアルランサーが全力で振るわれ――縦一文字にクマソガミが斬り裂かれ真っ二つになった。

 勢いそのままにデュアルランサーを振り抜いた体勢そのままのバーンガーンが片膝立ちの状態でクマソガミから離れる*1と、真っ二つにされたクマソガミの身体がズルリとズレた瞬間、クマソガミは盛大に爆散。

 

 ――そう、バーンガーン……ギャスパーとバーンの勝利、それも多少の苦戦はあれど、目立った損傷も無い完全勝利。

 デビュー戦に相応しい、彼らの奮闘による記念すべき結果である。

 

 デュアルランサーを片手で携え悠然と立ち上がったバーンガーンに、各艦で見ていた者達から何度目か分からない大歓声が上がった。

 

 

「「「「「やったあああああ!!」」」」」

 

 

 当然、その場で直に見ていたリアス達も喜びの声を上げる。

 ようやく一段落ついたところで、一誠はダ・ガーンに聞いてみることにした。

 

 

「あ、なあダ・ガーン、さっきから何で黙ってるんだ?」

 

『一誠……私も、私もバーンガーンのあのインペイルノヴァのような必殺技がダ・ガーンブレードで欲しい……!』

 

 

 別の意味で切実な理由だった。

 まあ確かに一文字斬りだとか十文字斬り、という普通の技しかないのに対し、初戦でいきなり武器を使った派手な必殺技がブッパされ……締めまでカッコいいのはダ・ガーンにとっても精神的にキたのだろう。

 

 

「き……気持ちは分かるけどさ、ダ・ガーンにはブレストアースバスターって必殺技があるだろ」

 

『ああ。だが私はこう……身体をフルに使った必殺技が欲しいんだ! ガオファイガーのヘル・アンド・ヘブンもそうだろう!?』

 

「そう言われりゃそうだけど……」

 

『そこで天司を沈めている光神レジェンドも――』

 

「「「「「……え?」」」」」

 

 

 ダ・ガーンの一言は、声援に対し空いている手でサムズアップを返していたバーンガーンすら固まり、レジェンドの方を向いてみれば……。

 

 

「…………」

 

「ふう……」

 

「「「「「おいィィィィィ!?」」」」」

 

 

 キャメルクラッチを決められてぐったりしたミカエルと、満足気なレジェンド。

 あと気付いていたけど止める気無かったマジンガーZEROとジェント。

 

 それから指でツンツンするのはやめなさいオーフィス。

 

 

「盛り上がりに乗じて俺もテンション上がってったから試しにホールド技掛けてみたけど、面白い程にスイスイ決まるのな。コイツ弱過ぎなんだが本当に天司?」

 

「超師匠にレスリングで対抗出来る御仁は悪魔将軍ぐらいしか知らんでござるです!!」

 

「大丈夫だろ洞窟の壁にマッスルインフェルノしたわけじゃあるまいし」

 

「この高熱と溶岩の洞窟の壁にそんなんしたら、頭から伝染して身体も熱でヤベーことになるわ!!」

 

 

 ゼットはともかくアザゼルまでツッコむ事態になってしまったが、当のレジェンドはどこ吹く風。

 

 しかも……。

 

 

「とりあえずだ。風のヘタレには逃げられたが、ミカエル(このバカ)は確保出来たし、続く水の天司探しに行くぞ。向かうはアウギュステ、一連の事件の始まった場所にして……一連の事件解決の暁にはバカンスを行う島だ」

 

「よっしゃー!!」

 

「バカンス……海の幸とかですか!?」

 

 

 ムウとシンも懐柔された。

 ただし、純粋に美味しい食べ物に目を輝かせるシンは育ち盛りだし可愛く見えるが、ムウは何というか、男の性である。

 

 

「あと何かあの謎の物体がその進化系みたいなの連れてこっち来てたんで、光気ぶつけて殲滅しとした」

 

「いやそれ重要な情報じゃないスかね!?」

 

 

 一誠のツッコミは誰もが思ったが、ありがたい事この上ないので、この機に街まで戻る事に。

 合体解除したバーンとギャスパーは緊張から解放され、共に初の合体戦闘だったこともあり満身創痍だったが、リクがギャスパーをおぶり、持ってきたリュックの中にバーンを入れてそれをギャスパーが背負った。

 ヒョコッとリュックから落ちない程度に頭を出したバーンがギャスパーと労い合っていて微笑ましい。

 

 ――ただし、相変わらずミカエルはオーフィスが足を掴んで引き摺っていくのであった……。

 

 

 

〈続く〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「「「トリプル・ゼロ?」」」」」

 

「はい、終焉を超えた誓い(オウス・オーバー・オメガ)……略してトリプル・ゼロ。私と夫はそう名付けました」

 

「ざっくばらんに言うとひっじょーに! めんどくさいエネルギーです。以上」

 

「「「「「ざっくばらん過ぎィィィィィ!!」」」」」

 

 

 惑星レジェンドにて、一通りの出航準備が終わったラカム達を含め、アベルと獅子王夫妻によるトリプル・ゼロの講義・説明が行われていた。

 ……が、アベルが嫌そうな顔であまりにいい加減な説明をして終わらせようとして他の全員からブーイング。

 

 

「いやだってホントにめんどくさいですし、この『エリア』にはもうありませんし。まあ詳しくは光神眷属用◯ikiでも閲覧してください。ノアとキングの方のやつになりますけど」

 

「それ、役に立つのかよ……?」

 

「ぶっちゃけあっちの貴方達GGG、おまけにキングジェイダーもまとめてそれで敵に回ってたそうですし、予防接種代わりの豆知識程度にはなるんじゃないですかね」

 

「「「「「おい物凄い爆弾発言あったんだが!?」」」」」

 

「ザ・パワーの原液だったりしますけど、それもあっち側の話ですしね。仕方ないから分かりやすく説明しますが、とどのつまり『新しい宇宙創るために今ある宇宙をぶっ壊そう! 覇界だ覇界ヒャッフー!』なエネルギーで、これに侵食されると『ヒャッハー! 宇宙を覇界だー!』する変態になります」

 

 

 アベルのあんまりな説明に、獅子王夫妻やパピヨンなど一部を除きGGGメンバーは「あっちの自分達は変態になったのか」と咽び泣いている。

 ……そしてソルダートJも。

 

 

「ともかく安心してください。こっちではそうなりませんから。なにせこっちのザ・パワー、遥か昔レジェンド様が戦った時に放出した光気の残滓ですので」

 

 

 そう、もっと良心的に言うとそのトリプル・ゼロ関係は光気関係に置き換わっており(しかもレジェンド絡み)、ノアやキングの『エリア』で遊星主がやらかした結果、GGGやキングジェイダーが覇界の眷属だのになってしまったわけだが……。

 

 

「あの変態露出狂率いる欠陥品軍団がやらかしたおかげでレジェンド様直々に動いて『ここまで修正めんどくさい事やりやがって。よし三重連太陽系諸共バカ共を消してやろう』なんて事になってたところを、貴方達が『光になれー!!』してくれたから、レジェンド様は貴方達の救出だけで済んだんです」

 

「わ……私達は消される寸前だったのだな……」

 

「あっちの場合はラティオとアルマを射出してそのまま取り残された結果がヒャッハーです。こっちでは違いましたがあっちでは超エネルギーが空間内に満ちてたそうです。例えるとシャブ漬け、もずくスープ」

 

 

 アベルの例えにまたもGGGメンバーは泣き崩れた。

 自分達ではないとはいえ、別の『エリア』の自分達が変態化(違う)した事を散々言われればそうもなろう。

 

 そんな彼女だが、まだ彼らに言っていないことがある。

 

 上述の通り、ザ・パワーは太古にレジェンドの発した光気の残滓なのだが……レジェンドいわく、『垢』。

 

 さすがにそれは告げたら再起不能になるだろう、というアベルの優しさからだった。

*1:
いわゆる『レースなどでゴールした瞬間ブレーキをかけて、停止までに少し時間がかかる』慣性の法則的なアレ。




バーンガーンはしっかりとまともな戦闘をこなしているのに、その背景であちこちギャグちっくな動きがチラホラと……。

おまけ的な方は本作が『ガオガイガーVSベターマン』に繋がらない理由みたいなものです。
ついでに本作で凱がエヴォリュダー化したのはギャレオン内に残留していた光気がGストーンと奇跡の超反応起こしたから、本来なら命も同タイミングでエヴォリュダー化するはずだったが機界新種から元の命に戻る際に光気が消費(凱のエヴォリュダー化が優先され既に減っていた)されていたため、セミエヴォリュダー止まりでした。

それよりも一番酷いのが『ザ・パワーはレジェンドの光気の残滓(年代物)=垢』w
つまり……垢でパワーアップしてバトり、垢を使って合体し、垢を体内で暴走させられてZマスターは敗れた……文字にすると滅茶苦茶酷いなコレ。

次回は特別編の『世紀末の魔術師』の幕間になりそうです。
あと少しで仕上がる予定。


それではまた次回。

以下のメンバーではどこがお気に入り?

  • 獅子王夫妻らもいるGGG(+アベル)
  • 超魔改造シンとセフィロス達
  • ザックスとエアリスもいるFFⅦ組
  • にゃんこ達もてんこ盛り蛇倉苑
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