ウルトラマンレジェンド Episode.CROSSOVER   作:ハジケハムスター・ポッポ

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約三週間、音沙汰なしですみません。
何分新しく入った外国人学生に仕事を教えるのが難しく、中々執筆時間が取れず気絶に近い寝落ちが頻繁に起きてました。もう少しの辛抱と言われましたが、そうだといいなあ……。

今回は久々にかなり多くのキャラが出演します。まさかな人物がまさかなことをしていたり、予想外の絡みもありますので長くなった分楽しんで頂ければと。

特にSEED勢、大活躍です。特に『彼』が。
そしてアスラン、遂に報われる……!?


それではどうぞ。


特別編・宴、開幕〜バカ騒ぎはウルトラ騎空団の華〜

 レジェンドがストック召喚を終えたその日の夜。

 

 予め済ませていた『準備』によってウルティメイ島のレジェンド別荘とバビロニア島の首都ウルクのジグラットを繋ぎ、加えてウルク全土を挙げるという大規模な宴――即ち歓迎大宴会。

 

 開始時刻にはなっていないが、待ち切れなかったのか予想以上に早くほぼ全員が集合。ほぼ、というのは米花町組がまだ帰って来ていないためだ。

 

 何でも連続爆破事件に巻き込まれて『爆弾を遠くに持っていこうとして自転車を走らせていた、よく遭遇する探偵事務所の子を庇った散歩中のアキレウスが負傷して入院』やら『マリューがムウとオールナイト上映の映画を見るために待ち合わせた米花シティービルが爆破されて、これまたよく遭遇する探偵事務所の一人娘や他の客と一緒に閉じ込められた』やら聞いている側としては真っ青になる出来事に合っていたなら仕方ない。よく無事だったな、としか感想が出ないのも当然と言える。

 

 マジで大丈夫か米花町組。

 

 そういうわけでいざ宴開幕――となる直前に待ったをかけたレジェンド。ここで盛り下げんでも……と誰もが思った直後に彼はサプライズ召喚を実行したのだ。

 

 そして呼び出したのは……。

 

 まずセイバー、真名をイノーバ。

 続いてキャスター、真名をクローディア・ラサール。

 

 これにセフィーロ冒険組や初代マクロス関係者は又もや度肝を抜かれる事になった。片やエメロードからザガートへと贈られた、人型にもなれる精獣。片や初代マクロスの主任オペレーターにしてフォッカーの恋人。

 

 つまりどちらもレジェンドが呼び出した三人に関わる人物(片方は精獣だけど)な上、クローディアの方はレジェンドを始めとするフォッカー以外のマクロス組と、イノーバの方はエメロードとザガート以外のセフィーロ組と面識があったのである。

 

 召喚したばかりのイノーバは案の定レジェンドをマスターと認めるかどうかはこれから、と告げたのだが……直後に生前の主であったザガートから途轍もないプレッシャーをかけられ、加えてエメロードの姿も確認した途端に萎縮。

 レジェンドのチートラマンぶりを滾々と各所から説明され、真っ青になりつつ手の平返しで忠誠を誓った……のだが、レジェンドはマスター権のみ保有するということで、指示権はザガート及びエメロードへと譲渡。

 これはイノーバが生前、エメロードからザガートへと贈った精獣であることに由来したレジェンドの計らいであった。

 

 ……が、本音は『あ、こいつエメロードかザガートの言う事しか聞かねーな。めんどいからもう二人に指示権押し付けちまおう』とレジェンドがイノーバを召喚してすぐ思い立ってしまったからである。

 

 まあ、レジェンドも彼ら三人も満足行く結果となったので良しとしよう。

 

 クローディアの方は比較的円満であったが、これまたレジェンドの計らい――こちらはフォッカーも絡んでいた――により、空の世界においても貴重な品である『久遠の指輪』をフォッカーがクローディアに渡してプロポーズ。宴の開始直前に呼ばれるだけでなくプロポーズまでされるとは予想だにしていなかったクローディアだが、NO返事などある訳がなく笑顔で承諾。

 改めて『クローディア・フォッカー』と自己紹介をし直すとレジェンドの拍手を皮切りに宴の場は盛大な拍手と歓声に包まれる。

 

 サプライズは失敗する可能性も高いと言われるが、レジェンドのそれは見事大成功。

 

 かくして、新しいメンバーの歓迎会と再度セフィーロへと渡るメンバーへの激励会も兼ねた大宴会が幕を開けた。

 

 

 

 

 宴が始まってすぐにカドック達も一時帰還。やはりアキレウスの入院やマリューが巻き込まれたことを心配する声が多い。

 

 

「……ってわけでよ。恐ろしく頭と行動力がずば抜けたガキなんだが、少しは自分のことも考えろってんだ全く……」

 

「しかも犯人があの森谷帝二だとは……」

 

「森谷帝二……モリヤテイジ……モリアーティ?」

 

「ミゲル君、いくら名前が似てるからって私は関与してないからネ? いやホントに」

 

 

 ぶっちゃけモリアーティなら本気を出せばそれ以上の結果になるだろうがそれは置いておく。

 

 

「実際はラミアス艦長だけでなく、私やカドックも巻き込まれたのだけれど。あの子達を送る為に乗った電車で」

 

「ああ、あの時か」

 

「爆弾何処にあったんだっけ……確か線路の間だったと思う」

 

「それに気付いて警察に告げた矢的先生を、何かあの子が驚いて見てたわね」

 

「フォウ……(あいつか……)」

 

 

 以前いきなりお手をさせようとしてきてフォウくんビンタをブチ込んだ少年を一発で思い浮かべ、今度やらかしたらキャスパンチをかまそうと誓う我らがウルトラけものであった。

 

 

「……というかキリシュタリア、アンタ変わり過ぎだろ! いつもの褌姿はどうしたんだ!?」

 

「これこそ私の新ジョブ『ライジングフォース』さ!」

 

「パンクロッカーの間違いじゃないのか!?」

 

「よぅしやろう、アオイドスさん! フォウくん! 突撃ラブハートだ!」

 

「フォーウ!」

 

「任せろ、ワクセイドス。俺はこの日の為に全パートの練習を重ねてきた……さあ! 過激にFire!!」

 

(((((ワクセイドスー!?)))))

 

 

 アオイドス恒例の『バンドメンバーに色+ドスな名前をつける』が発動。ただし、何故かキリシュタリアは惑星轟から取られたワクセイドスとかいう名前にされた。しかも本人は気にしていない。

 

 なお、フォウくんはフォウくんらしい。何故かと問うもフォウくんだからとしか返ってこなかった。フォーウ。

 

 

 

 

 

「え? 新型?」

 

「うん。キラの反応速度が最近さらに上がってきてるから、そのうちメサイア側が対応出来なくなると思ってね。今までがカスタム機だったし、この際それを元に再設計し直して作っちゃおうと思って……もう作っちゃった

 

「相変わらず早いね!?」

 

「燕驚異のメカニズム、ですわ!」

 

「えへ☆」

 

 

 どうやら強化型メサイアではなくガチモンなキラ専用の新型バルキリーを燕が拵えたと知ったキラとラクスは、びっくりしつつも彼女ならと納得。一方アスランは友人が二機目のバルキリーを貰ったと聞いてそろそろ精神がヤバい。

 

 

「一応メサイアを参考にしてるって事で、名前は『VF-25EX-F メサイアフェーダー』にしたよ。勿論強化型メサイアで使えた専用パックは全種使用可能! というか、最初からそれらの使用を前提としてるから前より使いやすくなってるんじゃないかな。そこらへんはキラに乗ってもらってから調整した方がいいかも」

 

「フェーダー……ドイツ語では羽。さしずめ救世主の翼、でしょうか。素敵な名前ですわ」

 

 

 わいわい賑やかな女子二人に対し――。

 

 

「あ……あぁあ……」

 

「なあキラ、アスランが本気で死にそうなんだが」

 

「そこまでして無理にバルキリー乗る必要ないよね、アスラン。というか燕から度々『蹴り癖の所為でバルキリーに向いてない』って何度も言われてるじゃないか」

 

「確かバルキリーって脚が重要なんだよな。ガウォーク形態なんてそれが嫌という程見てて分かるし」

 

「ラスティの言う通りだよ。加速は勿論、ブレーキをかける時も脚部のメインスラスターを使うから」

 

 

 何か横たわって涙を流すアスランを見つつ、飲み物片手に談笑するキラ、ミゲル、ラスティ。

 

 

「しかしまあ……何ていうかさ、キラってアスランより可変機の扱い上手くない?」

 

「!!!!」

 

「イージスの変形はあれ結構キワモノ路線だったけどさ、それを差し引いてもファイター・ガウォーク・バトロイドの三形態を使い熟して縦横無尽に飛び回るとか普通にアスラン以上じゃん」

 

 

 もうやめてラスティ! アスランのHPは0よ!

 

 どうやらニコルもどうやって慰めようか困っており、ディアッカはおろかイザークすらドン引き状態の今のアスラン。

 

 そんなときに救いの手が差し伸べられ――。

 

 

「いつまで凹んでんじゃおらー!!」

 

「ごふうっ!?」

 

「「「「「アスラーン!?」」」」」

 

「うわ、良いの入ったなー」

 

「ですわね。股間でないだけ有情ですわ」

 

 

 ――なかった。

 

 苛ついた燕が思いっきり腹にストンピング。元クルーゼ隊の面々も流石に心配するが、本来心配するはずのキラ(友人)ラクス(元婚約者)はむしろ燕派。

 

 

「お……おごご……!」

 

「キラだってMSとバルキリー、それぞれ乗ってる時の戦法を使い分けてるのに……アカデミーとやらで首席だったらしいアンタがそれを何で出来ないの!?」

 

「燕、きっと最近のアスランは髪の生え際の事ばかり考えているからですわ。いっそツルツルにしてみれば逆に悩む必要も無くなり、柔軟な思考が可能になるのでは?」

 

 

 ……燕の意見は真っ当だが、ラクスのそれは悪意があるようにしか聞こえない。ちなみにキラは自分の髪を手鏡で確認し「うん、全然大丈夫」と一人頷いている。

 

 

「じゃあ新しい名前はツルリン・テカだね」

 

「やめろォォォォォ!!」

 

「だったらお前もウジウジをやめろデコ助野郎!!」

 

「がっファ!?」

 

「……いやアスランってマジ首席卒業なんだけど、そんな奴をぶん殴って数回バウンドさせながら何メートルもブッ飛ばす燕って何者……?」

 

 

 ディアッカが頬を引き攣らせながら呟く。今メカニック昔アサシンとかバルキリー大好きとかは分かるが、バーサーカー特性持ってても不思議じゃないパワーもあるとか何この子。

 

 

「せっかくキラの友人だし(これ以上しつこくされても鬱陶しいから)専用のバルキリーぐらい用意してあげようと思ってるけどさあ! お前がそんなんだから一向に先に進まないんだよ! 乗りたきゃ本気で自分を省みなさい!!」

 

「俺専用のバルキリー!?」

 

「燕、いつも夜遅くまで頑張ってましたわ。眠そうな目を擦りながら」

 

「だからアスランも真面目に頑張ってよ。じゃないとジャスティスに後ろから反応弾撃ち込むから

 

「「「「「物凄く物騒だー!!」」」」」

 

 

 燕の爆弾発言で復活したアスランだが、今度はキラからとんでもないプレッシャーをかけられる。ミサイルか、酷ければスーパーアグニがブチ込まれるかと思ったらそれ以上にヤバいものを持ち出してくるあたり本気で容赦無い。

 

 なお、燕の本心に気付けたのはラクスだけ。

 

 そしてアスラン専用のバルキリーはどんなものか気になったキラが燕に尋ねたところ、空間ディスプレイに映し出してくれた。

 

 VF-27 ルシファー。

 

 VF-25の姉妹機として開発されたそれは、元々サイボーグ兵士が乗る事を前提としているため優れた機動性を発揮出来る反面、他の機体より高Gによる負荷が重いのだ。

 コーディネイターかつ軍属、それもエリートであるアスランでどうにか耐えられるだろうかという代物。他にも完全な思考操縦とそれを利用した遠隔操縦など、様々な機能を持った高性能機である。

 ペットネームに関しては反応した者がいたものの然程気にされなかった。

 

 

「この機体さ、正直なところ操縦技術だけで最低でもキラくらいのレベルは無いと真価を発揮出来ないんだよね。加えて耐G関係も高レベル要求してるから、レジェンド様かフォッカー隊長に使ってもらおうと作ったんだけど……」

 

 

 当の二人はそれぞれ「俺の愛機だってお前が作ってくれた永久通用する決戦兵器レベルのバルキリーだろう」「俺はお前さんが作ってくれたこのVF-1Sが気に入ってるんだ」と返し、使用している燕作のバルキリーを手放す気がまるで無いため仕方なくパイロット候補を諦めた。

 それに尊敬する二人が自分の最高傑作たる二機を愛用してくれているのが嬉しいというのもある。

 

 

「そういえばあの二人、バルキリーに付いてる操縦補助AI……要らないって言って取り外したんだっけ」

 

「うん。それであの動きだからマジ別次元。勲章に名前が付いてるレベルのトップエースは格が違うね、やっぱし」

 

「……! そうか! ネビュラ勲章を授与したアスランより上だと証明するには、ロイ・フォッカー勲章かレジェンド勲章を授与されればいいんだな!」

 

(イザーク様……それは正直ネビュラ勲章より難易度が遥かに高いと思うのですが)

 

 

 ちなみにロイ・フォッカー勲章……あのイサム・ダイソンで複数回授与されるというレベルなのでラクスの思っている通りである(ただし問題児なのでいずれも剥奪されているのだが……)。

 レジェンド勲章に関しては以前説明されたように、あのマクシミリアン・ジーナスが長い年月を経て漸く授与される程だ。

 

 ウルトラ戦士に例えるならロイ・フォッカー勲章がスターマーク、レジェンド勲章は宇宙の永遠の命『デルタスター』(現状レジェンドを除けばマンしか可能性がない)だと思ってもらえれば良い。

 

 その後、イベント用に多目的シミュレーターが宴の場にあったこともあり、聞きつけたフォッカーによってその場で操縦試験が行われたのだが……。

 

 

 

 

 

何だその飛び方は!! そんなヘロヘロ飛んで叩き落されたいのか!!」

 

「い、いえ! ただ……俺の専用バルキリーというのは姉妹機があるらしいので、そちらを使ってやったほう――」

 

バカ野郎!!基本がなっちゃいないのに機体の種類もクソもあるか!!」

 

「すっ……すみません!!」

 

 

 アスランは徹底してダメ出しされた。フォッカーの言っていることは至極真っ当なことであり、その映像を見ながら燕が腕組みしてうんうんと何度も頷いている。

 

 そして……。

 

 

「ガウォークに頼り過ぎるな! 便利だから使いたがる気持ちは分からんでもないが、バルキリーのファイター・ガウォーク・バトロイドそれぞれの長所と短所を理解して使い熟せてこそエースパイロットとよばれるんだ!」

 

「くっ……! そんなこと分かっている!」

 

「分かってないからこうして怒鳴られてるんだろうが!!」

 

「もっ……申し訳ありません……っ!」

 

 

 あのイザークすら萎縮してしまうほどに強烈な指導が入る。レジェンドの親友なだけあり、かつて巨大戦を舐め切ったサーヴァント達をコテンパンに叩きのめした時を思い出している者達がチラホラ。

 

 

「俺達も最初はかなり怒られたよな。まあ、イキりまくってた頃に師匠に根性叩き直されてたから耐性あったけど」

 

「俺も何だかんだ言って訓練学校じゃ父さんに厳しく言われたし」

 

「未だウルトラ戦士としては三分の一人前と言われてる俺が通りますでございますよ」

 

 

 上から一誠・タイガ・ゼット。フォッカーの訓練を受けた三人(ただしゼットは当初から合格点。さすが超高性能可変機を設計し乗りこなすエースパイロット)は懐かしく思いながらその光景を眺めている。

 

 何にせよ、アスランは自分専用のバルキリー入手を目指し訓練に励むのであった。

 

 ただ……。

 

 

「ほう! やるもんだな! 今のは特に良い感じだ!」

 

「ありがとうございます!」

 

 

 キラがフォッカーに文句無しと褒められていて、アスランは少し凹んでいた。

 

 

「ラクスー、そろそろ準備しよー」

 

「はーい」

 

 

 

 

 

 続いて出力された多目的シミュレーターの映像は何やら列車と、それを追うヘリコプターが映し出される。

 どうやら占拠された列車を止めてホームに到着させないようにするミッションのモードらしい。

 

 

「このミッションモード……誰か撮影か何かしてんのか?」

 

「我が主、さすがにミッションモードを使ってまで撮影は……いや、逆に現実味が増すからあり得るか……?」

 

 

 フーマと小太郎がそんな話をしていると、ヘリコプターから誰かが姿を現した。

 

 

「「え……シン(君)!?」」

 

「お兄ちゃん!?」

 

 

 グランやビィ達、彼らと同じテーブルで食事を楽しんでいたマユが驚きの声を上げる。シンとマユの両親も、声には出さないが驚いているようだ。

 

 しかし基本的にシミュレーター内へ外部からの音は聞こえないようになっているため、一部例外を除き彼らの声はシンに届かない。

 

 そして当のシンはというと、なんの迷いも無く列車へと高さ数メートル(推定5メートル程)の位置にあるヘリコプターから飛び降りた。

 普通なら悲惨なことになりそうなものだが、シンは何事も無く平然と列車の屋根に着地。

 

 

「は……?」

 

「ちょい待ち、あの坊主まだ13歳とか言ってなかったか?」

 

「だよな? あ、エリートなら若いうちからあれだけ動けるってことか! どうだ、アスラン!?」

 

「…………」←フォッカーのスパルタ試験でイザーク共々真っ白になり倒れ伏しているアスラン

 

「駄目だこりゃ。しばらく使い物になんねえな……あの旦那、どんだけしごいたんだ?」

 

 

 そうしていると、シンに続き先刻乗艇港にいた四人も飛び降りて来る。

 

 

「おい、あの銀髪の……何か既視感があるぞ」

 

「カドックも? でもあの人はさっき乗艇港で会った時には『初対面だ』って言ったんだよね。嘘とか付いてるように見えなかったし」

 

「うん、私も立香ちゃんと同じだ。あの人は嘘を言ってないと思う」

 

「……誰だ?」

 

「あっ! ごめん、私は獅堂光! 立香ちゃんや村正さんにはセフィーロで――」

 

「大丈夫だ、大体理解した。僕はカドック・ゼムルプス、立香と同級生だと思ってくれればいい。メインジョブはマナダイバーを選択している」

 

 

 よろしくとニコニコ挨拶する光にカドックは「ああ、立香と同じタイプか」と納得。こういうタイプは基本表裏が無いので魔術師としては付き合いやすい。

 

 一番たちが悪いのは堕天司ベリアルのような連中。嘘か本当か分からない発言ばかりなので信用出来ないのだ。

 

 それはそれとして、シミュレーター内での会話は外部にも聞こえる。

 

 

『シン、今回のミッションでは列車内に友軍はいない。これがどういうことかは説明しなくても分かるな?』

 

『つまり、ここにいる俺と先生達以外は全員敵……!』

 

 

 銀髪の青年は頷き、刀を抜く。

 

 

『俺達全員でフォローする。お前は今まで訓練してきたことを存分に発揮することだけ考えればいい』

 

 

 その言葉にシンは表情を引き締めて頷くと、前を向いて刀を抜き一気に最高速度で駆け出した。その後に四人も続く。

 

 

「いや速くね!?」

 

「年齢的に考えても将来有望株だな」

 

 

 団員達からも中々の高評価なシンだが、さらなる衝撃はその後にあった。速度を殺さず車両を飛び移っていくシン達の前に、銃を構えた神羅兵が複数現れる。

 だが、そんな状況であってもシンや他の四人は止まらない。

 

 

(退いても、怖気付いても駄目だ。俺が先頭を走ってるのに止まったり下がったりしたら先生達に迷惑を掛ける……なら!)

 

 

 以前までの自分から驚いて足を止めていただろう状況で、シンは突き進むことを選択した。

 そしてある人物から言われたことを思い出す。

 

 

 

 

 

――お前は俺と声が似てるし、ちょっとばかし性格も似てるからな。強そうな連中に会った時とか、絶望的な状況とか……まあ、何だ。そういうピンチの時に緊張を吹き飛ばす言葉を教えてやるよ。それはな――

 

 

 

 

 

『いらっしゃいませー!』

 

 

 威勢良くそう叫ぶと、放たれた銃弾を自分に当たりそうなものだけ刀で弾き返しながら速度を維持して神羅兵へ突撃。薙ぎ倒しながらも進行速度は落とさず更に猛進する。

 

 

「待て待て待て何だあの13歳!? デタラメに強いぞアイツ!!」

 

「彼、一般家庭出身じゃなかったかしら!?」

 

「「「一般家庭育ちの13歳!?」」」

 

「成程……魔法騎士達の世界にいる13歳とは、これ程までに卓越した戦闘技術を持っているのか」

 

「違うから! 私達の世界と彼の世界も違うし、同じだとしても13歳が皆あんな感じじゃないから! っていうかザガート、貴方ホントはかなり天然なのね!?」

 

 

 光・海・風の三人は本気で驚いた。ザガートが何か物凄い勘違いをして海にツッコまれているが……それはさておき彼女らも中学2年生であるが、光は剣道一家・海はお嬢様・風は姉も天才と家庭に特色があった。対してシンは自身と両親、妹のマユで四人家族……何処にでもいるごく普通の家庭の出身だ。

 

 それがどうだろう。今シミュレーター内で彼が見せた動きはそれこそザフトレッドのアスラン達すら遥かに凌駕する一流の戦士――否『ソルジャー』のそれであった。

 

 そしてシンの後ろに控えていた四人……特に銀髪の青年は桁外れの実力を見せている。刀一振りするうちに実は既に複数回振られていたというのは朝飯前、当然のように斬撃を飛ばし異常な速さで右へ左へと移動して神羅兵を斬るその姿は圧巻の一言。おまけに撃たれた銃弾を一度に複数真っ二つとかとんでもないことをサラリとやってのけた。

 

 

『さあ、次だ』

 

「……つってもあそこらへん、もう敵いなくね?」

 

「何あの『ファイガじゃないファイアだ』みたいなチートファイア。追ってきた兵士皆消し飛んでんじゃん」

 

「あんなん出来たの、レジェンド様以外にいたんだ……」

 

 

 他の三人も、明らかに片手で持てそうにないバトルアックスを平然と振り回したり、相手の急所『だけ』を的確に狙ったり、銃を乱射していながら時折百発百中の狙撃をしていたりとヤバかった。特に最後は蛍が目を輝かせながら見ていたし。

 

 

「何かサラーサとその斧ばりの比率な人がいるんですが」

 

「それより全部『急所に当たった!』な奴がヤバいだろ」

 

「私もあれ、やりたい」

 

「「「「「おいそこの美少女型フリーダム!!」」」」」

 

 

 雑賀孫一、本名・蛍――戦闘ではマジでフリーダムのハイマット・フルバーストよろしく銃身全展開一斉射撃をやらかす美少女である。

 最近バルキリーにも乗ってみたいとか言い出した。原因は恐らくマスター(レジェンド)のYF-29Sの一斉射撃を見たからだろう。レジェンドガチ勢だもん、この娘。

 

 一方、シミュレーター内では神羅兵がいよいよバズーカまで持ち出してきた。

 

 

「えええええ!?」

 

「シミュレーターだっつっても殺意高過ぎだろ!? 難易度はどうなってんだ難易度は!」

 

『おーっと! 奴さんエライもん出してきたぞ! どうするよ、シン!?』

 

『速度を上げて、飛びます!!』

 

『よし、良い判断だ』

 

「「「「「はいいいいい!?」」」」」

 

 

 大柄な男性の問いに対するシンの決断と、それを肯定した銀髪の青年。ついでに他の三人も納得しているということに団員の大半が唖然とする。

 

 ミスれば高確率で即死レベルの選択、それを即座に決断したシンの表情は引き締まっている。

 引き金が引かれ、バズーカが放たれると同時にシン達四人は飛んだ。

 

 高く、長く――鉄骨の合間を身体を捻らせ、ゆっくりとバレルロールし、他の四人がより長く飛んでいる時にシンだけは身を縮めてクルリと空中回転しつつ――。

 

 

 

 

 

「チーム・クレシェント、No.5!

 

 シン・アスカ、参上ッ!!

 

 

 

 

 

 ――堂々の名乗りを上げ、列車の連結部に刀を突き立て破壊した。これにより、前部車両と後部車両は分断される。

 シンは分断され失速していく後部車両から前部車両の屋根へと飛び移り、遠ざかる後部車両を見ず腰の後ろの鞘に『キンッ』と音を立てながら納刀した。

 

 

「……何あのイケメン13歳」

 

「何でだろ……アスランが「この馬鹿野郎!」とか殴りかかっても、軽く受け止めて顔面ストレート叩き込みそう」

 

「あれはザフトレッド全員でかかって漸く勝負になるレベルか、生身だと……」

 

「何故かはよく分かりませんが、真っ先に狙われるのはアスランの気がしますわ」

 

 

 基準にされた所為か、こき下ろされまくって散々なアスランである。ここのところ良いとこ無しなので仕方ないと言えば仕方ないが。

 

 しかも、その後シンは他の四人と合流し列車停止後に飛び降りる時、飛び上がって側転のように回転し俗に言う『スタイリッシュ着地』を披露。他の四人もそれぞれ趣の異なる着地でホームに降り立つ。

 

 

「コーディネイターって皆あんななの……?」

 

「こりゃ連合が勝てるわけねーわ」

 

「んなわけあるか! コーディネイター全員があんなわけないだろ! というか出来る奴いんの!?」

 

「探せばいるんじゃ――」

 

 

 なんて言ってたら、現れた敵増援全体に対してファイガやサンダガを使い始めたシン。

 

 

「「「「「うん、いないな」」」」」

 

「お兄ちゃん、カッコいい……!」

 

 

 探すだけでいてたまるか、あんな当たり前に超人的身体能力と魔法を駆使するコーディネイター!

 とりあえず、このままだとマユが禁断の恋に目覚めてしまいそうなので、シンは早急に彼女を見つける必要がありそうだ。

 

 

「んー……」

 

「どうした景虎」

 

「ああ、マスター。どっかで見た気がするんですよねぇ、銀髪の彼。見たというか似ているような……あ、あの銘酒『猛虎地獄送り』おかわり下さい」

 

「ほう、似ているか」

 

「しかし、景虎殿の飲んでいる酒の銘がとても気になるのでござるが」

 

「おや……では千代女殿も飲みます?」

 

「い、いえ……遠慮しておきまする」

 

 

 そうですかー、と言ってレジェンドに寄りかかりながら猪口を傾ける景虎。

 現在レジェンドは彼のために用意された座敷席におり、その左隣に景虎・右隣に千代女・膝の間に蛍に囲まれ他のレジェンドサーヴァンツもいる状態。

 エメロードとザガート(とイノーバ)は改めて魔法騎士達と交流したいということで彼女らと同じ席、フォッカーは先刻レジェンドと談笑していたのでクローディア共々一誠ら他の初代マクロスクルーと同席に、ギルガメッシュとエルキドゥと別席なのは視認出来る愉悦範囲を拡げて念話しようという正に愉悦部思考だからであった。

 

 ここでミッションクリア……ではなく、スペシャルゲストが大トリを務めるべくその姿を現す。

 

 その人物は――。

 

 

 

 

 

「お前ら、捌かれたくなきゃ気合入れろよ」

 

 

 無幻魔人ジャグラスジャグラー(魔人態)。

 

 

 

 

 

「「「「「店ッ長ォォォォォ!?」」」」」

 

 

 まさかのとんでもない人物にその場の大半が絶叫。ガイですら飲んでいたラムネを鼻から噴き出す始末。

 レイトはコーラが気管に入るし、リクはラーメン啜っている最中にフリーズ、我夢と藤宮は顔を引き攣らせ、アスカはフライドポテトを食べようとしたまま冷や汗をかく。

 サーガもサーガでユウキとアカネにくっつかれつつ、小猫と一緒にタマモキャットが作ってくれたオムライスを食べつつ無言で見ている。

 

 

『うおーい!? 店長が相手っていきなり難易度バグり過ぎだろ!!』

 

『俺に勝てたら蛇倉苑選抜メニュー、五食分無料券をくれてやるぜ? しかもきっちり五人分、それぞれにな』

 

『よっしゃ! 勝つぞお前ら!!』

 

『いきなりやる気出しましたね!?』

 

『シン、この人はこういう人だ。割り切れ』

 

 

 しかし、銀髪の青年が桁外れの実力者なため案外倒せずとも降参という形でジャグラーが勝ちを譲るくらいしてくれるのでは……と誰かが思ったのだが。

 

 

 

 

 

『アルトリア・ペンドラゴンです。ご飯の為に緊急参戦させていただきます』

 

『レジェンドだけのよm……剣、アルトリア・アヴァロンです。五食分なら仮に一人分でも私とレジェンド+αで分けれるので乱入させてもらいます』

 

 

 

 

 

「何やってんだセイバァァァァァ!?」

 

「アルトリア、何してんのアレ」

 

 

 ダブトリア突然乱入。しかも後者はとんでもないことを口走り掛けていた、というか殆ど言っていた。ついでに+αは誰だ?

 

 

「ズルいズルいズルい! 僕最強なのに!」

 

「オマエが参加したら余計ややこしくなるだろ。しかもオマエ、立場的にお母様や沙耶に迷惑を掛ける事になりかねないんだからしなくて正解だっての」

 

「いいよねバーヴァン・シーはさ! レジェンド様に着物やリボンなんか貰ったりエスコートされた経験があったり! 僕はまだ一誠にそんなことされたことないからどこかでラブドラポイント稼ぎたいんだよ!」

 

(ラブドラポイントって何だよ)

 

 

 駄々をこねるメリュジーヌにげんなりするバーヴァン・シー。ちなみにラブドラポイントとは『ラブラブドラゴンポイント』が正式名称らしい。

 

 

『おいおい、最初の五人だけの予定だったんだがな……ま、いいか。その代わり、こっちも援軍を呼ばせてもらうぜ』

 

『『『『『へ?』』』』』

 

 

 銀髪の青年以外のメンバーが間抜けな声を出す。

 

 直後――。

 

 

 

 

 

『真打ち登場ッ――!!』

 

 

 もはやこの騎空団に何人いるのやらなスズケンボイスが勢いよく飛んで現れた――。

 

 

 

 

 

『…………』

 

 

ピンッ!

 

 

『いでっ!?』

 

 

ドッシャァァァアアン!!

 

 

 

 

 

 ――と思ったら銀髪の青年がそこいらに転がっていた小石を親指で、これまた勢いよく飛ばした物がその者の額に直撃し……体勢を崩してド派手に落下した。

 

 

『よし』

 

『容赦ねーな班長!?』

 

『いえ、あまりに隙だらけだったもので。あと、班長の前に元を付けてください』

 

 

 しれっと言い放った銀髪の青年だったが、乱入者は結構頑丈だったらしくネックスプリングで起き上がる。

 

 

『セフィロス! 名乗りの最中に攻撃するのはマナー違反だろ!?』

 

『生憎ですがシミュレーターミッションとはいえ教え子の初陣でもあるので、ここまできて失敗とか勘弁なんですよ』

 

「「「「「…………え?」」」」」

 

 

 時が止まった。今銀髪の青年は何と呼ばれた?

 

 ――セフィロス? あの団長の専用ジョブ・片翼の天使のモデルの?

 

 ――いやいや髪の長さとか雰囲気とか喋り方とか、何なら目の輝きとか違くね?

 

 ――そもそも良いやつじゃないとかチョコボ頭言ってなかった?

 

 ――普通に良い人じゃん彼。

 

 ――兎にも角にも――。

 

 

「「「「「セフィロスぅぅぅ!?」」」」」

 

『……あの方がバラすまで俺達の名前は言わないように、と教えられませんでしたか?』

 

『名前? ……あっ』

 

 

 そう、あろうことか銀髪の青年は『星を救う物語』のキーマンとなるセフィロスだった。しかし、レジェンドのジョブで瓜二つの姿になる『片翼の天使』の見た目とは明らかに違う。前述の通り髪は襟元ぐらいまでの長さだし、喋り方は基本敬語だし、服装もソルジャーのそれと別物である。

 

 そして、彼だけではない。

 

 

『ザックス、集中!』

 

『へ?』

 

『確か……俺とお前が出会ったという、お前の世界ではこう言ったことが度々あったそうだな』

 

『お前とセフィロス――あの場所で戦ったセフィロスが、『俺』の生まれた世界ではない……お前達二人が事故死していない世界での話か』

 

 

 ザックスと呼ばれた青年とは違う二つの声が続け様に聞こえると、新たに二人の男性がその場に現れる。

 一人はザックスと似た服装に立派な体躯であり、クラウドが持っていたものと同じ大剣を背負っていた。

 もう一人は目立つ赤いコートに長刀ならぬ長剣を手にした、正にビジュアル系のイケメンと言える端麗な容姿。

 

 映像でその姿を確認した、るりふぃすさやぴーの三人は絶句。オーフィスに勧められ、ルリアと沙耶もFFⅦシリーズをやってみてどハマリしたのだが……そんな二人は出自が訳アリのため『クライシスコア』をプレイした結果、言わずもがなガチ泣きした。

 無論本編をやったからもあるわけで、ネタバレしないように周囲に配慮していたところにこんな状況である。

 あの『星を救う物語』の序盤を見た後にプレイしたので差異が明確に分かり、今後の上映が尚の事楽しみになったのだが予想外の出来事に語彙力消失。

 

 

「え? あれ? 嘘、あれ、何で?」

 

「お母様、沙耶が壊れた!?」

 

「落ち着きなさい、バーヴァン・シー。沙耶もです、私達が分かりますね?」

 

「はう、はうはうバハムート……!」

 

「ルリア、何で驚いてるのか分からないけどここでバハムートは呼ばないの!」

 

「だいたいレジェンドとギルの所為」

 

「「何故にお前は鋭いのだ」」

 

 

 沙耶を正気に戻そうとするバーヴァン・シーとモルガン、ルリアを軽く叱るアマリはいいが……オーフィスはもはや経験から誰が何をしたのかあっさり見抜いた。

 

 つかそんなん出来そうなのこいつら除けばノアやキングぐらいしか考えられんだろーし。

 

 

『まさかアンジールとジェネシスも店長派ですか……』

 

『すまんな、セフィロス。ジェネシスと一緒にリハビリを終えて乗艇港建設に助力しているが、肉体労働故に腹が減りやすいんだ』

 

『丼物屋でありながらスイーツやドリンクも多種多様。カプセルホテルでの寝泊まり用のテイクアウトの強い味方だ。ついでに毎度配達してくるにゃんこを見るのも俺の最近の楽しみの一つさ。ちなみに俺の推しはかさじぞう』

 

「オイあいつさり気なく強キャラ推してるぞ」

 

「はい! ジェネシスさんは『にゃんこ大戦争』のテストプレイも進んでやってくれてます!」

 

「「「「「何それ初めて聞いたんだけど!?」」」」」

 

『そうですか……すみませんが、俺はポケモン派なので。ちなみに推しはシロンことアローラロコンです』

 

『『『『『何か対抗しだしてるー!?』』』』』

 

『……アンジールは?』

 

『俺はゴジラ派だ』

 

『『『『『普通に答えてくれた!?』』』』』

 

 

 何やら訳の分からない戦いが繰り広げられている(?)中、アンジールによる推し発言を聞いたゴジラがハイパーテンション状態だが、それはさておき。

 

 

『確かに強敵が増えたけどよ、こっちの援軍も中々の強者だぜ? 特にアヴァロンって方はあの人のパートナーだって話だ』

 

『ふっふーん!』

 

『ギルガメッシュ王にバカトリアと呼ばれていると聞いてますが』

 

『バカトリアじゃないですレジェンドのパートナーのアルトリア・アヴァロンです唯一無二のバディです!!』

 

「ふははははは! 中々キレのあるツッコミをするではないか! さすが真に英雄の道を歩んだ奴は一味違うということよな!」

 

 

 大柄な男性に褒められて有頂天なキャストリアをセフィロスが瞬時にこき下ろし、ギルガメッシュが爆笑。

 

 とはいえ戦力的にはまだシン達の方に分があるのも事実。セフィロスがアンジールとジェネシス、果てはザックスの三人を倒せずとも抑えきれそうなのが大きい。

 

 しかしここで思いもよらぬ人物が――。

 

 

『ならば私がご助力致します!』

 

『えっ!? この声、まさかエアリ――』

 

 

 

 

 

『お待たせしました!

 

 

 

 

 

 お姉ちゃんです!!(どどーん!!)

 

『いやどちら様ー!?』

 

 

 

 

 

 緊急参戦、姉を名乗る不審者(ジャンヌ・ダルク)

 

 しかも何やら見慣れたチョコボ頭の襟首を掴んでいる。

 

 

『そして新しい弟も追加参戦です!』

 

『誰が新しい弟だ!』

 

『クラウド!?』

 

『……ただ宴会に参加しただけなのに、いきなりコイツに拉致られた』

 

『はい!?』

 

 

 

 

 

「何やってんのよあの暴走聖女は!? アレが私のオリジナルとか本気で頭痛くなってきたんだけど……」

 

「だいじょぶ? 癒しの風いっとく?」

 

「いやこれは精神的な……え?」

 

「え?」

 

 

 どっかで見た三編みの花売りがジャンヌ・オルタの顔を覗き込んでた。彼女の隣りにいたしのぶすらも汗を滝のように流している始末。

 

 

「もう、エアリスってば先に行かないでよ。ザックスはいつの間にか消えちゃうし、クラウドは何かエアリスと似た声の人に連れてかれるし……」

 

「……え?」

 

「……え?」

 

 

 今度は何やらセイバーアルトリアが敵視しそうな胸部を持つ美女が、仲間らしき人物らを連れて――。

 

 

「って『星を救う物語』で団長達と行動してた連中じゃない!!」

 

「おや? ティファ達も漸く御到着だね。この座敷席はマイロードや私達用だけど、好きな場所に座ってくれて構わないよ」

 

「あ、プーリン久しぶり! クラウドとザックス知らない?」

 

「ザックスの方はシミュレーターに乱入……というか、ジャグラー店長に招集されていたらしくてね。先程セフィロスに小石弾を眉間に撃たれて派手な着地失敗を披露したよ。クラウドは見ての通り」

 

「ホント何やってるの!?」

 

「大丈夫さ。マイロードや究極英雄王だったら秘宝や財で首を飛ばすところだし」

 

「あ、うん。それはそうだね」

 

 

 美女――ティファ・ロックハートはプーリンの発言にあっさり納得する。現にあの貨物船で遭遇した最初のジェノバには反射的に秘宝と財をぶっ放してしまい、特性やら何やらを見抜く前にあっさり倒してしまったからそう思われても仕方ない。

 

 いきなりな彼女らの登場に周りは騒然とするが、前述のプーリンやギルガメッシュらはむしろ待っていたとばかりに手招き。バレットはしっかりマリンを肩に乗せているし、ケット・シーは完全自律型の最新型になったためリーブも同時出席。

 

 ……そう、他にも『星を救う物語』を彩った多くの者達が参加してきたのだ。

 

 

「やっと来たか貴様ら! あのチョコボ頭とハリネズミ頭はシミュレーターに(片方は自称姉が強引にだが)参加中よ! 生ける英雄と英霊、そして未来の英雄候補の集まりし闘い……とくと見物しようではないか! ふははははは!!」

 

『さあ! 見ていて下さいね、レジェンド様! 今こそ私達『チーム・お姉ちゃんと弟達』が奮起するときです!!』

 

『だから誰が弟……って……』

 

『『『『『何だその旗!?』』』』』

 

 

 ジャンヌの代名詞たる旗には――。

 

【 姉 】

 

 ――とでかでかと書かれていた。

 

 大半がドン引きだが、エメロードやナルメアなど一部の者は興味津々。

 

 

『いや姉って言ったって女はあんた一人だろ! えーっと、俺に店長にクラウドに……アンジールとジェネシスとあんたで……あ、一人足りないか』

 

『そんな事ありません! だって……クラウドちゃんがいるじゃないですか!!

 

『おいちょっと待てェェェェェ!!』

 

『そして最後の一人はこの御方! チーム・姉と弟達において唯一のお父さん役にして七番目の戦士!!』

 

(((((…………あっ…………)))))

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ジャアァァァァァッ!!』

 

 

たーらーたらーたーたーたったらー♪

 

ウ ル ト ラ セ ブ ン ! 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「親父ィィィィィ!?」

 

「大大師匠ォォォォォ!?」

 

「セブンおじ様ぁぁぁぁぁ!?」

 

「先輩の親父さんんんんんん!?」

 

 

 上からゼロ、ゼット、セラフォルー、そして一誠。よりによってここで核爆弾どころか発射体制に入ったウルトラキーにも等しい劇物が投入されてきた。

 

 ついでによく見るとウルトラセブンXである

 

 

『おいいいいい!?』

 

『……俺達に活躍の場はあるのか? 無さそうならにゃんこ大戦争を進めたいんだが』

 

『ジェネシスの言う事に反論出来ねえ……』

 

『にゃんこ大戦争だな』

 

『いやちげーよ!? 世界が違うにしても俺の知ってるアンジールよりノリ良すぎだろ!』

 

『さっさと済ませるぞ。俺は早くバエルのガンプラを作りたいんだ』

 

『待て待て待て! クラウド、お前までそっちに行ったら俺はどうすりゃいいんだ!?』

 

 

 ……どうやら店長チーム、予想以上に愉快なメンバーらしい。

 

 

『私はクラウドを抑えます。最悪宝具解放でどうにかなるでしょう。何か声的に腹が立つので』

 

『では私はジャンヌを。だって今レジェンドの名を呼びましたよね? パートナーの私がいるこの場で堂々と呼んで『見ていて下さい』とかアピールしてましたよね? 誰がレジェンドに相応しいか分からせてあげます』

 

『……先生、二人のアルトリアさんが怖いです』

 

『……とりあえず彼女らを刺激しないようにしよう』

 

 

 私怨バリバリな彼女らの様子を見て、真面目にミッションをやっていた二人は互いに顔を見合わせ頷いた。

 

 セフィロスとの打ち合わせでジャグラーは敢えてシンが相手をする事になっている。明らかに格上の相手だが、勝ち負けに関係無く彼との打ち合いでシンが得るものがあるはずとのこと。

 

 彼らは良いのだ。先の未来を見据えてしっかり取り組む気でいるわけだから。

 

 ――問題は――。

 

 

『バエルにアルテマウェポン持たせてマントとか付けて、PBNで超究武神覇斬するんだ……!』

 

『改造ゲシュペンストに鎧付けてエクスカリバー持たせて、PBNで宝具解放するんです……!』

 

 

 やけにバエルにご執心なチョコボ頭と、それに影響受けたのかゲシュペンストのプラモを改造したがる腹ペコ王を筆頭とした連中だ。

 

 今ここに、己の尊厳と願いを賭けた闘いが幕を開ける……!!

 

 

 

 

 

 ……と、いいな……いいのか?

 

 一応言っておくが、宴はまだ始まったばかりである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ――おまけ――

 

 ウルトラ騎空団をもっとよく調べたアウラ。

 

 

 ○下手したらあのジェネシスの射撃すら吸収され、逆利用されかねないチートカウンター(※レジェンド)

 

 ○闇堕ちしたらジープで追い回してきそうな隊長(※セブン)

 

 ○闇堕ちさせようとしたら逆にトラウマ逆流させられそうな拳法家(※レオ)

 

 ○闇堕ちさせようとしたら同時にキレたヤベー奴らを相手にしなければならなくなる息子(※ゼロ)

 

 ○闇堕ちさせたら父親にアコードを全滅させられそうな息子(※ジード)

 

 ○闇堕ちさせたら父親にダイナマイトかまされそうな息子(※タイガ)

 

 ○そもそも闇堕ちとは無縁そうな上、もし闇堕ちさせたら全員首を刎ね飛ばされそうな敏腕プロデューサー(※ゼット)

 

 ――尚、項目最初の者はほぼ闇堕ち不可の上、手を出すとその子供ら(※ギルガメッシュ、エルキドゥ、サーガets……)や民による報復をされる可能性100%也。

 

 

「……こんなの魔境ではないか……いざとなったら団長とやらをNTRする気でおったのに……」

 

(のじゃロリは九重ちゃんやフォリアちゃん達で間に合ってます。 byレジェンド)※フォリアちゃん→空の世界の王族+体質(魔力が膨大すぎるとかそんなん)のおかげで成長が遅く、推定30代(重要)

 

「は……母上!」

 

「どうしたのじゃ、オルフェ」

 

「緊急事態です! ともかくこちらへ!」

 

「??」

 

 

 

 

 

 簀巻き+フル○ン状態にされたファウンデーションのエージェント達(『キラとラクスに手を出すなら徹底的に潰す』の手紙付き)。

 

 

「こ……これは……!?」

 

「母上の命で少し前に送り込んだばかりだったのですが……」

 

「しかも服は迷惑料代わりに押収すると……」

 

「というか何故二人が狙いだとバレた……?」

 

「ん……? 何やら他にも付いておるぞ。どうやら記録映像みたいじゃが……見てみるか」

 

 

 ※戦闘に長けたエージェント達を一方的にひん剝き、容赦無く手足どころか首まで『素手で』へし折る燕の映像

 

 

「「「「「…………」」」」」←全員真っ青

 

 

 ……この日、アウラやアコード達の心もへし折られた。




【悲報】ファウンデーション、釘刺される

サプライズ召喚のおかげで更にパワーアップしたフォッカーによってアスランとイザークがボコボコにされました。キラがとても褒められました。

シンが覚醒し、戦闘力と魅力が大幅にアップしました。次の目標はリミットブレイク修得だ!

最後の最後でヤベーやつらが現れました。ジャグラー店長とセブンだけでも十分過剰戦力ですありがとうございました。

そろそろ本編も進めないとなぁ……。


それではまた次回。

二択決定戦! シン一人乗りする最終ゲッターはどちらだ!?

  • 真ゲッタードラゴン(大決戦版)
  • 真・ゲッター1(スパロボα仕様)
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