ウルトラマンレジェンド Episode.CROSSOVER   作:ハジケハムスター・ポッポ

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お待たせしました。
オカルト研究部VSゲン、さらに別行動中のレジェンド一行に彼が合流します。

とりあえず今回までで現在のアンケートは締め切って、次回からは次章エクスカリバー編で本格参戦するサーガに関するアンケートを設置する予定です。
アンケート結果によっては彼らが参戦するかも?
アンケートは前回同様に今回も次回も、1位と2位に出番をあげる予定なので、良ければご投票下さい。


それでは本編をどうぞ。


ゲンの実力、ジーッとしててもドーにもならないお仕事問題

 ゲンがアーシアを除くオカルト研究部を相手取る事になり、既に双方共に準備は完了している。リアスらはさすがに相手がかなりの実力者であるのは理解しているのか、最初から一気に仕掛ける気でいるようだ。

 

 

「あの人がこちらに仕掛けてくる前に一気にケリをつけるわ。皆、いいわね?」

 

「はい、部長!」

 

 

一誠が返事をし、朱乃や木場も頷くが小猫とカナエはあくまで防御の体勢を崩さない。

 

 

「どうしたの二人共?臆していたら勝てるものも勝てないわよ?」

 

「違うんです、部長。さっき黒歌姉様に言われたんです」

 

 

『いい?白音……あの化け物相手に希望的観測は絶対にダメ!アレは私と夜一が同時にかかっても簡単に返り討ちにしてくるような規格外なんだから!命が危ないと思ったら必ず降参する事!別に恥でも何でもない、特訓前の模擬戦が原因でその日以降の修行が出来なくなるより全然マシにゃ!』

 

 

「……って」

 

「小猫ちゃんの言う事は本当よ。私が見た時は倒された後だったけど、その後すぐにゼ……レイトくんも倒されたわ。有り得ない音させながら」

 

「え?何だよあいつもやられてんじゃん!偉そうなこと言ってた割に大した事な「兵藤君」い……」

 

 

小猫やカナエの話の中でレイトが倒された事を聞いた一誠は若干調子に乗るが、カナエの迫力を持った一言で押し黙る。確かにやられはしたが、あの時は乱菊の質問に答えていたからだ。真剣に一対一でやり合えば簡単には負けないだろう。なにせレオとレジェンドの直弟子なのだから。

……生身でもどうにかなるのかは別問題だが。

 

 

「その時油断して負けてしまったけれど、レイト君の実力はここにいる誰よりも上よ。私より……かどうかは分からないけど(少なくとも人間体のままだと、だけどね)」

 

「え……冗談、ですよね?」

 

「イッセー、カナエもそこまでよ。どんな相手だろうと全力で倒すわ。私達の力を見せつけるわよ!」

 

「「「はい!!」」」

 

(……胡蝶先輩、ダメです。聞く耳持ちません)

 

(これ、明らかに逆に見せつけられてさっきまでの自信が一気にへし折られるパターンよね。私達はまず『倒れないように』しましょうか)

 

 

全く話を聞いていないのが丸わかりなリアス達に対し、小猫とカナエは更に防御を固めた。臆病と言われようが、正直一度でもゲンの攻撃を受ければ自分達は耐えられないだろう。

黒歌はもちろん、話の中でもその実力を窺い知る事が出来た夜一をも同時に相手してねじ伏せたという、おおとりゲンの実力を小猫は疑ってなどいない。その実力を直接目にしたカナエもそうだ。

そんな彼女らの忠告を無視する形で仕掛けるリアス、朱乃、木場、そして一誠。

 

 

「ハァッ!!」

 

 

木場が神器・魔剣創造(ソード・バース)で生み出した剣をゲンへと振るう。普通なら避けるだろうが今や人間体なのに人間をやめてしまっているゲンに常識など通用しない。

 

 

「ダァァァッ!!!」

 

「なっ!?ガハァッ!!」

 

 

なんと拳で剣を砕き折り、そのまま勢いを殺す事なく木場の顔面に叩き込み気絶させたのだ。まさに一撃必殺。

 

 

「ウソだろ!?俺の神器みたいな手甲とかも着けてないのに拳で刃物を砕くって何なんだよ!!」

 

「イッセー君、離れて下さい!」

 

 

動揺する一誠だったが、朱乃の言葉を聞いて反射的に後ろへ飛ぶとゲンへ凄まじい雷が落とされた。あまりの威力に落ちた辺りは広範囲が煙に包まれている。

 

 

「うわぁ……あれじゃ助からないんじゃ……」

 

「……さすがにやり過ぎでしょうか?」

 

 

……だが、その考えが甘過ぎた事をすぐに知る。

 

 

「イヤアァァァ!!!」

 

 

今度は煙の中から無傷どころか雷を纏ったゲンが飛び蹴りの体勢で、それも異常な速さで朱乃に向かって突撃してきた。あの一撃を逆利用する有り得なさに驚愕しつつ、ゲンのサンダーキック(仮)が腹部に直撃し朱乃は弧を描くように吹っ飛ばされ地面に激突する。

 

「そ、そん……きゃあぁぁぁぁぁっ!!」

 

「あ、朱乃さん!!」

 

「朱乃ッ!?」

 

 

その衝撃で朱乃も気絶。あまりの出来事に意識を朱乃に向けてしまった二人だが、それが命取りとなった。朱乃に飛び蹴りをかましたゲンはその反動を利用して体を捻りつつ宙返りし、リアスの脳天へ凄まじい威力の踵落としを叩き込む。

 

 

「セイヤァァァァァ!!!」

 

「えっ!?あぐぅぅぅっ!!!」

 

「ぶ……部長ぉぉぉっ!!」

 

 

そのまま地面へと派手に叩きつけられ、リアスは気を失った。ここで漸く一誠は小猫とカナエの言葉が誇張されたものでないと気付く。目の前の人物は普通じゃない。

ゆっくりと一誠へ歩いてくるゲン。対して一誠はガクガクと足を震わせて動けないでいる。

 

 

「どうした。さっき啖呵を切った時の威勢はどこへ行った。遠慮なくかかってこい」

 

「う……あ……」

 

 

一誠の目の前にゲンが立ち、腰を落として正拳突きの準備に入る。

 

 

「攻撃させてやる。全力で打ち込んで来い!!」

 

「う……うおおぉぉぉ!!」

 

 

ゲンの一喝に赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)で出来る限り倍化させてゲンを殴りつけた。ゲンはそれを顔面で受ける。

 

 

「!や……やった「ディヤァァァァ!!!」うぐああぁぁぁぁぁっ!!」

 

 

モロに入ったというのに全く効いておらず、効いたと思い油断した一誠は正拳突きを逆に思いっきり叩き込まれて壁まで吹っ飛び轟音を立てて激突、他の三人同様そのまま気を失った。

小猫とカナエは大体予想通りだと思ったが、別の意味で戦慄している。何故なら……

 

 

「……コハァァァ……」

 

「「ひいいいいいっ!?」」

 

 

なんかゲンの目がギピィィィンと光って口から白い息を吐いている。

何アレ完璧にターゲット見つけた捕食者の反応なんですけど。主役を張ったウルトラマンがしていい表情じゃないんですが。

 

 

「小猫ちゃん、今までありがとう。お姉さん、逝ってくるね」

 

「こ、胡蝶先輩!落ち着いて下さい!」

 

「花の呼吸・第二幕……壱ノ型第二節!」

 

「……!いよいよ来るかカナエちゃん!!」

 

 

ここに来て初めてゲンが期待の声を上げた。他のメンバーとは既に格が違うと分かるが、カナエ自身はゲンに敵うなど思っていない。ならば今の自分が最も得意な技でどれだけゲン相手に通じるか試したかった。だから、この技に全力を注ぐ。相対するゲンも、カナエを指導する縁壱もそれに気付いている。本気さを感じ取ったゲンはそれを敢えて正面から受ける気で待ち構える。

 

 

景桜・桜刃螺旋(かげざくら・おうじんらせん)!!!」

 

 

かつてフリードに浴びせた『景桜』の夥しい花弁がカナエと日輪刀を高速回転しながら覆い、巨大な花弁のドリルというような状態となりゲンへ超高速で突撃する。

鋭利な刃となった何千何万もの花弁が回転しながら襲いかかってくる様は普通なら腰を抜かして降参するだろう。

だがこの男……いや、漢は違った。

 

 

「ふんッ!!!」

 

ズガガガガガッ!!

 

『え……えええええ!!??』

 

 

なんと僅かにだが圧されつつも左手(しかも素手)だけで受け止めている。いよいよ人間としてヤバイ。無論行っちゃいけないところまで行ってしまったという意味で。

 

 

「凄まじい技だが……僅かに綻びがある。そこだァァァ!!!」

 

 

こんな状況なのに冷静で、しかも次はカナエのその技を拳で斬り開きながら突撃。卯ノ花と縁壱以外は「アレもう宇宙拳法とかそんな次元じゃないじゃん」とか途方に暮れだした。そう思っても仕方ない。

カナエはもうどうにでもなれと思ってとりあえず踏ん張ってみる。耐えられないだろうけど。しかし、そこで意外な動きがあった。

 

 

「はあぁぁぁっ!!」

 

「「!!」」

 

 

小柄な体格ゆえにカナエの大技と合わせてギリギリまで見えなかったが、カナエの背後に隠れていた小猫が飛び出してきたのだ。お互いがかなりの加速状態にあるが、角度的に小猫には当たらずゲンにはかなり良い角度で入るだろう。

黒歌や夜一が思わずガッツポーズを取る。

……が、もはや人外(おおとりゲン)にはそんな奇襲さえも通じなかった。

回避不可能かと思われた体勢から、拳を急速に引っ込め体を縮こませながらきりもみ状に回転しつつさらに加速し、今度はゲンの方がギリギリ小猫とカナエの間のスペースを通り抜け反対側へ着地する。

そして急旋回・急発進・急加速の三段重ね移動を見せ背後から二人に飛び回し蹴りを見舞い意識を刈り取った。

 

 

「レイト……ってかゼロ。マジで何なのあんたの師匠。ベース人間でしょ。死神でも滅却師(クインシー)でも破面(アランカル)でもないでしょ。色々おかしすぎるんだけど」

 

「あのな乱菊、今のレオって俺も知らないくらいバージョンアップしてんだよ。見た目変わってないから分からないけど明らかに中身別の何かとフュージョンアップしちゃってんだよ」

 

 

レジェンド関係者しか意識を保っていなくなったので、遠慮なく本名で呼ぶ乱菊とそれに応えるレイトことゼロ。

そして冗談抜きでどっかのインフレバトル漫画にでも放り込まれて来たんじゃないかと思われるゲンことレオ。傷一つ負わずカナエまで混じったオカルト研究部をそれぞれ一撃で戦闘不能にするという、ライザーお前コイツ相手じゃなくて良かったなと思わざるを得ない結果になった。

 

その後、アーシアが六人全員を治療したがとんでもないもの(人外無双(レオフィーバー))を見たショックとたて続けに六人治療したため今度はアーシアが疲労で倒れてしまった。

 

 

 

 

 結局七人全員気絶したオカルト研究部の事をそれぞれの指導役に任せて、特訓に参加しないメンバーは仮住居からダイブハンガーへと帰って来ていた。特訓組がいない間の各種組織との通信や怪奇現象へと対処は今いるメンバーで行わなければならない。

 

 ダイブハンガー残留組はグレイフィアを筆頭に、ヒビノミライことメビウス、C.C.、それから今は駒王学園にいる涼子だ。本来なら矢的もこちら側の予定だったが、顧問である以上、彼が残らないわけには行かないということでこのメンバーとなった。向こうはいざとなればジェントとシックルを筆頭としたハンターズギルドやギルドガードが手助けしてくれるだろうし。

 

 

「やっぱり、僕らだけだと広く感じますね。実際そうなんですけど」

 

「普段はあいつらが騒がしいからな。ただ、それがないと寂しい気分になるのは自分でも末期症状だと思うよ」

 

「C.C.様、寂しく思うのは私も一緒です。なので末期症状ではなくそれが今の私達の普通なんですよ」

 

「ふっ……そうだな。さて、グレイフィア、ミライ……の方でいいか。とりあえずレジェンドにでも通信を入れてみるとしよう。あいつは何かと貧乏クジを引くからな。案外とんでもない事態に巻き込まれてるかもしれんぞ?」

 

「いや、笑えないですよC.C.さん……」

 

「割と有り得ますからね……」

 

 

意地悪げに言うC.C.に対してレジェンドの不憫さを知るミライとグレイフィアは肩を落とした。

 

 

 

 

 一先ず舞台は京都のレジェンド一行へ。

今日は早めに泊まる場所を確保し、チェックイン開始時間まで当面の問題を解決する事にした。

……そう、オーフィスが拾って来た迷子の戦乙女(ヴァルキリー)の事である。どうやら北欧神話の主神オーディンの護衛として一緒に来たのだが、どうもその護衛対象が気まぐれを発揮して自分だけさっさと帰ってしまったらしく、行きが一緒だった為に帰る手段がないという。まさかのレジェンド並に不憫……というか不遇だ。

 

 

「さて、どうしたものか……」

 

「レジェンドよ、お主確か転送道具か何か持っていなかったか?」

 

「アレはそもそも無機物専用だしサイズが合わんだろ。テレポーテーション使うのも有りなんだろうがいきなり行って警戒どころか攻撃食らいたくないしな」

 

「いや、お主は食らう前に全滅させるであろうに……」

 

「グスッ……やっぱり……帰っても何か言われるだけで……私……私……うううぅぅ……せっかく大仕事任せてもらえたのに……」

 

 

本気で泣き出しそうな銀髪美人な戦乙女。それをオーフィスがよしよしと慰めている珍妙な絵図だ。

 

 

「……思い出した。この世界のオーディン、俺に喧嘩売ってきて最初のグングニル自分で駄目にしたあのバカだわ」

 

「「……は?」」

 

「いやーすっかり忘れてた。最初のグングニルって桁違いの傑作だったんだけど、それ持って調子に乗ったあのバカが俺に勝てる気になって不意討ち仕掛けてきたんだが……案の定俺のレジェンドプロテクトを突破出来なくてグングニルのエネルギーが逆流、お陰でグングニルは修復不可なほど木っ端微塵に吹き飛んでバカも重症。俺を狙った事で約五万年程日本地獄へ叩き落とされたんだよ」

 

「レジェンド、最初のグングニルって何?」

 

 

色々爆弾発言が飛び出て来た。スカーサハと戦乙女は固まっているが、オーフィスはくいくいとレジェンドの服の裾を引っ張って尋ねる。

 

 

「今あいつが持ってるのはまたやらかしてなければ二本目のはずだ。俺が作ってやった一本目と違って性能は爆下がりしてるやつだな。あの性能のものがホイホイ作られてもバカやる奴が出た時の対処が面倒くさいし」

 

「いやいやいやいや!!ちょっと待って下さい!え?グングニル二本目?貴方が作った??オーディン様が地獄送り??もう何が何だかわかりませんー!!」

 

「戦乙女に分かるように我が言う。つまりオーディンは今より強いグングニル作ってくれたレジェンドに、それで不意討ちして自爆したバカ

 

「さり気なく最後を強調しおったな。完全に同意だが」

 

「ああ、ちなみに刑期が五万年と短かったのはな……俺が斬鉄剣で奴の股のモノを斬り飛ばしたら何故か温情が出たらしい。なんでも俺の名前や姿にトラウマが出来たそうで御するのが楽になったからとか言ってたな」

 

「我もFF好き。帰ったらリメイク前のⅦやりたい」

 

「いっそアーシアやカナエが夏休みに入ったらその世界へ冒険にでも行くか」

 

「絶対行く。レジェンドや皆と一緒に」

 

「「行けるの!?というかオーディン(様)絡みで斬鉄剣使ったの!?」」

 

 

一誠が聞いたら本気で失神しそうな事をやらかしてた。男性の皆様は自分がやられているところは出来る限り想像しないで頂きたい。

なおこの刑罰、地獄ではトラウマを植え付けるのに最適の一つとされ、たった今無惨が鬼灯にやられた。

 

 

「……もしやと思うがそのオーディンとやら、お主の姿を見かけて慌てて逃げ帰ったのではあるまいな……」

 

「本来の姿ならそれも考慮したがな。この姿はあいつに見せた事ないしそれは有り得んだろう。殺気の一つでも出してりゃバレるかもしれんが、昨日みたいな事も起こってないし」

 

「レジェンド、スカーサハ。結局この戦乙女、どうする?我飼いたい」

 

「ペット感覚ですか私っ!?」

 

「んー……」

 

 

腕組みして唸りながら戦乙女の方を見てみると、うっすらと涙を浮かばせながら上目遣いで申し訳なさそうに見つめてくる。打算的なものではなく本気でお願いしている感じだ。そうだな……と何かを決めた時、ある声が聞こえて来た。

 

 

「零さーん!!」

 

「ん?この声、しかも俺をそっちの名前で呼ぶのは……」

 

 

全員で声がした方向を向いてみると、青いジャケットを来た青年が大きく手を振りながら笑顔で走って来た。

 

 

「ふぅ……父さんから今は京都の方にいるって聞いたから、こっちで合流しようと思って。見つかって良かった〜」

 

「合流……ああ、ゼットのフォロー役はお前か、リク」

 

「レジェンド、誰?」

 

「ああ、零さん以外は初めてだよね。僕は朝倉リク、銀河遊撃隊の一人だよ」

 

「おお!という事はウルトラマンか!」

 

「ご明察、スカーサハ。こいつはウルトラマンジード。遊撃隊総司令官ベリアルの息子だ」

 

「よろしく!」

 

 

表裏の無い笑顔で言われ、レジェンド以外の三人は信じるに足る人物と割とあっさり受け入れた。

 

 

「ついでにカップラーメンにはかなりうるさいカップ麺マスターだ」

 

「!!」

 

「いや、零さんその紹介はちょっと……あれ?」

 

 

苦笑するリクが視線を動かしてみるとオーフィスがキラキラした目で見ていた。

 

 

「我、オーフィス。美味しいカップ麺知ってる?」

 

「え?あ、うん。さっきあそこで買ってきたのがあるんだ。『これだ!』って直感が働いて」

 

 

ゴソゴソと手に持っていた袋からラーメンを出そうとしたが、ある事……というか人物に気付く。レジェンド以外は二人と聞いていた。オーフィスとスカーサハの事は事前に伝えられているので確認といった感じだったのだが、一人分からない女性がいる。

 

 

「零さん……あの、この娘達は分かるんだけど……この人、誰?」

 

「「「あ」」」

 

 

すっかり忘れてた。彼女の処遇を決めかねてたんだった。それをリクに伝えたところ、簡単に答えた。

 

 

「ねえ零さん、彼女を雇う事って出来ない?」

 

「んん?」

 

「だって彼女って戦乙女とかいう役職だったんでしょ。だったら、今起きている事態が後々悪化する事に備えて、少しでも戦力は多い方が良い。幸い、性格とかは問題ないみたいだし」

 

「まあ、それはそうなんだが……」

 

「お願いしますっ!ちゃんとお仕事しますから!あ、でもでもお給金は少し多い方がいいかなー……と」

 

「……ちなみにリク、遊撃隊での給料は?」

 

「僕は各種保険や税金その他諸々引かれて手取りで……えーと、地球の日本円に換算して月収約800万」

 

「はっぴゃっ!?」

 

 

戦乙女は驚くが遊撃隊としては平均的なのだ。なお、一番高給取りはティガ。なんと月収3000万だ。その分仕事も多いが彼は平和の為に働く事を苦に思わないので問題無い。隊長のゼロは年齢や経験からちょっと下がるがそれでも月収2500万。遊撃隊半端ねェ。ベリアル?ティガを超えて通帳がおかしい事になっているので気にしない。

 

 

「でも零さんの……レジェンドさんのところはもっと凄いよね、お給金」

 

「!!」

 

「九極天の一人は……月収手取り1億2000万だったな」

 

「い……いちおくにせんまんんんんん!?」

 

 

まるで誰かのフルパワーの戦闘力数値みたいな額が飛び出て来た。戦乙女なんかへたり込んでいる。ちなみにこれ、鬼灯の給料だったりする。

 

 

「まあそれは最高給取りクラスだし、うちで住み込みだと各種施設なんかも使い放題だし、それを考慮して……」

 

 

何故か懐から取り出した算盤を弾いているレジェンド。そうして導き出された金額はというと。

 

 

「諸々手数料込みで月約70万だ。ついでに副業でハンター業もしてるからそっちは出来高。あ、リクもうちの手伝い仕事に入るから給料こっちからも出るからな」

 

「え、本当?」

 

「な……70万……しかもそれ色々引かれた後の手取り……」

 

 

ちょっと嬉しそうなリクはともかく、戦乙女は呆然としている。実はちゃんとグレイフィアや卯ノ花にも給料は入っているのだ。ただ、家族だから殆どを家計に入れてるだけで。

ハンター業でのプラズマソウル破壊で稼いだ賞金は全額各々の小遣いになる。そうなると直接戦闘参加していないメンバーはというと、ちゃんと行動によって査定が入り、それが自動的に金額換算されて賞金になるのだ。

例えるならアーシアは救命行為だけで一回のハンティングで30万は稼ぐ。

 

 

「どうする銀髪美人。俺達の立場上、度の超えた危険もあるが「やりますっ!!」即答かよ」

 

「それに吾らの家は快適だぞ。プールに大浴場、トレーニングルームやレクリエーションルーム、プライベートルームなどの各種施設が使い放題だ」

 

「広くて大きくて楽しい。あと、賑やか」

 

「ただトレーニングルームには気を付けろ。時々バグキャラが出現する

 

 

無論、おおとりゲン=レオの事である。それを一撃で倒したお前は何なんだ。というかここにきて漸く一番大切な事に気が付いた。

 

 

「そういえば名前聞いてなかったな。さすがにいつまでも銀髪美人じゃアレだろ」

 

「あ、別に悪くはなかったんですけど……申し遅れました、私は戦乙女のロスヴァイセと申します」

 

「俺は光神零……はあまり呼ばれんな。本名はレジェンド。ウルトラマンレジェンドだ。世間じゃ光神様とか呼ばれてる場合が多いな」

 

「こっ……光神様ぁ!?あああああの私何か無礼な真似とかしてないでしょうかどうでしょうかあのあのあの」

 

「また壊れた」

 

「オーフィスちゃん、混乱はしてるけど壊れてないからね」

 

「また騒がしくなるな、レジェンドよ」

 

「ふっ……バカ騒ぎはもう既に我が家の名物だ」

 

 

 その後、C.C.が寄こしてきた通信で二人の事を説明するとリクことジードは少し驚かれるだけで納得したが、ロスヴァイセには「また正妻候補が増えた……」と少しむくれ気味だった。

通信を終えるとレジェンド一行はリクとロスヴァイセを加えてリサーチを再開する。ご当地カップラーメンに突撃するリクとオーフィスや、百均ばかりに行きたがるロスヴァイセに振り回されながらも、二日目は順調にリサーチ出来た。彼ら側は無事にリサーチを終えられるのか……

 

 特訓組、ダイブハンガー残留組、そしてレジェンド一行ことリサーチ組。各々がそれぞれの思いを持って行動する中、いよいよゴーデスだけでなく、根源的破滅招来体もその魔の手を地球へと伸ばす。

 

 しかし戦うのはウルトラマンだけではない。この時のために開発された鋼の巨神が、光の戦士達を救うべく遂に起動する。

 

 

 

〈続く〉




リク君ことジードがレジェンド一行に合流し、原作よりかなり早くロスヴァイセが登場して一家入りしました。

もはやクロスオーバー先を間違えたと言わんばかりに無双するレオ兄さん。漸く次回からは個別修行に入ります。加えて誰が待ったかコンパチブルガリバーもいよいよ活躍する予定。

先にお答えしておくとアンケートはレジェンドの九極天が『個』である事に対して、サーガのは『群』な事です。


それではまた次回。

特別編で見てみたいのは?

  • 『それは、星を救う物語』の続き
  • 米花町にホームズとモリアーティ来訪
  • 特殊特異点にAチーム+α送り込み
  • リリなの世界に蛇倉苑メンバー出張

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