司数者の境地   作:cr.ez

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第1話 自己紹介と1章導入まで。

博麗神社の後ろには、森が広がっている。そしてその森の中にあるごく一般的な小屋らしき建物。そこにはある一人の少女が住んでいた。名を、ソル・シーラ。これは彼女が幻想入りしたときに改名したときの名前である。そんな彼女の持つ能力とは。

 

 

 

 こんにちは。私はソル・シーラ。一応能力を持つ人間よ。私の能力。それは…

 

 数字を司る程度の能力。

 

 かなりぼんやりしててわかりにくい能力だけど、要はほしいものが一つあればいくらにでも増やしたり、逆にたくさんあって困るものを減らしたりできるっていう能力。一度に増やしたり減らしたりする限界はあるけどね。応用として、対象を指定することができるから、自分を対象とする重力を下げたり上げたりして、飛んだりもできる。

 そんな私は時々人里でなんでも屋を営んで生計を立てている。家の近くで家庭菜園もしてるけど、基本なんでも屋の収入で食べてる。博麗の巫女とは、先代から知り合いね。先代巫女と今の巫女、霊夢を比べると…やっぱりまだまだね。強いには強いのだけど…肉弾戦は、先代のほうが強いわね。蹴り殴りのやり方をまだ正確に掴んでいないのかな…?そのあたりは練習あるのみだから、私は干渉できないわね。そういえば、最近は魔理沙?っていう魔法使い?と一緒に行動しているようね。最近も一緒に異変を解決していたようだし。先代と知り合いになったときに知り合った賢者の八雲紫には、異変解決には干渉しないように言われている。二人が負けたときだけ出るように言われた。

 私の能力には一つ問題がある。それは、汎用性が高く使いやすい反面、発動するたびに体力がすごく削られることだ。体力の回復速度最大値もある程度までは上げたが、やっぱり連発するときついときがある。今は紫と二人で雑談している。

 

 「それで、あれから平和になりましたか?」

 「そこそこにはね。私の古い友人が何かをしようとしていることが気がかりだけど…」

 「くだらない宴会でもするんじゃないですかね。」

 「そうには見えないのだけど…」

 「まぁ起こったときは霊夢たちが行くでしょう。」

 「…そうね。起こってないことを心配しても仕方ないわ。それに。」

 「それに?」

 「一番恐ろしいのはあなただし。」

 「私はそんなに強く…強く…そこそこには強いわ。」

 「そこそこどころじゃないのだけど…能力フル活用されたら誰も勝てやしないわよ。」

 「弾幕ごっこ私が弱いの知ってて言ってるの?」

 「霊夢と互角なのに弱いわけ無いでしょうが!」

 

 言われたあとにビンタされた。痛いんだよ…

 

 「痛いのでやめてください。」

 「自分の実力を認めなさい。前世もそうだけど、あなたは強いのだから。」

 「…前世で私が怪盗をしてたことはおそらく知ってるのでしょう。体格的には普通の女性、力もさほどあるわけじゃない、色仕掛けするわけでもない…だけど警備員は全滅。

 …前世で私に与えられた才能は、人間の心理を欺くことだった。人間は脳で認識できなければ見えていても気づかない。これを徹底的にすることで、私は怪盗が怪盗たらしめる理由を守ってきた。相棒、いや、親友と共に。私も奴もともに捕まり、怪盗が人間界から存在しなくなる、つまり忘れ去られ始めるとき、私はこっちに来た。そして奴は私より先にどこかへ行った…」

 「……そこそこの期間の付き合いになるけど、初めてあなたの口から聞いたわ。最後の怪盗…最後に盗もうとしたものは…何?」

 「くだらないものね。最後に盗もうとしたものは…奴の心、もとい奴との結婚承諾を親から奪おうとしたら正体が露見してしまった…」

 「なんでそんなものを…ちゃんと変装しなさいよ…」

 「うるさい。結果としてここにいれてるからいいんだよ。あ、私の仕事着みる?」 

 「見させてもらおうかしら。」

 

 昔通りにできるかはわかんないけど…パチッ。

 

 ちゃんとなった瞬間服が変わった。黒のYシャツに赤のコート。黒のズボンを履いた昔よく使っていた仕事着。こっちに来てからは普段は白のYシャツとスカートで過ごしてるから、珍しいかな?

 

 「これがあなたの仕事着…すごく動きにくそうだけど。」

 「動けるように訓練したからなんとも…。とりあえずもとに戻すね。これはこんな森の中で着るものじゃない。」

 

 また指を鳴らしてもとに戻す。

 

 「どうやってそんなに早く着替えてるの?」

 「どうやってるんだっけ…あっ思い出した。この服、前世のものを引き継いでるんだけど、ある一定の動作を感知すると変わるようになってる。」

 「それが指パッチンと。なるほどねぇ…警備員は死んだって言ってるけど、何を普段使ってたの?

 「それはね、これとこれ。」

 

 取り出したのは7インチナイフと、注射器。

 

 「これはナイフと注射器?」

 「そう。」

 「ということはそのコートが赤い理由は…」

 「察しのとおりだね。基本は注射器でやってたけどね。」

 「…抵抗はないの?殺すことに。」

 「ないけど、絶対に殺すときは相手の瞳を見て、どんな過程を経て今まで生きてきたのかは考えてから殺してるね。……今日は仕事の日だ。そろそろ出かけてくるね。」

 「わかったわ、気をつけて。」

 

 

 

 人里の真ん中から少し外れたところにあるなんでも屋。ここはモノを売るのではなく、サービスを売っていた。性行為以外にしてほしいことがあれば何でもする、それが売りの店だった。何やら今日もしてほしいことがあるらしいようで…

 

 チリンチリン

 

 誰か入ったみたい。この時間はあまり多くないのだけど…

 

 「いらっしゃいませ。」

 「なんでも屋はここね?」

 「そうですよ。」 

 「依頼があるのだけど…」

 「まあ、立ち話もなんですし、こちら、どうぞ。」

 

 

 私の向かいの椅子に案内し、お茶を出す。

 

 「ありがとう、早速本題に入るとね、最近の夜、1夜につき1人、殺されてるのよ…調査してくれない?」

 「里の護衛ではない?」

 「ない。」

 「外から妖怪が入ったわけでもない。」

 「そうよ。」

 「…わかりました。解決できるかはともかく、原因は発見してみせます。」

 「頼むわね。報酬は…」

 「終わったあとでいいですよ。私死んだら払いようがありませんし。」

 「ありがとね。」

 

 

 …依頼成立。今夜から調査開始、かな。何もわかんないし、現地に行ってみないことにはわかんないや。

 

 

 

 

 

 

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