司数者の境地   作:cr.ez

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第3話

 妖怪の山。天狗と河童が暮らし、守矢神社という神社を有する山だ。原則人間の立ち入りは禁止。守矢神社に行く人は許可を受けてかららしい。私はそんな山で暮らすブン屋に用がある。が、言っても私の見た目は人間なのだ、簡単に通してくれるわけがない。河童とブン屋に用がある、で通らないかな…。お、そんな話をぼやいていたらついたみたいだね、だいたいお昼か…。多分間に合うでしょう、多分。

 

 「妖怪の山の見張りの人ですよね〜。」

 「そうだが、どうしたのか、妖怪の山に用があるのか?」

 「河童とブン屋に用がありまして〜、通っていいかなと思い。」

 「…用件を言え、ブン屋に伝えておく。河童のところには行っても良い。」

 「わかりました、実はカクカク云々で…」

 

 少女説明中

 

 「なるほどな、いいだろう。河童のところはここから少し行った別れ道を左にある河だ。ブン屋には今言ったことを一言一句変えずに新聞にさせることを保証する。」

 「ありがとう、行ってくる。」

 

 さっきの里の長よりも対応がいいぞ…?いやはや、頑固親父って面倒なんだなぁ…。さて、とりあえず河童のところで例のシートを買おう。

 

 河の畔

 

 「さて…今日はこれ、依頼を受けてたし研究しないとな…。」

 何か言ってるけど、私の気にするところではない。

 「ごめんください。」

 「その声は…人間…盟友か。何のようだい?」

 「形状に応じて状態が変化するシートを買いに来た。今里で起こっている連続殺人事件を終わらせるために。」

 「そうか…誰から知ったのかは知らないけど、あまり広めないでね、それじゃあお代はこれだけね。」  

 「は〜い、これでいいかな、ありがとう。」

 「役に立てるなら嬉しいよ。」

 

 さて、準備だ。ブン屋が夜になるまでに記事をばらまいてくれるか。撒いてくれると仕事がとても楽なんだけどね〜…。まぁ、期待はしないでおこう。期待しすぎてそうじゃなかったら絶望的なことになるからね。今すべきことは、凶器となるナイフ及びその他武器の準備。長丁場だから軽食の準備。あと水分もかな。忙しくなりそうだなぁ。さっさと帰って準備しよう。

 

 その後 日が落ち、人々が怯えながら寝静まり、闇が支配する夜になった。

 

 今仕事中だけど、本当にこれで犯人は来るのだろうか。私はこの姿でぶらぶらしておくだけだけど。気配を感じたらタイミングを見て飛んで襲いかかってくるのを避ける。後は成り行きで。っと…。いるね。わざわざ人里の真ん中でいたかいがあった。どこにいる。少し位置をずらしてどの方向から来るか見定めるか。南に少し歩いてみるけど…。場所は…。ザッザッという足音が微かに聞こえる、右から。北西の方向ね。………早く来い。……待って…待って…

 

 「ギャウ!」

 

 今だね、飛んで元いた場所にナイフを投げつける。痺れ薬入り。結局当たってないから普段は使わない刀を抜いて刺しに行く。今やっと姿が見えたけど、やっぱり狼らしき何かっぽいね。向こうもこっちに向かって大きく吠えながら突っ込んでくる。このまま行くとぶつかるけど…うまく腹に刺そう。

 

いっけぇ〜〜!思わず心の中ではそう叫んでいただろう。結果は向こうが直前で跳んだから掠るだけになってしまったけど。…おや、?人型になってる。会話できるかわかんないけどしてみようか。

 

 「殺人事件の犯人さんで間違いない?」

 「そうだ。私がこの事件の犯人だ。」

 

おっ。反応してくれた。ならまずは質問しなきゃいけないことあるし、しておこう。

 

 「なんで起こした?」

 「人狼が生きるためだ。生きていくには人肉がいる。それを調達していた。前の里の者は全滅してしまったからな。」

 「そうか、悪いがいくら夜は人狼が有利を取れるとしても、私には勝てん。大人しく投降しろ。そうしたら命だけは助けてやらんこともない。」

 なわけないよ。投降したところでしばらく観察して麻痺剤飲ませて首切るだけ。私は霊夢のように優しくもなければ魔理沙のように慈悲を持ち合わせているわけでもない。私は私なりに生活する。自分が興味があるうちは使って興味がなくなれば捨てるだけ。

 「ふん。つまらんことを。どうせハッタリなのだろう?私には分かる。貴様がそのことを言っているとき、少し心臓の鼓動が速くなったな。緊張しているのだろう?私は死ぬわけには行かない、悪いが貴様を倒してこの里の人間を喰らう。」

 「交渉決裂…ね…。人狼がどんなのなのか知るチャンスだったけど…いいか。」

 「ふん、そんなことをいつまで言っていられるかな?」

 

互いに距離をとる。私の手にはさっき使い物にならなかった刀、ではなく使い慣れたナイフ。向こうは鋭い爪で対抗するのかな?気にすることはない。とりあえずはナイフを投げて様子見だ。本日の武装はナイフ10本、さっき使うのを諦めた刀、短刀、最後一つは隠し玉。

 

ヒュンッ… 

 

 人狼の毛を掠るナイフ。

 

 

 ナイフは効かなさそうだなあ…。短刀でいこうかな。向こうはこっちに走ってきてるし。受けのかたちでいいかな。

 

 タッタッタッタッ…

 ガキッ!

 

 鈍い音がした後、両者の体制が崩れる。人狼の方は容易に受け身を取り、再度突撃していたが、ソルは受け身が取れていなかった。

 

 

 「まずい⁉」

 「勝負あったな。」

 

 ぐにゅっ…とてつもなく鈍い音とともに、爪が私の心臓に突き刺さる。その爪が引き抜かれ、心臓をえぐられる。血も同時に噴き出す。

 

 「う…うぅ…」

 「まだ息があったのか。少し待っていろ、息の根を完全に止めてやる。」

 「ふふ…止め…ら…れるもの…ならと…めて…み…ろ...」

 「そんな体では何もできんだろう。心配するな。一瞬で息の根を止めてやる。」

 

 鋭い爪が私の身体を貫く寸前。人狼の手が止まる。なぜ止まったのか。単純だ。そんなことができなくなる衝撃が人狼に伝わったから。隠し玉取っておいて正解だったね。そう。隠し玉はほかでもない銃。外の世界からの持ち込み品ではない。自作品。リボルバーを持ってきた。もちろん銃を撃ったわけなので

 

 パーン!

 

 という音が周囲に響き渡る。当然のごとく人々が出てくる。後は締め上げを任せるだけ。

 

 「どうしたどうした、すごく大きな音がしたが」

 

 真っ先に来た人が駆け寄ってくれた。私は人狼を撃った方向を指さす。そこに人狼はいた。かなり悶え苦しんでいるようだ。しかたない。発射した弾がタムダム弾なのだから。(タムダム弾とは射撃対象の内部でバナナの皮のように弾丸が分かれてめちゃくちゃ取りにくく、しかも人体内部にダメージを与える弾のことです。今は国際法か条約で使用が禁止されている兵器です。くれぐれも作らないようにしてください。)

 

 「あいつがどうかしたのか?」

 「犯人…捕まえて…」

 「わかった、だが、お前さんもひどい傷じゃないか、治療をするから建物の中に連れて行くぞ。」

 「いらない。」

 「だけど。その傷じゃ動けないだろ。」

 「動く…ぐらいなら…でき…る。それより…あいつ縛り上げて…私の家に持ってきて…」 

 

 かな~りふらふらだけどとりあえず立つことはできた。周りですごい人数の人が見ているけど、とりあえず自分の家に帰る。家についてすぐに倒れたわけじゃない。家に入ってすぐに念のため用に置いておいた止血剤を打ち込む。そのあとに包帯を腹の周りに巻く。心臓は危険だけど能力を使って同じものを作った。もとから体力ほとんどなかったのによく持ったね体。無理やりだけど治療をして安静にしていてしばらくしていると依頼者と縛り上げられて動けない人狼が来た。

 

 「あ、あの…ありがとうございました。これで安心して暮らすことができます。」

 「ならよかったんですけどねぇ…私の仕事はまだあるみたいだ。」箱から麻酔を抜いて人狼に打ち込みながら言う私。そう。まだ人狼はいると思う。で、さっきの人狼のにおいから考えて…

 「あら。それは大変ですね。手伝いましょうか?」

 「いらない。まだ全快してないけど…仕方ない。今からあなたを殺す。」

 「…どこで分かった。」

 「匂い。こんなに強烈じゃなかったし、意識してやっとわかる程度。さて。この狭い空間でだけど。覚悟はできた?」

 「あなたこそ。そんなぼろぼろの身体で私に勝てるとでも思っているの?」

 「負けるつもりはないかな。薬を持っている時点で私が有利。それに私の家という圧倒的有利環境で負けるとでも?」

 「それもそうね。でもその身体だけはごまかせない。銃弾は1発しか持ってきていないのはわかっている。どうやって勝つつもり?」

 「そうだね。でもね、私のこと見くびったでしょ。悪いけど。」

 

 ブスッ 麻酔が依頼人の首筋に打ち込まれる。

 

 「能力フルに使っても引かれない家の中なら高速移動して打ち込めるから負けはないのよ。」

 

 とりあえず疲れたけど家の奥のほうに麻酔打ち込んだ人狼2体をぶち込む。麻酔が切れるのは36時間後。

 

 (とりあえず寝よう…疲れた…。体がもたなくなる。)

 

 私はしばらくの間寝ることにした。明日は治療に専念しないとね…

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