ここ最近、幻想郷はあまり異変が起きておらず、人里の人間も幻想郷の住人たちも至極平和な生活をしていた。
博麗神社では霊夢と魔理沙が縁側に座りながら雑談をしていた。
「それにしても…本当に最近は平和よね」
「そうだな。異変とかは何もないんだぜ」
霊夢は最近ではごく小規模な妖怪退治が週にあるかないかという暇な日が多かった。
魔理沙は妖怪退治を専門としているわけでもなく、霧雨魔法店に人が来るわけでもなかったため、霊夢以上に暇だったのだ。
「平和な日々ってのはいいが……こうも平和すぎると何をしていいか分からないんだぜ」
「そうよね〜。妖怪退治も本当に減ったしね、賽銭箱にはお金はこないけど」
霊夢の愚痴に魔理沙はいつものことだろ?と言って霊夢に怒られて楽しそうに笑っている。
大きな異変とは何気ない日々を送っている裏で起き始める場合がよくある。それはまるで花が成長するように移り変わる。芽から始まり、葉が開き、蕾をつけ、そして蕾が弾けたときに美しい花が咲き誇るかのように大きな異変とは誰の手にも負えなくなるほど手遅れになっているのである。霊夢たちはいつも蕾ほどで解決できていたが、今回は花が開いてから影響が出始めたため、紫ですら気付けなかった。
それに初めて気付いたのは霊夢だったのだ。霊夢は空の雲と雲の間に黒い点があることに気付いた。霊夢は長年の勘であの黒い点が何かを起こす前兆だと察したのだ。
「魔理沙、あの空にある黒い点が見える?」
「ん?…見えたぜ。あれは…なんだぜ?」
「分からないわ、でも何か嫌な予感はするのよね」
霊夢と魔理沙が黒い点について相談をしていると、空にある黒い点に変化が訪れる。
黒い点から光すら呑み込んでしまうような深い漆黒の液体が妖怪の山の後ろにある山に溢れ始めたのだ。その液体の落ちるスピードはとても早く一瞬で山は黒い液体に呑まれた。そのままどんどん液体は侵攻してくる。
「あれは一体なんなの!?」
「分からないぜ!けど、めっちゃヤバイってのは分かるぜ!」
「行くわよ魔理沙!」
「分かったぜ!」
二人は急いで黒い液体が近付いている妖怪の山の方に飛んでいく。
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一方、妖怪の山の天狗たちは突然降ってきた黒い液体に最大限の警戒をしていた。一番初めに黒い液体が来た山の麓には川があり、そこには河童たちがいた。
「早く逃げるよ!急いで!」
河童たちの暮らしていた家や川をどんどん黒い液体は呑み込んでしまう。河童たちの中には逃げ遅れた者もおり、黒い液体に呑まれた河童はその場で黒い像になってしまった。にとりが先導しながら逃げていたが……
突然黒い液体の侵攻速度が上がり、逃げれていた河童たちが次々と呑み込まれていく。そのままにとりも他の河童を助けようとして呑み込まれた。しかし、にとりはその場で像にならず消えてしまった。
次に黒い液体は妖怪の山を呑み込み始めた。一度下に行った液体なら山頂まで来ないだろうと考えていた白狼天狗の数人が尋常ではないスピードで麓から登ってくる液体に呑み込まれてしまった。鴉天狗たちは空を飛んでいたが、まるでそれを予想していたかのように空から新たに降ってきた液体に飛んでいた者たちが呑み込まれていく。
河童や天狗たちを呑み込んだ液体は守谷神社にも高速で迫っており、危険だと感じた諏訪湖や神子、早苗が守谷神社から逃げ終えたと同時に守谷神社は液体に呑まれた。そのまま下る勢いで人里の方にまで侵攻していく黒い液体。
霊夢と魔理沙が妖怪の山に到着したのは丁度早苗たちが逃げ終えたとほぼ同時であった。
「早苗!大丈夫!?」
「霊夢さん!私たちは大丈夫です!ですが……妖怪の方達が結構呑み込まれてしまったそうです…」
「そうか…分かったぜ。あの黒い液体は今、人里の方に向かっているぜ」
「……あれが人里に入るのは不味いわね。なんとかして抑えれないかしら」
霊夢たちが話し合いをしている時、白狼天狗や鴉天狗たちは黒い液体に呑まれてしまった。また、黒い液体は空にも侵食をしだした。
そして、旧地獄や天界などの幻想郷の至る所に出現した黒い液体はどんどん幻想郷を覆い尽くしていった。
霊夢たちは人里に向かい、近付いてくる黒い液体を見る。減速せず、そのまま人里を呑み込むように流れる。霊夢たちは弾幕などで抑えようとしたが、まったく効果はなくじわじわと人里が侵食されていく。
「こういう時に限って紫が出てこないのよね!」
「そうだな!だが、これ以上は無理だぜ!?」
魔理沙が霊夢の愚痴に答えたと同時に黒い液体が魔理沙を呑み込んだ。霊夢は突然のことに驚いて、意識が逸れてしまった。
そして、霊夢も呑み込まれてしまった。その前に早苗たちも呑み込まれてしまっていたため、幻想郷は動ける人がもういなくなり全て黒い液体に覆われてしまった。
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そんな中、幻想郷のほぼ真ん中の空を一人の女性が浮遊していた。その女性は黒い戦闘服を身に纏い、左手にクロスボウガンを本体を掴んで持っていた。右手は耳につけた無線で話をしている。
「CP,CP.こちらヘンカァ2-10。原初の住人の転移を確認。また、原初の幻想郷内の時間停止を確認。オーバー」
「ヘンカァ2-10。こちらCP.了解した。最終確認をした後に帰投せよ。オーバー」
「ヘンカァ2-10了解。オーバー」
ヘンカァ2-10と名乗った女性は動き出す。白の長髪の三つ編みが風の影響で少したなびくが気にせず、黒い液体に呑み込まれていない者がいないか確認する。しばらく捜索して、発見出来なかったためヘンカァ2-10は帰還装置を起動し、帰投する。
また、更新ができるまで時間がかかると思います…気長に待っていて下さい!よろしくお願いします!