まどマギに三体危機をぶちかましてみたwww   作:ryanzi

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奇妙なフライト

機内はかなり快適だった。中央キャビンは広々としたオフィスとスイートルームになっていて、半分開いた扉の奥には寝室が見える。窓はすべてカーテンで閉じられていた。

羅輯と史強を案内した自衛官たちは去っていき、人民軍の若い男だけが残った。

 

「お好きな場所にお座りください。ただし、シートベルトはかならず締めてください。くれぐれもご注意ください。離陸時と着陸時だけではなく、飛行中はつねにシートベルトをお締めいただく必要があります。おやすみになるときは、ベッドの安全寝袋のバックルを留めてください。固定されてない所持品は、外に置かないように。座席やベッドからなるべく離れず、もしも立って動く必要があるときは、事前にかならず機長に知らせてください。この押しボタンはマイクのスイッチで、座席とベッドのそばにあります。なにか必要なことがありましたら、そのボタンを押してわたしたちを呼んでください」

 

羅輯が困惑して史強を見ると、史強が説明した。

 

「この飛行機はアクロバット飛行するかもしれないからな」

 

相手がうなずいた。

 

「そうです。なにかありましたらお知らせください。わたしのことは小張(シャオ・ジャン)と呼んでいただければ。離陸したあと、夕食をお持ちします。それと・・・」

 

彼は奇妙なことを付け加えた。

 

「窓の外はあまり見ない方がいいかもしれません」

 

小張が行ったあと、羅輯と史強はソファに座り、それぞれ安全ベルトを締めた。

 

 

 

-Crisis Era 3 東インド会社宇宙軍基地-

 

呉岳(ウー・ユエ)は電灯の下に佇んでいた。東インド会社宇宙軍の基地はどこか欧風の小洒落た街のような雰囲気で、呉岳のそばの電灯も美しい街灯だった。

彼の顔はどこか悲しそうだった。無理もない。三体艦隊に勝てるかわからないうえに、わけのわからない文明と手を無理やり組まされることになったからだ。

 

「あれ、おじさん大丈夫?なんか顔色悪いけど」

 

彼に声をかけたのは青髪の少女。その奇抜な服装からして、魔法少女だろう。

 

「・・・」

 

呉岳は黙ったままだった。下手なことを言えば、斬られるかもしれない。

少女はそんな呉岳の思いを見抜いて言った。

 

「安心していいよ。私もキュゥべえのことは気に食わないから」

 

呉岳は目を丸くした。

 

「もしかして、わたしたち皆がキュゥべえ様万歳とか思ってたの?」

 

「・・・まあ、そんな感じだな」

 

少女は笑った。

 

「アハハ!確かに、何人かはアレを盲信してるみたいだけどさ、ふつうあんなの信用できないって!痛い目も見たし」

 

「そうか、そうだよな」

 

呉岳も思わず微笑んでしまった。

 

「・・・おじさんの名前、何ていうの?」

 

「呉岳だ。中国宇宙軍に勤務している」

 

「私は美樹さやかっていうんだ。これからよろしくね。呉さん!」

 

 

 

その頃、羅輯は史強と見知らぬ少女と一緒に夕食をとっていた。

結論から言うと、羅輯はその少女に心を奪われてしまった。

その少女はかつて羅輯が心に思い描いた少女と酷似していたからだ。

桜色の髪と瞳に、三つ編み。かつて小説家の恋人のためにプレゼントするための恋愛小説を書くときに、必死に思いついた理想の恋人というものだったが、あれやこれやあって(詳しくは三体Ⅱを参照すること)、現実の恋人のほうと別れてしまったのだ。

 

「・・・その、史強。彼女は?」

 

「おっ、ようやく聞いてくれたか。聞いて驚くなよ。お前の命の恩人だ!」

 

「どうも、環いろはです・・・」

 

少女は顔を赤くしながら名前を言った。

 

「トラックに轢き殺されそうになっていたお前をうまく押しのけたんだ」

 

「えっ、けがはないのかい?」

 

羅輯は心配そうにいろはを見た。しかし、彼女にはかすり傷ひとつなかった。

あの状況で羅輯を助けようとすれば、けがは免れないはずだった。

 

「がははは!向こうにつけばわかるさ!あと、おすすめはしないが窓の外を見れば、一瞬でわかるぞ」

 

史強は笑って言ったが、羅輯はとても窓の外を見る気にはなれなかった。彼の本能が見るなと告げているのだ。

その直感はある意味正しかった。さて、ここで旅客機の護衛に当たっていた戦闘機の通信を取り上げよう。

 


航空自衛隊パイロット:狂ってる。

 

人民解放軍パイロット:同感だ。人が空を生身ひとつで飛ぶなんてありえない。

 

航空自衛隊パイロット:そうじゃないんだ。こんなの、子供たちにさせることじゃない。

 

人民解放軍パイロット:だったら、そっちも同感だ。狂ってるのはおれたち大人だ。


 

今まで互いを敵視していた彼らはついに一つの思いを共有することに、成功した。

この旅客機の護衛に当たっていたのは自衛隊と解放軍だけではない。魔法少女たちも加わっていたのである。もし、羅輯が窓の外を見れば、一瞬で卒倒していただろう。

そして、羅輯は本来の予定よりも早く魔法少女の存在を知ることになっていただろう。

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