革命の白い流星   作:水冷山賊1250F

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 宇宙世紀組による、強制レベルアップです。


第4話  パイロットの強化

 「ヴァルヴレイヴ1機だけで勝てるほど、戦場は甘くない。少しは連携を考えるんだ!」

 

 激しい檄が飛ぶ中、僕達はシミュレーション訓練に勤しんでいる。訓練用のシミュレーターで、ラー・カイラムのエースパイロット一人にコテンパンにやられたのが昨日の事で、今日も今日とて、コテンパンにやられている。

 つまりは、昨日からこの訓練が始まったって事だ。

 

 「サンダーッ!出過ぎだ!しかも殺気が隠せてない!」

 

 山田君のコックピットをビームが貫く。

 

 「バカッ!そこで落とされたら!!」

 

 カバーが手薄になった流木野さんが次に墜とされる。僕は何とか接近を試みるも、動きが速く、次の軌道も読めない。昨日から思ってたんだけど、あの緑色の機体、あの人の専用機じゃないよね?

 

 「ハルト、落ち着け。相手のパターンを観察するんだ!」

 

 「キューマ先輩!後ろ!!」

 

 キューマ先輩の後ろに漂っていたバズーカが発射され、背後に直撃。

 

 「なっ!??」

 

 「甘い!後にも目をつけるんだ!」

 

 キューマ先輩の頭上に移動した緑色の機体から数条のビームが降り注ぎ、キューマ先輩のヴァルヴレイヴが爆散した。

 

 「このぉっ!」

 

 「機体の性能に頼りすぎるんじゃない!直線的な動きになってるぞ!」

 

 ビームが数発直撃したっ!?動きが止まった所でビームサーベルで切り裂かれた。

 

 

 

 

 

 「シミュレーション終了。ハッチ開放します。」

 

 機械音声のメッセージが流れ、画面から光が消え、屋内の優しい電灯の光が差し込む。

 

 「あ〜〜っ!だめかーーっ!」

 

 「ちょっと山田!あそこでなんで無理に飛び込むのよ!」

 

 「サンダーだ!」

 

 「後にも目を付けろって・・・、どうしろって言うんだよ。」

 

 「良し、全員集合。ミーティングルームに来てくれ。」

 

 「「「了解。」」」「おうっ。」

 

 ミーティングルームに4人で向かっていると、

 

 「駆け足ーっ!」

 

 怒られた。4人とも急いで急いでミーティングルームに向かった。僕達がミーティングルームに着くと、呆れた顔のエルエルフがいた。どうせ、素人ですよ。何を言われるのか構えていると、直ぐにミーティングは始まった。

 

 「先ずは、君達の連携だが、途中までは中々良かった。昨日とは段違いだ。だがサンダー君、あれは無い。君の負けん気が強く、思いっきりの良い所は買うが、あそこはまだ、辛抱する所だ。あれじゃあ、簡単に釣り出されて、袋叩きにあってしまう。ただの我慢ができない子供と同じだぞ。君の機体の6本の腕による格闘戦はハマれば強力だが、それを活かすには、相手を自分達の近くに引き寄せなきゃ。その為にも、」

 

 「なるほど、ドッシリ構えてなきゃって事だな。」

 

 「正解だ。君は戦いの流れを読むのも上手い。それで皆を助けてやらなきゃ勿体ないだろ?」

 

 「お、オウ。そうか?そうだな!分かったぜ、アムロさん!」

 

 上手いな〜、乗せるのが。

 

 「犬塚君。君は相手との距離をもっと考えて。それと、前ばかりに気を取られては駄目だ。君は中距離が得意な機体なんだから、全体を気にしないと。流木野さんは、もう少し前に出るべきだな。その機体の長所を活かせない。明日は、各自今日の内にフォーメーションを煮詰め直して、試してみよう。今日はこれで終わりだ。」

 

 「「「ありがとうございました。」」」「あざっした。」

 

 アムロさんが退室していく。あの人に一当てするなんて無理だろう?

 

 「ちくしょう、明日こそ絶対撃墜判定取ってやる!」

 

 「山田、意気込みは良いが、それは無理だぜ。あの人に当たる気がしない。」

 

 「サンダーだ!そんなんで、仇が取れると思うのかよ!俺は強くなる!ドルシアの野郎共をぶっ殺すまで、死ぬ訳にはいかねえ!」

 

 「エルエルフ、君はどう思う?」

 

 「あの人には、俺でも勝てる気がしないな。だが、戦いようは有る。しかし、あのシミュレーターの機体を動かせる奴がいない。ぜひともシミュレーションはしたいのだが。俺でも動かせはするだろうが、あそこまでの操縦は無理だ。」

 

 「お困りのようですね?」

 

 「ん?君は誰だ?」

 

 「僕の名はハサウェイ。ハサウェイ・ノアです。あの艦の、艦長の息子です。」

 

 「ふむ、艦長の息子の権限で、誰かを此処に派遣してくれるのかな?」

 

 「そんな権限有りませんよ。僕が相手をするんです。」

 

 「君が??」

 

 「おいおい、お前、中坊だろうがよ!すっこんでろ。お前相手にするぐらいなら、エルエルフの方がまだマシだぜ!」

 

 「あなた、歳は幾つなの?」

 

 「生き残るのに年齢が必要なんですか?今のあなた方なら僕一人でも十分です。アムロさんにあれだけ手を抜かれても一撃も与えられてないね。」

 

 「何を!」

 

 「論より証拠です。ここで話していても埒が明きません。」

 

 「良いだろう、やってやるよ!」

 

 「では、僕もジェガンを使いますね。この状態の僕に、一撃でも入れられたら僕は謝って、父さんに頼み込んででも練習相手を都合しますよ。」

 

 「言ったな。では見せてもらおう。」

 

 エルエルフが話しに乗った。仕方ない、一度は相手をしてやるか。フォーメーションの見直しも必要なのにな〜。

 

 「ハルト、気合を入れていけ。もしかしたら、本当に強いかもしれんぞ。」

 

 犬塚先輩、心配症だな。そんな風には見えないんだけど。

 

 「お前、そんな風には見えないとか思ってるんだろ?お前が一番そんな風には見えないんだからな?人を見かけで判断するな。行くぞ。」

 

 エルエルフをミーティングルームに残して、ぼく達はシミュレーションルームに向かった。ミーティングルームでも、シミュレーション状況が見れるし、各シミュレーターの状況が把握できるからな。まぁ、不正は出来ないだろう。

 

 軽く流すツモリのシミュレーションで、僕達はアムロさんよりもコテンパンにやられた。まさに何もさせて貰えなかったと言う方が正しい。

 

 「僕の腕前は理解して貰えましたか?」

 

 「「「ハイ。」」」「・・・オウ。」

 

 「では、フォーメーションをあと15分で考えて下さい。その後、もう一度シミュレーションします。15分後に各自シミュレーターに搭乗してください。」

 

 「分かった。全員聞いてくれ。・・・・」

 

 エルエルフの感想や、僕達の考えを元に、フォーメーションを作り変えて行く。次のシミュレーションからは、さっきまでのアムロさんと同じぐらいの実力に落としてやってくれた。何者なんだ、ハサウェイ君は。宇宙世紀の人達は、皆あれだけやれるのか?そうは思えないんだけど。でも、この二人の共通点を見付けた。攻撃を先読みするのが上手いんだ。そして、中々フェイントに引っ掛からない。フェイントは殺意を込めて、本命は殺意を殺し、ただボタンを押すような気持ちでって、アドバイスまでされた。

 自主練の効率が上がったのは良い事だけど、本当に何者なんだ?

 

 

 

 

 エルエルフサイド

 

 「ちょっと待ってくれ、ハサウェイ・ノア。」

 

 「ん、?なんですか?エルエルフさん。」

 

 「聞きたい事がある。モジュール77の設備を使えば、そちらのジェガンと呼ばれる量産機を生産できると聞いた。そちらとしては、生産する積もりは有るのか?」

 

 「さぁ、聞いてませんね。父とはそう言う話をあまりしないもので。でも父は、軍人ではない学生達を積極的に戦力に加えることは無いと思います。」

 

 「それは戦力として信用ならないからか?」

 

 「それも少しは有るでしょうが、主な理由では有りませんね。」

 

 「どういう事だ?」

 

 「あなた方に戦い方を教えているアムロさんなんですが、初陣は幾つの時だと思います?」

 

 「そう言う事を聞くと言う事は、ハルト達と同じか?」

 

 「そうですね。1年か2年の違いです。戦争に巻き込まれ、偶々近くにあった最新型試作MSに乗り込み、高々数ヶ月で連邦軍第2位の撃墜スコアを叩き出しました。その当初から関わってきたのが僕の父です。」

 

 「では、若者を戦争に投入する事には馴れている筈だが?」

 

 「いいえ。確かにアムロさんの他にも、数々の戦争で若いパイロットを戦線に投入していますが、その全てに後悔していると言ってました。」

 

 「そう言われてもな。実際に我々は戦わなければ殺されてしまう。特にヴァルヴレイヴのパイロット達は人体実験に使われるのがオチだ。」

 

 「どういう事です?」

 

 「まだ貴生川は全てを伝えて居ないようだな。ヴァルヴレイヴのパイロット達は、ヴァルヴレイヴに乗る時に決断を迫られる。即ち、人間をやめるかとな。」

 

 分かって居ないようだな。では教えよう。

 

 「ヴァルヴレイヴのパイロット達は、もう人間では無い。マギウスと呼ばれる、人間とは違う生物に成っている。銃で撃たれても死なず、吸血衝動に駆られることもあるという。」

 

 「そ、そんな!それは父達には!?」

 

 「まだ言ってない。それを理由に、コチラの敵になるとも限らん。」

 

 「吸血されたら、その人は死ぬんですか?」

 

 「いや、一時的に体を乗っ取る事が出来る程度だが。」

 

 「そうですか。害は無いんですか?」

 

 「一時的に意識を乗っ取られること以外は、実害は無いな。後遺症も無い。まぁ、俺の場合はだが。」

 

 「え?貴方が?」

 

 「あぁ。不意を付かれてな。だが、その後勝手に体を使われたような形跡は無い。これは断言できる。」

 

 「そ、そうですか。」

 

 「でだ。俺にジェガンの操縦方法を教えてくれないか?」

 

 「僕は、貴方がどれだけ信用出来るのかは分からない。だから教えることは出来ない。」

 

 やはり、そう答えるか。やはり見て覚えるしかないか。

 

 「では一つ教えてくれ。何故君達は機動兵器で、銃弾やビームを避けられる?」

 

 「殺気が見えるからかな。貴方も兵士だったんなら分かるでしょ?相手が撃つ気なのかどうか。そこを読んでいるだけですよ。」

 

 ん?コイツは何を言っているんだ?そんなもの分かる訳無いだろう?え??

 

 「いや、ほら、何というか、引き金を引く瞬間とか、感じる、あれ・・・やっぱり、説明は無理か。そう言う気配を察しているんですよ。」

 

 さっぱり分からん。

 

 「普通は相手より先に見付けて攻撃、つまり、サーチアンドデストロイか、敵の虚を付く動きで的を絞らせないで、一方的に打撃を与えるって方法しかないと思うんだが?」

 

 「それじゃ、自分が相手にそれをやられたら死んでしまうじゃないですか。せめて相手の動きを読めるまで生き残らなければ、格上には勝てませんよ?」

 

 「お前達は全員それが出来るのか?」

 

 「全員では無いですけど、名のあるエースはほぼ分かるんじゃないかな?できない人は戦場で死ぬだけです。アムロさんは、そんな戦場を生き抜いて来たんです。時には、機体性能で劣ることもあったでしょうが、そこは腕でカバー出来てたんですよ。機体性能の違いが、絶対な勝敗には結びつきません。最後はパイロットの腕です。」

 

 そりゃあ、殺気が見えてれば、機体性能に差があっても勝てるだろうが、少なくとも俺には出来ない。しかし、それでも!

 ん?そう言えばハルトは俺の体を使って戦った時、すごい反応速度と正確な射撃が出来たと言っていたな。

 

 「なぁハサウェイ、一回ハルトに噛まれてくれないか?そこでハサウェイに乗り移ったハルトにシミュレーションをして貰いたい。その殺気とやらを感じて貰いたいんだ。」

 

 「なるほど、早速明日の早朝自主練でやってみましょうか。」

 

 「あぁ、たのむ。」

 

 彼等の言う直感とは、ハルトでも感じ取れるのだろうか?それは本当に直感なのだろうか?興味は尽きない。全ては明日だな。

 

 

 次の日、ハルトにハサウェイの腕を噛んでもらい、乗り移って貰った。

 

 「では、ハルト一人対他の3人でシミュレーションして貰う。シミュレーションスタート!」

 

 さぁ見せてくれ、ハルト。その肉体の能力を!

 

 

 

 

 ハルトサイド

 

 ハサウェイ君の体でシミュレーターに入ったが、本当に殺気なんて分かるのかな?流木野さんと山田君がツートップの陣形か。犬塚先輩は、後方から援護射撃と。山田君と流木野さんが左右に別れたと同時に僕は山田君を追う。今まで僕がいた位置にビームが通り過ぎて行った。タイミングを合わせて犬塚先輩のブラインド攻撃か。何故か分かってしまった。

 山田君が6本の腕からビームを出しながら牽制するけど、コチラに当たりそうな奴だけを最小限の動きで避ける。接近戦に切り替えたようだけど、その動きは読める。腕をまとめて切り裂き、返す刀でコックピットに突き刺す。

 次は流木野さんに向けて、ボルク・アームで牽制。動きながらの牽制でも、大半が命中。

 流木野さんが怯んだ隙きに、犬塚先輩に全速力で接近。慌てる犬塚先輩の射線を見切り、隙きを見つけボルク・アームで一撃。僕を見失ったところで、背後に回り斬り付ける。何だこの体のスペックは!?分かる、僕にも相手の動きがハッキリと!

 

 「シミュレーション終了だ。それ以上しても意味が無い。」

 

 「正直予想以上ね。エルエルフの体で戦った時と比べても圧倒的なんじゃない?」

 

 「うん。でも、この戦い方は、僕には無理だよ。僕の体じゃあ、殺気何か感じられない。でも、見習うべき技術は沢山あった。それを皆で共有しよう。」

 

 正直、このハサウェイ君でさえ、アムロさんの足元にもおよばないと言う。高みはまだまだ見えない。でも皆で生き残るために頑張らなきゃな。

 

 

 

 

 ハサウェイや、アムロの指導により着々と実力を上げていくヴァルヴレイヴのパイロット達。

 月面まであと少しという所で、ドルシア軍艦隊が集結しつつあった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




 次回、ロンド・ベル本格参戦です。
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