夕焼け道を君と歩いて   作:赤瀬紅夜

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封筒の中身は

オーディションがあってから数日後。

事務所に合否を知らせる封筒が届いていた。

割と大きめのサイズで、こうして事務所に封筒という形で届くなんて珍しいな、と思いながら手に取る。

 

折角なら陽菜と一緒に結果が見たい。

 

陽菜が事務所に来るまで待つ事にした。

しばらくすると陽菜が事務所にやってきた。

 

手招きをして個室に二人で入る。

 

「あの、マネージャーさん……最近会ってなかったからっていきなり」

 

部屋に入るなり、顔を紅潮させて恥ずかしげにチラチラと周囲を窺っている。

 

「き、キスだけですよ?この後レッスンがあるのでそれ以上は……」

 

「ちょっと待って、勘違いしてない?」

 

陽菜に事情を説明する。

事務所に合否の封筒が届いたこと、内容は見ておらず一緒に見ようと思ったこと。

 

「みんながいる中で見るのもどうかなって思って」

 

「ううっ、わたしはなんて勘違いを!」

 

バンバンと机を叩いて悶えている陽菜に封筒を手渡す。

 

「これが……あ、開けますね!」

 

ピリピリと少しずつ破っていき、遂に紙を取り出す。

目の前に広げて、二人で内容を見る。

 

するとそこには……六石陽菜を『西沢彩歌』役として抜擢することが書かれていた。

 

「やった!わたし、演じてあげることができるんですね!」

 

「陽菜なら出来ると信じてたよ」

 

封筒の奥には、キャラクターの資料やどういうイメージでやってほしいなどが事細かに書かれていた。

 

そりゃ封筒が大きくなるわけだ。

 

「わたし、早速レッスンに行ってきますね」

 

そう言い残して部屋を走って出て行った。

 

全く、陽菜なりに嬉しかったんだろうな、これから陽菜を支えてあげないと。

 

「さてと、決まったならこちらも動かないとな」

 

他のキャストや収録現場などの確認をしないといけない。

 

原作の小説はこの前読み終わったところだし、作者だったり監督を少し調べておこうかな。

あんまり聞いたことないし。

 

おふいに戻ると、りおさんが笑顔でコーヒーを差し出してきた。

 

「マネージャーくん、新しい仕事頑張ってね」

 

「どうも、というかりおさんはなんで知ってるんですか?」

 

「ふふ、その生き生きとした表情を見ればわかるよ」

 

そんなにわかりやすかったかな?

まあともかく。

 

「頑張りますよ、陽菜にとってもかなり大きな仕事ですからね」

 

コーヒーを受け取り、啜る。

あのカフェと同じ苦い味が口の中に広がったが、今は幸せだった。

 

「それでは、マネージャーくん」

 

「はい?」

 

「陽菜ちゃんとはいつ籍を入れるの?」

 

「ぶふぉっ!え?籍?」

 

突然なにを言い出すんだこの人は。

勢い余ってコーヒーを吹き出してしまった。

 

「そろそろ二人も結婚しないと、良い加減にしないと周りが痺れを切らしちゃうよ?」

 

「は、はぁ」

 

「ご両親に挨拶はしたの?」

 

パソコンを使いながらいやいや答える。

 

「毎年挨拶に行ってます……その、お世話になってるって」

 

「なるほどねえ、今の企画が終わったら正式に行ったほうがいいね」

 

「……わかりました、というかこの一件が終わったら陽菜と結婚しようとは考えてました」

 

それならよし!と言って離れていく。

 

全く、あの人はいつでもこうやって自分をおちょくってくる。

 

結婚か、いろいろ頑張らないとな。

 

挙式を少し調べたりしている自分に、つい苦笑いが出てしまった。




てな感じで、無事!オーディションに受かりました!

通常だと何回か審査があるらしいのですが今回は省かせて貰いました!

これから陽菜ちゃんとマネージャーが歩む道に注目です!

ではでは、また次回お会いしましょう!
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