向かった先は陽菜の家……だったのだが、その前に呼び止められた。
呼び止めたのは陽菜と同じくらいの年齢らしき女性…….髪を後ろでひとまとめにしている。
この人どこかで……って、リボンをくれた人か!
「あ、あの……この前はリボンありがとうございます」
そう言って頭を下げる。
あの時に意識を失ってしまったとはいえ、陽菜に届けれたのは不幸中の幸いだった。
「気にしないで……その、私も慌ててたから」
そう言ってなんでも無いように微笑む。
「そういえば、何故あそこに?関係者以外は入れない様になってるはずなんですが」
疑問が残っていたので尋ねてみる。
どこの誰ともわからない人が入れる様な場所では無い、何せオンライン収録の本番前だ。
「それは……私がその関係者だから」
そう言って名刺を手渡してくる。
そこには、有名な声優に対してヘアーセットとメイクセットをしてくれる会社の名前。
そして、その人の名前だろう。
「なるほど、羽夜さんは元々美容師を目指してたんですね」
「はい、メイクとかもやってみたくてこの会社に」
雑談をしながら駅まで歩く。
陽菜と同い年らしい、羽夜さんはかなりの努力家みたいでその身ひとつで多くの業界を渡り歩いて来たらしい。
羽夜さんは、ふと立ち止まってこちらを向いた。
「この会社にきて2、3年経ちますけど、そろそろ大きな仕事が貰えそうなので」
「それなら……いつかウチの声優達とも会うことになるかもしれませんね」
そう、切り返す。
いつか陽菜たちと……大きなイベントで会えれば凄いことだろう。
「声優たち……?という事はあなたはその関係者という事?」
不思議そうに尋ねる彼女に、説明してなかったな……と申し訳なさそうに話す。
「はい、あの時にいた声優の内、1人を担当しているマネージャーなので」
一応、名刺だけ渡しておく。
羽夜さんはそれを受け取ると、会社名を読み上げて嬉しそうに言った。
「AiRBLUE……そこのマネージャーさんだったんだ」
そして、こちらに一歩近づいてお辞儀をしてこう言った。
「私……声優大好きなんです、これからも応援させてくださいね」
「はい、今後ともよろしくお願いします……?」
疑問げに返してしまう。
だが、さっきの言葉を言い残して羽夜さんは歩き出した。
「それでは、私はこっちなのでお身体をお大事に!」
手を振っており、それに対して振り返すと彼女は駆けて行った。
「さて、と」
伸びをしてから、気合を入れる。
「電車に乗って、陽菜に会いに行きますか!」
愛しい人の元へ、急ぎ足で向かう。
そういえば羽夜さんって「これからも」応援させてくださいって言っていたような。
もしかして以前から知っていたとか?
うーん、まあ、結構有名になったし知っていたとしても不思議はないか。
疑問を振り払うようにして、駅に向かった。
こんばんは、レッド!です。
昨日はお休みでしたが、今日は更新です。
羽夜双葉……かなりの重要キャラかも?
というわけでまた次回〜!