すき焼きを食べながら、陽菜の様子を伺う。
先程まではしょんぼりしていた素振りは見せず、美味しそうにすき焼きの牛肉を卵につけて食べている。
陽菜の気持ちが落ち着いたのなら、よかった。
「オーディションのことは分からないけど、結果が出るまで時間がかかるし、気持ち切り替えて行こう」
「はい。そうしてみます」
まあ、今はゆっくり食べてくれるとこちらとしても嬉しい。
そこから1時間ほど経過し、二人で店を出る。
「あの。ここはわたしが払います……いつも悪いですし」
「いやいや、マネージャーの経費で落とすから大丈夫だって」
「そ、それなら割り勘で!」
そんなこんなで、割り勘で払って帰路についた。
家の前まで送り、陽菜を車から下ろす。
「今日はゆっくり休んでね、明日のレッスンも遅れずにね」
「はい、おやすみなさい」
そう言葉を交わして、陽菜と別れた。
事務所に戻って、久しぶりに陽菜以外の子を見る。
「あれは……確か、日向ちゃんだったかな」
今日も車掌の帽子を被って、一生懸命レッスンに励んでいる。
すると、花鳥風月組では無い、春夏秋冬組を担当しているマネージャーと顔を合わせる。
マネージャーである、彼女は、経験はまだ浅いが色んなこと信頼を築けているらしい。
「先代マネージャーさん、陽菜の様子はどうでした?」
「先代って言い方慣れないな……ええと、陽菜なら最後の方で噛んじゃったらしいけど、多分大丈夫だと思います」
「それならよかった……その、ここ最近、あなたに内緒で相談を受けてたんです。どうしたらもっと上手くなるのかって」
その言葉に、陽菜の真意を見たように気がして息が詰まる。
「ありがとうございます、陽菜もきっと緊張してたんだと思います」
「ならよかった……のかな?先代マネージャーさん、陽菜のこと頼みましたねって、あなたの方が付き合い長いんだった」
それではー、と言って春夏秋冬組のレッスンを見に行ってしまった。
陽菜が自分に隠してさらに練習……か。
きっと無理をして、努力をして頑張ったのだろう。
これからも支えてあげなきゃな。
合格したとして、待ち受けるのはプロばかりの声優が集う場所だ。
今回は人気作からのアニメ化なだけあって盛り上がりも、キャストの力の入れ具合も十分だと聴く。
「陽菜、出来る限りのことはするよ」
そう独り言を呟いて、手伝える範囲内の書類整理や陽菜のプロフィール更新などをして、その日は退社した。
明日、陽菜が事務所に来た時に、安心してレッスンできるように自分も心を切り替えよう。
と、こんな感じで決意を固めたマネージャーでした〜!
いやぁ、今回はギリギリですね、また危ないと思いましたがなんとか間に合いました!
ではでは、感想もお待ちしています!