恋姫夢想 御使いの友(凍結)   作:秋月 了

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第二十一話

洛陽を脱した総司達は揚州に向かっていた。

ついてきている第四師団は現在一万三千程。これに総司が雇った工作部隊の

爺さんたちや給仕係の女性達が含まれる。

殆どは故郷に帰ったり洛陽で家庭を築いた為離脱した。

それでも二万人が残ってくれている。

更に張遼の第二師団一万が付いてきている。

此方は元々一万三千で洛陽戦に参加し約三千人を失った。

呂布は洛陽離脱後董卓の下に合流する為分かれた。

 

総司「良かったのか?霞。恋たちと共に月達と合流してもよかったんだぞ。」

 

張遼「ええねん。総司とおるのもおもろいし。月には悪いけどな。

   で、この後どうするんや?」

 

総司「今揚州に向かっている。そう言えばわかるか?」

 

張遼「揚州か。なら孫策のとこに世話になろうと考えてるんやな。

   総司が袁術の世話になろうと考えるはずないし。」

 

総司「そうだ。だがその前にしなければならない事があるな。」

 

張遼「そうやな。だいぶ減ってもうたからな。再編成は必須やろ。」

 

総司「今日は早めに野営して再編成に取り掛かるぞ。」

 

張遼「ええで。ちゃっちゃと終わらせよか。」

 

その後再編成を済ませた総司達は

途中盗賊を退治しながら揚州を目指した

一月後長江渡河に苦戦しながらも揚州に入り

山間の放棄された砦に入った。

部下に積み荷を降ろさせて

総司、張遼、趙雲、姜維は指揮所に入る。

 

総司「暫く待って使者を送ろう。向こうはまだ洛陽の復興だろうし。」

 

張遼「そうやな。特にやることないやろし。すぐかえってくるやろ。」

 

総司「あとは偵察だな。この近くの村や町の代表と会わないと。

   やる事は多い。てかそれ何処から見つけた?」

 

総司は張遼と趙雲が持っていた小さな樽を見たあと外を見る。

外ではまだ荷物はまだ下ろされていない。

 

張遼「酒や。砦に入ってすぐの部屋に置いてあったわ。」

 

趙雲「久片ぶりですからな。主もいかがか?」

 

総司「確実に腐ってるぞ。」

 

二人が悪乗りしているだけだろう事は総司も分かってる。

これまでの行軍でストレスが溜まっているのだろう。

少しはっちゃけるくらい構わないと考える総司

 

張遼「だめかな?」

 

総司「だめに決まってるだろ。下手したら死ぬぞ。」

 

張遼「酒飲んで死ねるなら本望や。」

 

総司「くそまずい酒飲んで死ぬのが本望なのか?」

 

張遼「う、それはちゃう。」

 

総司「はあ~。荷馬車に酒が入ってるはずだ。持ってきていいから。」

 

張遼「さっスが総司や。ほな取って来るわ。」

 

総司「星。一緒に行ってきてくれ。ついでに作業が終わり次第

   休息するように言っといてくれ。酒も許可するともな。」

 

趙雲「承知した。では行ってくる。」

 

総司「ついでに俺のも頼む。」

 

趙雲「分かっております。それを理解しておくのも出来る女なのですぞ。」

 

総司「そうだな。お前はいい女さ。」

 

趙雲「ならばそろそろ私の想いにもこたえてほしいものですな。」

 

そう言って趙雲は出ていった。

 

総司「今のどういう意味だ?」

 

姜維「気づいておられないのですか?」

 

総司「何がだ?」

 

姜維は自分の主の朴念仁ぶりに驚く。

総司は普段は他人の機微を的確に見抜くが

恋愛関連になると途端に疎くなるのだ。

因みに姜維はあくまで主であるとして総司に恋心を抱くことは無い。

意識が総司を恋の対象として見せてくれないのだ。

暫くして酒を持った二人が荀彧と共に帰ってきた。

少しずつ飲みながら軍議を始める。

 

総司「明日には周辺の町や村に使者を送ろう。

   遅ければ盗賊と勘違いされかねない。」

 

張遼「そうやな。それと食料や。あらかじめ相当な量持ってきてるけど

   ずっとは持たへんで。」

 

総司「玲、どれぐらい持ちそうだ?」

 

姜維「昨日の報告時点では持って一か月ですが。」

 

総司「保存がきかないものもある。そう考えたら持って一週間か。

   金はあるが。」

 

趙雲「この辺りには大きな街はありませんからな。

   いっそ建業まで向かいますかな。」

 

総司「できればそうしたいが流石にきついだろう。まだ距離がある。

   それに下手に向かって関係がこじれるのは避けたい。」

 

荀彧「此方との約定はあくまで孫策個人との約定だし、   

   それを留守居組が知ってるとは限らないわ。」

 

趙雲「確かに。」

 

使者は送らずに二日後には建業に向けて移動しつつ使者を送ろうという事になった。

三日後にはまた行軍を開始する。時間がかかったがどうにか最初の砦にたどり着く

 

総司「玲、砦に使者を送ってくれ。」

 

姜維「はい。」

 

姜維は指示に従い兵士の一人を使者に出した。

すると使者と一人の男を連れて帰ってきた。

 

男「水燕様ですね。お話は孫策様より聞いております。」

 

総司「孫策殿はもう戻られているのか?」

 

男「はい。先日戻られました。それで此方をお持ちください。

  これがあれば建業まで間の関は素通りできます。」

 

総司「承知した。対応感謝します。」

 

総司達一行は砦を抜け建業へ向かう。

数日後建業にたどり着き建業の街の外に駐屯し張遼と趙雲を伴い孫策を尋ねた。

城の一室に通され入ったそこには孫策、周瑜。黄蓋の三人が待っていた。

 

孫策「水燕、待ってたわ。」

 

総司「遅くなり申し訳ない。孫策殿。」

 

孫策「ほんとよ。ずっと待ってたんだから。」

 

そう言いつつ孫策は総司に抱き着く。

彼女の豊満な胸が総司の体に当たっている事から総司の顔が赤くなっていく。

 

周瑜「こら雪蓮。いったん離れろ。話が進まない。」

 

周瑜に無理矢理引きはがされた孫策は不満顔でまた席に座る。

 

黄蓋「やれやれ。この場に雷火がおらんで良かった。おれば今頃

   怒鳴り散らして居ったわ。」

 

総司「はぁ。」

 

周瑜「今はそれはいいでしょう。それよりだ。水燕殿。来てくれたという事は

   そう言う事でいいのだな。」

 

総司「ええ。此方としても仕える場所は早い方がいい。勿論待遇次第ですが。」

 

孫策「それについては後でいいわ。まずはそちらの戦力は?」

 

総司「張遼の所と自分の所で二万三千です。既に再編成も完了しておりますので

   要望次第でいつでも出せますよ。」

 

黄蓋「頼もしいな。流石というところか。」

 

孫策「では待遇についての話をしましょう。こっちとしては貴方に求めるのは

   純粋に戦力、そして指揮能力とその身軽さ。

   だからこちらとして出せるのは拠点一つ。

   そして太史慈や甘寧と同じ地位を総司に与える。

   これでどう。勿論それ相応の給金は支払うわ。」

 

総司「構わないですね。その砦の周りに小さくていいので川があれば最高です。」

 

周瑜「分かった。それも考慮しておこう。そちらから望むことは無いか?」

 

総司「こちらは戦力の提供のみとさせてほしい。

   此方が保有する武器、技術の提供に関しては一切提供しない。

   またその手の命令には断固拒否させてもらう。

   更に強奪されようと考えているならこちらもそれ相応の対応をさせてもらう。」

 

黄蓋「理由はなんじゃ?」

 

総司「まず、俺達は戦争屋ではない。あれらは言ってみれば

   確実に勝つことができる兵器だ。その価値は実際に攻撃を

   受けた貴方たちなら分かるだろう。あれはあくまで自衛のための兵器であり

   いたずらに戦乱を生み出すための物ではない。

   二つ目に扱えるわけがないからだ。使い方も分からずに

   自軍が全滅したというのは孫策殿も避けたいはずだ。

   言っておくが全滅は戦う事が出来ないからではないぞ

   此方が扱う兵器は扱いを間違えれば自分達を傷つけるものもあるという事だ。」

 

孫策「分かったわ。それらに関しては一切触らない事を約束するわ。冥琳頼んだわね。」

 

周瑜「分かった。軍内や文官たちにも通達しておく。」

 

総司「こちらからはそんな所だ。」

 

孫策「分かったわ。待遇についてはこれでいいという事で。

   それでここからが本題なの。

   貴方北郷一刀の事は知ってるわね。」

 

総司「天の御使いの事だな。」

 

孫策「彼が言っていたの。貴方たちが私達に汜水関で使った兵器。

   確か銃と言ったかしら?それは未来の兵器だって。

   もしかして貴方、もしくはあなたの軍の中に

   御使いの友がいるんじゃない?」

 

総司「お得意の勘ですか?」

 

孫策「そうよ。」

 

総司「なら正解です。俺と後技術部の孫尚文陣という女性がそうですよ。

管輅の奴に確認したから確かですよ。

   だがそれがどうしたのですか?」

 

孫策「まぁ貴方達が天の御遣いと似たような存在だと言うなら話は簡単なのよ。」

 

総司「簡単とは?」

 

孫策「孫呉に仕え、天の御遣いの血統を孫家ないしウチの女の子達の家に入れること。」

 

総司「なるほど孫呉は天の加護があるという事を民に知らしめる。という事でしょうか?

   ただ御使いの友の話はあまり知られていないはず。効果は余り期待できないと

   思うのですがそのあたりはどう考えておられるのですか?」

 

孫策「北ではそうでしょうね。でも南では違うわ。揚州、荊州、益州、交州の四つの州では

   御使いの友の話も一定の層まで知られている。

   確かにあなたの言う通り北ではあまり効果は期待できないでしょう。

   でも南ならそれのおかげで民の支持も得られやすくなる。」

 

総司「なるほど、御使いの友のネームバリュー、失礼知名度を利用しようという訳ですか。」

 

周瑜「しかもそれが必勝の神使とまで言われているお前ならなお効果は高くなる。

   どうだろうか?受けてもらえないだろうか?」

 

総司「一つ質問が。その対象には当然話しているのですよね?

   俺は太史慈殿はともかく甘寧殿とは面識すらないのですが。」

 

孫策「太史慈とは会ったことはあるんだ。」

 

総司「数えるほどですが何度か元揚州刺史の下で何度かお会いしたことはあります。」

 

孫策「それでか。特に反対しなかったのよねぇ。とりあえず甘寧以外は反対してないわ。

   甘寧はあった事すらないのに関係を作れという方が無理な話よね。」

 

孫権さえ彼ならいいと言っていた。確かに見た目も性格も悪くない。

鈍感なところもあるらしいがそれでもそれを補える青年なのは間違いないと孫策は考えていた。

 

総司「そちらの考えは理解しました。俺としては構いません。

   ただ俺には好意を持ってくれている女性がいます。

   そこら辺も考慮していただければ嬉しいのですが?」

 

それを聞いた趙雲は驚いた。この男は気づいていたのかと。

実際は姜維に言われるまで気づきもしなかったのだが。

 

孫策「かまわないわ。でもこちらの事も考慮してね。」

 

話は進みその日は解散した。

帰り道趙雲はある事を聞いてみた。

 

趙雲「主は気づいておられたのか?」

 

総司「恥ずかしい話、姜維に諭されるまでお前や桂花に好意を向けられている事に

   気づきもしなかった。済まなかったな。」

 

趙雲「いえ。気づかれたのなら頂上。私とお付き合いいただきませんか?」

 

総司「お前がいいなら俺は構わないさ。お前といると楽しいしな。」

 

趙雲「ありがとうございます。」

 

 

こうして総司は趙雲とそして後日荀彧とも婚姻をむすぶこととなった。

 

 

 

 

 

 




三十一話いかがだったでしょうか?
恋愛関連は難しいですね。マジで。
次回もよろしくお願いします。
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