第三十二話 太史慈 壱
一斉粛清が終わったころ総司は太史慈誘われて飲み屋に来ていた。
「お疲れ、総司」
「ありがとう、梨晏」
たがいに酒を注ぎ飲んでいた。
「総司にはお礼を言いたくてね」
「お礼?」
「ほら、黄祖との戦いの時追撃部隊に加わらなかった事、かばってくれたでしょ」
「ああ、そんなこともあったな。ああでも言わないと包が何言いだすか
分からなかったからな」
「うん。だからありがとうって言いたくてさ。今日は私が出すから飲んでよ」
「ありがとう。」
二人はさらに飲む。
そうして世間話や仕事の愚痴を言って笑っていた時総司が神妙な面持ちで口を開いた。
「正直な。俺は孫呉の将には嫌われてると思ってた」
「え、どうして?」
「汜水関でのことがあるからな。それがいきなり表れて
婚姻だ。子供だとか言われたら誰だっていい感じしないだろ?
しかも既に妻帯者だぞ。
戦略として理解できたから受けたがやっぱきついと思ってな」
「あはは、確かに。それは雪蓮が悪いね。でも総司の人柄はみんな知ってるし
さすがに高齢の雷火先生やあったこともない思春は断ってたけど
その他の皆は拒否はしてなかったよ」
「らしいな。雪蓮様から聞いた。だがふたを開けてみれば
結構受け入れられてて驚いた」
「他はどうか知らないけど孫呉は来るもの拒まずって感じあるもんね。
私も最初驚いた。私も総司と似た立場だったからその気持ちわかるなぁ。
雪蓮が受け入れてくれなかったら黄祖の軍に加わって今頃生きてはなかったなぁ」
「そうか。劉 繇に仕えてたからそうなってたかもしれないもんな。
何がどうなってたか分からないもんだ」
「確かに」
二人は笑う。また酒やつまみを食べながら話していた。
そうして夜も更け閉店時間が近づいてきたので店を出る。
「ほら、梨晏、ちゃんと立てよ」
完全に酔いつぶれた太史慈を肩で支えながら帰る。
「うらぁう。私は太史慈子義だ!!怖いものなんてないぞー!
矢でも呂布でも総司の○○○○でも持ってこーい」
「何言ってんだ。お前は」
酔いながら叫ぶ太史慈に突っ込みを入れつつ歩く事数分。
ようやく太史慈の自宅にたどり着いた。
「ほら、梨晏。着いたぞ。寝台に位自分で行け」
「あはは、総司が二人いるー」
「ダメだこりゃ」
そのまま寝台に太史慈を寝かせて帰る。
後ろを見れば寝ながら服を脱ぎだした太史慈の生まれたままの姿がある。
普通の男なら誘ってると勘違いしてそのまま濃い一夜を過ごすのだろうが
総司はそうならない。
「総司~。大好きだよ~」
「どんな夢見てんだか?」
総司はそのまま帰っていった。