恋姫夢想 御使いの友(凍結)   作:秋月 了

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いきなりですが今回の話を書くにあたり二十七話を変えました。
どうぞよろしく。


第三十四話 孫権

孫権が妹の孫尚香や甘寧と共に砦を訪れていた。

先日の書類地獄の時から真面目に仕事をしていて

ふと思いついた疑問から部隊の隊員に聞いてみたいことがあったのだ。

入口に大きな狼が寝ていたのに驚くが特に何もされないどころか

孫尚香とじゃれだししまいにそのまま背に彼女を載せて案内してくれたりしている。

とても賢い狼だなぁと考えながら辺りを見回しながら出迎えの兵士に案内されながら

砦を見学している。丁度総司が趙雲と一騎打ちしていると聞いて

見学のためにその場所に向かった。

そこで見たのはまさに殺し合いではないかと思えるほどの一騎打ちの試合。

慌てて止めようとした孫権を兵士の一人が止める。

 

「大丈夫です。孫権様。いつもの事なんで」

 

「でも、もしそんなことになれば」

 

「大丈夫ですよ。見ていてください」

 

その後一騎打ちは趙雲の槍が吹っ飛んで趙雲の負けとなった。

 

「あなたたち、いつもあんな試合しているの?」

 

「ええ、死合ですから」

 

しの漢字が違うがこれが八咫烏隊の日常だった。

 

「本日はいかがしましたか?」

 

「少し見学に来させてもらったの」

 

「そうですか。ですがあまりあれこれ触らないでください。

触れただけで皮膚がただれる薬品もありますので」

 

「わかってるわ」

 

それからいくつかの施設を見学して最後に食堂にやって来た。

別にお腹が減ったわけではない。

今回砦にやってきたのは一般兵士と話をする為だ。

 

「食事中ごめんなさい。少しいいかしら。」

 

「これは孫権様。気づかず申し訳ありません。」

 

食事に夢中で彼女に全く気付かなかった一人の兵士が謝るが彼女は微笑みながら許す。

 

「いいの。少し聞きたいことがあったから聞かせてもらえないかしら?」

 

「構いませんよ。なんでしょう。」

 

「どうして総司に従うの?」

 

「それはどういう意味でしょう?」

 

「勘違いしないでね。決して彼を裏切れとかそう言う事を言っているのではないの。

ただ汜水関から撤退するときの殿部隊の行動を報告で聞いていたから聞いただけなの。」

 

「なるほどそうでしたか。これは申し訳ない。

簡単に言ってしまえば俺らにとってあの人は神なんですよ。」

 

「神?」

 

「ええ。今の八咫烏隊の前身である董卓軍第四師団の人間は

殆どが元山賊や元奴隷といった日陰者ばっかなんですよ。自分もそうですし。」

 

「そうなの?」

 

この発言に孫権は驚いて周りを見回せばさぼるような行動をするものはおらず

きちんと規律が行き届いているのが分かる。

とても元山賊や奴隷上がりの部隊とは彼女には思えなかった。

実際目の前の男も粗野な態度は一切取らず丁寧な対応をしてくれている。

 

「信じられないわ。」

 

「随分指導されましたから。」

 

「ならば猶更どうして従っているの?」

 

「俺らは皆あの人に感謝してるんです。

日陰者で他人から無理矢理奪うしかその日を生きる事が出来ない俺らに

しっかり生きる場所と当たり前の生活をくれて人間以下の俺らを

人間に戻してくれたのは総司様や董卓様なんです。

しかも総司様はこんな俺らの為に怒ってくれるんですよ。

仲間って言ってくれるんですよ。

虎牢関で袁紹の野郎が仲間を磔にした時も救出した奴らを手当てしてたんですけど

総司様は俺らの事が必要だって言ってくれたんですよ

その時思いました。この人は俺らのにとって神なんだって。

だからあの人の為になら死ぬことすら惜しくないんですよ。

それが俺らが総司様に従う理由です。」

 

「ありがとう。いい話を聞けたわ。」

 

「いえ、お役に立てたならよかったです。」

 

孫権はそのまま駐屯地を後にした。

聞いた話に感動しながら。自分も配下の者達にとって命を懸けるに値する

君主になれる様に努力していこうと心に決めて

 




はいどうも秋月です。
前々回から個人との恋愛パートに入っております。
今回は孫権でした。
どんな話にしようか悩んだ末、
二十七話で使った話がいいと思い
持ってきました。
全て読んでいただいた方にはつまらなかったと思いますが
お許しを。
次回は陸遜を考えています。どうぞよろしく
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