恋姫夢想 御使いの友(凍結)   作:秋月 了

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反袁紹連合編
第三十七話


洛陽では少帝が頭を痛めていた。

 

「全く、はっきり言って言葉が見つからない」

 

周りの曹操やその配下たちが同情の念を少帝に向ける。

事の発端は数か月前。反董卓連合が解散してしばらくした時の事だった。

曹操を中心に洛陽復興やこの機会に洛陽を責めようとした少数の黄巾党残党の討伐などに

追われて監獄の警備が甘くなっていた。

その間に袁紹が逃げ出してしまったのだ。

それから捜査の末袁紹は冀州の刺史を切り殺して好き勝手しているとのことだった。

 

「南の袁家はどうにかなったが北は何とも面倒だ」

 

「既に最北端の幽州へ攻め寄せる動きも確認しております。陛下。例の作戦を」

 

「そうだな、曹操。各州の刺史を集め、袁紹の討滅を命ずる」

 

「はっ」

 

曹操は即刻動き出した。

 

 

 

 

 

 

一方孫家では今後の動きについて話し合われていた。

 

「総司報告よろしく」

 

先日の大粛清での働きで各国の諜報を任されることになった総司は手に入れた情報を報告する。

 

「北では今、冀州を奪還した袁紹が幽州へ動きを見せている。

公孫賛と袁紹は遠からずぶつかるでしょう。

劉備はまだその動きを掴んではいないようですが曹操は既に動いています。

遠からず皇帝の勅命を取り付けて反袁紹連合を結成するつもりのようです。

益州では最近南蛮と戦が起こったようです。

結果として南蛮は引きましたが益州側もかなり被害が出たようです。

大まかには以上ですね」

 

「袁紹の兵力は?」

 

「十万程です。ですが完全に寄せ集め部隊ですね。

一方の公孫賛は兵の練度は高いですが兵力は二万程です」

 

「寄せ集めとはどいう事じゃ」

 

「かなり無理な徴兵をしたようです。

下は十歳なりたての子供から上は六十手前の爺さん、婆さんまでかなり広いですね」

 

「何とそれほどに兵が足らんのか?」

 

「それでよく出撃しようと思ったわね」

 

「蓮華様。それが袁紹の愚かなところです。

そして奴の周りにはそれを止めるものは誰もいない。

田豊や顔良、文醜は曹操や劉備に下ったからな」

 

「つまり冀州の袁家には今、狂った奴らしかいないてっわけね」

 

「そういうわけ。さて孟徳ちゃんが連合の打診をする前にするべきことはしておきましょうか」

 

「するべきことですか?姉様」

 

「そう。我が孫呉は劉備と同盟を組む」

 

「土地的には曹操と戦になった時壁になってくれるな」

 

「なるほど囮ですか?」

 

「言葉を考えて喋れ、包」

 

「はわ。申し訳ありません」

 

「俺もその意見は賛成です。ですが劉備の真名による約定はあまり信用するべきでは

ないと言わせてもらいたい」

 

「どういう事かしら?」

 

「汜水関での撤退時一部の兵士が追撃を加えてきたのは知っていますよね?」

 

「ええ。確か殿部隊に壊滅寸前まで追い詰められた部隊よね」

 

「俺達董卓軍は劉備との間で後退時互いに追撃はしないことを真名を

使用したうえで合意していました」

 

「じゃが、劉備は追撃した」

 

「はい」

 

「なるほど、確かにそれはまずいわね。その時点で劉備の

真名の信頼は地に落ちてると言っていいわ」

 

「だがここは劉備と組むことで得られる利益を見るべきだろう」

 

「そうね。総司もそれでいい?」

 

「私が申し上げたいのは決して信用しすぎるなという事だけですので」

 

「他の者たちもいいわね。使者には亞莎に言ってもらうわ。

総司はその護衛を頼みたいの」

 

「わかった」

 

「後何か手見上げがあればいいのだけど」

 

「ならうってつけがいる」

 

「それは何?」

 

「公孫賛だ。袁紹に捕らえられたところを救出してくる」

 

「袁紹が公孫賛を生かすかしら?」

 

「それは確実に生かしますよ。なんたって幽州統一後彼女を公開処刑すれば

幽州の民を従わせることが出来るんだから」

 

「なるほど。虎牢関でのことを考えればありうるな」

 

「そういう事だ。俺達が公孫賛を救出して徐州に向かいます。

護衛には趙雲に任せますがよろしいですか?」

 

「ええ。それでお願い。総司はすぐ行動して」

 

「わかりました」

 

そうして会議は終了し総司は部下と共に幽州に向かった。

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