恋姫夢想 御使いの友(凍結)   作:秋月 了

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第三十九話

『化け物~~~~~~~』

 

「だ〜れが一度みたらむこう一月は悪夢に出て来そうな筋肉ダルマですってぇえ⁉」

 

「いや、そこまでは言ってないですよ」

 

「あら、久しぶりじゃない。総司ちゃん」

 

「そうですね。貂蝉学園長。何でここに?」

 

「私も少しこの時代を見回りたくてね」

 

「そうですか。がんばってください」

 

「あら、ありがとうね」

 

貂蝉は腰をくねくねさせながら華佗と共に去っていった。

一刀は終始口元に手を添えていた。

 

「(貂蝉と言えば三国志でも一二を争う美人として書かれてるからな。

実際そうなんだが。知らないとそうなるよな)」

 

総司は一刀を哀れに思いながら見ていた。

 

 

 

 

 

翌日、呂蒙が趙雲に護衛されて州都に到着し劉備と一刀は気丈にふるまいながら謁見の間に現れた。

 

「内容は水燕さんから聞いています。私としては今回の話受けてもいいと考えています」

 

「ありがとうございます。では細かい話に移りましょう」

 

普段昇進の際の経緯のせいもあり緊張感が抜けないところがある呂蒙だが

今は決して舐められることのないように喋っていた。

話はスラスラ進み同盟の締結となった。

主に相互不可侵と通商条約、更に戦闘発生時、救援を求め、答える内容が記されている。

 

「では双方に名前を記入して同盟の締結とします」

 

同盟締結の文書に双方の名前が書かれ、同盟が締結された。

 

 

 

 

 

 

 

揚州に戻れば待っていたのは反袁紹連合への参加要請。

勿論孫呉がそれを断る理由は無く参加が決まった。

孫呉の他に参加したのは主導した曹操。

同盟相手である劉備。

西涼の盟主、馬騰の娘で盟主代理の馬超。

劉表は病を理由に不参加。

劉璋も南蛮との後始末がまだという事で不参加だった。

孫呉も劉表が不参加という情報を手に入れた際孫権をるすと甘寧、周泰、呂蒙をつけた。

留守にいている時に荊州の領地を取られるわけにはいかないからだ。

孫策は集結地に向かい、総司たちは青州と徐州の州境の砦に向かう。

そこは渓谷になっておりその出口部分に砦はあった。

そこに袁紹軍の部隊五千が向かっているという報告が入った為、

そこに劉備を中心に呂布、朱儁、皇甫嵩の部隊が防衛に向かい、

その援軍として総司が派遣された。

だが劉備軍は本陣に一刀を中心に主力部隊が派遣されておりこの場に残るのは旧董卓軍ばかり

その事もあり劉備はこの場での指揮は総司に任せた。

総司はすぐに準備を始める。

ほどなくして砦に向かってまっすぐ進んでくる袁紹軍を発見。

前面に部隊を配置して降伏勧告を出してきた。

戦場に袁紹の甲高い声が響く。

 

「袁紹はこっちに来たか。てっきり本隊の方かと思ったが。

てことは本陣の方は囮か?」

 

「それが出来るくらいには頭があったのですね」

 

「そうだな。桂花、準備は?」

 

「ぬかりなく」

 

「よし、周倉」

 

「応よ。任せな」

 

周倉と部下三人が砦の壁際に向かい袁紹軍からも見える位置に立つ。

何をするのだろうと劉備は見ていると兵士たちがしゃべりだした。

 

「おうおう、すごい数だな」

 

「でも、袁紹はどこだ?」

 

「ばっか、おめぇ。袁紹が水燕様や張遼様みてぇに前線で戦うと思ってるのか?」

 

「無能な七光りって言われてるあいつが」

 

「ん?それはどういう事でい」

 

「袁紹は家柄だけで偉そうにしてるだけで、本当はなーんも出来んのよ」

 

「そのくせ自意識だけは高いから周りは苦労してんだと」

 

「噂だがあまりに無能すぎて冀州の州牧の座さえ考え直されそうになったとか」

 

「それはさすがにまずいと思った先代である親が大金積んで帝に頼み込んだとか」

 

「それを知らない娘は自分の実力と勘違いしてるって噂だけどな」

 

「その証拠に反董卓連合では総大将にこそなったが何もできてねぇしな」

 

「確かに。悪戯に自軍の兵士を減らして」

 

「捕らえたやつらを磔にして敵の怒りを買って」

 

「味方からも見放されて」

 

「最後は宮廷からも放り出されたとか」

 

「州牧として冀州を発展させてきた先代の最大の失態とか言われているらしいし」

 

「それでよく自分が有能だとおもえたもんでい」

 

「全くもって」

 

「「「哀れだなや~」」」

 

兵士が大声で笑う。

そして今まで黙っていた周倉が声を上げた。

 

「おい、おめぇらあまり不名誉な事言ってやるな」

 

「例えそれが本当の事だったとしても、いや本当の事だからこそ

人には知られたくねぇモンの一つや二つあるじゃん。

でも一回聞いてみたくなる事もあるもんだ。

お~い。今の話聞こえてただろ~。

裏口で州牧なったと知った気分はどうだ?」

 

「本当は恐ろしくて前に出れねぇんだろ?

悔しかったらここまで来てみな。ほれ

おしりペンペンくそくらえってな」

 

「「「おしりペンペンくそくらえ~」」」

 

兵士たちはまた笑う。

完全に馬鹿にされた袁紹は顔を真っ赤にして叫んだ。

 

「ま~なんて無礼な。あいつらを皆殺しになさい」

 

兵士たちは前進した。

 

 

 

 

 

「あんな感じでよかったのかい?大将」

 

「ああ。ご苦労だったな。周倉」

 

「いいって事よ。だが」

 

「わかっているさ。揚州に戻ったら相手しよう」

 

「よっしゃ。その言葉忘れるな」

 

「当然だ」

 

周倉は自分の隊に戻る。

入れ替わるようにして劉備が総司に近づいてくる。

 

「少々低俗すぎませんか?」

 

「挑発とは単純で下劣な方がよく響くものだ。

それが少しでも身に覚えがあればなおさらな」

 

「そういうものですか?」

 

「そういうものです」

 

劉備は何となく疑問に思いながら納得した。

 

臨戦態勢を取る。最初は弓で迎撃。

それを袁紹軍は盾で防ぎながら進む。

 

「攻城塔が来ます」

 

後ろから来たのは馬にひかせた攻城塔。

鈍重だがそれ故に簡単には倒れない。

そして攻城塔は砦の壁に取りつき橋をかけて侵入しようとしてくる。

 

「今だ。投擲。全員目をつぶれ!」

 

最前列にいた兵士たちが持っている筒を投げる。

筒は攻城塔の橋に落ちその下にも落ちた。

そして次の瞬間筒が弾けて閃光が出る。

 

「ぎゃあああああああ」

 

「目が、目が~~~~~」

 

閃光玉を受けた敵兵は動けずその場に蹲る。

 

「敵の動きが止まった。やれ」

 

兵士たちは攻城塔にいる者たちを殺し下に人一人は入るであろう瓶をおとし

地面にぶつかった瓶が割れ辺りに中身が飛び散った。

 

「な、なんだこれ?」

 

「こ、この匂いはまさか」

 

「あ、油だ~~~~」

 

「火矢放て」

 

弓隊が一斉に火矢を放つ。

油に当たり燃え始める。

火はアッという間に燃え広がり兵士たちを焼き殺す。

 

「に、逃げろー」

 

比較的後ろにいて焼かれなかった兵士たちが逃げ始める。

 

「させると思うか?銅鑼を鳴らせ」

 

銅鑼が鳴らされる。

すると峡谷の上から岩や土砂が流れてきて道をふさぎ

更に燃え盛った巨大な藁玉が落ちてきて逃げ出した兵士たちを焼き殺した。

まさにその光景は地獄だった。

 

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