総司が袁紹相手に完勝していた頃、曹操の連合軍は官渡の戦いで勝利していた。
と言っても戦が開始されて早々に敵は混乱。結果一騎掛けした夏侯惇をはじめとした
各軍の武官たちによって指揮官たちは打ち取られ袁紹軍は降伏。
捕まえてみればそのほとんどは碌に訓練もされていない者ばかり。
それもまだ十代にもなっていないような子供から果ては立っているのもやっとな老人までいる。
この光景には各軍の武官たちは呆れ果てていた。
そして今、三軍の大将とその軍師たちが軍議を開いている。
「随分あっけなかったわね」
「確かに。ろくに指揮も取れない烏合の衆だったな」
「顔良と文醜のいなくなった麗羽の軍なんてそんなものよ。
それよりも兵士のほとんどが碌に訓練されていない老人や子供だったのが気になるわ」
「それに袁紹がいなかったのは気になります。何処に行ったのか?」
「青州から徐州に向かったか。并州に向かったか?」
「どちらにも守りの軍は配置してある」
集まっている三軍の指揮官たちがそれぞれ頭をひねらせている時、一人の兵士が入って来た。
「失礼いたします。孫策様に書状が届きました」
「私に?」
「はい。書状を持ってきた者から急ぎとの事で」
「わかったわ。ありがとう」
孫策は書状に目を通す。
「袁紹の居場所が分かったわ」
「どこなの?」
「徐州に向けて袁紹率いる計五千の軍が襲来。我、これらを殲滅セリと書かれているわ」
「徐州に、なるほどね」
「こちらの被害は?」
「我らに被害なし。これより青州の開放に向かうと書かれているわ」
「わかったわ。我々も奇襲に向かうわ。袁紹を打ち取るのよ」
「「「「「おう」」」」」
翌朝連合軍は冀州に向けて進軍を開始した。
十日ほどして連合軍は冀州に入る。
そこで見たのは想像を絶する光景だった。
偶々立ち寄った村には女しかおらず話を聞けば男手は兵士にとられたという。
夫が帰らない。息子が帰らない。女たちはそんな事を訴えてきた。
捕虜を探せばこの村出身の者たちがおり村に返した。
またある村は男手だけではなく食料も奪われたという村もあった。
他にも逆らったせいで皆殺しになった村も少なくない。
「これが人のやる事かよ」
「ご主人様とにかく進みましょう」
「わかった。愛紗」
一刀は馬を駆り先に進む。
隣の副将としてついてきている関羽の手を見れば血が流れていた。
彼女も悔しいのだ。
(こんなことを終わらせる為に旅に出たのに。私はまだ弱い)
それが彼女の思いだった。
冀州に入って数日。
連合軍は州都に集結している。
そこに青州を解放した総司たちが合流する。
「お疲れ様。総司」
「いえ雪蓮様こそ」
「まずは報告をお願い」
「はっ。袁基などの袁紹親族全て打ち取りました。
また閻柔をはじめとした配下の者たちもそのほとんどを青州で討ち取りました」
「こっちでも崔琰達を討ったわ。なら」
「ああ。残っているのは袁紹ただ一人という事だな」
「そうじゃな。それでどうする?冥琳」
「直ぐに本陣から攻城開始の合図が出るでしょう。・・・・・と来たようですね」
曹操軍の兵士が駆け込んできた。
「伝令です。全軍攻城を開始せよとのことです」
「承知したわ。すぐこちらも動く。皆、行動開始よ」
「「「「「「はっ」」」」」」
将たちは行動を開始した。