恋姫夢想 御使いの友(凍結)   作:秋月 了

45 / 56
劉備益州逃亡編
第四十三話


それぞれの勢力が自身の領地に戻った。

皇帝は今回の功績として曹操に袁紹が持っていた領地を、

孫策には武具と攻城兵器類と

正式に現時点で荊州に持つ領地を孫家の領有承認され、

一刀達には黄河における貿易優先権が与えられ、連合は解消。

袁紹は即日処刑された。話では最後まで私は何も悪くないと叫んでいた。

勿論誰も聞き入れる事はなく処刑された。

そんな時一刀が劉備と婚姻を発表した。

理由は反董卓連合解散後にわかった劉備の妊娠。

友人として総司は孫策に願い出て後の代表として瑠香と徐州に地に来て

個人的に話し合いの場がもたれている。

 

「おめでとう、一刀」

 

「ありがとうございます。総司さん、瑠香さん」

 

「ほんと、相変わらずよね。で、何人の女の子を墜としたの?」

 

「え、いや~、その~」

 

「歯切れが悪いという事はそこそこいるまたいだぞ。瑠香」

 

「そうみたいね。でもほどほどにしてよ。未来の男は女を見たら直ぐに口説きにかかるなんて

噂、聞きたくないからね」

 

「失礼な。一刀と違って俺は口説いたことはない」

 

「そうよね。あんたの場合は言葉じゃなくて行動で女を墜とすものね」

 

「そんなことはない」

 

「もういいでしょ。瑠香さん」

 

段々と瑠香に女性関係をいじられ始めて一刀はそれを止める。

 

「ごめん。言い過ぎた。でもこれだけは言わせて。

何人関係を持とうと構わないけど女の子泣かせたら駄目よ」

 

「わかってますよ」

 

三人は笑いながら話していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後に開かれた披露宴で正式に婚姻が発表された。

宴会場には孫家、曹家の代表代理が来ている。

孫家の代表代理である総司と曹家の代表代理の夏侯淵が話していた。

 

「お久しぶりですね。夏侯淵殿」

 

「ああ。そちらもな」

 

二人は会話を進めていく。

だがはたから見ていれば笑顔で会話しているが

内容は殺伐としたものだった。

嫌味などは序の口。言葉の端々からの探り合い、騙し合いなどだ。

 

(なるほど、曹操は徐州攻略に動いているのか)

 

影の攻防に勝ったのは総司だった。

夏侯淵は孫呉は動く気がないと偽情報を掴まされていた。

 

「では」

 

「ああ」

 

二人は離れ、他の武官や文官たちと話していた。

 

 

 

 

 

 

 

総司と夏侯淵の会話を私は聞いていた。

ほとんど誰にも悟られず話の中での影の戦いが二人の中で繰り広げられている状況に

私は少し感動していた。

二人が離れた事で視線を桃香様とご主人様に向ける。

ご主人様は現在他勢力や各領主達に挨拶回りをしているが桃香様は笑顔で周りに集まっている

張飛や孔明、法統、麋竺、糜芳などの子供たちと話している。

行動については理解できる。結束強めようとしているおられるのだろう。

桃香様の夢が他人に理解できにくい事もあり、その方面からではなく

こうして楽しい会話で仲良くなり結束を強めるのは私にも理解できる。

勿論本人はそんなつもりがなく無意識でしている事もだ。

だがそれは今すべきことではない。

今すべき事はご主人様の隣に立ち当主として威厳をしますべきだ。

 

「桃香様は何をしているんだ」

 

溜息が出る。

桃香様の夢を聞いて感動して義姉妹の盃まで交わしたはずだったのに。

今はそれを信じられなくなっていた。

公務にかまけ自軍の事の一切を一刀に任せ、兵士の訓練を一切見にくる事もなく、

その公務も孔明や法統や董卓、賈駆に頼らねば早く進まない。

董卓軍参入で最近こそ少しマシになったがそれまでは苦労が絶えなかった。

そんな状況に私はいつの間にか心が離れてしまっていた。

 

「どうも、関羽殿」

 

私が水燕殿に声をかけられたのはそんな時だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「どうも、関羽殿」

 

「これは水燕殿!この度は参列ありがとうございます」

 

慌てたように答える関羽に総司は違和感を覚えた。

 

(なるほど。今の劉備の在り方に疑問を感じているのは本当なのだろうな)

 

劉備を視線だけで見ながら関羽と話していた。

 

「この度はご主君同士の婚姻おめでとうございます」

 

「ありがとうございます」

 

「ですがあなたは心からは祝福していないようだ」

 

「な、何を?」

 

「いや、違うな。焦っていると言った方がいい」

 

「私は別に」

 

「いや、焦っていますね。ご自分ではお気づきではないようだが。

理由は曹操軍が軍備を整えつつあるという事でしょう?」

 

関羽はバレていると焦った。

一刀が急いで軍備を整えているがまだ整っていない。

恐らく遅くても一月もしないうちに攻めてくる。

そして現状でこんなことをしていていいのか?

それよりも急いで兵士を鍛えた方がいいのではないのか?

そんな疑問が多くあった。

 

「どうでしょう。私に話してみては?」

 

「同盟相手であるとはいえ他国の人間に話せる内容ではないので」

 

総司の申し出に関羽は拒否した。

総司は少し笑いながら話した。

 

「関羽殿、あなたは俺が考えていたよりも優秀だ。

一刀が称賛するのもうなずける」

 

「何を」

 

「どうだろう。俺の元に来ないか?」

 

「な!」

 

「今の劉備に疑問を感じているのでしょう?

ならここでスパッと関係を切ってしまっても誰も攻めやしない。

俺は歓迎しますよ。勿論ただではない。

先日の戦で第四旅団の指揮官が負傷してね。

引退する事が決まった。その第四旅団五千人の指揮をあなたに任せたい」

 

総司のこの誘いに関羽は驚いた。

総司の八咫烏隊の総軍人数は現在二万人。

総司を頭に五人の幹部がいる。

一人は副師団長であり第二旅団長でもある趙雲。

二人目は元董卓軍の第二師団長を務めた張遼。

三人目は軍師の荀彧。

四人目が技術部部長の瑠香。

そこにもう一人はいるのだがその一人が先日の反袁紹連合戦の際に負傷し部隊を引退。

現在、四人目のポストが開いてるのだ。

そこに総司は関羽に任せると言っていた。

 関羽にしてもこの提案は悪くない提案だった。

現在の関羽の地位は彼女自身満足出来る地位では無い

理由は董卓軍と公孫瓚の参入。

武人として優秀だが部隊指揮経験で朱儁や皇甫嵩や公孫賛に、

個人の武力も呂布や張飛に負けた彼女は彼らに出世競争で負けてしまい、

現状、劉備と一刀の近衛隊隊長という地位にいる。

これはかなりの出世なのだが関羽にしてみれば、

滅多に前線で武を振るう機会のなくなった今よりも昔のように己の武を前線で振るい、

その功を持って主たちに忠誠を誓いたいと考える根っからの武人気質だ。

勿論功績が無かったのが悪いと言われればそれまでだ。

それは関羽自身もよくわかっている。

なら一兵卒か一つ下の指揮を指せればいいと考えるかもしれないが

ここで邪魔をするのが関羽自身が劉備軍において最古参だという事。

劉備軍は黄巾の乱の義勇軍を母体としてそこに徐州軍が加わり

大きくなった軍でありそして関羽はその中で最古参の武官だ。

当然関羽を慕う兵士も多い。

ここで失態を犯したわけではないにもかかわらず

降格してしまえば不満が上がる。

それらを加味した結果一刀が出した答えが近衛隊長というわけだ。

だが周りにはお情けで昇進したように映ってしまう。

それが分かる関羽にとってより肩身の狭い思いにさせている。

そんな関羽にとって総司の提案がどれほど魅力的に聞こえたか計り知れない。

だが生真面目な彼女に首を縦に振ることは出来なかった。

 

「ありがたい申し出ですが、今の私は近衛隊の隊長。簡単にその地位を捨てるわけにはいきません」

 

「そうですか。それは残念だ。ですがもし迷いが出たのならいつでも言ってください。

いつでも歓迎しますよ。勿論あなたの居場所は開けておきます。長くはないですが」

 

そう言って総司は関羽から離れていった。

何とか乗り切れたと関羽は安堵する。

だがこの話は関羽の中でしっかりとしこりとなっていた。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告