恋姫夢想 御使いの友(凍結)   作:秋月 了

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第四十四話

徐州から揚州に戻った総司は早速砦で幹部を集めて軍議を開いた。

 

「関羽を勧誘する」

 

「「「「は?」」」」

 

突然の事に幹部四人は固まる。

総司は披露宴でのことを話した。

 

「なるほど。可能性はありますな」

 

「でも、いきなり旅団を任せるの早くない?古参から文句が出るんじゃ」

 

「それは違うぞ。瑠香」

 

瑠香の言葉を総司は頭から否定する。

 

「文句があるなら奪い取ればいいだけの話だ。勿論周りから認められる形でな。

八咫烏隊は完全実力主義の組織だ。それは董卓軍第四師団の頃から変わらない。

努力し競う事で上に行ける。勿論戦闘組織である以上、欠員の繰り上げはある。

だがそれも俺や周りが認める人材のみだ」

 

八咫烏隊には下剋上戦という制度が存在する、

それは下の者が上の者に戦いを挑む事が出来る決闘のようなものだ。

正々堂々戦い挑んだ側が勝てば負けた側の地位を奪う事が出来る。

その代わり挑んだ側が負ければ挑まれた側は挑んだ側から金銭を

給料の30%分受け取ることが出来る。

そう言う制度が存在した。

因みにこの制度を一番利用しているのは周倉である。本人曰く

 

「強い大将や副長に決闘を挑めるとかさいこうのせいどじゃねぇか。

地位に興味はねぇからいらねぇけど」

 

とのことだ。

 

「しかし、そんな事可能なんか?」

 

「可能だろう。丁度もうすぐ報告が入るはずだ」

 

その時、会議室の扉をノックする音が聞こえてくる。

 

「会議中失礼しますわ」

 

「美花か。入ってくれ」

 

入って来たのは孫乾だった。

 

「ご報告します。曹操軍、徐州に向けて進軍を開始しました」

 

「動いたか」

 

「本当に来たで」

 

「わかってたんですか?」

 

「まぁな。でも予想より早かったかな」

 

「そうなのですかな?」

 

「あと一週間はかかると思ってた」

 

「そんな変わらんやんけ」

 

「それはいい。それよりもだ。劉備軍の動きは?」

 

「はい。劉備は徐州を捨てる選択を取ったようです」

 

「それで?」

 

「現在劉備は国境沿いに関羽を大将とした部隊を展開。迎え撃つ準備を取りつつ

逃亡準備を整えて出発。ですが劉備を慕って領民の一部が同行を懇願。

それらを連れている為に進軍が遅れているようです」

 

「馬鹿な事をしたな」

 

「お優しい劉備の事や。断れなかったんちゃうか?」

 

「可能性はあるだろうな。とにかく俺はすぐにこの事を孫策様に

伝えてくる。部隊全員を動かす。装備もだ。準備を頼む」

 

「「「「了解」」」」

 

「美花は更に詳細な情報を手に入れてくれ」

 

「はい」

 

それぞれが動き出す。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

建業、謁見の間。

 

「それは本当なの?総司」

 

「はい。現在、曹操軍は徐州に向けて進軍中です。

劉備は徐州を捨てるように逃亡中、恐らく荊州に向かっていると思われます」

 

「わかったわ」

 

「しかし妙ですね~。同盟でもなければ勢力的弱り気味の荊州を選ぶなんて」

 

「確かに荊州軍は黄祖が死に江夏水軍がこちらに着いた事で衰退気味です。

それよりも呉に逃げる方が確実でしょうに」

 

「呉に遠慮したのだろう。劉備とはそういう女性だ」

 

「それも有るでしょうが、再起を考えた時、呉の存在は邪魔でしかないですからね。

恐らくですが荊州である程度体制を整えた後に益州に向かうつもりなのでしょう。

益州は山々が多く点在した。天然の要害と言っていい州だ。攻めるのは簡単じゃない」

 

「なるほど。総司のいう事も一理あるわね。

でもこちらとしては見捨てるわけにはいかない」

 

「ああ。だが時が悪い事にこちらは交州攻めの為に兵を南に向けて動かし始めた際中だ」

 

孫策の言葉に周瑜が否を唱える。

 

「なら俺達が向かいましょうか?」

 

「待て、今回の進軍には八咫烏隊の兵器を利用した計画も存在はずじゃ」

 

「なら部隊を二つに分けましょう。第三、第四旅団に瑠香の部隊の二中隊つければ

問題はないと考えます」

 

「わかったわ。でもこちらも呉出身の者をつけないとまずいわね」

 

「ならば私が行こう。筆頭軍師が向かえばこちらとしても面目が立つ。

それに今回の軍師役は私ではなく亞莎と包だ。

後進というにはいささか早い気もするが次は今のうちから育てておきたい。

がその指示役は何も私でなくてもいいからな」

 

「わかったわ。なら冥琳。あなたに任せるわ。総司劉備援軍の大将を任せる。

好きにやりなさい。全てあなたに任せるわ」

 

そこで解散となった。

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