恋姫夢想 御使いの友(凍結)   作:秋月 了

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第五十四話

孫呉が荊州攻略を開始した。

理由は荊州刺史劉表が後継者に劉備を指名したのだ。

ここまでならば何も問題はなかった。

しかし劉表は孫呉に対して何の相談もなく勝手に後継者を指名しそれを断行した。

本来ならば荊州の南陽、江夏、長沙を領有する孫呉に対して何の相談もなく

これらを行うのは違反行為だ。

それによって元々荊州を狙っていた孫呉は大義名分を得て侵攻を開始した。

その軍議中、

 

「荊州を攻略するわ。蓮華、あなたに侵攻軍の指揮を命ずるから

荊州を取ってきなさい。すべて貴方に任せるわ」

 

「はっ」

 

「亞莎、包。二人は軍師として蓮華を支えなさい」

 

「は、はい。蓮華様のお役に立てるよう頑張ります」

 

「はや、ついに包にその時が」

 

「無論わしも行くがな」

 

「はわ、お師さんもいらっしゃるんですか?」

 

「当然でしょう。あなたは頭はいいのに、その一言余計なところが玉に瑕なのよ。

だから雷火をつけるわ。荊州攻略後の内政も任せるわね」

 

「承知しておる」

 

「い、いや、お師さんもそろそろ年ですし、引退を~」

 

「貴様が叱られるようなことをしておるうちはおちおち引退も出来んわい」

 

「はや~~~~~」

 

落ち込む魯粛だがいつもの事なので誰もが無視していた。

 

「そして将に関してだけど思春、明命は当然として梨晏と総司をつけるわ」

 

「あれ、祭様と粋怜様は参加なさらないのですか?」

 

「おう、われらは曹操を見張らんといかんからの」

 

「情報じゃ、曹操は軍の再組織と再編成中という事だけれど

いつまた攻めてくるかわからないもの。私たちは雪蓮様と国境防衛よ」

 

「そういう事じゃ。若人ども。しっかり蓮華様を支えるのじゃぞ」

 

「うう~。お二人がいないのはちょっと不安です」

 

「おいおい、そちらには必勝の神使殿がいるんじゃ。

油断はいかんがそう不安がることはあるまい」

 

「そうですね。わかりました」

 

そうして荊州攻略軍が組織された。

軍議は解散し出陣準備がなされる中、孫権、呂蒙、魯粛、太史慈、総司は一室に集まっていた。

 

「さて軍議を始めるわ。まず軍師二人の意見を聞かせて」

 

「はい。包は水燕将軍を独立軍として北部を制圧しつつ

最速で魏興群を抑えるべきですね」

 

「私も同意見です。劉備は後継者に指名されています。

必ず援軍を差し向けるでしょう。

ならばこの中で一番機動力のある八咫烏隊が抑えに回るべきです」

 

「なら俺たちは江夏、南陽経由で魏興に向かうとして本軍はどう動くべきだと思う?

襄陽を一気に抑えてそれから周りを落とすか?」

 

「いえ、襄陽に兵士を集めるでしょうから私たちは抑えの兵を置き、

時間を稼ぎつつ南を落としていきます」

 

「その二群に兵を集めると考える根拠はなんだ?包」

 

「荊州軍は黄祖さんが討たれてからは蔡瑁将軍と蒯越将軍が指揮を執っていますが

お二人は仲が悪く、連携もあまりいいとは言えません。

そして劉表自身は武よりも文に重きを置いた政治をしてきましたから

兵士もそう多くありません。

そんな二人が取れる大軍の孫呉に対して選択肢は」

 

「援軍が来るまで襄陽だけを守ろうと考えるわけか」

 

「はい。襄陽さえ守っていればあとは劉備さんが来てくれる。

劉備さん自身、曹操や孫呉と構える可能性を考えているでしょうから

荊州の土地は欲しいはずです。

ですから確実にこのてをとるかと」

 

「包の言う事は分かったわ。そのうえで考えられる懸念はなに?亞莎」

 

「はい。一番の懸念はやはり劉備軍です。

特に将が誰かによってこちらも急ぐ必要があります。

そのあたりは総司様はどうお考えですか?」

 

「用兵を考えれば皇甫嵩か朱儁のどちらかは大将として出てくるはずだ。

あとは黄忠もあり得るな。

そのほかなら張飛、馬超かだろうと考えてる」

 

「呂布は出てこないと?」

 

「五分だな」

 

「総司にしては曖昧ね」

 

「関羽がいなくなりましたから呂布は温存するはずです。

それにさらに西の五胡の事もありますから

そのあたりを呂布に任せてこちらに兵力をまわす可能性が高いと思うのですが

その逆もありえなくもないでしょう」

 

「強くてどこで使ってもそれ相応の働きをするからこそわからないというわけね」

 

「はい。こちらとしては呂布の戦闘参加を視野に入れて動くつもりです」

 

「わかったわ。総司はそれでお願い」

 

「わかりました」

 

「それであり得ないと思うけどもし荊州軍が各群を守る動きをすればそうするつもりなの?」

 

「その場合は各個撃破していくことになります」

 

「わかったわ。この戦は私たちの今後を占うと言ってもいいと私は考えるわ。

姉さまたちも見ている。しっかり勝つわよ」

 

「「「「はい」」」」

 

孫呉は荊州攻略を開始した。

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