時皇始劇   作:G・himagin

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第2章 時王
Ep:9


『──さて、物語は第2章へと入りました』

 

何処からともなく響く声、正面を向くと先程まではいなかった黒い髪の少女がいた

 

『私は誰か?……占い師、とでも呼んで頂きたい」

 

占い師は何処からともなく白い無地の本を取り出し開く

 

「……この本によれば、ISを起動した織斑一夏と桐生零、彼等の元に新たなる専用機持ちがやって来る。そして織斑一夏は──おっと、ここから先はネタバレ、というものでしたね」

 

占い師は本を閉じ、手のひらを開くと、そこから幻影のような半透明のライドウォッチが現れる

 

「この章では『龍』が関係してきます。それでは、お楽しみを」

 

視界が白く染り、消えていった

 

 


 

 

同日深夜の一夏の部屋、ベッドで寝転んでいる一夏はちらりと机に置いておいたブランクウォッチをしまう台座……ライドウォッチダイザーに目を向ける

クウガ、電王、ディケイド、この3人のウォッチが生成され、ウォッチダイザーにあるブランクウォッチは15となる

 

「まっさか零の方が先に目覚めるとはな」

 

自分の中にもライダーとしての力があるのは自覚している……というより、ある事件によって自覚した

 

小学4年生の時に虐められていた少女を助ける際に、現れた力

その日に現れたブランクウォッチ、この2つが関連していることは明らかであり、力が目覚める日は今か今と待っているが未だに現れない

 

「なかなか来ないんだよなぁ……」

 

視線を手元にあるブランクウォッチに戻し呟く、そして見た

 

「……ん?」

 

紫色に光るブランクウォッチ、すぐに光は収まったが、一夏の中に眠る力の目覚めが近い事を知り、嬉しそうな表情になった

 

「……早めに目覚めてくれよ?」

 

 


 

 

翌日、教室に来た俺達に女子達が集まってくる

マテマテ、何があった

 

「聞いた?転入生の噂」

「中国から来るんだって!」

「転入生?」

「中国から?」

 

俺も一夏も首を傾げる

 

「ツインテールだって!」

「結構ちっちゃいとも言われたけど」

「んー……?アイツか?」

「あいつ?」

「お、織斑君の知り合いなの?」

 

クラスメイトは一夏にビクビクしながら話しかける

そらあんな試合見せられたら当然っちゃ当然か

 

「知り合いってか幼馴染、告白された」

「は!?」

「「えぇ!?」」

 

告白されたのか、んで結果はどうなんだ?

 

「……まあ、振ったけど」

「あ、振ったんだ」

「俺、好きな人居るし」

「へぇ……え!?」

 

そっちの方が驚きだよ!誰だよ、興味湧くわ!

そんな奴等は俺以外にも居たらしく、一夏に近づく

 

「お、織斑君も好きな人がいるの?誰?」

「……笑わないか?不釣り合いとか言わないよな?」

「凄い人なの?」

「教科書に載るくらいには」

「……」

 

一夏の答えを緊張しながら待っているクラスメイト達

その中には俺もいるが、純粋な興味からだ

……ホントだぜ?

 

「……()()()()博士だ」

「「「……えぇぇ!?」」」

 

え、マジ!?

いや篠ノ之博士とは関わりあるんだろうなとは思ったが!

 

「……」

「……いいんじゃね?」

 

驚きのあまり俺の口からはそれしか言葉が出なかった

 

「ホントか?」

「お前も充分すごい人間だしな。あの人と釣り合うのはお前しかいない気もする」

 

これは本心だ

あれだけの力を持っているし、現状唯一篠ノ之博士と繋がってる人間でもあるしな

 

「す、凄いね、篠ノ之博士の事が好きって」

「高望みかな?」

「う、ううん!よく良く考えれば篠ノ之博士と繋がりがある人だし、不釣り合いじゃないよ!」

「そうか…」

 

へぇ、一夏って篠ノ之博士の事を喋る時はこんな顔をするのか

野郎なのに恋する乙女、ってか?

 

「あ、話戻すか。転入生が来ることで代表戦に問題とかはないよな?」

「あー…ないと思うよ?クラス代表は織斑君しか専用機持ちは居ないし!」

「そーそー!そして是非とも織斑君には優勝してもらわないとねー!」

「なんてったってデザート半年無料パスあるもんね!」

「「ねー!」」

「デザートのために働くのか……」

 

一夏が微妙そうな表情をした直後、ドアが盛大に開かれる

 

「その情報、古いよ!」

「ん?……やっぱお前だったか、()

「当然でしょ?一夏居るところに私あり、よ!」

「ストーカーかな?」

「公認のストーカーね!」

「……これが転入生?」

 

癖が強いなんてもんじゃないぞ、なんだ公認のストーカーって

 

「2組のクラス代表は私よ!そう簡単に優勝出来るとは思わない事ね!」

「なに?変えてもらったの?」

「専用機持ちだって知られたら押し付けられた」

「ご愁傷様です……鈴、後ろ」

「ん?……あだっ!」

 

え、いつの間に織斑先生いたの?全然気付かなかったんだが

 

「え、誰……千冬さん!?」

「織斑先生だ。凰は2組だろう?はやく元の教室に戻れ」

「はいっ!」

「お前達もSHRが始まるから席につけ」

「「「「はいっ!」」」」

 

 


 

 

昼休み、食堂に向かうとそこには転入生……鈴と呼ばれた少女がラーメンを食べながら待っていた

 

おふぉいわよ、いふぃか(遅いわよ、一夏)

「わりわり……つーか座ってろよ。まあとりあえず、コイツらの紹介しとかなきゃ」

 

一夏は箒と俺を指さして紹介する

 

「篠ノ之箒、桐生零だ」

「篠ノ之……あんたとんでもない人と知り合いなのね」

「箒とは幼馴染だ」

「なるほどね。んでそっちは世界で2番目の男性IS乗り」

「あぁ。一夏の友達をしてる」

「見りゃわかるわよ。この学園で唯一の男子だから一夏と仲良くしてくれると嬉しいわ」

「誰目線だよ」

「……親?」

「なんでだよ。んじゃ料理取りに行ってくるわ」

「んー」

 

料理をとって俺達は鈴さんと相席する

 

「鈴さ「鈴で良いわよ」……鈴は一夏を追って転入してきたのか?」

「勿論、じゃなきゃここには来ないわよ」

 

一夏を追ってこの学園に来たのか…

 

「……あ、あの」

 

ん?オルコットが来た、何の用だ?

 

「織斑さんと零さんに言いたいことがありまして……」

「……ふーん」

「なに?」

 

一夏の言葉にビクッと震えながらも俺達に対して頭を下げる

 

「お、御二方に対する数々の御無礼、申し訳ありませんでした」

「別にお前の事も、お前が何をしようがどうでもいいけど」

「一夏はこう言ってるし……まあ俺は許すよ」

「あ、ありがとうございます!」

 

そういって足早に立ち去るオルコット

ただ謝りに来たのか……

 

「一夏、あんたアイツに何したのよ」

「知らん、試合して叩き潰しただけだ」

「ふーん……まあどうでもいいわね」

 

鈴は一夏に似てるようなところがあるなぁ

 

「あ、一夏と零、どっちがクラス代表?」

「一夏だ」

「へぇ……。一夏、アンタと私、正々堂々と戦いましょう!」

「上等、嫌という程戦ってやるよ」

 

ニヤリと笑った一夏と鈴は拳をぶつけ合い、食事を再開させた

 

「箒は鈴についてどう思ってるんだ?」

「出会って十数分だ、わかると思うか?まあ一夏に振られたって点では共通してるが」

「……箒も振られたの!?」

 

え、まじ?

一夏こんな美少女2人を振ってんの!?

 

「姉さんは当時から魅力の塊だからな。一夏がそれに憑かれた時点で私達は勝てない」

「すげぇ人なんだな、あの人」

 

もう素直に色々と驚きだよ……

 

 


 

 

融合が始まり、歪みから新たなる異形が誕生する

 

RYUKI……!

 

人型の龍のような異形、アナザー龍騎

 

WIZARD……!

 

こめかみから指輪のリングのようなものが生え、髑髏やボロ切れを纏った異形、アナザーウィザード

 

同時に一夏の部屋のライドウォッチダイザーにも変化が起きる

ブランクウォッチが2つ、ライドウォッチへと変化した

 

1つは宝石を象った顔のライドウォッチ、もう1つは格子状のフェイスシールドと龍のようなクレストのついた顔のライドウォッチ

 

このふたつが物語にどのような影響をもたらすかは、まだ不明である

 

 

 

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