Ep:1
前後左右全員……じゃないけど9割9部女子、さながら俺はライオンに狙われたエモノと言うべきか
織斑一夏君もかなり顔色が悪いしな
え、俺?吐きそうですよ?
「全員揃ってますね〜。皆さんおはようございます!これから1年、このクラスの副担任を努めます山田真耶です!」
「「「……」」」
全員だんまりしてる
女子達は俺達を見てるからだとして俺と一夏君はライオンに狙われていて怯えて声が出ないってところか
「……じゃ、じゃあ自己紹介しましょう!えっと、出席番号順で、相川さん!どうぞ!」
「あ、はい。私は──」
自己紹介なんざ耳に入らねえよ。なんで皆狩人の目をしてんの?おかしいだろうよ
「……くん、織斑一夏くんっ!」
「は、はいっ!?」
そんな変なプレッシャーも一夏君が呼ばれた事により覚醒する
つーかもう【あ】から【お】まで飛んだのか
っと、自己紹介始めるな。聞いとこ
「えー……えっと、織斑一夏です。よろしくお願いします…以上ですっ!」
……え、それだけ?確かに変なプレッシャーあるけども、もう少しなにか言おうぜ?
……ん?なんか後ろに人が
シパァン!
「いだぁ!?……って、げぇっ!関羽!?」
「誰が三国志の英雄か、馬鹿者」
……あ、この人ぜってえ知ってる。確かブリュンヒルデの──
「あ、織斑先生。もう会議は終られたんですか?」
「あぁ、山田君、クラスへの挨拶を押し付けてすまなかったな」
「い、いえっ!副担任ですから、これくらいはしないと!」
織斑って苗字の……織斑千冬!?
「諸君、私が織斑千冬だ。君たち新人を1年で使い物になる操縦者に育てるのが仕事だ。私の言うことはよく聴き、よく理解しろ。出来ない者には出来るまで指導してやる。私の仕事は弱冠15歳を16歳までに鍛え抜くことだ。逆らってもいいが私の言うことは聞け、いいな?」
きょ、強烈な人だな……
「「「……きゃぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!」」」
「ぐぇっ!?」「がっ!?」
うるさいんじゃない!痛いっ!鼓膜が痛いっ!
「千冬様!本物の千冬様よ!」
「ずっとファンでした!」
「私、お姉様に憧れてこの学園に来たんです!北九州から!」
「あの千冬様にご指導いただけるなんて嬉しいです!」
「私、お姉様のためなら死ねます!」
最後の方とか狂人の域だと思うんだけど!?
「毎年、よくこれだけの馬鹿者が集まるものだ。感心させられる……それとも、私のクラスに馬鹿者が集まっているのか?」
な、これ本音だな
ガチでうっとおしそうだ
まあ多少はダメージ負うんじゃないか……そんなことを考えていた俺が馬鹿だった
「きゃぁぁぁぁっ!お姉様!もっと叱って!罵って!」
「でもでも時には優しくして!」
「そして付け上がらないように躾をして下さいぃぃ!」
……かんっぜんに頭おかしいヤツらの巣窟だろココ、魔窟って奴だな……悪夢か?
「で?挨拶もまともに出来んのかお前は」
「いや、千冬姉、俺は──」
ズバァッ!
「織斑先生と呼べ」
「……あい、織斑先生」
あ、やっぱ姉弟なのか。というかそこら辺の考察がなされている中織斑先生は俺の方を向く
「お前も自己紹介をしろ」
「あ、はい」
瞬間、クラスから音がなくなり、視線が全て俺に向けられた
「……あ、お、俺は……」
ん?なんかおかしいぞ、腹が痛い、胸から何かが込み上げてくる……これは……
「すみません織斑先生」
「なんだ?」
「吐き気がやばいのでトイレ行ってきます」
「……そうか」
これはストレスの限界が来たな、間違いない
いっぺん吐いたあと教室に戻り無事自己紹介を終えるとSHRが終わった
そして一夏君がこっちに来る
「あ、零、少しいいか?」
「ん?いいぞ一夏君」
「一夏でいいぞ。勝手にだけど俺も零って呼んでるし」
「そっか……んで、なんだ?」
「この学園で2人しか居ない男だからよろしくっ!って言おうと思ったんだが」
「あー……うん、よろしく。お互いわからないことが多いだろうけどダチとしてよろしくな」
「おう!」
ん?なんか拳を突き出してくる
「なんだ?」
「友達の証みたいなもんだ、拳を突き合うみたいな」
「なるほどね」
一夏の拳に俺の拳をぶつける
「よろしく一夏」
「おう、よろしくな、零!」
そして女子からは『話しかけて!』というオーラをひしひしと感じるがガン無視しながら会話していると
「ちょっといいか?」
「ん?……箒?」
「箒?」
「俺の幼馴染」
「なるほど」
「桐生、一夏を借りてもいいか?」
「いいけど」
「感謝する。一夏、廊下に行くぞ」
「おう」
あ、なんか仲良さげな雰囲気を感じる。このだだっ広いクラスに男は俺1人、寂しいなぁ
結局授業が始まってから戻ってきた2人には織斑先生からの出席簿アタックが待っていましたとさ まる