小日向さんのバイト日記   作:龍狐

2 / 12
無印編
1話~5話(4話改稿)


これは、もしもリディアンが『バイトOK』だったらのお話である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私の名前は【小日向未来】

これからバイト先へ向かっています。

 

 

「社会勉強のためにやってみたけど…受かってよかった」

 

 

親友の響からも心配されていたけど、リディアンから近くのコンビニだし、それに時間も夕方から夜だけだから。

夜は少し不安だけど、とにかく頑張ってみることにしています。

 

 

 

「よ~し!頑張るぞ!」

 

 

 

私は勇気を出してコンビニの自動ドアから入った。

そして、最初に聞いたのは…

 

 

 

「ああん!!?」

 

 

 

怒号でした…。

 

 

 

「ふざけんなよ!!お客様は神様だろうが!!」

 

 

 

…まだ夕方にもなってないのに、やっぱりこういうお客さんもいるんだな…

そして、目の前で怒鳴られているのは店員さん。

 

立場的には私の先輩になるんだろう。

その人は男性で、身長はたぶん、170cmはあると思う。

 

 

そして、彼は…

 

 

 

 

 

 

 

「神は死んだ」

 

 

 

 

 

 

と、とてつもないことを言いました。

…私、どうなるんだろう?

 

 

 

 

 

 

1話 【自己紹介】

 

 

 

「こ、これからここで働かせてもらいます!【小日向未来】と申します!よ、よろしくお願いします!」

 

 

 

そう言って私は頭を下げる。

 

 

 

「よろしくね。未来ちゃん」

 

「どうも、松駒です」

 

「君の制服って、あれってリディアンのだよね?あ、俺渡利!よろしく!」

 

「…仁井晴也(にいはるや)です」

 

 

あの人は晴也さんって言うんだ。

 

 

「ところでさ、リディアンって女子高でしょ?だからさ、なんかいい友達でも紹介してくんない?」

 

「え、えぇ…」

 

「ちょっと渡利さん、小日向さん困ってるじゃないですか!」

 

「俺さ、いずれ絶対6億当てるからさ!」

 

 

えぇ~~急にこの人すごく慣れ慣れしいな…。それに今の発言、完全にアウトだし…。

こんな人に私の友達…特に響は絶対に紹介できないよ。あまり関わらないでおこ。

 

 

「…渡利さん」

 

「なんだよ?」

 

 

そのとき、仁井さんは急に足を床にたたきつけた。

そのときに特有の音が聞こえる。

 

 

 

「きゅ、急になんだよ…」

 

「渡利さん。今26歳フリーターのあなたと、将来がある高校生。そんな圧倒的な差がある二人が付き合える確率は、今ボクが足で地面を叩いたときにそのエネルギーが地盤に到達して震度5以上の地震が起きる確率に等しいと思ってください」

 

「は、はぁ…つまり、お前はなにが言いたいんだ?」

 

 

「つまりそういうことです」

 

 

「「「……………」」」

 

「仁井君…。前にも、同じようなこと言ってなかったっけ?」

 

 

そのときの仁井さんの言葉は、今まで聞いてきた言葉のどれよりも酷で、一瞬だけ渡利さんが可哀そうになった。

でも、助けてくれたのはうれしかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2話 【基本】

 

 

 

「では小日向さん。まずはレジの基本操作を覚えてもらいます」

 

「わかりました」

 

「それではボクがいつくか商品を持ってくるので、カウンター越しで商品を受け取って会計をしてください」

 

 

そう言って仁井さんは商品棚に向かって行く。

まぁレジ打ちはコンビニバイトの基本中の基本だからね。

 

 

そして仁井さんが持ってきたのは…

 

 

 

「これを」

 

「……あの、これは?」

 

 

 

 

彼が持ってきたのは、線香と仏壇用ライター、慶弔用の封筒…。

仁井さんが想定するコンビニのお客様がどんな人物なのか、全く想像がつかない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

3話 【ニーチェ先生】

 

 

「って、いうことがバイト先であって…」

 

「それ、大丈夫?」

 

 

今の時間、昼食で私と親友の【立花響】。そして友達の【板場弓美】ちゃん、【安藤想世】ちゃん、【寺島詩織】ちゃんの五人で食べていたときのこと。

 

 

 

「その、仁井さんだったっけ?まるでアニメね!」

 

「…アニメでしかありえないことを平然をするあの人を見ると、いつもひやひやするんだよね…」

 

「ははは…。まぁ、当たり前だと思いますよ?」

 

「神は死んだ、か……」

 

「どうしたの?創世ちゃん?」

 

「いやぁね。その言葉って、【フリードリヒ・ニーチェ】って言う人の名言なんだけど、それから取って……その人は、『ニーチェ先生』にしよう!」

 

 

なんでそんなこと知ってるんだろう…

 

 

「ニーチェ先生…。ありかもね!」

 

「でも、なんで先生、をつけるんですか?」

 

「だって、相手は年上でしょ?だから敬意込めてって意味で!」

 

 

……ニーチェ先生か…。

この日から、彼を心の中でそう呼ぶことにしました。

 

 

 

 

 

 

 

 

4話 【友達が来た】

 

 

「おーい、未来!」

 

 

 

今日、土曜日なのですが、オーナーに頼まれたのでお昼から夕方までバイトしています。

そして、私の親友と友達の4人が来てくれました。

 

 

 

「へぇ~ここがヒナのバイト先か」

 

「うち私立だからバイトできるけど、なかなかいい場所じゃない」

 

「本当に、ナイスですね」

 

 

「にしても、コンビニの店員の恰好の未来もなんだかかっこいぃ~~!」

 

「えへへ、そうかな?」

 

 

やっぱり響にそう言われるとうれしいな。

 

 

 

「…お友達ですか?」

 

「あ、仁井さん」

 

 

 

そのとき、バックヤードからニーチェ先生が出てきました。

 

 

 

「交代ですか?」

 

「いえ。品出しをしないといけないので」

 

「あの!」

 

 

「……なんですか?」

 

 

「私、立花響って言います!未来の親友です!よろしくお願いします!」

 

「仁井晴也と申します」

 

「ちなみに!趣味は人助け!誕生日は9月13日O型!身長はこないだの測定で157cm。歳は15歳!体重は秘密です!」

 

「………」

 

「もう、響。急なことで仁井さん混乱してるよ」

 

「あはは、ごめんごめん」

 

「そうだよね。ビッキーこの前猫を助けたことで入学初日から遅刻してたもんね」

 

「そうだね。まるでアニメ見たいだったよ!」

 

「もう、弓美さんったら」

 

 

五人で笑いあっていたそのとき、仁井さんが口を開いた。

 

 

「立花さん」

 

「はい!なんですか?」

 

 

 

「自らの情報を出会ったばかりの人間、しかも異性に対してペラペラ喋るとは、情報管理能力が成っていませんね。そんなことではいずれそれがトラブルの元になりますよ」

 

 

 

………あまりの正論に、グゥの音も出ない。

その発言に、私だけではなく、響たちも固まっている。

ニーチェ先生は響に背を向け、こう言った。

 

 

 

「立花さん。もう少し、自分を見直してはいかがでしょうか?」

 

 

 

そう言い残して、ニーチェ先生は品出しをしに行った…。

 

 

 

 

 

 

5話 【資格】

 

 

 

「そういえば仁井さんって、仏教検定とか受けてるんですか?」

 

「…どうしたんですか、急に」

 

「いえ、仁井さんって、仏教学部なんですよね?」

 

「…誰から聞いたんですか?」

 

「渡利さんからです」

 

「……そうですか」

 

 

一瞬、仁井さんの目が怪しく光った気がしたけど…気のせいだよね。

 

 

「まぁ仏教学部に入る以上、仏教検定は必ず受けるでしょう。…賞状の写真、見ますか?」

 

「えっ!?いいんですか!!?」

 

「問題ありませんよ。見られて困るものはありせんから」

 

「それじゃあ、お言葉に甘えて…」

 

 

 

そうして、私は彼のスマホを借りて彼の賞状が映っている写真をを見た。

検定に最初に目が行った。

 

 

 

 

 

【仏教検定3級】

【英検準2級】

【数検2級】

【接客サービスマナー検定2級】 ←?

【コミ検2級】(コミュニケーション検定) ←?

【漢検3級】

【サービス接遇検定準2級】 ←?

 

 

 

 

 

かなりとってる。

かなり資格はある。だけど……。

 

 

 

私は仁井さんの方を見る。

 

 

「?」

 

 

この不愛想な顔…。

そして今までのお客さんへの態度…。

 

 

一度この検定試験を開催している協会に、もう一度この人の検査をさせたいと思いました。

 

 

 

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。