あと小説投稿する時の設定って…すっごい面倒ですよね。自分、適当に設定しちゃいました。( ´ ` )
※この小説は不定期更新です。すみません。
紙に試験は不合格と書かれていた。
「ッ!」
俺はエレベーターホールの中で崩れそうになった。
期待はしてはいなかった。イラストが好きでやったけど、本格的にやったのは本当に少しだけだった。考えが甘かったのだろう。落ちて当然といえば当然だ。
「…帰るか…」
俺は横になっていた体を起こした。
「…またあの夢か…」
俺は立花 啓斗(たちばな ひろと)歳は18歳、高校卒業したばかりで、沖縄から東京に来た青年だ。
進路先と決めていた専門学校は落ちて、今は東京でCircleという店で働きながら一人暮らしをしている。
起きた時間帯は昼の12時、バイト時間は13時からだ
(…12時か…ん?12時?)
俺は2度見した。勿論時計はズレていない、しっかりと12時の方に針が向いている。念の為スマホの方の時計も確認した。
(…ハハッ…なんだよこれ…夢であって欲しいわ。)
「…まずい!!!!!!」
俺は直ぐに準備を始め、パンを加えてダッシュした。
「すみません!遅れました!!!」
「よかったぁ!来てくれたんだね!」
この人はまりなさん。ここ、Circleの店長をしている女性だ、美人でとても優しい方である。社員思いでかつ、仕事も出来る。面倒見も良い、とても良い方である。
バイト先に着いた時間は13時05分、言い訳はしないさ…自分の家が遠いのが全て悪いのだから…いや、俺の起床時間か。
「急いで着替えてきます!!」
「急ぎすぎて怪我しないでねー。」
相変わらずまりなさんは優しい。急ぎすぎてつまずかないようにねという事なんだろう。
「今日も一日頑張ろうね!啓斗くん!」
「はい!遅れてきた分働きで取り戻します!」
「遅れたって、5分だけじゃない!気にしないでー!」
そうまりなさんは俺に言うとスタジオの機材チェックへと向かった。
その5分って結構いろいろできるの分かってるのかなぁ…。とは直接は言えないので心の中にしまった。
「今日は…After glowとRoseliaの2バンドか。」
After glowは幼なじみで結成されたガールズバンドらしく、実力は確かなグループ。Roseliaは寄せ集めみたいな感じではあるものの、各々の実力は本物であり、ボーカルの人曰く、頂点に狂い咲くのは私達Roseliaよ!と言うほどの実力派バンドである。因みに俺がここに入って1ヶ月ほどではあるが、基本平日の18時過ぎからだった為、ガールズバンドの方々とは1度も会ってはいない、ので今回が初になる。
時間は13時30分過ぎた頃だった。
「こんにちは」の声と同時に扉が開き、ぞろぞろと5人の女性が入ってきた。
黒髪に赤のメッシュが入った女性がカウンターの方に向かってきた。
「13時30分からスタジオ予約していたAfter glow なんですけど。」
「わかりました。少々お待ち下さい。」
俺はスタジオの鍵を取りに裏の方へと向かった。
「…喋りかけづらい人だなぁ…」
俺に話をかけてきた黒髪に赤のメッシュの女性は目付きは酷い、という訳ではないのだが…雰囲気がねぇ…近づかないでくれる?っていうのがすごい伝わってくる。絶対時間は守らないと許さないみたいな考えの人そう、ようするに、性格キツそうだなってこと。
「さっさと持ってかないと文句言われそうだな」
俺はスタジオにはいるための鍵を手に取るとカウンターへと足を進めた。
「お待たせしました。こちらスタジオの鍵になります。時間は18時までとなっておりますので、終了時間10分前になりましたら、お電話をお掛けしますので。」
「わかりました。」
女性は鍵を受け取るとスタジオの方へと足を運んでいった。
その女性に続くように後ろの方で喋っていた4人組も続いてスタジオの方へと向かって行った。
「どうだった?彼女達、いい子ばかりだよねぇホント!」
対応を終えたタイミングですぐにまりなさんに声をかけられた。
まるで終わるのを待っていたような感じだった。
「…いい子ってどういう意味ですか?」
俺が知っているいい子とは、種類が2つあるのだ
1つ目は偉い、周りに気がくばれる、礼儀正しい子
2つ目、恋愛方面でいい子、例を挙げるとこの子可愛いよね、どう?みたいな感じ、説明下手くそだな俺。
「そりゃあ…ねぇ?君も年頃の男の子なんだしさぁ。」
どうやらまりなさんが言っていたいい子とは恋愛方面の方のいい子だったらしい。
「ははっ、恋愛なんてしないと決めたんで正直どうでもいいって言うのが自分の返答ですね。」
「…まぁ、恋愛をしなかったら人生1部を損しているようなものではあるけれど、しないとダメって訳じゃないしねぇ、かく言う私も相手がいないから独り身なんだけども。」
この人普通にいい人見つかりそうなんだけどなぁ、きっと周りが見る目がないんだよきっと。そうに違いねぇ。
「っと、私ちょっと出るからさ、留守お願いしていいかな?18時過ぎには戻るからさ。」
「わかりました、気をつけてくださいね。」
まりなさんは俺の言葉を聞き笑顔で「大丈夫だよ、心配しないでね!」と返してきた。昔の俺なら今日のまりなさんとの会話だけで落ちてただろうなぁ…と考えていた。こら、チョロすぎとか言わない!俺だって分かってるよ!
Roseliaが来るまで残り10分ほど、どうしようか…あ、そうだ俺が恋愛をしないと決めた理由を言ってなかったな
遡ること3年前、それは高校一年生の後期のときだった。
俺は好きだった女の子に告白した、実は以前1度告白したのだが、失敗した。付き合ったあとに聞いたのだが、その時は俺がほかの女子が好きらしいと俺の友達から聞いたから断ったらしい。でも俺のことは好きでいてくれたらしく、それで2度目は成功したわけだ、だが、俺は告白が成功した1週間後にすぐに別れた、何故か?答えは簡単、「お金」これだけだ。
俺の家は母子家庭っていうのもあり、裕福な方では決してなかった。あ、普通に生活は出来ていたんだけどね。バイトはしていなかったんだが…。それで彼女がバレンタインの日俺にチョコをくれたまではよかった、俺も嬉しかったさ。人生初めてのバレンタインチョコでね、だがその日の昼休み「〇〇ー、これ奢って!そしたら気持ち変わるかもよ?」という発言を俺の目の前でされた。
傍から見れば場を盛り上げるための冗談で言っていたんだろうし、彼氏彼女という方面では言ってはいないだろう。となるだろう、が、俺の場合はそうはならなかった。さっきも話したが俺は母子家庭だ、お金はない方である、もし、この先付き合い続けたとする、だが、お金がないから別れようなんて言われたら俺は引き下がるしかないし、二股なんてかけられるのはもってのほかだ。必ずしもそうなるとは限らないといえばそうなのだが、なる可能性だって十分にある、そもそも彼氏の目の前で奢ってくれたら気持ち変わるかもよ?なんて言う方がおかしい、付き合って時間が経ってるならお互いを理解していると思うから大丈夫かもしれない、だが、1週間でそれは俺には耐えきれなかった。今後が怖くてたまらなかった。だから別れた。バレンタインの当日に。そこからだ、俺が女性を信用出来なくなり、恋愛にも興味がなくなったのは。
「…はぁ…あの事がなかったら俺今頃どうなってたのかなぁ…」
「あの…聞いているかしら。」
「へ?」
俺は前を見た、すると銀髪のロングヘアの女性とほか4名の女性が来ていた。
「あ、申し訳ございません。なにか御用でしょうか?」
「スタジオを13時40分から予約していたんだけれど」
その言葉を聞くと俺はこの人たちがRoseliaだとわかった。
「わかりました。鍵を取りに参りますので少々お待ち下さい。」
銀髪ロングヘアの人もキツそうな人だったなぁ…以下略
俺は急いで裏にいき、鍵をとって渡した。
「お疲れ様でした。」
「お疲れ様!明後日もよろしくね!」
時刻は20時過ぎ。俺の勤務時間は終了し、帰路についた。
だが帰っている最中だった。
「なぁ、俺らと遊んでいかない?」
3人組の男の中に女性が一人いた。女性に既視感はあるが…今はそれどころではない、助けなければ…と考えようとした時、考えるよりも先に身体が動いた。
「おい、何してんだ、警察呼ぶぞ、というか呼んだ後だけど」
「だれだおま…なに?サツを呼んだだと?」
勿論呼んだのは嘘である。そんな嘘を本当のほうに受け取ったのかリーダー格っぽい男が明らかに動揺しており、とり巻きを引き連れてどこかへ行った。よかった、相手がヘタレで…問答無用で殴りかかってきてたら俺死んでたわ。
「あの、大丈夫ですか?」
「あ…助けてくださって…ありがとう…ございました。」
何処かで見たような既視感があるが…まぁいいか。黒髪ロングヘアに綺麗な顔立ちで綺麗な人には変わらねぇしな。
「いえいえ、気にしないでください。あなたがよかったらなんですけど、家の付近まで送りましょうか?今は夜の20時過ぎてますし、女性一人で歩くのは危険だと思うのですが…」
別に俺はナンパしているつもりは無いぞ!決して!…いやだって…ここまで綺麗な子を夜一人で出歩かせるって絶対危ないって、いやホントに。
「お…お願いしてもいいですか…?」
「わかりました。それじゃ、家付近まで付き添いますね。」
「自分から言っておいてなんですが、良かったんですか?自分があなたを襲うかもしれないって考えなかったんですか?」
俺は質問をした、だって世の中何が起こるか分からないだろ?助けてくれた人間が助けた人を襲わないなんてのはマンガだけの話だ、実際は襲うやつもいるにはいるのだ…。多分、知らんけど
「…あなたの目を見てわかりました…」
「そうですか。」
「そういえば…今日Circleのカウンターにいませんでした…?」
「え?あ、うん、俺Circleでバイトしてるからね。」
「…名前は…確か…立花さん…ですよね?」
「当たってる。君は…」
「白金…白金燐子っていいます…。」
今日Roseliaのメンバー表を見ていたのを思いだした。メンバーは湊 友希那 氷川紗夜 今井リサ 白金燐子 宇田川あこ の5人がRoseliaのメンバーだっけ。確か…
と自己紹介的な話をしていると白金さんの家付近に着いたらしい。
「あ…ここまでで大丈夫…です…。今日は…助けてくださって…ありがとう…ございました…。」
白金さんは俺にそういうとお辞儀をしてきた。
「人間助け合ってどうこうって話だし、気にしないで、気をつけて帰ってね、それじゃあ。」
「あ…はい…。」
俺はそそくさと家に向けて足を進めた。
「昨日、Roseliaのキーボードの燐子さんを助けたんだってね!啓斗くん!」
「話来るの早すぎませんかね。1日しかたってないっすよ。まぁ、厳密に言えば数十時間ですが。」
何でまりなさん知ってんだ?何処からか見てたとか…なのか?
「いやー、今日燐子さんから電話があってね!君のシフトがどうこうとかいろいろ聞かれたよ!あ、因みに今週の土曜日、明日燐子さんがお礼したいって言ってたから空けといてね。わかった?絶対だよ?」
「は?ちょ、何勝手に俺の予定を決めてるんですかまりなさん!予定入ってんすけど!」
明日はゆっくりバイトを探す予定なのに…!!
「どーせバイトを探すとかの予定だけでしょ?それならいいじゃない。ね?」
いや、ウィンクされてもな。つかこの人エスパーか何かかよ、なんで俺の予定当てんだよ、怖えぇよ。
「はぁ…もうわかりました。行きますよ。」
「それでいいんだよ。うん。まぁ、行かないって言っても強制的に行かせますけどねぇ。」
なんなんだこの人は…。
まりなさんと話し込んでいると入口のドアが開いた。
「こんにちは」
「いらっしゃいま、せ…」
ドアを開けてきたのはRoseliaのボーカル、湊友希那だった。
「…本日はご予約はされてないようですが…どう言ったご要件でしょうか?」
「まりなさん、立花さんを借りてもいいですか?」
「どうぞー!いってらっしゃい!啓斗くん!」
「え?は!?」
俺の意思は関係なしかよ!なんなんだコイツらホント!
俺はCircleから少し離れた場所へと連れてこられた。
「あの、なんでしょうか?バイト中だったんですけど。」
「昨日は…ありがとう。燐子を助けてくれて。」
「へ?」
昨日の事でわざわざ呼び出したのかよ。普通にあの場で言えばよかったじゃねぇか。思わず変な声出ちまったわ。
「いえ…当たり前の事をしただけですから気にしないでください。それで要件はそれだけでしょうか?それなら早くバイトに戻りたいんですが。」
「いや、あの…明日は空いているかしら。」
「明日ですか?燐子さんと予定がありますが…。」
「なら大丈夫ね。それじゃあ明日会いましょう。わざわざここまで連れてきて悪かったわ。それじゃ、気をつけて。」
なんなんだあの人は…ん?まて?明日会いましょう…だと?嫌な予感しかしないんだが…。
ここまで読んでくださりありがとうございました。
唐突ですが大変ですよねタイトル決めって。大事な部分っていうのはわかるんです。でも決めるのすっごい面倒なんです。
なのでこれからはタイトルは結構適当に書いていきます。