今回はホモ語録、ビーム兄貴的言い回しが控えめとなっております。
全く将棋をしない第三章、はーじまーるよー。
前回のあらすじ。
新たなホモ先生。
恋愛流。
小学生名人戦。
今回はしょっぱなから清滝家に釈迦堂里奈先生と神鍋歩夢先生が来訪します。原作では二人だけですが、供御飯ちゃんと月夜見坂も付いてきます。
しばし清滝鋼介と釈迦堂が話した後、九頭竜、空、神鍋、月夜見坂はさっそく将棋をするべく別の部屋へ。ここで空先生は初めて“将棋星人”という存在を知ります。
供御飯ちゃんはそちらには混ざらず、研修会入りの件について鋼介先生に報告することになります。
「……そうか」
どこか予想していたのでしょうか。奨励会に行かないことについては何も言いません。
二人の会話を釈迦堂先生も聞いています。
「女流も女流で容易くはないぞ? 華やかな世界を夢見ているのならやめておいたほうがよい」
文字通り血のにじんだ助言でありますが、供御飯ちゃんは決然として言い放ちます。
私には夢があること。
その為にはどんな苦労も恥辱も耐えられると。
「夢?」
「観戦記者どす」
その言葉に清滝先生は一度口を開きかけますが、彼女の心中を慮ったのでしょう。
「何やら、ちゃんとした考えと覚悟があるようやな」
「ふむ、なら我から言うことは何もあるまい」
二人が納得したところで、供御飯ちゃんはあるお願いをします。それは……
「師匠に別の人を指名したいやと?」
清滝先生からすれば青天の霹靂でしょう。
一方、釈迦堂先生はしばし瞑目し小考すると、ため息とともに苦笑を浮かべます。
「やさしい娘だ。さしずめ、奨励会に入る八一を慮ったのであろう?」
それを聞いた清滝はハッとし、申し訳なさそうに眉が歪みます。
「そういうことか……わしはホンマあほうやな」
小学生名人戦の上位四人の中で唯一奨励会に挑戦しなかった……いやできなかった存在がほとんど身内といっていい距離にいる。多感な小学生にとって、それは将棋に集中できなくなるには十分すぎる理由です。
「わかった。餞別に、わしのとっておきを見せたる」
そう言うと、清滝先生は将棋盤を自ら供御飯ちゃんの前に置くと、
「清滝鋼鉄流の真髄……伝授したる」
黙って盤を挟む二人は礼を交わし、それから奏でられる指し手の交差を、釈迦堂は眩しいものでも見るかのように目を細めて見守っています。
それから、指導は別室の子供たちが空腹を訴えて降りてくるまで続きました。
「わしは、万智ちゃんのことも家族と思っとる。いつだって来てくれてええ」
帰り際、清滝から受け取った言葉を、供御飯ちゃんはいつまでも胸にとどめておくのでした……
いやークソ長イベントでしたね。
ようやく要約(クソ上手ギャグ)してもこの長さ。
さて、これにて清滝先生からの指導から、加悦奥先生の門下へと移ることになります。
理由としては、まずは同門縛りです。
観戦記者としてならば問題がないのですが、約七年間は竜王も奨励会で揉まれる生活をすることになります。その間、記録係として同席できないというのは、かなりのディスアドバンテージとなるのです。
また、かなり先の話にはなるのですが、貞任綾乃ちゃんが妹弟子になる、というのも重要です。具体的に言えば詰将棋の悪魔(雛鶴あい)関連で大変お世話になります。
さてさて、イベントはガツガツ入ってきます。
お次は、アマ名人記念対局。
月光聖市対夜叉神天祐。記録係は九頭竜八一。
もうお判りですね? 夜叉神天衣先生のお父様の対局です。
供御飯ちゃんは観戦記者見習いとして同席しますが、本命はそちらではありません。
なんと、このゲームにおいては未来を変えることができるのです!
対局終了後、しきりに「九頭竜君はすごい」と連呼する夜叉神氏に対し、「交通事故にお気をつけなはれ」と一言助言します。これにより、夜叉神天衣先生のご両親の生存フラグが成立するのです。
あからさまに怪訝そうな表情を浮かべる彼に伏見稲荷的なうさん臭い笑顔を残してその場を去ると、夜叉神氏は通りかかった九頭竜少年に「彼女は何者か」と尋ねます。
「万智ちゃんはお姫様なんだ!」
「お姫様?」
「将棋もめちゃくちゃ強くて……でも“おうちの事情”で棋士にはなれなくて……」
「複雑なご家庭なんだね(僕も似たようなものか)……ちなみに苗字は?」
「くぐい!」
「くぐい、まち、か」
帰宅後、夜叉神氏は娘に土産話を持ち帰ります。
「九頭竜君はすごい! 天衣が大きくなったら彼の弟子にしてもらうんだ!」
「関西将棋連盟には妖怪が住んでいるぞ……“くぐい”という名前の狐の妖怪は、天衣もぱくっと一飲みにしちゃうぞ」
この頃はまだ、そこそこ純真な心が残っていた天衣は謎の妖怪“くぐい”に震え上がった。
翌年に入ると、空先生の小学生名人戦があります。
彼女にはぜひとも小学生名人になってもらう必要があります。
そこで、今年の小学生名人戦。
供御飯ちゃんは欠場します。
で、何をするのかといいますと……清滝桂香先生と研究会をします。
今年度、供御飯ちゃん十二歳、桂香先生十九歳。とんでもなくいい匂いがしそうな空間ですね。(ノンケ)
研究会をする理由はもちろんお判りですね?(ジョルノ)
桂香先生の信頼度をとにかく稼ぐためです。信頼度を稼いでどうするかって? とっとと女流棋士になってもらいます。
この後の空先生の原作の流れを大まかに説明しますと、
小学生名人獲得(小学二年生)→同年奨励会試験受験失敗→翌年奨励会試験合格→女王獲得(小学五年生)
だいたい、奨励会試験失敗あたりから桂香先生は自分の将棋そっちのけで空先生のフォローに回ることになります。
このフォロー役を仰せつかるために信頼度を上げておく必要があったのですね。
ある程度信頼度が上がると、空が病弱であることを打ち明けられます。
そして、かかりつけの医者として明石先生を紹介してもらえます。
小児科の先生です。そういえば竜王の将来の夢の一つが小児科の先生でしたね。
とはいえ、明石先生も元奨励会三段。いつか空先生が対局するかもしれない相手に、致命的ともいえる弱点を教えるというのは非常にためらわれます。明石先生は神的にいい人だから。
しかし先生の心配はフヨウラ!
なぜなら、空先生は供御飯ちゃん相手に調教失敗するたびに高熱を出して寝込んでいたのだ。そのたびに介抱したのもまた供御飯ちゃんです。
その話を桂香先生から聞いていた明石先生は……絶句した。
(空銀子、彼女の才能は本物だ。それを目の前の女の子が完膚なきまでに?)
試しに一局指した。終盤の粘りは大したものだが、鈍重。あっさり勝ててしまい、途端に供御飯という少女の言葉が信じられなくなる。
呆然と終局図と少女の顔とを見比べていると、目の前の少女はからかうような口調で、
「いややわあ、そんなに見んといて。それとも先生はそういったご趣味がおありで?」
思わず顔に血が上る。
からかうな、と叱るべきか。
ロリコンじゃない、と弁解すべきか。
小児科の医者がそれでは世も末だ、と肩をすくめるべきか。
――おそらくどれも正着ではないな。
長年生きるか死ぬかの勝負の世界に身を置いていた直感から不用意な発言を避けた。直感が、目の前の自分の半分にも満たない年齢の少女に口で勝負できるようには思えなかった。
「ここで二人で問答してもしょうがなさそうだね。ちょっと席を外すよ」
明石先生は桂香先生に連絡を取ります。供御飯という少女が言っていることが本当のことなのか、彼女に再び確かめる必要があったのです。
先ほどの将棋の内容も含めて伝えると、答えは、是。
曰く、空銀子はタダノ一度も彼女に勝ったことがないとの事でした。
それを聞いて明石先生は腹を括ります。
(何故彼女が銀子ちゃんに勝ち続けられるのかは非常に不思議だが……このままでは桂香ちゃんに負担がかかりすぎているのも事実。一人が二人になるというのも心強いか)
小学生名人戦の方に供御飯ちゃんが付き添うことはありませんが、続く第一回目の奨励会試験ではガッツリ部屋の中に待機することができます。
そして――悲劇はやってきます。
奨励会員特有のクソ粘りに脳みそがフットーした空先生は対局中にぶっ倒れってしまいます。
混乱する周囲に対して、供御飯ちゃんは至って冷静に対応をしていきます。対戦相手だった男子にもフォローを欠かさない聖人君子ぶり。
病院に空先生を搬入し、ベッドに寝かせて経過を見る段階になって、師匠の鋼介先生は深くため息を吐き出すと、ガバッと頭を深く供御飯ちゃんに下げます。
「万智ちゃん、ほんまにありがとう。なんでも言ってくれや」
「なら、八一くんをもらいましょか」
供御飯ちゃんが悪戯っぽくウィンクすると、冗談と思った鋼介先生はどこか心が解きほぐされた表情で胸を叩きます。緊張が続いていたので無理はありません。
「おう、八一の一人や二人くらい好きなだけもってき。ただ、銀子と要相談やな」
ニカっと笑ってそう言う鋼介。
銀子と要相談。殴り合い宇宙(将棋)しか見えないのですがそれは。
それから一年間、供御飯ちゃんは本当の清滝一門かのように献身的に空先生のケアに協力します。銀子ちゃんもその姿に少しずつ心を開いてゆくことになります。
翌年夏、無事に空先生は奨励会に入会します。
供御飯十三歳、清滝桂香二十歳。約一年間続いた研究会もこの時点をもって終了です。
「ありがとう、万智ちゃん。いえ、供御飯先生。何かお礼ができればよいのですが」
先にサクッと女流棋士になった供御飯ちゃんに、桂香先生は他人行儀にそう言います。もちろん本心ではなく、どこかお道化た雰囲気です。
「お礼は盤上でいただきます」
ほな、さっさと女流棋士になってくれや。そんなことは直接的には言いません。
「ええ、もちろん」
ケツイを秘めた表情で、供御飯ちゃんと握手を交わした桂香先生。彼女の今後の括約に期待しましょう。
さて、次の目標となる対局を視聴者兄貴たちにお知らせしておきましょう。
二年後の女王戦本戦準決勝。
小学五年生になった空先生に勝たなければなりません。
原作では供御飯先生、ここで大落手を二連続で放ってしまいます。
女王になった空先生に『浪速の白雪姫』の称号を与え。
竜王に『姉弟子』呼びを授けてしまいます。
その結果、二人の将棋へのモチベーションの本質を、互いに追いつきたい、近づきたいという物へと変化させてしまうのです。これでは他人の付け入るスキがありませんね。
仮に女王を空先生とってしまうと、ゲームなのにこの落手二連発を供御飯ちゃんは放ってしまいます。プレイヤーに選択権はありません。問答無用で今までの苦労が水の泡になってしまいます。
では、どうすればよいのでしょうか。
答えは簡単です。
将棋が強くなれば良いのです。当たり前だよなぁ?
今回はまったく将棋をしてませんね。
しかし次回はガッツリと将棋を指すことになります!
ご視聴、ありがとうございました。