ガンダムビルドファイターズ White&Black 作:ケンヤ
世界大会開幕2日目の第二ピリオドは全員参加のバトルロイヤルだ。
過去の世界大会においてもどこかで必ず大規模なバトルが行われる。
通常のガンプラバトルにおいてチーム戦でも10機以上を超えるガンプラでバトルする事は無い為、世界大会参加者全てが同時に同じバトルシステムでバトルする光景はまるで本物の戦場にいるかの様で、毎年のように盛り上がる。
全員参加と言う事もあって、第二ピリオドはメインスタジアムで行われる。
メインスタジアムには出場選手が全員囲む事が出来る大型のバトルシステムが設置されていた。
このサイズのバトルシステムは他に存在しない為、世界最大のバトルシステムでもあった。
バトルシステムの周囲には100人の選手とそのセコンドが運営側から指定された場所で待機し、全員が揃い開始予定時刻となった事で第二ピリオドが開始される。
世界最大のバトルシステムと言う事もあり、バトルステージは宇宙と地上の二つとなっている。
普通のバトルステージでも宇宙と地球の両方でバトルする事が可能だが、その場合はバトル中にバトルステージのデータを更新すると言う形でデータを変える事で行うが、このバトルステージではその必要がない。
100機のガンプラはランダムに配置される。
そして、第二ピリオドのルールは至極簡単だ。
100機のガンプラの内、30機となるまで戦い続けるだけだ。
70機のガンプラが撃墜、もしくは戦闘不能と見なされた時点で残る30人のファイターにポイントが与えられる。
それ以外のルールは通常のバトルと同じとなっている。
「さて……戦い易い地上になったのは良いが、敵はどこかな」
マシロは地上ステージからの開始となっていた。
今回も装備はフルアサルトジャケットである為、宇宙ステージよりかは地上ステージの方が戦い易い。
地上ステージと言っても場所によっては市街地もあれば水中もある。
マシロの現在位置は荒野で見渡す限り、他のファイターのガンプラは見当たらない。
「マシロ、まずはキュベレイかデビルガンダムとの合流を優先しなさい」
ルールは30人になるまで、戦い続ける事だが、他のファイター同士が徒党を組む事は禁止されていない。
その為、ある程度は仲間を作る事も勝ち残る為の方法の一つだ。
自分以外は全て敵だが、極論自分以外の99機が全て敵となって同時に襲って来る可能性もある。
尤も、仲間を作ったとして、土壇場で裏切られたり、利用される危険性もあるが、そんな状況下で確実に信用出来るのが同じチームに所属しているアイラとガウェインだ。
いずれはチャンピオンの座をかけてバトルする時が来るが、今は互いに確実にポイントを取る必要がある為、最も信用が置ける相手だ。
「めんどくさいな。向こうから来るように伝えといて。後、作戦はオペレーションS&Dだと言っておいて」
「そんな作戦は聞いてないわよ」
「分かってないな。S&D、つまりはサーチアンドデストロイ。自分以外は全て敵、見つけ次第、即殲滅。コレ常識」
レイコはあくまでも複数で徒党を組み確実に第二ピリオドを取る策を提案するも、マシロは手当り次第に敵を倒す事を優先したいようだ。
ガンダム∀GE-1 フルアサルトジャケットは敵を求めて荒野を疾走する。
「見つけた。いきなり大物だな」
「アレは……航空機?」
荒野を疾走していると、前方の空に敵影を発見する。
近づいて行くと、それは通常サイズのガンプラではない。
「ガウか。ご苦労な事だな」
見つけたのはモビルスーツでもモビルアーマーでもない、大型輸送機であるガウ攻撃空母だ。
オリジナルとは違う塗装をしている。
「どこのどいつか知らないが、己の運の悪さを呪うんだな」
ガンダム∀GE-1 フルアサルトジャケットはガウにハイパーメガドッズライフルを向ける。
「ちょっと待った!」
「あ?」
ガウに対してハイパーメガドッズライフルを放とうとした時に相手側から通信が入る。
相手はドイツ代表のファイター、ライナー・チョマーだった。
マシロも第一ピリオドで勝っているチョマーの事は覚えていた。
「命乞いなら聞かないけど?」
「そんな事をする気はない! 俺達にはやるべき事がある!」
「やるべき事ね……」
マシロはチョマーの言うやるべき事には興味はないが、一応は聞いて見る。
「俺達は男達の敵である憎きリカルド・フェリーニを討伐すると言う目的の為に手を組んでいる。今は、世界大会の勝敗よりも奴を討つ事が最優先だ!」
「成程……大体分かった」
「そうか!」
チョマーの目的はあくまでもフェリーニであると、マシロに伝わった事で、戦いを回避出来てチョマーは一息つく。
流石にここでマシロとバトルすれば、フェリーニと戦う前に全滅しかねない。
だが、そんなチョマーを余所にガンダム∀GE-1 フルアサルトジャケットはハイパーメガドッズライフルをガウに向ける。
「ちょ!」
「まぁ、頑張ってくれ。俺から逃げ切る事が出来たらな」
マシロもチョマーの事情は理解した。
しかし、マシロからすればチョマーの事情など関係もなければ興味もない。
目の前にいる敵を見逃す理由はどこにも無い。
その上、チョマーの話しを聞く限り、チョマーは一人でフェリーニを倒しに行っている訳ではない。
ガウは輸送機と言う事を考えれば、ガウの中に手を組んだファイターのガンプラを収容している可能性が高い。
ここでガウを撃墜する事は、敵の数を一気に減らすチャンスでもある。
「その前に、やられとけ」
ガンダム∀GE-1 フルアサルトジャケットがガウにハイパーメガドッズライフルを撃とうとした、その瞬間にガンダム∀GE-1 フルアサルトジャケットにミサイルの雨が降り注ぐ。
ガンダム∀GE-1 フルアサルトジャケットはとっさに移動して、ドッズランサーのドッズガンで対応する。
「見つけたぞ! マシロ・クロガミ!」
「去年の雪辱!」
「ここで仕留める!」
「ちっ」
ガウに対する攻撃をフルアーマーZZガンダム、ウイングガンダムゼロ(EW)、ガンダム試作3号機ステイメンの三機が妨害する。
彼らは皆、去年の大会に出場していたらしく、マシロに雪辱を晴らしに徒党を組んで来ている。
ウイングガンダムゼロ(EW)が空中からツインバスターライフルを放ち、ステイメンがフォールティングバズーカを放つ。
ガンダム∀GE-1 フルアサルトジャケットは回避して、ハイパーメガドッズライフルを放ち、3機は散開する。
「この隙に!」
「逃がすかよ!」
「お前の相手は俺達だ!」
乱入して来た3機の狙いはマシロである為、チョマーはこの隙に退避しようとする。
逃がさないように、ハイパーメガドッズライフルを構えるが、フルアーマーZZガンダムがハイパービームサーベルで切りかかって来る。
それを、ガンダム∀GE-1 フルアサルトジャケットはハイパーメガドッズライフルで受け止める。
「ちっ……」
フルアーマーZZガンダムを押し戻して、ドッズランサーを向けるも空中からウイングガンダムゼロ(EW)がツインバスターライフルで妨害する。
「雑魚が徒党を組んだところで」
上空のウイングガンダムゼロ(EW)のツインバスターライフルを振り切る為に、ガンダム∀GE-1 フルアサルトジャケットはジグザクに動き続ける。
そうやって、ウイングガンダムゼロ(EW)に狙いを付けさせるに、ステイメンに接近する。
ステイメンはフォールティングバズーカを撃つが、ガンダム∀GE-1 フルアサルトジャケットは腰のビームガンでバズーカの弾丸を撃ち落して、接近するとハイパーメガドッズライフルの銃口の先端をステイメンに叩き付ける。
ツインバスターライフルでは埒が明かないと判断し、ウイングガンダムゼロ(EW)はマシンキャノンに切り替える。
だが、ガンダム∀GE-1 フルアサルトジャケットはハイパーメガドッズライフルで串刺しになりかけているステイメンを盾にする。
そして、そのままステイメンごとウイングガンダムゼロ(EW)にハイパーメガドッズライフルを放つ。
ウイングガンダムゼロ(EW)は翼を盾代わりにしようとするも、あっけなく吹き飛ばされた。
「よくも同士を!」
残ったフルアーマーZZガンダムが背後からハイパービームサーベルで切りかかるも、ガンダム∀GE-1 フルアサルトジャケットは振り向きざまにハイパーメガドッズライフルで殴打して吹き飛ばされた。
地面に叩き付けながらも、体勢を整えるが、すでにガンダム∀GE-1 フルアサルトジャケットはフルアーマーZZガンダムにドッズランサーを向けている。
ドッズランサーの槍の部分が高速で回転を始め、内蔵されているドッズガンがまるでガトリング砲の如く、フルアーマーZZガンダムを襲う。
フルアーマーZZガンダムの追加装甲には対ビームコーティングをしている為、早々に壊れる事は無いが、威力は小さくても圧倒的な連射速度で放たれるドッズガンに次第に装甲がボロボロに破壊されていく。
ドッズガンの雨が終わり、フルアーマーZZガンダムは膝をつく。
追加装甲は完全に装甲の意味を成さず、ダメージは本体のZZガンダムにも及んでいる。
「まだだ……まだ!」
ボロボロになりながらも、ZZガンダムは頭部のハイメガキャノンをチャージする。
だが、ガンダム∀GE-1 フルアサルトジャケットはすでにハイパーメガドッズライフルをZZガンダムに向けていた。
「……悪魔が」
そして、ZZガンダムのハイメガキャノンが放たれる前に、ガンダム∀GE-1 フルアサルトジャケットがハイパーメガドッズライフルを放ち、ZZガンダムは跡形もなく吹き飛んだ。
「さて、アイツの方は運が良いみたいだな」
乱入して来た3機を倒した頃には、チョマーのガウの姿は周囲にはなかった。
すでに戦闘中に離脱していたらしい。
3機の乱入が無ければ、確実にマシロに落とされていた為、運が良いのだろう。
「レイコ。近くに敵がいそうな場所は?」
「そうね。市街地エリアがここから少し離れたところにあるわ。そこなら、隠れる場所も多いから。隠れている敵がいるかも知れないわね」
マシロがバトルをしている間にレイコは周囲の地形を調べていた。
その中で近くに市街地エリアがあった。
市街地エリアには隠れる場所が多い為、敵が減るのを隠れてやり過ごすファイターも少なくはない。
「分かった」
市街地エリアの場所のデータを表示すると、マシロはガンプラをその方向に向ける。
「行く気なの!」
「当然。こういう時は強気なくらいが丁度良いんだよ」
レイコとしては敵が潜んでいそうな場所は避けるべきだとして、市街地エリアの情報を出したが、どうやらマシロは市街地エリアに向かうらしい。
そこで、敵と遭遇する確率は高いと言う事はマシロも承知している。
つまり、マシロは積極的に敵を減らしにかかると言う事だ。
積極的に敵の数を減らして行けば、第二ピリオドは長丁場にならずに済み、明日の第三ピリオドの準備に専念出来ると言うメリットもあるが、こちらの戦闘データを他のファイターに流出させたり、最悪、消耗したところを狙われると言う危険性もあり得る。
レイコとしては、この場面で無駄に危険な橋を渡る必要はないと、マシロに言いたいが、マシロは基本的に自分のやりたいようにしか動かない。
今のレイコにはマシロに戦闘を避けさせるだけのカードが無い為、ここは諦めるしかなかった。
嬉々として次の獲物を探すマシロを見て、強敵と遭遇しない事をレイコは願った。
一方の宇宙エリアでも交戦が始まっている。
宇宙エリアは通常の宇宙空間の他に複数のデブリベルトや小惑星帯、廃棄されたコロニーなどが配置されている。
宇宙エリアからスタートとなったアオイは一先ず移動していた。
「気を付けろよ。どこに敵が潜んでるか分からないぞ」
「そうだね」
宇宙ステージは地上ステージとは違い、全方位を警戒しなければならない。
「アオイ。向こうで戦闘が怒ってるみたいだ。どうする?」
「一応、様子だけでも見ておこう。ここからでも見えるビームは相当な威力だから」
少し離れた場所で戦闘が行われていると思われるビームが見える。
距離的に相当な出力のビームが撃たれている為、相手を確認する必要があった。
「おいおい……デカいクシャトリヤかよ」
「戦っているガンプラは……エリカさんのセイバーだ!」
交戦しているガンプラの一機は大きなクシャトリヤではなく、肩のバインダーを4基に増設した赤いクイン・マンサだ。
もう片方のガンプラはエリカのセイバーガンダム・エペイストだ。
クイン・マンサのビームをセイバーガンダム・エイペストがモビルアーマー形態で回避している。
「アオイ!」
「分かってる!」
ビギニングガンダムB30はクイン・マンサにハイパーバスターライフルをドッキングさせたスノーホワイトを撃ち込む。
ビームは直撃するが、クイン・マンサはよろけるだけで、ビームは弾かれた。
「Iフィールドかよ!」
「アオイか!」
「援護するよ!」
スノーホワイトを分離させて、ハイパーバスターライフルを放つ。
セイバーガンダム・エペイストはモビルスーツ形態に変形すると、アムフォルタスを放つ。
2機のビームはクイン・マンサのIフィールドに阻まれる。
「ビームじゃ駄目だ」
「つってもな……このクイン・マンサは防御力だけじゃなくて、火力も半端ないぞ」
エリカもすでに接近を試みたが、クイン・マンサの全身のビーム砲で下手に近づく事が出来ずにいた。
ビギニングガンダムB30のスノーホワイトですらも弾く事の出来るIフィールドを持っているクイン・マンサを相手にビームによる攻撃は効果はない。
実弾系の装備で攻めようにも、ビギニングガンダムB30には腰のミサイルとセイバーガンダム・エイペストには頭部のバルカンくらいしかない。
どちらも牽制を目的としている為、実弾だろうと余り意味はない。
強力なIフィールドを持つクイン・マンサを攻めあぐねていると、クイン・マンサにグレネードランチャーが撃ち込まれる。
「あのユニコーンは!」
「やばそうな相手だから僕も協力させて貰う」
クイン・マンサのビームを見て様子を見に来たのはアオイだけではなかった。
コウスケもまた、相手を確認する為に来ていた。
「センパイのユニコーンなら」
「そう言う事」
コウスケのユニコーンガンダム・ノルンは脚部のグレネードランチャー以外にハイパーバスーカを装備している。
戦い様によっては、バズーカはクイン・マンサに対して現状では最も有効な装備だ。
元々、知り合いと言う事もあって、3人が手を組む事は確認する必要もない。
ユニコーンガンダム・ノルンはハイパーバズーカを左手に持って放つ。
クイン・マンサは圧倒的な防御力と火力を持つ反面、機動力は低く大型である為、バズーカの弾頭を回避できずに直撃した。
「一撃では駄目なようだな。なら、もう一発!」
再度、ハイパーバスーカを撃ち込もうとするが、クイン・マンサはファンネルを展開する。
テールバインダーだけではなく、4基のバインダーの中にも大量にファンネルを搭載していたらしく、100基近いファンネルを展開された。
「冗談だろ!」
「先輩! 僕達が何とか抑えます!」
ビギニングガンダムB30がハイパーバスターライフルでファンネルを一掃するが、ファンネルの数は多く、一射で破壊したところで意味はない。
3機を囲むようにファンネルが展開されて、全方位からの集中砲火が始まる。
「ちっ!」
セイバーガンダム・エイペストはシールドで守りながら、常に動き続けてソードライフルでファンネルを減らすが、ソードライフルだけでは手が足りず、頭部のバルカンも使って迎撃する。
「数が多すぎる!」
ユニコーンガンダム・ノルンも頭部のバルカンとアームドアーマーDEに内蔵されているメガキャノンでファンネルを迎撃するが、迎撃しきれずにハイパーバズーカにビームが掠り、爆発する前に捨てる。
「エリカさん! 先輩! こっちに!」
ビギニングガンダムB30がビームバルカンとハイパーバスターライフルを撃ちながらIFSファンネルを展開する。
「助かる!」
セイバーガンダム・エイペストとユニコーンガンダム・ノルンがファンネルを迎撃しながらも、ビギニングガンダムB30の周囲に集まる。
2機が集まったところで、ISFファンネルが全方位にIFSフィールドを展開する。
IFSファンネルによって、ファンネルの攻撃からは何とか身を守る事が出来るが、このままでは完全に防戦一方だ。
守りに入ると、クイン・マンサは破壊された分を補充するかの如く、ファンネルを追加して来る。
「この程度の攻撃なら防げるのに……Iフィールドさえ何とかなれば」
「接近さえできればあんなデカブツなんて……ファンネルと砲撃さえ何とかなれば」
「アレを使えばファンネルは何とかなるのに……火力とIフィールドさえ何とか出来れば」
クイン・マンサの火力、Iフィールド、ファンネルの3つは一つ一つで見ればアオイ達は何とか出来る。
だが、3つが合わさる事で難攻不落となっている。
「ちょっと待った! エリカは接近さえすれば何とかなるんだよな?」
「そうだよ! あんなデカブツ、バスターソードで!」
セイバーガンダム・エペイストのバスターソードならばIフィールドも関係なしにダメージを与える事が出来る。
「先輩はファンネルはどうにか出来るんですか?」
「まぁね。隠し玉さえ使えば」
ファンネルはユニコーンガンダム・ノルンの切り札を使えばどうにか出来るらしい。
「アオイのビギニングの防御力なら、アイツの火力に耐える事は出来るよな」
「うん……そうか!」
「成程な!」
「そう言う事か」
3つの機能で難攻不落となったクイン・マンサは無敵に見えたが、アオイ達はそれぞれの機能を攻略する策がある。
そこに気づく事が出来れば、クイン・マンサは無敵でも難攻不落でもない。
「まずは僕から行く!」
IFSフィールドを解除し、IFSファンネルがビギニングガンダムB30に戻ると再び、ファンネルの攻撃が始まる。
「ユニコーン!」
ユニコーンガンダム・ノルンの装甲がスライドし、デストロイモードへと変身する。
次に赤く発光する内部フレームが緑色の輝きを放つ。
すると、周囲のファンネルが沈黙して行く。
「……ファンネルジャック」
「ジャック出来るのはファンネルくらいだけどね」
緑の輝きを放っているユニコーンガンダム・ノルンの周囲ではプラフスキー粒子の流れを掌握できる。
流れを掌握すると言う事は、ガンプラの動きを完全に掌握する事に等しい。
尤も、掌握できるのは粒子の流れの少ない小さいファンネルくらいで、他のガンプラの動きを掌握する事は出来ないが、ファンネルの動きを掌握するだけで十分だ。
「シシドウさん!」
「任せろ!」
セイバーガンダム・エペイストはバスターソードを取ると、クイン・マンサに突っ込んで行く。
ファンネルを封じられたが、クイン・マンサには大火力がある。
「エリカさん! 僕が守るから!」
「頼んだ!」
ビギニングガンダムB30がIFSファンネルを展開して、セイバーガンダム・エペイストの前方にIFSフィールドを展開して、クイン・マンサの砲撃からセイバーガンダム・エペイストを守る。
「これで!」
クイン・マンサの砲撃を突破して、懐に飛び込むとバスターソードをクイン・マンサの胸部に突き刺した。
「終わりだ!」
そのまま、バスターソードを振り上げてクイン・マンサの胸部に大きな切り傷を付けた。
「アオイ!」
「任せて!」
セイバーガンダム・エペイストの攻撃で胸部に傷が出来た事で、その分は特殊塗装がされていない為、Iフィールドは張れない。
ビギニングガンダムB30はハイパーバスターライフルをドッキングさせてスノーホワイトを正確に傷を狙って放つ。
その攻撃は切り傷に直撃する。
Iフィールドが無い為、ビームは弾かれる事もない。
スノーホワイトが直撃し、クイン・マンサは内部から爆発を起こして行く。
やがては完全に破壊された。
「ふぅ……何とかなったね」
「だな。流石に一人じゃ不味かった。アオイにセンパイ助かった」
「これが世界大会のファイターの実力と言う訳か。第二ピリオドを乗り越える為にここは共闘した方が良いと思うけど、アオイ君にシシドウさんはどうかな?」
アオイだけでなく、エリカもコウスケも第一ピリオドを勝ち抜いている。
だが、今回のように強力な敵と出会った時に一人で戦うよりも共闘した方が勝てる確率は高い。
共闘する相手の事は良く知っている為、アオイもエリカも断る理由もない。
「決まりだな。この戦闘で他のファイター達も集まって来るかも知れないからここを離れよう」
アオイ達も手を組む事に異論が無い為、共闘の話しはすぐにまとまった。
クイン・マンサを撃破した時の爆発は派手で、その爆発を見た他のファイター達がバトルで消耗しているところを狙って来る危険性がある。
3機のガンプラは速やかに戦闘宙域から離脱して行く。
市街地エリアで3機のドム・トルーパーと遭遇したメイジンカワグチのケンプファーアメイジングは最後のドム・トルーパーを撃破する際に投擲したアメイジングナイフを回収していた。
「他愛もない」
「君が強すぎるんだよ」
回収したアメイジングナイフを脇に戻す。
相手のドム・トルーパーのファイターも決して実力が無かった訳ではないが、メイジンの実力はそれを遥かに凌駕している為、3機を瞬く間に撃破している。
「この程度のバトルはメイジンとして当然の……」
ケンプファーアメイジングは大きく飛び上がると、ビームがビルをぶち抜く。
回避行動を取っていた為、ビームに当たる事は無いが、ビームは射線上の物を抉って行く。
「このビームは!」
「アラン……どうやら次の相手は一筋縄ではいきそうもないな」
メイジンの視線の先にはハイパーメガドッズライフルを構えたガンダム∀GE-1 フルアサルトジャケットがいた。
「あのガンプラは……マシロ・クロガミの!」
「まさか、こんなに早く戦える時か来るとはね!」
「同感だ。やはり、僕と君は運命で結ばれているようだ!」
空中のケンプファーアメイジングにガンダム∀GE-1 フルアサルトジャケットはハイパーメガドッズライフルを放つ。
脚部のスラスターを使ってケンプファーアメイジングは空中で回避すると、アメイジングライフルで応戦する。
ガンダム∀GE-1 フルアサルトジャケットは気にする事無く、ケンプファーアメイジングに突っ込んで来る。
ケンプファーアメイジングはビームサーベルを抜いて迎え撃つ。
ガンダム∀GE-1 フルアサルトジャケットがドッズランサーを勢いに乗せて突出し、それをケンプファーアメイジングがビームサーベルで受け止める。
「カワグチ!」
「分かっている。今の装備で彼をやり合うのはナンセンスだ。だが、向こうは見逃す気は無いようだ」
ケンプファーアメイジングの最大の武器はアメイジングウェポンバインダーにルールに合わせた装備を収納する事であらゆるルールに対応する汎用性の高さにある。
今回はバトルロイヤルと言う事で、長時間の戦闘や多数の敵を相手にする事を想定して、使い勝手の良い武器を複数用意している。
その代わりにマシロのような実力者を相手にするには攻撃力が足りない。
その為、ここは無理に戦わずに撤退すべきだが、マシロはここで仕留める気でいるのがぶつかり合ってメイジンも感じていた。
「やるね。勢いを付けたこの一撃を止められるガンプラは早々いないと思ってたけどな」
「メイジンの名を受け継ぐ者として、この程度の事は造作もない」
「そうかよ!」
ガンダム∀GE-1 フルアサルトジャケットはハイパーメガドッズライフルでケンプファーアメイジングを殴りつける。
ケンプファーアメイジングはとっさに腕でガードするが、そのまま殴り飛ばされる。
だが、殴り飛ばされた勢いを利用して、ケンプファーアメイジングはガンダム∀GE-1 フルアサルトジャケットとの距離を取る。
「逃がすか!」
ガンダム∀GE-1 フルアサルトジャケットはハイパーメガドッズライフルを連射するが、ケンプファーアメイジングは後退しながら、アメイジングライフルで直接狙わずにビルを攻撃する。
それにより、ガンダム∀GE-1 フルアサルトジャケットの上空からビルの瓦礫の雨が降り注ぐ。
ガンダム∀GE-1 フルアサルトジャケットは真上にハイパーメガドッズライフルを放って瓦礫を一掃した。
その間にケンプファーアメイジングは隠れていた。
「どうする? カワグチ」
「迎え撃つしかないだろうな」
ビルに逃げ込んだケンプファーアメイジングはウェポンコンテナから狙撃用のロングバレルをアメイジングライフルのバレルと交換する。
そして、ビルの壁をアメイジングナイフでケンプファーアメイジングが通れる程度に穴を空けて移動する。
そうする事でマシロの目から逃れる事が出来る。
ガンダム∀GE-1 フルアサルトジャケットから距離を取ったところで、ケンプファーアメイジングはアメイジングロングライフルでガンダム∀GE-1 フルアサルトジャケットに狙いを定める。
「一撃で仕留めないと不味いぞ」
「分かっている」
狙撃において、最初の一撃が最も効果的だ。
ビルの中を移動して来たと言う事もあって、マシロはこっちを見失っている。
今がガンダム∀GE-1 フルアサルトジャケットを仕留める最大のチャンスだ。
そんなチャンスにメイジンは動じる事無く、狙いを定めている。
町の中をケンプファーアメイジングを探して徘徊するガンダム∀GE-1 フルアサルトジャケットが自分達に背を向けた瞬間に引き金が引かれた。
ケンプファーアメイジングの放ったビームがビルの合間を抜けて、ガンダム∀GE-1 フルアサルトジャケットに迫る。
セコンドに付いているアランは直撃を確信したが、直撃する直前にガンダム∀GE-1 フルアサルトジャケットが向きを変えた。
そして、ビームはガンダム∀GE-1 フルアサルトジャケットのリアアーマーから伸びているホルスターのアームを撃ち抜いだ。
だが、同時にガンダム∀GE-1 フルアサルトジャケットがハイパーメガドッズライフルをケンプファーアメイジングが隠れているビルの方向を向けている。
「馬鹿な!」
「想定内だ」
ガンダム∀GE-1 フルアサルトジャケットが向きを変えた瞬間にメイジンは狙撃の失敗と、こちらの位置がばれたと確信して、すぐに移動を始めていた。
そのお陰で、ガンダム∀GE-1 フルアサルトジャケットのハイパーメガドッズライフルの攻撃に当たらずに済んだ。
もしも、少しでも遅れていたら、ビルごと跡形もなく消滅させられていただろう。
ビルから飛び出したケンプファーアメイジングをガンダム∀GE-1 フルアサルトジャケットが追撃に入る。
片方のアームが撃ち抜かれた事で、バランスが悪くなった為、ガンダム∀GE-1 フルアサルトジャケットはもう片方のホルスターも一式パージしている。
ケンプファーアメイジングを補足したガンダム∀GE-1 フルアサルトジャケットはドッズランサーのドッズガンを連射する。
「次はどうする? メイジン!」
ケンプファーアメイジングはアメイジングロングライフルで応戦しながら着地するが、距離を止められている為、ロングバレルの付いた状態では分が悪い。
すぐにアメイジングロングライフルを捨てて、ウェポンバインダーから新しいアメイジングライフルを出して反撃する。
その後、空となったウェポンバインダーをガンダム∀GE-1 フルアサルトジャケットに向けて射出する。
ガンダム∀GE-1 フルアサルトジャケットは腰のビームガンでウェポンバインダーを破壊する。
ウェポンバインダーが破壊された時の爆発に紛れてケンプファーアメイジングはガンダム∀GE-1 フルアサルトジャケットに突撃する。
「正面突破か?」
爆発に紛れての正面突破自体はそこまで驚く事でもない。
それでもメイジンが馬鹿正直に正面から突撃して来る事には違和感があった。
マシロはケンプファーアメイジングの動作を見逃さないように注意する。
いつでも撃てるように、ハイパーメガドッズライフルを向けるが、一向にケンプファーアメイジングが何かをする気配はない。
「そう言う事かよ!」
そこでマシロもメイジンの狙いに気が付いた。
敢えて、メイジンは馬鹿正直に正面から突撃する事で、何かあると思わせる事が狙いだ。
マシロの人並外れた目の良さを持ってすれば、ケンプファーアメイジングが動いた瞬間に対応できる。
それは裏を返せば、動かなかればマシロは距離を詰めるまで待っていてくれると言う事だ。
尤も、ハイパーメガドッズライフルは大抵のガンプラは一撃で破壊出来るだけの威力を持つ為、それを向けられた状態で正面から突撃する事など正気の沙汰ではないが、マシロの事を良く知るタツヤだからこそ、マシロの戦い方を熟知しているからこそできる事だ。
メイジンの狙いに気が付いた事でガンダム∀GE-1 フルアサルトジャケットはハイパーメガドッズライフルを放った。
しかし、いずれ気が付かれる事も想定していた事だ。
ハイパーメガドッズライフルが放たれた瞬間にケンプファーアメイジングは大きく飛び上がって、ガンダム∀GE-1 フルアサルトジャケットの後ろに着地する。
「この動き……」
ガンダム∀GE-1 フルアサルトジャケットの背後を取ったケンプファーアメイジングは更に距離を詰める。
ハイパーメガドッズライフルを掃射しながら、ガンダム∀GE-1 フルアサルトジャケットは強引に振り向こうとする。
だが、ケンプファーアメイジングは急制動をかけて、ハイパードッズライフルの一撃をかわす。
そこから更に加速して振り向いた時にはケンプファーアメイジングは完全に懐に入り込んでいた。
マシロも反応は出来ていたが、重いハイパーメガドッズライフルを強引に振るった事で、それがかわされ隙が生まれている。
懐に入り込まれ、この位置のケンプファーアメイジングを狙える腰のビームガンを撃つも、ケンプファーアメイジングの装甲を貫く事が出来ない。
そして、ケンプファーアメイジングはガンダム∀GE-1 フルアサルトジャケットにショルダータックルをお見舞いする。
そのまま、ケンプファーアメイジングはガンダム∀GE-1 フルアサルトジャケットをビルまで押し込んでビルに叩き付ける。
「やったのか?」
「この程度で済めば良いんだがな」
衝撃でビルが倒壊し、瓦礫と土煙でガンダム∀GE-1 フルアサルトジャケットの状態を確認する事が出来ない。
しかし、この程度で倒せるとはメイジンも思っていない。
「フルアサルトジャケットをここまで押せるとか、パワーも相当だな」
「まさか、これ程とは……」
「大した損傷はないか」
瓦礫の中からガンダム∀GE-1 フルアサルトジャケットが姿を現す。
目立った損傷は無く、傷は殆どない。
「ほんと……予想以上だよ」
瓦礫から出て来たガンダム∀GE-1 フルアサルトジャケットが青白く輝く。
「バーストモードか!」
それを見た瞬間にケンプファーアメイジングは全力で後退して距離を取り始める。
「カワグチ!」
「逃げるぞ。アラン」
ガンダム∀GE-1のバーストモードは去年の世界大会を初めとした公式戦では殆ど使っていない。
公式戦で使ったのは、タツヤと出たタッグバトル大会のみで、非公式戦ではセイとレイジ、マオとバトルした時のみだ。
その為、バーストモードを知るファイターは少ない。
だが、タツヤはその力を目の当たりにしている。
その当時は未完成の欠陥品だが、あれから1年以上も経っている為、マシロも実戦で十分に使えるようにして来ているだろう。
故にとにかく逃げ延びる事が最優先だ。
バーストモードが起動し、青白い光は右腕のハイパーメガドッズライフルに集約する。
「逃げれるもんなら逃げて見ろよ」
バーストモードを使ったハイパーメガドッズライフルが放たれる。
元々の威力が非常に高いハイパーメガドッズライフルだが、バーストモードを使う事でその威力は壮絶な物となっている。
射線上の構造物を飲み込むと一瞬の内に消滅させる。
掃射状態のまま、ガンダム∀GE-1 フルアサルトジャケットは砲身を自身を中心に円を描くように動かす。
一回りする頃には市街地エリアはただの更地となっていた。
掃射が終わると、その威力に耐え切れずにハイパーメガドッズライフルの銃身は焼きついている。
使い物にならなくなったハイパーメガドッズライフルはその場に捨てられる。
「倒したの?」
「どうだろうな。流石に仕留めた瞬間は見えないし。だけど……決着をつけるのは今じゃないって事だけは確かだ」
ケンプファーアメイジングを仕留めたかどうかは、その瞬間を見ていない為、判断は出来ない。
だが、マシロはそれを確かめる事無く次の獲物を探して荒野を走り出す。
マシロが離れて少しすると、更地の一部が盛り上がり、そこからケンプファーアメイジングが出て来る。
「行ったようだね」
「向こうの決着をつける気が無くなったようだな」
本気でここで仕留める気ならば、確実に仕留めたと言う確証を探そうとするはずだ。
そうなれば、地面に隠れていたケンプファーアメイジングを見つける事は容易だったかも知れない。
だが、理由は分からないがマシロは確認する事なく立ち去った。
ここは見逃して貰えたと見るべきなのだろう。
「予想外の事態だったけど、ここで彼とバトルしたデータは今後に役立ちそうだよ。カワグチ」
「メイジンとして、相手をやり過ごすと言う醜態を晒したんだ。そうでなければ困る」
メイジンカワグチとしては、相手がマシロだろうと正面から勝たねばならないが、最終的な勝利の為に今日のところはやり過ごすと言うメイジンを受け継ぐ者としてはあり得ない選択をした。
そこまでして、ただ生き延びただけでは釣り合わない。
「分かってる。この戦闘データは研究班の方に回すさ」
「頼む」
ケンプファーアメイジングはPPSE社のワークスチームが総力を挙げて制作したガンプラだが、あくまでも予選ピリオドを勝ち抜くためのガンプラだ。
その為、基本性能よりもウェポンバインダーに内蔵する武器の方に重きを置いている。
そして、現在、ワークスチームの研究班の方で世界大会に出ている他のファイターの情報や各ピリオドごとに送られて来るメイジンのバトルデータを基に決勝トーナメント用の切り札となるガンプラの制作が行われている。
今回のマシロとのバトルはメイジン達にとっても、生の情報として有効に活用できるだろう。
「カワグチ、君にとっては屈辱かも知れないが、残りの時間は余り動かずに行こう」
「……分かっている。ようやく、彼の背中が見えたんだ。こんなところで終わる訳には行かないからね」
マシロとのバトルで装備の大半を失ったケンプファーアメイジングの戦闘能力は大きく低下している。
最後の一撃から逃げる為にかなり無理をさせた事も響いている。
その為、残りの時間は確実にポイントを稼ぐ為に無理をせずに戦う事になった。
メイジンとのバトルを終えて、次の獲物を探しながらガンダム∀GE-1 フルアサルトジャケットは荒野をホバーで疾走していた。
メイジンとのバトルで、ガンダム∀GE-1 フルアサルトジャケットは10基の内8基のホルスターを失いハイパーメガドッズライフルを失っている。
それでも、マシロは獲物を探していた。
「なぁ……あのザク、遠近法とかで大きく見えているって事は無いよな」
「そんな訳ないでしょ」
「だよな。デカいな。メガサイズの奴か」
視線の先にはザクⅡが見える。
だが、距離があるのにも関わらずザクⅡが普通のサイズよりも大きい。
恐らくは一般的にガンプラバトルで使われるHG、1/144スケールの物ではなく1/48スケールのメガサイズのザクⅡなのだろう。
「バトルしてんのは……へぇ。面白い組み合わせだ」
ザクⅡの周囲には3機のガンプラが確認できた。
セイとレイジのスタービルドストライク、マオのガンダムX魔王、そして、フェリーニのウイングガンダムフェニーチェだ。
そして、現在の状況としてはスタービルドストライクが何かをやろうとしているようだ。
アブソーブシールドの先端のアームをスタービームライフルに接続し、機体の前方にプラフスキーパワーゲートを展開している。
砲撃形態をとりながらも攻撃しないのは、チャージが完了していないからだろう。
ガンダムX魔王とウイングガンダムフェニーチェがザクⅡの気をスタービルドストライクから離そうと攻撃しているが、ザクⅡは気にも留めずにザクバズーカをスタービルドストライクに向けている。
「そいつは俺の獲物なんだけどな」
ガンダム∀GE-1 フルアサルトジャケットはバックパックのグラストロランチャーを構えて放つ。
足を狙った一撃は距離もあった為、直撃してもまともなダメージを与える事が出来ないが、ザクⅡの膝をつかせる事は出来た。
ザクバズーカの攻撃を阻止する事が出来たが、脚部に装備されているミサイルがスタービルドストライクに放たれた。
3発のミサイルの内、1発はグラストロランチャーの狙撃で破壊し、1発はガンダムX魔王とウイングガンダムフェニーチェのビームで何とか撃ち落す事が出来た。
しかし、ミサイルは1発残っていた。
最後の1発がスタービルドストライクに迫るが、とこからともかく投擲された刀がミサイルを貫く。
ミサイルが全弾、迎撃されてザクⅡはクラッカーをスタービルドストライク目掛けて投げつける。
基本的には対人用や牽制用の武器ではあるが、ザクⅡがメガサイズと言う事で通常サイズのガンプラに対しては十分に有効な攻撃と言える。
だが、スタービルドストライクもチャージが終わり、スタービームライフルを放つ。
砲撃形態をとっているスタービームライフルのビームがプラフスキーパワーゲートを通す事で威力を跳ね上げると同時に散弾のようにザクⅡを襲う。
これが、スタービルドストライクのディスチャージシステムの一つだ。
第一ピリオドでは自身の機動力を大幅に向上させるスピードモードだが、今回は砲撃能力を向上させるライフルモードを使っている。
「えげつないな」
スタービルドストライクの放ったビームの一つ一つが並のガンプラでなくとも一撃で致命傷となり得る威力を持っている上に、散弾による広範囲の攻撃は巨大なメガサイズであるザクⅡには有効な攻撃だ。
「だが、デカいだけあってしぶといな」
スタービルドストライクの攻撃が止み始めた時にはザクⅡはボロボロだが、完全に戦闘不能には至ってはいない。
そこに背後からガンダム∀GE-1 フルアサルトジャケットがグラストロランチャーを撃ち込む。
距離を詰めていた事と、スタービルドストライクの砲撃ですでにボロボロだったザクⅡはその攻撃に耐え切れずに倒れて沈黙した。
「さて、前座が終わったところで真打の登場って訳だ」
「最悪だ」
メガサイズのザクⅡを撃破したところで、マシロは3機のガンプラと対峙する。
彼らからすれば、ようやくメガサイズのザクⅡを撃破したと言うのに、更に厄介な相手が出て来た。
「お前ら、まだやれるな」
「当然だ。奴には借りもあるしな」
「そうは言っても、この状況じゃ……」
マシロのガンダム∀GE-1 フルアサルトジャケットは何があったのか、かなりボロボロになっている。
絶対的な力を持つマシロに黒星をつけるなら、今が最高の好機と言えるが、フェリーニ達も無事ではない。
スタービルドストライクは通常戦闘は可能だが、アブソーブシールドの一部が損傷している為、ビームの吸収が出来ず、ディスチャージはすでに使っている。
ガンダムX魔王はハイパーサテライトキャノンを失っている。
ウイングガンダムフェニーチェもバスターライフルの残弾が尽きている。
3対1で戦うとしても、数の有利以外ではマシロに対して有利に働く物がない。
だが、ここが好機であるのも事実だ。
ここを逃してしまえば、次にいつ好機が巡って来るか分からない。
「レイジ! 上から何か来る!」
4機のガンプラが対峙する中、周囲を警戒していたセイが叫ぶ。
そして、大気圏を突入してキュベレイパピヨンがガンダム∀GE-1 フルアサルトジャケットの前に下りて来た。
「あのキュベレイ……」
「おいおい。勘弁してくれよな」
キュベレイパピヨンの事はフィンランド予選でカイザーを倒して世界大会に出て来たアイラのガンプラであると言う事はすでに周知の事実だ。
そして、そのアイラがマシロと同じチームネメシスに所属していることもだ。
「加勢に来たわ」
状況的にアイラは第三勢力としてではなく、マシロに見方するだろう。
キュベレイパピヨンは他の4機とは違い無傷だ。
数に上では3対2と優位に立っているが、キュベレイパピヨン無傷である以上、数の優位に意味はない。
去年の世界大会ではマシロはチーム戦では完全にスタンドプレーで勝利しているが、去年とは違い、アイラは同じチームで尚且つ、カイザーを倒すだけの実力者だ。
そんな二人が連携を取れば確実に勝ち目はない。
いよいよ、本気で撤退を考えなければならない時が来る。
この場を何とか逃げ切る事が出来ればいずれは万全の状態でバトルする事が出来る時が来るかも知れない。
勝ち目のない今よりも、万全の状態で戦える時に賭けた方が賢明な判断でもある。
だが、敵を前に逃げると言う選択を取るのも癪だ。
しかし、負けると分かって挑むと言うのも愚かな選択でもある。
アイラも出方を窺っている為、戦いは完全に膠着状態に突入しようとしていたが、最初に動いたのはマシロだった。
「はぁ?」
「レイコが伝えた筈だがな。自分以外は全て敵、見つけ次第、即殲滅って」
ガンダム∀GE-1 フルアサルトジャケットはドッズランサーを突き出した。
その一撃は正確にキュベレイパピヨンを背中から串刺しにした。
誰もが全く予想もしていない出来事にアイラも人前に出る時のキャラを忘れて素の声を出してしまう。
「まずは一人だ」
「てめぇ! そいつは仲間じゃないのかよ!」
キュベレイパピヨンを後ろから仕留めた事でレイジが怒りの声を上げる。
「確かに同じチームだが、第二ピリオドは全員敵のバトルロイヤル。別に俺はこいつを組んだ訳ではないからな。敵に背を向けて棒立ちになったコイツが悪い」
レイジ達だけではなく、アイラやレイコですらも、マシロとアイラは手を組む事が当たり前だと思っていたが、マシロは別にアイラと手を組んだ覚えはない。
同じチームに所属している為、情報の共有などを行う事があるが、第二ピリオドはチーム戦と言う訳でもない。
マシロは始めからアイラともガウェインとも共闘する気は毛頭なく、出会ったガンプラは全て敵としていた。
故に、マシロに背を向けて警戒していないアイラは恰好の的だった。
キュベレイパピヨンからドッズランサーを貫くとキュベレイパピヨンは膝から崩れ落ちて倒れた。
「次はどいつが相手をしてくれるんだ?」
「上等だ!」
スタービルドストライクがスタービームライフルをガンダム∀GE-1 フルアサルトジャケットに向ける。
だが、スタービルドストライクがガンダム∀GE-1 フルアサルトジャケットを攻撃する前にバトル終了のアナウンスが入る。
どうやら、アイラのキュレベイパピヨンが倒された時点で残り30機となったらしい。
「は? ちょ……ふざけんなよ! これからいいところなんだよ!」
バトルの終了するが、マシロは運営に抗議する。
第一ピリオドで目を付けていたセイとレイジのスタービルドストライクとバトルしようと言う所で第二ピリオドが終了したのだ、マシロも納得が行かない。
運営に抗議するも、ルールで決まっている以上は覆す事が出来ない。
それでも、納得が行かない様子のマシロは世界大会とは関係なしにセイとレイジにバトルを挑みそうな勢いだった為、レイコに頼まれたアイラとバルトによって強制的に連行されていく。
こうして、世界大会2日目の第二ピリオド、バトルロイヤルが終了した。