エラがみ無双   作:融合好き

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vsコオリッポ

 

 

 

 

 

 

 

ポケモンではもはや恒例の年がら年中雪が降るという謎の気候を持つ街、キルクスタウンはガラル有数の観光地としてよく知られている。

 

理由としては、夏でも雪景色という街そのものへの神秘性か、あるいは寒さを緩和するために随所に張り巡らされた温泉といったところだろうか。無論、他にもたくさん観光名所はあるし、そうでなくても過ごしやすい街であるのは間違いない。

 

しかしながら、やはり街へ訪れた人の大半は、とりあえず街の中央にある温泉を目指すのではないだろうか。

 

(足湯なんて初めてかも……)

 

プールの端に腰をかけるように、というかまんまプールみたいな形状をした温泉に足を浸ける。………正直、足だけだとあまり温泉に浸かっている感じがしない。そして、それについて温水プールと何が違うのかと思う私は、きっと魂から捻くれてるのだろう。

 

「まあ、いいけどね。……気持ちいいの、それ?」

『ぶくぶくぶく……』

 

そんな私と対比するように、何やら楽しそうに足湯に身体を沈めるキュワワー。……鳴き声が聞こえないし、なんか完全に身体が水中にあるように見えるのだけど、息とかできるんだろうか。まあ自分からやっているくらいだし、多分大丈夫なんだろう。

 

「ん……」

 

しかし、そうは言っても、冷たい空気に温かな湯は自然な心地良さを生み、私も自然と声が漏れる。はらはらと降り積もる雪が、温泉の中へ溶けてゆく。世間の喧騒を雪景色が吸収し、世界が静寂に包まれていく。

 

最近になって、時折聞こえる私を噂する声も、この時ばかりは全く聞こえない。トンネルを抜けるとそこは──というフレーズにもあるように、それはまさしく別世界の如き様相であった。

 

「──いいだろう、この街は。俺も自制をしないと、休暇のたびに訪ねたくなってしまう」

「そうですね。………貴方がいなければ、もっと良かったですけど」

 

なればこそ、そんな別世界から私を現実に引き戻した彼の存在に、私は不満げな声を上げる。

 

なんでこんなところに、という疑問は残念ながら意味はない。この世界はどこまでも現実で、誰も彼もがシナリオ通りに進むわけがない。しかしながら、彼が私に声を掛けたのは、間違いなく私が原因であるのだから。

 

「ああ、邪魔をしてしまったか。それはすまなかった。だがまさかこんなところで再会が叶うとは予想だにしていなくてな、つい話しかけてしまったよ」

「別に、言うほど気にしてません。……久しぶりです、ダンデさん」

 

その人物──ガラル地方のチャンピオンであるダンデに、私は敢えて肩書きではなく名前で返す。

 

彼と私は、互いが互いに挑戦者であるという奇怪な立場で関係が成り立っている。彼からそのスタンスを崩さない限りは、私もそれに準ずるのが礼儀だろうと。

 

「あの闘いからもう一年と少しか──はっきり言って、君がここまでとは想像していなかった。まさかキバナが立てた記録に、容易く迫るほどだとは」

「私は逆に、ここまで時間をかけるつもりはありませんでした。なんだかんだと、ガラルはやっぱり広大です」

「ワイルドエリアを一週間近く彷徨っていたという話だったか。……恥ずかしながら実は俺にも、君の倍はワイルドエリアを放浪して最後は結局幼なじみに助けてもらったなんて過去がある」

「……そういえば貴方も方向音痴でしたね」

 

恥ずかしながらと前置きつつも、ちっとも恥ずかしそうに見えない彼に曖昧な顔で返す。いつも態度が堂々としていると、こんな失敗談すらもお茶目と取られるのだろうか。彼の人気の秘訣が垣間見える瞬間である。

 

なお、さっき「貴方も」とは言ったが、私の方向感覚はまだ常識的な範疇である。曲がりなりにも誰の手も借りずにワイルドエリアを突破したし、地図やコンパスと数分も睨めっこしていれば大まかな自分の居場所や方角くらい割り出せる。彼のように、キャラ付けされるレベルのアレとは違うのだ。

 

「だが、このキルクスのメロンさんは手強いぞ? 何せそのキバナでさえも、ここで1ヶ月以上足踏みしていた過去がある」

「…………」

 

そうなのか。しかしまあ、相手はこおりタイプのエキスパート。そりゃあドラゴン使いなら足踏みもするだろう。しかもキバナさんは、今でも全力メロンさんには一度も勝てていないはずだ。もしやその理由には、その当時のトラウマも関係するのかも知れない。

 

でも。

 

「問題ありません。負けませんから」

「……そうは言うが、勝負は時の運とも──」

 

違う。その理屈が通用するのは、実力が拮抗してる場合だ。互いのポケモンのレベルが近い場合の話だ。

 

もはやノラは、全力のチャンピオンが相手でさえ勝負が成立しないレベルまでその実力が隔絶している。ましてこれから戦うメロンさんは本気ではない。故に純然たる事実として、私にはノラが彼女に負ける理由が見当たらないのだ。

 

「私は、ノラにはそれさえも通用しない事実を証明するためにここにいます。かつて()()()()()()とノラを育てた私は、そんな馬鹿なことを望んでしまった私は、ノラの存在を否定しないために、ノラが体現する最強を誰にもわかる形で示すのです」

 

理解されるつもりで話したわけではない。これはただの私の決意だ。チャンピオンと闘ったあの日よりもずっと前に、ノラに報いる為にと立てた誓い。

 

私はかつてノラを最強の存在に仕立て上げた。ノラはそんな私の醜い欲望を体現してこの世界に君臨した。望んだ私と、成し遂げたあの子。それでいて、それが現実になった程度で梯子を外すなどできるものか。成した全てが無駄なのだと、どうして私があの子に言える。

 

私の欲望はあの子の生き様で、その否定はあの子の人生の否定に等しい。だからどんなに苦しくても。あまりに悔しくて情けなくても。辛くて惨めで泣きそうでも。あの子の親であるこの私が、その生き様を肯定するのだ。

 

だって、それができるのは私だけで、だから私がチャンピオンになって、全てはノラのおかげだって、でも、私には──

 

「………まあ、それはいいです。それで、何か御用ですか?」

「おっと。それは愚問じゃないか? トレーナー同士、こうして──」

「今はちょっと……どうなんでしょう。そもそも闘っていいものなんですか?」

「流石に今のは冗談だが、トーナメント進出者を除き、事前のバトルについての規定は特にされていない。トーナメント進出者であっても、互いの合意があれば可となっているな」

「それは可でいいんですかね……?」

 

不正が多発しそう。闇討ちした後で「互いが合意の上で相手が気絶するまでバトルしました」なんて言われたらどうするんだ。少なくとも私には見破れる気がしない。不意に気絶するまでバトルするなんてこの世界では割とあることだし。

 

「冗談はここまでにして、実はこのキルクス温泉には、ドラゴンタイプ最強の技を教えてくれるトレーナーがよく現れるという噂を聞いたんだ」

「ああ、『りゅうせいぐん』……ノラ対策だったりします?」

「……驚いたな。そこまでおみとおしか。そうだ、あれから俺も、どうすればウオノラゴンに勝てるのかと必死だった。その一環として、俺はウオノラゴンのタイプを知った。ならばこうして効果抜群を狙い、勝利を手繰り寄せる。トレーナーであれば当然だろう?」

「……いいえ。私にはエラがみしかないので」

 

私のウオノラゴンは、元はダブルバトルで使用していた個体だ。おいかぜやトリックルームで万全のサポートをし、いまひとつだろうとエラがみだけで負担を掛ける型。

 

故に、チャンピオンのポケモンのような汎用性はまるでなく、むしろドラゴンタイプなのにドラゴン技を覚えていない。エラがみ、まもる、かみくだく、サイコファング……いまひとつでも基本エラがみでどうにかする、勝てるポケモンには勝てて勝てないポケモンには勝てない、役割対象がとにかくはっきりしてるこの技構成こそが、かつて私が廃人であった証左でもある。

 

「そのエラガミというのは、君のポケモンがよく使う技だったか」

「ウオノラゴン、ウオチルドンの二匹のみが使える専用技です。ウオノラゴンの特性である『がんじょうあご』の範囲にある物理技で、先制で攻撃できると技の威力が倍増するという性質があります」

「──………それは、明かしていいものなのか?」

「分かっていても、どうしようもないですよね?」

「いいや、そうでもないさ。ダイマックスさえ一撃で倒せることにそれなりの理由があるのなら、こちらとしてもやりようはある。

だが、そうか、なるほど。だからオニオンのミミッキュは唯一……ふむ」

「ただ、先制でなくても『アクアブレイク』と同威力且つがんじょうあごが乗るので……まあ、やれるものなら頑張ってください。私は小細工諸共に、ノラの力を示すだけです」

 

私はポケモン廃人だが、それ故にこうしたポケモン談義をすることは嫌いではない。

 

あのポケモンは何が向いてるとか、このポケモンは何が不向きだとか、本来であれば廃人である私は、もっとそんなテクニカルな闘いをこそ嗜むべきなのだ。

 

けれど私は現状において、ノラを頼るしか道はない。それもこれも、私に人並みの才能さえあれば、色々なことを悩まずに済んだのに。

 

「いや、実にいいことを聞いた。君との会話は、いつも驚かされてばっかりだ。そうだ。こんな貴重な話を聞いたんだ、何かお礼でも……」

「そんなの必要ありません。と言うつもりでしたが……そうですね。せっかくなので、一つだけ」

「なんだ? 何でも言ってくれ」

 

ん? 今何でもって……じゃなくて。

 

まあ、大した要件でもない。別にお礼でもなんでもない。これは単なる形式上のあれこれだ。彼が私のチャレンジャーを名乗るなら、私をチャレンジャーと呼ぶのはどうなんだろうと、ただそれだけの話。

 

「私はリンゴ。ターフタウンのリンゴと言います。いずれ最強の相棒と共に、貴方の立場を脅かす者です」

「──そうか。期待をしておこう。3年と言わず、何時だって受けて立つ!」

 

おそらくは私の、この世界に来て初めてのトレーナーとしての名乗り上げに、チャンピオンたる彼は堂々と受け入れる。

 

そして、その直後に「それで、お礼はどうする?」などと宣うどこか空気の読めない発言をする彼に、私は苦笑しながらも、とりあえず安っぽい温泉まんじゅうを要求してお茶を濁すのだった。

 

 

 

「そういえば、ソニアが君を探していると聞いたぞ? 知り合いだったのか?」

「ソニア……? 誰のことでしょう?」

「うん……?」

 

──嘘は言っていない。嘘は。彼女には名乗られてないからセーフ。の筈。

 

無論、単なる問題の後回しである。

 

 

☆☆☆

 

 

 

キルクススタジアムのジムミッションは、他と比べて段違いに難しいとされる。

 

「…………」

 

未だに痛む全身の打撲を押して、態度にはなるべく出さないようにフィールドの中央へと歩いていく。

 

本戦はともかく、ジムミッションには苦戦しまくりな私だが、それでもなんだかんだと打たれ強くなった実感がある。とはいえこんなジムミッション、ゲームならまだしもリアルでなら二度とごめんであるが。

 

「あんた! 穴に落ちてあちこち痛いんじゃないのかい?」

「…………痛いです」

 

いつも通り無言で通すつもりが、対峙するや否や、開口一番無遠慮にそんなことを問いてきた女性に、思わず嫌味ったらしく呟いてしまう。まあ別に、私は全身が痛いからと特に何かが変わるわけではないのだけど。

 

「あれま! だからって、手加減はしないけどね。

あたしゃメロン。見ての通り、ここキルクスでこおりタイプのジムリーダーなんてのをやってるよ」

「…………」

「おやおや、つれないね。まあいいさ、それが望みってんならとっとと始めよう。ヒリヒリと痛むその痣ごとあんたを凍らせて、逃げられないようにして……後はお楽しみってね!」

 

そう言いながらメロンさんが出したのは、ゲームの通りこおりがポケモンのモスノウ……ではなく、まさかの波平ペンギンことコオリッポである。

それまでが頑なにゲーム通りだったせいか、流石の私もその変化に驚いたものの、どうせ私には関係がないと思い直してノラを呼ぶ。

 

「出たね。あんたのエースポケモン。だけどあたしたちのファイトスタイルはシビアだよ? あんたの一辺倒な戦い方が、どこまで通じるのか見せてもらうよ!」

「無論、最後まで。──ノラ、『エラがみ』!」

 

いつも通り、凄まじい火力を有するノラが、持ち前の素早さでその火力を遺憾なく発揮する。

 

これまでに数多のポケモンを葬ってきた必殺の一撃。ダイマックスであっても耐久自慢であっても変わらずに屠る絶望の一手。ならば当然、その攻撃を無防備で受けたコオリッポは、もはや何もできるはずはなく、

 

「──コオリッポ、『あられ』だよ!」

「…………え?」

 

だからこそ、当然のように攻撃を耐えて、当たり前のように技を繰り出すコオリッポの姿に困惑する。

 

無論、私だって伊達に廃人を名乗っていない。コオリッポの特性は知っている。いわゆる物理版のばけのかわであり、物理攻撃を一度だけ無効化し、更にはあられが降り始めた時にその特性は復活するというもの。

 

ならば当然、ノラの一撃は物理攻撃であるために通用せず、コオリッポがあられを降らせるのもおかしな話ではない──いやいや。

 

(けれど、それはあくまでゲーム的なあれこれであって、普通に考えてあんな氷でノラの一撃をどうこうできるハズが──)

 

「どうやら驚いてるみたいだね? だけど言うだろう? 武術の達人は衝撃を地面に──ってアレさ。それと同じことだよ」

「…………」

 

はあ。まあ、武術の達人なら──いやいや。いやいやいやいや。無理でしょ普通にそんなのは。

 

そりゃあね? 私だって一歩も動かず衝撃を受け止める達人だとかそういう漫画を見たことあるよ? でもね? 私が見たどの漫画の人たちでも、トラックを相手にその衝撃を受け止めるなんて出来ませんから。どう考えてもおかしいですから!

 

(──まずい。本気で意味がわからない。一度や二度耐えられたとして大した影響はないだろうけど、思った以上にシステムチックだったよこの世界……!)

 

でも正直、ルリナさんのジムの時点で嫌な予感はしていたのだ。当たり前のように空中を泳ぐ魚だったり、瀕死のダメージを受けて損傷が見られないポケモンだったり。他にはそもそも水中でしか呼吸できないはずのノラが陸上で普通に生活できている事実とか、「あ、やっぱりこいつら不思議生命体だな」って思う要素はたくさんあったのだ…!

 

(なら、なんで逆にばけのかわはゲーム通りではないのか……いやなんか耐えられたけども。普通に耐えられてびっくりしたけれども)

 

しかし、この様子ではノラが『ちょすい』『よびみず』『かんそうはだ』なんかを突破できるかどうか普通に怪しい。『ふしぎなまもり』は流石に無理だろうと思っていたが、まさかここまでゲームシステムが反映されているなんて思わなかった。

 

だけど、それでも『よびみず』や『かんそうはだ』なんかは流石にエラがみを防げないだろうと思う。そりゃあ『なみのり』くらいならまだなんとかなりそうだけど、エラがみはあくまで噛みつきだから無理だろうと。

 

「コオリッポ、『オーロラベール』!」

「ノラ、『エラがみ』!」

 

結局、よく分からない理屈で二度も攻撃を防がれて、壁まで貼られてようやくコオリッポを突破する。

 

しかし、メロンさんの奮闘もここまで。如何に両壁を貼られようとも、それは所詮半減程度。そもそもからしてレベルが倍以上。故に続け様にモスノウ、ヒヒダルマと一撃で突破する。だけど。

 

「たとえ一欠片でも、氷は氷! 行きなさい、ラプラス!」

「…………」

 

だけど、だけれども──そう。耐えられるかどうか、という話なら、最後のこのポケモンを除いて他はいない。

 

「さぁ、ラプラス。キョダイマックスなさい! 辺りを全て、凍てつかせるのよ!」

 

のりものポケモン、ラプラス。初代より愛されるみず・こおりタイプ複合のポケモンで、その人気故か乱獲されたり、逆に保護された結果増えすぎたりと地味に人間の業が窺えるポケモンである。

 

しかし、そんな情報よりも、そのポケモンがキョダイマックスしたことよりも重要なのは──このポケモンが、先の話題にも出た『ちょすい』という特性を、よもやノラのエラがみを無力化し得るその特性を持っているポケモンだということである。

 

「……………………」

(普通に考えて……ちょすいでも、あめうけざらの上位版、みたいな感じだと思うんだけど……)

 

でも、ポケモンにはその当たり前の法則が通用しないことはよく実感した。それでも、とは思う。流石に、とも思う。けれど事実としてコオリッポは、頭の氷をみがわりにしてノラの攻撃を逸らしていた。

 

どこかの誰かの決め台詞のように、ポケモンに常識は通用しない。それはつまりメロンさんが言うように、確かにノラの一辺倒な攻撃だけでは、こうして絡め取られる可能性があるということ。

 

(…………………)

 

どうする。どうするべきだ。何が正解なのか。かつてランクマにて常時張り巡らせていたはずの思考が、随分と久しく起動する回路が犇く。

 

──だが、しかし。

 

 

(……うん。だけどまあ、フリドラじゃなくてセンリツなら大したリスクもないし、ちょっと試してから考えよう)

 

 

「ノラえもん。『エラがみ』!」

 

 

結局、途中で色々と考えるのが面倒になったので強行突破を図る私。もはやランクマの時の意識は欠片もなく、すっかりとノラに毒されてしまっている私である。

 

けれども、それが功を奏したのか──単純にあのラプラスの特性が『シェルアーマー』だったのか。はたまたラプラスの貯水槽が溢れたのか。あるいは他の理由か。

 

何にせよ、私の杞憂など一刀両断し、勝鬨を挙げるノラの姿を私は誇らしく思う。

 

「あれま。あんた、やるじゃないか!

もちろん、あたしのポケモンが負けたのは悔しいさ。でもね、若い才能ってやつに出会えた喜びは半端ないよ。

ほら、ピカピカのこおりバッジ持ってきな!」

「…………ありがとうございます」

 

そして同時に、そんなノラを、その史上最強のポケモンを、才能なんて欠片もない私なんかが扱っている事実が、どうにも心に痼りを残すのだった。








メロンさんのラプラスは性格ひかえめ個体値各20無振りシェルアーマーなので残念ながらオーロラベール込みでも115%〜136%で確定一発です。対戦ありがとうございました。



実はダンデさんへの好感度がクソ高い主人公。彼以外だとここまで饒舌にはなりません。


あと少し作中でも触れましたが、お互いの考えについて少しだけ補足。

極端な話、ノラは主人公が「ノラは最強ね」と言えばそれで満足で、他の誰の評価なんて気にしていない。ただ、勝ち進む度に主人公が褒めてくれるので、勝つこと自体は嬉しく思っている。

一方で主人公はかつてウオノラゴンを「最強であれ」と育て上げたので、それを体現したノラに報いるには、ノラが最強である事実を確かな形で示さなければいけないと思っている。口だけの最強に価値などない。ならばノラの価値を示すためには、リーグを勝ち抜かなければならない、と。

また、「諦めた」というのは、そんなノラとはどうあがいても不釣り合いでしかない自分の実力について。ただ、これについては単純に彼女の意地であり、逆に言えばそれ故に「諦めることができている」とも言える。

そして、そんな理由でジムチャレンジするのは普通に心苦しく思っている。そんな感じ。面倒臭いけど、逆にこんな理由か、あるいは単純に俺TUEEしたい人じゃないとこの状況でジムチャレンジなんて挑めないと思う。
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