省エネ主義者は実力至上主義の教室へ入学する   作:姫宮結弦

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5話目です。
おかしな点等、ありましたら報告して頂けると幸いです。


5.Dクラスの探偵、爆誕

椎名と接触した日の夜、珍しく千反田が俺の部屋に来ている。

何やら話があるみたいだ。

大方予想がつくのは千反田のことを理解してきた証拠なのだろうか。

 

「折木さん」

「ん」

「もうすぐ5月ですね」

「そうだな」

「Dクラスの様子、流石にまずいですよね」

「そうだな」

「来月支給されるポイントは0なんてこともあり得ますよね」

「大体俺の推測があってるとも限らないぞ」

「いえ、それに関しては茶柱先生に確認を取ったところあっさり認めましたよ」

「え?」

「ダメでしたか?」

 

まさか茶柱先生に話しているとは思わなかった。

 

「いや、ダメなんてことはないが、俺の名前は出してないよな?」

「......」

 

俺は全てを悟った。

 

「まあ、合ってたんならそれでいいが、もしかしたら5月の支給ポイントは0かもしれないな」

「本当に言わなくても大丈夫だったんでしょうか?事前にクラスの皆に共有しておけば、授業態度の改善の見込みはあったと思いますが」

 

その考えは正しい。

俺の推測を皆に話したら納得してくれる生徒も少なくはないだろう。

ただ俺はあえてその選択肢を選ばなかった。

 

「俺は生徒会長からポイント貰ってるしな。それに俺にとってはやらなくてもいい事だ」

「そうですね。折木さんが気づいたからと言って必ず共有しないといけないなんてことは無いですし」

 

それにもう一つ理由を上げるとすれば、楽園だと信じてやまないDクラスの生徒には一度現実を知ってもらった方が今後の為になるだろうと判断したからだ。

ヒントはいくつか転がっていた。それに目もくれず、来月も無償で10万も貰えると勘違いしていてまるで疑わない。

そこまで酷いと、一度どん底を知って、二度とそうならないように努力してもらう方が、長い目で見て効果的だと勝手に判断したまで。それが正解かはその時が来るまでは分からない。

 

「千反田はポイント余ってるか?なんなら貸すぞ」

 

俺の独断の判断で来月の支給されるポイントは少ないままだ。

と言っても俺は表面上は真面目に授業を受けていたし、俺の所為ではないんだけれど。

それでも俺の判断で支給されるポイントは少なくなるのだから、ポイントが無いようなら、貸すくらいしてやらないとダメだろう。

 

「いえ、私はあまり使っていませんので、来月も無理なく過ごせると思いますよ」

 

まあ千反田ならそう言うと思ったが、散財するようなタイプでもなさそうだしな。

勿論俺も使っていないし、綾小路や堀北、平田や櫛田なんかの優等生もポイントは残っているだろう。

反対に池や山内、女子なら軽井沢あたりなんかはポイントが限りなく少ないか、尽きているかのどちらかだろう。毎日買い物や遊ぶ約束をしているのを教室で耳にしていたからな。

ともかく千反田が大丈夫というならこれ以上言うことは無いだろう。

 

「なら良かった。もし貸してほしければいつでも言えよ。俺めっちゃ余ってるしな」

「はい、ありがとうございます。ところで、今日の小テストはどうでした?」

「ああ、あれか。残りの三問は見たこともない問題だったぞ。どんな嫌がらせだ全く。ちなみに千反田は解けたりしたのか?」

「18問目は何とか解けたと思いますが、残りの二問は私にもさっぱりでした」

 

千反田は解けたというのか。椎名も一問は解けたと言っていたな。

あの学業優秀な千反田がそう言うならそれほど難易度の高かった問題だったのだろう。

しかし千反田の言いたいことはこれではなさそうだ。

 

「あの小テストは残りの三問はすごく難しかったですが、どうしてあんな問題を出したのでしょう?何か意味があると思います」

「なら学校に訊いてみたらどうだ?」

「今日、折木さんの推測の確認と一緒に訊いてきました」

「どんだけ行動力あるんだお前は」

「それで、小テストの事も訊いてみたんですが」

「答えてくれなかったと」

「いえ、折木さんに訊けって言われました」

「......俺は日本史の教師が嫌いになりそうだ」

「私、気になります」

「気にならん。学校の悪戯だ」

「必ず意味があると思います。Sシステムについても、茶柱先生の発言には必ず意味がありました」

 

そこに関しては否定できない。あの感じは台本でもあるんじゃないかと思わせる程綺麗に含みを持たせた話し方だった。

恐らく今回の小テストの難問を入れてきたのも何か意図があるように思える。

ただ今の段階では結論は出せないのが本心だ。

もう少し情報がいるのは間違いない。

そして千反田に押し負けた俺は小テストの難問が意図するものについて考えることになった。

 

 

5月最初の学校開始を告げる始業チャイムが鳴った。

朝、端末を確認したところ、『278964ppt』から1ポイントも増えておらず、千反田にもポイントは支給されていなかったらしい。

千反田には他クラスにも知り合いはいるので訊いてみたらしいが、他クラスの生徒はしっかりとポイントが支給されていたみたいだ。

チャイムと同時に茶柱先生は教室に入ってきたが、いつになく険しい表情をしていた。

手には何やら大きめのポスターを持っている。

他の生徒は不審に思うかもしれないが、俺にはその表情をしている理由に察しが付く。

 

「センセー、ひょっとして生理でも止まりましたー?」

 

デリカシー皆無の発言が池の口から飛び出した。

俺は察していたのでそんなことは頭に無かったが、何も知らない生徒から見ればそう見えるのかもしれない。

池の問題発言で周りの女子からは冷たい視線が池に対して送られていた。

池は彼女が欲しい、とよく嘆いている姿を目にするが、あの様子じゃ苦労しそうだ。

おっと、俺も人のことは言えないな。尤も池よりはマシな人格をしているつもりなんだが、どうだろう。

茶柱先生は池の発言に一切反応を示すことなく、口を開いた。

 

「これより朝のホームルームを始める。が、その前に何か質問はあるか?気になることがあるなら今聞いておいた方がいいぞ?」

 

まるで生徒からどんな質問が飛んでくるか分かっているような口ぶり。

いっそのこと俺が茶柱先生に好きな食べ物でも聞いてやろうと思ったのだが、俺は池のような人の前で発言するのは好きではないため、そんなくだらない考えは捨てて、ただじっと時が過ぎるのを待つことにした。

 

「あの、今朝確認したらポイントが振り込まれていないんですけど、毎月一日に支給されるんじゃなかったんですか?今朝ジュース買えなくて焦りましたよ」

 

質問をしたのは本堂だった。ここにいる殆どの生徒がそのような疑問を持っていただろう。

 

「本堂、前に説明しただろ、その通りだ。ポイントは毎月1日に振り込まれる。今月も問題なく振り込まれたことは確認されている」

 

茶柱先生はそう言ったが本堂は食い下がった。

素直に納得しろという方が難しい話か。何せ『毎月一日に10万ポイントが支給される』と信じてやまなかったのだから。

本堂以外の大勢の生徒たちは未だに納得がいってない様子だった。

 

「......お前らは本当に愚かな生徒だな」

 

途端、茶柱先生は不気味な雰囲気を纏った。

生徒たちは茶柱先生の雰囲気が変わったことに気づく。

 

「ポイントは振り込まれた。これは間違いない。このクラスだけ忘れられた、などという幻想、可能性も無い。分かったか?」

 

これだけ言えば分かるよな?と言いたげな顔をして茶柱先生は生徒たちを見渡す。

 

「ははは、なるほど、そういうことだねティーチャー。理解できたよ、この謎解きがね」

 

突如、高円寺が声高らかに笑った、そして足を机に乗せ、偉そうな態度で言葉を続ける。

 

「簡単なことさ、私たちDクラスには1ポイントも振り込まれていなかった、ということだよ」

「はあ?なんでだよ、毎月10万ポイント振り込まれるって......」

「私はそうは聞いた覚えはないね。そうだろう?」

 

ニヤニヤと笑いながら高円寺は茶柱先生に指先を向けた。

 

「態度には問題ありだが、高円寺の言う通りだ。全く、これだけヒントをやって自分で気が付いたのは数人とはな。折木、お前も今の説明ですべて理解しただろう?」

 

ここで最悪のバトンが回ってきた。生徒たちの視線が一気に俺に集まる。

しかし俺は茶柱先生を信用してみることにした。

俺の気持ちを、目立ちたくないという気持ちを尊重してくれることを。

 

「さあ、すいませんが見当もつかないですね」

「嘘つけ、お前はさっきの説明を聞いて理解しただろう?お前は頭が良いからな」

 

茶柱先生は慈悲という言葉を知らないのか。と叫んでやりたかったが、場所が場所なのでそういうわけにもいかない。

ここで俺には二つの選択肢が与えられた。

1、惚け続けて、最終的には俺が折れる。

2、潔く俺が折れる。

やらなければいけないことは手短かに、がモットーの俺からすれば当然選ぶのは2番だ。

 

「はあ、今日、茶柱先生の言葉を聞いて全て理解しましたよ━━━━」

 

それから俺はSシステムについて、入学初日に千反田に説明したことをあくまで今日、理解した風に話した。

入学初日の茶柱先生の説明をさっき思い出したように、コンビニにあった無料コーナーのこともさっき思い出したかのような口ぶりで説明した。

そうじゃないと、後々面倒になるからだ。

その点茶柱先生にも慈悲はあったんじゃないかと思う。

茶柱先生は「今の説明を聞いて~」と言っていた。

千反田が前日に確認しに行っているため、俺がとっくに気づいていることが分かっているのにもだ。

もし俺がとっくに理解していたなんて言えば、生徒たちから「どうして言ってくれなかったんだ」と反感を買うことはもはや確定している。

だからあくまで今日気づいた、という風に話して、『折木はよく気付いたな』と思われ、反感を買うことは無くなる。

どちらに関しても面倒なことには変わらないのだが、それでも反感を買うよりはマシだろう。

 

「━━━━とまあ、こんな感じでしょうか」

「ああ、折木の言う通りだ」

「おい、折木ってこんなに頭良かったのか?」

「折木くん探偵みた~い」

「折木名探偵!」

「......は?」

 

もしかしたら今日気づいた風に話したので、まるで推理したように見えたのかもしれない。

いや、それを初日にしたのは事実なんだが、まさかこういわれるとまでは想定していなかった。

俺は探偵なんて大それたものじゃないっていうのに。

 

「探偵ボーイの推理は実に見事だったよ。私もつい聞き入ってしまったねえ」

 

高円寺からもそう言われてしまっては俺のあだ名が固定されてしまうかもしれない。

ただ運命に抗えないのか。俺には反抗することは出来なかった。

 

「折木の説明で分かっただろう。お前たちはこの一か月で遅刻欠席、合わせて98回、授業中の私語や携帯を触った回数391回。ひと月で随分とやらかしたもんだ。この学校ではクラスの成績がポイントに反映される。その結果お前たちは振り込まれるはずだった10万ポイントをすべて吐き出した。それだけのことだ」

 

クラスの成績がある、という予想も合っていたか。

しかしこの予想はさっき話していない。あくまでSシステムについて、実力、授業態度次第で支給額の増減が決まることだけを話した。

 

「茶柱先生、僕らはそんな説明を受けた覚えはありません......」

「なんだ、お前らは説明されなければ理解できないのか?」

「当たり前です。振り込まれるポイントは減るなんて話は聞かされていませんでした。説明さえしてもらえていたら、皆遅刻や私語なんかはしなかったはずです」

「それは不思議な話だな平田。確かに私は振り込まれるポイントがどのようなルールで決められているか説明した覚えはない。しかし、お前らは学校に遅刻するな、授業中に私語をするなと、小学校、中学校で教わってこなかったのか?このクラスにも少なからず真面目に授業を受けている生徒はいた。全員その意識を持っていれば、わざわざ説明しなくとも、今日支給されるはずであったポイントはあったはずだ」

「それは......」

 

平田が反論できなくなる。それは茶柱先生は紛れもない正論を言っているからだ。

この一か月平田は目立つおかげで、どんな生徒かは大体理解しているつもりだが、平田は賢い。

つまり茶柱先生が言っていることが正しいということは平田も重々承知しているだろう。 

 

「どうやら無駄話は過ぎたようだ。大体理解できただろ。そろそろ本題に入ろう」

 

さっきまでの話は前振りかよ。俺前座かよ。と心の中でとつっこんでいた。

茶柱先生はさっき手に持っていたポスターを広げ、黒板に張り付けた。

 

「これは......各クラスの成績、ということ?」

 

遠くの席で僅かに堀北が呟いたのが聞こえた。

しかしそれに反応することは当然できない。

ポスターにはAクラスからDクラスまでの名前とその横に、最大4桁の数字が表示されてた。

Dクラスは0、Cクラスは490、Bクラスは650、Aクラスが940。

これを見て確信したが、Aから実力順になっているのだろう。

DクラスとAクラスには天地の差と言えるほど成績の差があった。

 

「これを見れば理解できる生徒もいるだろう。折木もすでに分かっているはずだ。この学校では、優秀な生徒たちの順にクラス分けされるようになっている。最も優秀な生徒はAクラスへ。ダメな生徒はDクラスへ、と。つまりここにいるお前らは最悪の『不良品』ということだ」

 

ここで茶柱先生の口から不良品という言葉が出てきた。

即ち須藤が上級生に罵られたのも、生徒会長が堀北の所属しているクラスがDクラスだと知った時の落胆した様子も、すべてこれで納得がいく裏付けになる。

今までの疑問が全て解かれていく感覚だ。

しまった、まだ小テストの難問の意図が分からない。

 

「お前たちが不良品ということを知って落胆している生徒もいるようだが、安心しろ。クラスのポイントは何も毎月振り込まれる金と連動しているわけじゃない。このポイントの数値がそのままクラスのランクに反映されるということだ」

 

つまり、もしDクラスのポイントが500ポイント残っていれば、今日から晴れてCクラスになれたということか。

何があっても俺たちはDクラスだと思っていたが、下克上のようなものがこの学校では可能らしい。

 

「さて、もう一つお前たちに伝えなければいけない残念なお知らせがある」

 

黒板に追加されるように張り出された一枚の紙、そこにはクラスメイト全員の名前とその名前の隣には数字が記載されている。

 

「この数字が何を表しているか、さすがに理解できるだろう。先日やった小テストの結果だ。揃いも揃って粒ぞろいで、先生は嬉しいぞ。中学で一体なの勉強してきたんだ?お前らは」

 

一部の上位を除き、殆どの生徒は60点前後の点数しか取れていない。須藤の14点という驚異的なものは無視するとして、その次が池の24点だ。ちなみに俺は85点取れていいた。一見高い点数に見えるが、正直に言って誰にでも取れる点数だ。寧ろどうやった14点などを取れたか分からない。

千反田は先日言っていたとおり、難問の内の一つは解けていて、90点を叩き出していた。そして堀北も90点。やっぱり学力は高いみたいだ。その他にも幸村という名前や高円寺という......高円寺!?

以前綾小路に底知れない何かを感じたが、それは高円寺にも言えることかもしれないな。

そして幸村という名前は今初めて知った。

このクラスには90点が最高得点らしく、そこに高円寺の名前があることに、驚きを隠せていない生徒が何人もいた。

ちなみに当たり前だがこの学校のテストにも赤点制度はあり、赤点と一科目でも取れば退学させられるみたいだ。今回の小テストの結果から言うと7人が赤点を取っていた。

これには生徒たち、主に赤点を取った生徒たちが驚愕の声を上げていた。

無理もないだろう。俺も声にこそ出ていないが、心の中で「まじか......」と呟いてしまう程だ。

赤点のラインは31点の菊池という生徒の名前の上に引かれたが、果たして31点以下が赤点かは分からない。

最低でも50点以上は取らないと安全圏ではなさそうだ。

最後に茶柱先生から、Aクラスで卒業できなければ、進学率、就職率100%の恩恵を受けることは出来ないという衝撃の事実を知らされた。

その制度が魅力的でこの学校に入学したという生徒は多いはずだ。

それを聞いて絶望した生徒もいるだろう。

今のDクラスじゃ間違いなくAクラスには上がれないから。Cクラスですら無謀と言えるかもしれない。

俺はAクラスに上がりたいという気持ちは無いため、このままクラスに積極的に協力はせず、かといって迷惑はかけない程度に3年間過ごそうと計画しているのだが、果たして千反田はどうだろうか。

いや、千反田は千反田家を継ぐ、という将来が約束された状態だ。

千反田の人柄なら、間違いなくクラスの協力する姿勢は見せるだろうが、Aクラスに上がりたいという強い気持ちはなさそうだ。一応後でそれとなく聞いておくか。

 

「浮かれていた気分は払拭されたようだな。お前らの置かれた状況の過酷さを理解できたのなら、この長ったるいHRにも意味はあったかもな。中間テストまではあと3週間、まあじっくりと熟考し、退学を回避してくれ。お前らが赤点を取らずに乗り切れる方法はあると()()()()()()。出来ることなら、実力者に相応しい振舞いを行ってくれ」

 

そう言って茶柱先生は教室から出て行った。

 

 

 

「ポイントが入らないって、どうするんだよ」

「私、残りのポイントは既に使っちゃったよぉ......」

 

茶柱先生がいなくなってからの休み時間、Dクラスは荒れ始めていた。

 

「混乱する気持ちは分かるけど、一旦落ち着こう」

 

平田が皆に呼びかけて、騒ぎを抑えようとするが、それで収まるくらいなら、ここまで酷い有様にはなっていないはずだ。

 

「って言ってもよ、これからまじでどうするんだよ俺たち」

「だから、これからポイントを増やす方法を考えようよ」

「どうやってポイント増やすっつったって......おい、探偵、お前なら思いつくんじゃないか?」

 

急に俺に話が振られてきた。とりあえずもう探偵と呼ぶのはやめて欲しいんだが。

 

「探偵、何か考えはないのかよ」

「折木くん、君の意見も聞いてみたいな」

 

おっと、平田はしっかり名前で呼んでくれるんだな。ありがとう平田。流石だ平田。

 

「そんなに考える程でもないだろ」

「もうわかったのかよ探偵!」

 

男子生徒がぐいぐい来る。話したことないくせにやめてもらいたい。

 

「目先にあるだろう。ポイントを稼ぐイベントが」

「......そうか、中間テストでいい成績を残すことだね」

 

平田の言葉に俺は無言で頷く。

 

「おー!さっすが折木探偵、でもテストかぁ」

 

考えなくても分かると思うのだが、それはこの際置いておくことにして、ポイントを稼ぐなら中間テストしかないだろう。日頃の授業態度ではポイントを稼ぐことは出来ないはずだ。

何故なら授業態度が良いのは当たり前のことだから。出来て当然。だから改善されたとしても減点されるポイントが減るだけで、加点されるわけではない。

なら中間テストでいい成績を出すしか今は方法は無いだろう。

 

「今から3週間、ポイントを稼ぐためにも中間テストを頑張ろう皆」

 

平田の声かけに応じたのは女子たちと一部の男子。

これで大丈夫なのかと心配しながらも今日一日過ごした。

 

翌日、この学校の書き込みサイトで『Dクラスによく見ればイケメン名探偵が出現!正体はなんと千反田えるの彼氏、折木奉太郎!』という書き込みがあったのは本人は未だ知らない。

 

 

 

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