異世界に、日本国現る    作:護衛艦 ゆきかぜ

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 評価してくださった、Ritter様、サモアオランウータン様、ケチャップの伝道師様、ありがとうございます!
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 再び友人に聞かれたんですが、『ピョートル・ヴェリーキイに主砲2基あったっけ?』と。ピョートル・ヴェリーキイが国連海軍の所属になった後、国連装備品委託会社の『ブラックウォッチ』が魔改造まではいきませんが、かなりの改修を施した、という設定です。 
 そして、脳内設定にある、ある存在を失念していました.........というわけで、どこかの話にポンと登場します。申し訳ありません。
 そして投稿が、自分の中でかなり空いてしましました。1万字程度を実現するには、茶番を挟んだり、本話の内容をそれなりに濃い物にしないといけないので.............。誠に申し訳ありませんでした。
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(宇宙戦艦ヤマト 無限に広がる大宇宙2199版)

 ムー共和国議会は、日本国へ使節団の派遣を決定し、日本艦隊の帰国に同行することとなった。そして使節団はアベルの頼みによって日本国の過去の歩み、そして過ちを知ることとなる。
 
 



列強ムー共和国 その3

() ムー共和国 アイナンク空港

 

 

 ムー共和国議会が使節団派遣を決定して数日。

 アイナンク空港で使節団のメンバーが集まることになっていた。空港の待合室には既に数人の姿があり、その中にマイラスの姿もあった。

 

「多彩なメンバーだなぁ〜」

 

 ガチャ

 

 待合室に新たな人物が数人入ってくる。

 

「あれ?マイラス?」

 

「ん?おぉー!ラッサンじゃないか!」

 

 ラッサンとマイラスは士官学校時代の同級生であった。

 

「お前も選ばれたのか?」

 

「じゃないとここにいないだろう?」

 

「それもそうだ」

 

 2人は雑談に花を咲かせていると、どんどんメンバーが部屋に入ってくる。

 そして最後に入ってきた男が皆に声を掛ける。

 

「全員集まったようだな。私は日本国へ派遣される使節団の団長、『オレール・アベル』だ。既に聞いていると思うが、私達は日本国の真の姿を確かめる。まぁ、といっても一部の人間は厄介者扱いされているが、各分野の縦割りを気にせず務めを果たしてくれ」

 

 全員が無言で頷く。

 

「じゃあ早速行こうか」

 

 使節団は迎えの飛行機が駐機されている場所へ向かった。

 

「「「「おぉー」」」」

 

 使節団が駐機場に着くなり、声を上げる。

 

「「美しい」」

 

 技術陣の一部がコスモシーガルを見てそう言った。

 

「こんにちは!機長です!」

 

「ん?名前はないのか?」

 

 アベルが聞く。

 

「まぁ名前はありませんが、階級は3佐です」

 

「名前がないと不便では?」

 

「自分達は............」

 

 そう言うとパイロットが黙り込んだ。

 

「そうか、すまなかった」

 

「感謝します」

 

 副機長が使節団を機内へ案内する。

 使節団は2つに分かれる。

 

「では離陸します」

 

 今回は滑走路を使わずに垂直離陸する。

 

「なっ!?」

 

 垂直離陸したシーガルに目を開くマイラス。

 

(翼が微かに繋ぎ目があったのはそういうことか!)

 

 先日見た時に分からなかったことが分かり、納得するマイラス。

 

「よく分からん艦だな............空母ということは分かるが...........」

 

 アベルに限らず、一部のメンバーは軍事に関しては全くの素人である。

 

「マイラス君からの報告を何十回と見たが意味不明だ.............」

 

 シーガルはアングルド・デッキに着艦する。

 

「速いな...........」

 

 ラッサンが着艦から移動までの時間を測りながら言う。

 

「この斜めの甲板と側弦のエレベーターがここまでの速度を実現しているのか.............だが、これほどの大型機だ。発艦する為の速度と揚力が足りない筈..............」

 

 ラッサンがレールのような物を見るために近づこうとした時、

 

「不用意に動かないでください!」

 

 乗組員が注意するのと同時に、小型の車両が目の前を通り過ぎた。

 

「おっと............」

 

「あまり動かないください!ミンチになったり、ブラストで揉みくちゃにされて焼肉になりたいなら別ですかね.............」

 

 ゾワッ!

 

「はい.............すみませんでした」

 

「ではこちらへどうぞ!」

 

 艦内へ案内される。

 中へ入ると、暖かすぎず、寒すぎずの調子で温度が保たれていた。

 

「快適だな...........夏は暑く、冬は寒いというのが普通なのに...........」

 

 海軍関係者が言う。

 その後、2士妖精がそれぞれの部屋へと案内する。

 

「もしお困りでしたら艦内電話でここに掛けてください。担当が来ますので」

 

「はい。ありがとうございます.............」

 

 アベルは部屋全体を見渡す。

 

「綺麗に手入れされてる............艦の中とは思えんな...........」

 

 綺麗に手入れされてる部屋を見て海軍関係者が泡を吹きながら倒れる。

 空調付き、そしてホテル顔負けの設備。倒れるなと言うのがおかしい。

 一方、軍関係者は艦内を、マイラスの時のように案内しつつ、端末でスペックなどを見せていた。

 

「なんと!このような物は我が国でも.............」

 

「「「「「無理です」」」」」

 

 ムー海軍関係者、士官妖精が口を揃えて言った。

 

「まずこの艦を作るだけの設備が我が国にはありません。後、工作精度もそうですが.............すいません、少しお借りします。この部品を見てください。ぱっと見、工作誤差100分の1mm以下の精度が要求されると思います」(工作誤差100分の1mm以下は適当な数値です。感想などで指摘してくれれば修正します)

 

「100分の1.............」

 

「無理だ............」

 

 造船関係者が呟く。

 

「この40ノット以上の速度を、この馬鹿でかい艦で実現するなどすごいな............」

 

 あかぎの案内を終えた後、各々の部屋へと戻るのだったが、アベルは1人残り、士官妖精が女性と会うのを見ていた。

 

『あ、お疲れ様です、艦長』

 

『そっちこそお疲れ様。どう?使節団は?』

 

『絶望的な顔を浮かべてましたよ』

 

(あの女性がこの艦の..........)

 

 アベルはあかぎに近づく。

 

「あの〜」

 

「「はい」」

 

 2人同時に振り向く。

 

「今の内と言ってはなんだが、日本国の簡単な歴史、概要を教えてくれんか?」

 

 2人は顔を見合わせる。

 

「え〜、ちょっとお持ちください。担当に聞きますので」

 

 あかぎが耳につけていた何かに手を触れる。誰かと話しているようだ。

 

「はい..........じゃあすぐに準備をお願いします。確認が取れました。本艦の士官室で簡単な歴史を紹介します。良かったら皆さんも呼んできてください.................ただ」

 

「ただ?」

 

「嫌なことを見ますので軍関係者のみの方がよろしいかと............」

 

「.............わかった」

 

 あかぎの忠告にただならぬ恐怖を感じたアベルであった。

 

 士官室

 

「これはなんなんだ?」

 

 アベルがプロジェクターを指さす。

 

「まぁテレビが進化した物と思ってください」

 

「はぁ」

 

 士官妖精が操作して映像を投影する。

 映ったのは『日本国の歩み』と題された映像だった。

 

「では、皆さん。お静かに」

 

 映像が流れる。

 日本の起源、それからの歴史が簡単に紹介される。

 文明開化、日清戦争、日露戦争の日本海海戦、203高地の戦い。第一次世界大戦。

 そして............

 

「第二次世界大戦...........」

 

 映像を見ていた全員が驚愕する。

 第一次世界大戦だけでも、ムーの平時予算が全て吹っ飛ぶ程の額、そして人命が失われているのに、それを2回も繰り返しているなどと............。

 最初は大日本帝国の快進撃が映されていたが、ミッドウェー海戦の敗北による、各戦線の敗退、そして米軍の飛び石作戦。

 

「あぁ!」

 

 思わず声を上げる。

 ムーのような複葉機ではなく、単葉機が出撃し、そして敵の船へ体当たりしたからだ。

 

「こんな馬鹿げたことが.............」

 

「酷い..........あまりにも酷すぎる」

 

 そして、B-29による無差別爆撃、沖縄戦............そして...............。

 飛行機から撮っている物と思われる映像が流れていると................。

 

「なっ!?」

 

 マイラスが、一足先に声を上げる。

 

「.................」

 

 絶句。

 

「なんだこのキノコ雲は..........」

 

 時々、理解不能な言語が聞こえてくる。

 

「2発も...........」

 

 映像が切り替わり、更地となった広島、長崎の写真が流れる。

 

「うっ!」

 

 何人かがハンカチで口を押さえる。

 そして、映像は東京湾へ移る。

 

「戦艦............降伏か.............」

 

 戦艦『ミズーリ』の艦上で降伏文書に日本側代表が署名をする。

 そして戦後日本の復興が始まる。

 連合国の支援、そして各業界、海外の著名な要人が復興に尽力する姿。

 

「自衛隊?」

 

 警察予備隊から保安隊へ、そして自衛隊へと姿を変えた。

 

「高度経済成長期..............」

 

 そして21世紀へ。

 

「21世紀...........」

 

「...................」

 

 そして佐山内閣組閣。

 

「自衛隊から国防軍...........」

 

 そして日本国の国連権限拡大活動。海外派遣などの貢献活動が流れる。

 

「凄い............」

 

 外務省関係者が唸る。

 ムーも周辺国と『融和』の方針を取っており、他の文明圏と比べると、第2文明圏は比較的発展傾向にあるが............。

 

「PKO...........ODA..........」

 

 軍がその国に入り、その国のインフラなどの整備をし、そして現地民にその維持管理や、重機の操作法を、そして宿営地と現地民による交流や、利益循環などが紹介される。

 

「こんなこと、我が国はおろか、世界でも不可能だろう」

 

 そして『西暦2048年 日本国転移』で、締めくくられた。

 

「................」

 

 衝撃的な歴史だった。そう言うしかない。

 

「..................」

 

 部屋が明るくなるが、雰囲気は暗いままだった。

 

「あ〜」

 

 アベルが水を飲み、大きく息を吐く。

 

「うん...........私が想像していた倍以上の歴史だった」

 

 使節団が感想を話し合う中、1人だけ物思いに沈んでいるものがいた。

 

(あの巨大なキノコ雲............私が夢で見たものとよく似ていた...........)

 

「どうしたんだ?マイラス」

 

 隣にいたラッサンが声を掛けてくる。

 

「いや。日本国の技術について考えていたんだが、“あの映像”が気になってな.............」

 

「奇遇だな。俺もだ............あの1発で都市1つを廃墟に追い込む程の威力............もしかしたら日本国も持っているかも知れないが...........」

 

 ラッサンは周りの様子を少し見る。

 

「そんなこと言わなくても全員が理解している」

 

 あんな物、世界を破滅へと誘う物に違いない。

 

「だがな、それ以外でも改めて日本国との差が浮き彫りになったよ。軍事面だけではなく、国家面においてもだ..............」

 

「あぁ、追いつける筈がない.............」

 

「では皆さん!ついてきてください!」

 

 再び移動する。

 

「おぉー。広いな〜」

 

(感謝状?)

 

 一部が壁にかけられた物を見る。

 

「凄いな............30枚以上貰ってるのか.............」

 

 各都道府県知事、市長などからの感謝状。海外派遣の際に州知事などから授与されたものや、なんと国王自らの授与もある。

 

「はぁ〜」

 

 何人かが感嘆のため息を吐く。

 

「では皆さん、席にお着きください」

 

 席に着く。

 

「文化は似通っているな...........だが、なんだ?このコップは............」

 

 アベルが紙コップを指さす。

 

「紙のような物で出来ているようですが、ただの紙ではないようです」

 

 技官が紙コップを注意深く見た。

 

「どうぞ」

 

 アベルら、使節団の前にカレーが配膳される。

 

「ふむ..............魚介類が入っているな..............それに微かにスパイスが効いている」

 

 文化調査官がカレーのルーを1口飲んで、そう言った。

 

「..............うまい」

 

「しかし、これは相当な真水を使うぞ............この艦の乗組員数がだいたい3000人とすると、相当な真水を確保する必要がある............」

 

 使節団は新しい発見に高揚感を覚えるのと同時に、屈辱的な気分も味わっていた。

 

「日本国...........認識を改めないといけませんな..........」

 

「改めるどころじゃない。意識を180°まで変えんといけないな...........」

 

「「「「「「は〜」」」」」」

 

 使節団全員のため息が食堂に響いた。

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 あかぎ 艦橋

 

 

「まもなくランデブーポイントに到達」

 

 羅針盤妖精が言う。

 

「重力震を検知。艦隊右舷、反応1」

 

 モニターを見ていた航海士妖精が報告する。

 何人かが双眼鏡でその地点を見る。

 

(しかしなんで『あきづき』が..............?)

 

 『あきづき』がワープアウトし、着水する。

 

「ワープアウトを確認.............航海長、あきづきが艦長と司令を呼び出しています」

 

「なんで司令と艦長を?まぁいい...........司令、聞こえますか?」

 

 航海長が司令を呼び出す。

 

『あぁ聞こえる』

 

「先程ワープしてきたあきづきが司令と艦長をお呼びなっています」

 

『.................』

 

「司令?」

 

『............すぐ行く。あかぎには俺から話しとく』

 

 そう言うと、通話が切れた。

 

「何があったんだ?」

 

 しばらくして、司令とあかぎが艦橋に入ってくる。

 

「マイクを」

 

「どうぞ」

 

 司令があきづきとしばらく話し込んだ後、通信を切る。

 

「...............飛行班長、聞こえるか?」

 

『はい、バッチリ』

 

「すぐにSH-60Kを1機、あきづきに飛ばしてくれ。俺も乗る」

 

「え?ちょっと待って。なんであきづきに乗るの?何かあったの?」

 

 状況が分からずに司令に聞くあかぎ。

 

「すまんが、本国に帰還するまでの指揮を頼む」

 

 そう言い、艦橋を出て行こうとした司令の襟を掴むあかぎ。

 

「うげっ」

 

 倒れる司令。

 

「理由を教えてくれないならあなたの中を直接見ます!」

 

 そう言いながら艦霊力を左手に収束させていく。

 

「ちょっと待てちょっと待て!わかった、言うから!!」

 

 そして早乙女が艦橋にいる全員に事情を話す。

 

「.............それだけですか?」

 

「それだけです............あきづきも詳しいことは知らず、ただ命令を遂行しに来たということです...............」

 

「............分かりました」

 

「分かってくれて何よりです」

 

 服装を整えながら早乙女は艦橋から出ていった。

 

「艦長。まさかあそこまでするとは...........」

 

「さすが赤城...........」

 

 艦橋要員がボソッと言った言葉に反応するあかぎ。

 

「何か言った?」

 

 笑顔で、しかも一般人が見たら鼻血が出るのではないかというレベルの笑顔で聞いた。

 

「いえぇぇーー!!何も言っておりません!!!!!」

 

 敬礼しながらそう答えた妖精。

 

「そう............ならいいのよ。航海長、副長が来るまでの指揮継続をよろしく」

 

「了解です」

 

 あかぎは艦橋から出ていった。

 航海長は水平線を眺める。

 

「どうも2人は少し距離を開けたままだ...........」

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 あきづき 艦橋

 

 

 あきづきの飛行甲板からあかぎ艦載機のSH-60Kが離艦していく。

 

「司令、入られます!」

 

 2士妖精が声を張り上げる。

 

「ご苦労」

 

 早乙女に全員が敬礼する。

 

「各部より配置完了報告です。ワープ点検問題ありません」

 

「機関長、連続で機関をぶん回してるけど問題なし?」

 

『はい!バッチリ問題なしです!!』

 

 機関長の元気な声が返ってくる。

 

「補助エンジン、出力最大」

 

「補助エンジン、出力最大」

 

 補助エンジンの出力レバーを最大まで上げる。補助エンジンは水上航行時にも使用されるが、基本的には全力運転は行われない。(理由はお察しください...........)

 

「フライホイール、接続まで、10、9、8、7、6、5、4、3、2」

 

「フライホイール、接続、点火!」

 

「あきづき、発進!」

 

 あきづきのメインエンジンが点火され、後方に猛烈な水飛沫を巻きながら海面から離れる。

 

「ワープ準備!」

 

「機関全力運転準備よろし」

 

「機関全速!!」

 

 エンジンが青白い光を発する。

 

「ワープまで、5、4、3、2、1」

 

「ワープ!」

 

(ここまで、ヤマトのワープシークエンスなどのSEを脳内再生でお願いします)

 

「あきづきのワープを確認しました...........次元航跡をトレース中...........成功です」

 

 あかぎに限らず。各護衛艦に安堵の息が出る。

 

「しかし、中央からの直接出頭命令とは..........何かあったんですかね?」

 

「さぁな、まぁ俺たちはゆっくり帰るぞ」

 

「はい!」

 

 第1任務部隊は22ノットの巡航速度で祖国へと進み続けた。

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 神聖ミシリアル帝国 帝都ルーンポリス 情報局局長室

 

 

 世界最強と呼ばれている神聖ミシリアル帝国。使節団がムー共和国国王や、議会などと会談していた頃、その帝国の情報機関の局長が自室で頭を悩ませる。

 

(ムー共和国アイナンク空港沖に未知の艦隊が停泊、か..........)

 

 その男はムー共和国内に潜む諜報員からの報告書を見る。

 

(警備が厳重でその未知の艦隊の内容は把握できず、アイナンク空港も民間路線は閉鎖され、陸軍が警備していると............文明圏外国家相手に過剰警備じゃないか?)

 

 この時、神聖ミシリアル帝国内では、極東の国家『日本国』の存在が僅かながらも知られていたが、その認識は、

 曰く

『東方の蛮国である』

 曰く

『調子に乗っている蛮国』

 

 などなど、全員が東方の蛮国であるという認識だった。

 

「だが、あのムー共和国が陸軍を動員してまで警備をする使節団............興味深い」

 

 神聖ミシリアル帝国一部技術人は、『ムー共和国は完全独力で我が国に匹敵する力を持ちつつある』と口を揃えて言う。ミシリアル帝国は、古の魔法帝国の遺産を発掘、解析、コピーすることで今の状態となっている。しかし、中身は酷かった。

 

『なんだこの銃は!?魔力回路が暴走したじゃないか!!』

 

『主砲を発射しようとしたら魔力しか放出されなかったぞ!』

 

 とまぁ、各軍からの批判続出だった。今では魔導技術の発展により、そのようなことは少なくなったが、古の魔法帝国の技術水準と比べると、赤子と博士、のレベルである。

 だが、長年の研究解析などで基礎技術の形成、そして発展を遂げてきた所を見ると、それなりのレベルは有しているが............。

 アルネウスは次の報告書を見る。

 

      ロデニウス連邦建国

 

ロデニウス連邦建国の知らせが届いたのだ。

 

(ロデニウス連邦............ロデニウスでの戦争でロウリア王国が敗北し、その講話でロデニウス連邦の設立が決定された..........第三国の介入の可能性高しか...........)

 

 この世界で連邦など、一部の例外はあるが、それでも第3文明圏外国家が連邦など、ほぼ有り得ない話だった。

 

「まさか日本国が............?」

 

 もし日本国がこの戦争に介入していたとして、少なくとも、ロデニウス大陸国家よりも技術レベルが高く、ムー共和国が対等だと認めた相手ということになる。

 

「興味深いな..........」

 

 アルネウスは、日本国をマークすることに決めた。

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 日本国 首都東京 首相官邸 総理執務室

 

 

 執務室に複数の男女がいた。

 

「宇治和、これはいつ?」

 

「先程、ロデニウス連邦特使『ヤゴウ』様より頂きました」

 

 その視線の先にあるのは、一枚の書面だった。

 

     大東洋諸国会議へ招待

 

 と、題されたものだった。

 

「しかし............この会議に入ったら、間違いなく盟主になりますよね?」

 

 宇治和が言う。彼の懸念はこれが金食い虫になるのではないか?という懸念である。

 

「ですが、この世界としては唯一の、原始的とはいえ地域共同体です。うまく発展させていけば莫大な金を生み出せます。外務省、経産省、特に財務省にとってはいい話でしょう?」

 

 大きく頷く財務省関係者。

 

「道を踏み外さなければ莫大な利益を生み出すことができます」

 

「じゃあ、後で閣僚会議に出すが、一応は招待を受けることでいいな?」

 

 全員が頷く。

 

「分かった。じゃあ例のメンバー以外は解散。お疲れ様」

 

 部屋からぞろぞろと退出する。

 残ったのは国防省関係者と情報庁関係者が残った。

 

「ミズーリはどうだ?」

 

 佐山が聞く。

 

「すでに公試段階に入っています。まぁ国連軍の拡張は、我が国の支援なしでは、ほぼ不可能なので、内の隊員からの国連軍に出向になりますがね............」

 

 参事官が答える。

 国連軍の構成しているのは、各国政府が国連に出向させている軍から成る。そしてその装備品が国連規格へと統一される。一部特許技術などには手を触れていないが、それでもかなりの改修などが行われる。

 

「そして本題です」

 

 佐山が端末を見ながら話す。

 

「ミズーリが出現した浦賀水道で各種調査を行った所............ミズーリが通ってきたと思われる回廊が、地球に繋がっていました」

 

「「「「!?」」」」

 

「回廊を丁寧に辿っていったので、かなり時間がかかりましたが、間違いなく地球に繋がっていました」

 

「じゃあ帰還の可能性—」

 

「無理です。大陸、いや、列島を移動させるほどの容量はありませんでした」

 

「..........つまり、我が国を移動させられる程の容量がある回廊を開けば帰還できると?」

 

「可能性は低いですが、まぁそういうことです」

 

 僅かに出てきた『帰還の可能性』。

 

「ですが計画をするとなると、数十年単位の長期計画となります」

 

「十分だろう。僅かな帰還の可能性だが、計画を練っといてくれ」

 

「は。それと、この惑星、アマールと呼称させて頂きますが、アマールと地球を結ぶ回廊の長さは...........32万8千光年離れています。そして波動砲艦隊による艦連動望遠鏡調査を行った所...........スクリーンに映します」

 

 スクリーンに映った物は...........。

 

「地球...........約32年前の...........」

 

 そこには、日本列島がある地球の姿だった。

 

「どうしますか?」

 

「..........もう消してくれ」

 

「はい」

 

 スクリーンの電源を切る。

 

「では、帰還の可能性は以上です。次は、『潜水艦』についてです」

 

 ロデニウス連邦とのシーレーンにクラーケンが出現していることは知っているが、潜水艦とはどういうことか?

 

「宣戦布告されていないにも関わらず、通商破壊を仕掛けてくるとは............」

 

「先のロデニウス大陸統一戦争の際に鹵獲した潜水艦ですが、『グラ・バルカス帝国』の潜水艦とみて間違い無いのですが............その..........」

 

「見てもらった方が早いので、そちらに送った写真を見てください」

 

 手元にある端末に写真が送られる。

 

「...........伊号400型..........あの“航空巡洋潜水艦”なのか?」

 

 そう、あの潜水艦である。

 理論的には、地球を1周半航行可能という長大な航続距離を誇り、日本の内地から地球上のどこへでも任意に攻撃を行い、そのまま日本へ帰投可能であったという潜水艦だ。

 

「あのイカれてる潜水艦がいるのか..........確かグラ・バルカス帝国軍の電探技術は太平洋戦争末期の米軍と同等だったっけ?」

 

 荒米が広瀬に聞く。

 

「見てくれはそうです...........鹵獲した潜水艦を調査した所、太平洋戦争末期レベルの潜水艦用の小型レーダーが確認されています」

 

「ん?艦載機の『晴嵐』擬きは無いのか?」

 

 情報庁職員が旧日本軍の伊号400型のスペックを見ながら聞いた。

 

「『晴嵐』はありませんでしたが..........“これ”がありました」

 

 広瀬が職員に合図し、頷く職員。

 端末に表示されたのは............。

 

「「「『二式水戦』?」」」

 

 何人かが声を揃えて呟いた。

 

「えぇ、ですが新品同様です。配備からごく僅かか、この世界では不必要だったのかは分かりませんがね.........」

 

 地球の存在を確かにしたメンバーはその後、いくつかの点を話し合い、解散した。

 その後の閣僚会議で、大東洋諸国会議の参加が決定された。

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 同日 市ヶ谷 国防省 31階 海軍会議室

 

 

 海軍会議室の入り口に第7機動部隊司令の早乙女の姿があった。

 

「は〜」

 

 早乙女は部屋の前にある鏡を見ながら服装を整える。

 

「よし..........」

 

 制帽をかぶり直す。

 部屋の扉を三回ノックし、官姓名を名乗る。

 

「第7機動部隊司令、早乙女 晶、出頭しました!」

 

「入れ」

 

 部屋の中から声が聞こえたが、早乙女は嫌な予感しかしなかった。

 

「失礼します」

 

 中に入ると、白井と宇宙海軍の幕僚らが座っていた。

 

(望月幕僚長はともかく、なんであの鬼がいるんだ!?)

 

「聞きたいことが山ほどあるだろうから、好きなだけ聞いていいぞ」

 

 望月海上幕僚長が言う。

 

「では遠慮なく............なぜ自分を、わざわざあきづきを使ってまで出頭させたのですか?」

 

 すると、望月は笑みを浮かべた。

 

「なんでだと思う?」

 

 早乙女はしばらく考えて答える。

 

「.............何か重大なことがあった、としか考えられません」

 

「その通りだ。君、いや、全ての艦隊司令も出頭しているが、軌道エレベーターに行ってくれ」

 

「ハシラジマにですか?」

 

 ハシラジマは軌道エレベーター基地がある、伊豆諸島鳥島南西沖31km人工島だ。国防軍関係者でも、波動砲艦隊関係者、その他一部高官しか入れないという。

 

「あぁ、総隊司令も一緒に行く」

 

 早乙女は白井の顔を見た。

 

「分かりました」

 

「では、すぐに向かって貰う」

 

 そして、国防省メインエントランスへ向かう。 

 ID認証を通り過ぎて入り口へ向かうと、国防省公用車が停められていた。

 

「? 運転手がいないようですが」

 

「ん?あぁ、俺が運転するんだよ」

 

 早乙女が驚いて白井を見つめると、

 

「なんだその目は?俺が車を運転しないような物見だぞ」

 

 そして車が進む。

 

「...........法定速度、遵守するんですね」

 

「あぁ、そのおかげで後続車からフラッシュを浴びせられるがな.............」

 

 早乙女はチラチラと白井を見る。

 

(この人は一体..............?)

 

「俺の正体が気になってるんだろ?大丈夫。あのジャーナリスト艦娘が俺の正体を知ろうとしているからな。いずれ分かるさ」

 

「はぁ」

 

(なぜ今までこの人の正体を気にしなかったんだ?)

 

 どこか違和感を残しつつ黙る早乙女だった。

 

 〜1時間後〜

 

「どうも」

 

 2人は国連軍横田基地の守衛所まで来ていた。

 

「お疲れ様です。白井様ですね」

 

 守衛兵が白井からIDを受け取ると、それを自身の端末にかざし、認証をする。

 

「..........問題ありません。どうぞ」

 

 自走式バリケード『エクスカリバー』が自動的にずれる。

 

「お疲れ様。君、家族は大事にしろよ」

 

「は?」

 

「頑張れよ」

 

 そう言うと、白井は車のアクセルを踏む。

 遠ざかる車を見ながら守衛兵は呟く。

 

「なんで赤ん坊が生まれた事を知っているんだ?」

 

「...........どうやって隊員全員分の家族関係などを覚えているんですか?」

 

 早乙女が先程のことを白井に聞く。

 

「簡単さ。この無駄になっている容量を使った、それだけさ」

 

 白井が自分の頭を指しながら答えた。

 

「着いたぞ」

 

 窓の外を見ると、2人の冬服第3種制服を着た隊員がいた。頭には特徴的な国連軍の制帽を被っている。

 

「こんにちは。案内の任務を承った『レイモンド・H・イェーガー』大尉です!」

 

「同じく、『ウィリアム・F・ケネディ』大尉です!」

 

「うむ。ご苦労」

 

「では、こちらへどうぞ」

 

 早乙女は白井の後ろについていく。

 やがて滑走路脇にある駐機場へ到着した。

 

「お、V-22か」

 

「えぇ、『アメリカ』の艦載機を借りています」

 

「我々も暇していますからね」

 

 国連軍日本駐留部隊は、アジアへの部隊展開支援などを行ったりする。

 しかし、転移によってそれも無くなったわけだが。

 オスプレイが離陸する。

 

「しかし、柱島は関係者以外は入れないんじゃ?」

 

「No problem。君のIDはいくつだ?」

 

「............5です」

 

「なら問題ない」

 

 早乙女は向かいにいる海兵隊の2人のIDを見る。早乙女と同じく『Ⅴ』とプリントされていた。

 それからしばらくして、

 

「見えてきました」

 

 バイロットが言った。

 

「お、軌道エレベーターか」

 

 見えてきたのは、遥か彼方の空まで伸びる一本の線。

 

「いつ見ても驚かされます............」

 

 レイモンドが呟く。

 

「あの、どうして軌道基地に行くんですか?」

 

「あ、言ってなかったか...........君、いや、君たちにある物を見て欲しくてね...........」

 

「はぁ?」

 

 そしてオスプレイは柱島の滑走路へ着陸した。

 

「私達はここでお待ちしています」

 

 と、レイモンドが言ったが、

 

「いや、君たちも来て構わんぞ?」

 

「いや、自分の任務は—」

 

「君たちの上官には私から話しておく。何、気にする必要はない」

 

 2人は顔を見つめ合わせた後、レイモンドが答える。

 

「では、お言葉に甘えて」

 

「じゃあ行こうか」

 

 軌道エレベーターの入り口へ向かう一行だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




 はい。ここで一旦打ち切りました。それ以上を書こうとすると、投稿期間がかなり空いてしまうので.............。
 後、FFMが来月には進水しますね。私は、長良型の名前のいずれかが命名されるのではないかと予想しています。
 そして、投稿期間が空いてしまい、申し訳ありませんでした。
———————————————————————————————————
 次回予告

 ついにムー共和国使節団が佐世保へ到着する。そして日本国とムー共和国は国交締結を決めることとなる。一方、西の果てで新たな動きが発生していた。
  
 次回『来訪、ムー共和国!』さぁ〜て、次回もサービスサービス!
 
 はい、最後はノリでやっただけです。
 

パラレルワールド その1

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