第1話 ようこそ惑星ネーレウスへ
艦隊これくしょん2のリリースから1ヶ月が経った。
プレイ人口は100万人を超える大ヒットであった。まもなく新海域である『東方海域』が実装される。
俺の名前は、東郷一平(とうごういっぺい)。20歳の大学生だ。艦これはAL・MI作戦の後から始めた。艦隊これくしょん2での『階級』は、中佐。よく使う艤装は、皇国のティア5戦艦の金剛型戦艦だ。嫁艦は翔鶴だが、ここ最近は大和や朝潮、フレッチャーがお気に入りだ。
今日も、艦隊これくしょん2をしようとパソコンを開くと、1通のメールが届いていた。差出人は、艦隊これくしょん2の開発/運営であった。運営が俺になんの用だと思い、メールを読む。
「艦隊これくしょん2の拡張機能テストプレイの依頼?抽選かなにかで選ばれたのか。下記のURLから拡張機能をインストールすればいいのか。うーん…」
正直言って怪しい。念のため色々と調べてみると、他にも同様のメールが送られてきている人もいるが全員ではないらしい。送り主のアドレスも本物で開発/運営であった。
問題ないと判断し、拡張機能をインストールするため、リンク先のURLに飛び、ファイルをダウンロードしようとすると、ファイルサイズが大きくダウンロードしインストールが終わったのは半日後だった。
ベッドに寝転び、フルダイブの機械を付ける。導入に時間が掛かったので早く始めたい。
「艦隊これくしょん2、起動」
システム起動、惑星ネーレウスへの転移を開始します。
「え?」
いつものゲーム開始画面ではなく、突如現れた文字に気を取られている間に、俺は暗闇に落ちていった。
…。
……。
「―――。――さい。起きてください。」
目を開けるとこちらを覗き込む顔が見えた。
「ここは?」
見渡すと、看護師さんが1人居り、どこかと電話しているようだ。
「東郷一平さんが今、目を覚ましました。」
「あのー」
「東郷一平さん私の顔が分かりますか?」
「あ、はい」
「意識レベルに問題ありません。はい、バイタルも安定しています。」
黙って待っていると看護師が通話を終え、こちらにビニールの袋に入った白い服を渡してくる。
「東郷一平さんこちらに着替えてください。」
「これは…軍服?」
「あなたの服です。素早く着替えてください」
「はい、…着替えるのでカーテンの外に出てもらえます?」
「拒否します、着替えてください。」
「…はい」
看護師に見られながら軍服に着替えた後、広い部屋に連れていかれ待っているように言われた。部屋の中には、同じく軍服を着た人が100人ほどいた。みんな状況に頭が追いついていないようで、情報を集めているのか近くの人と話していた。俺が最後だったらしく、部屋の奥のマイクの前に軍服を着た男性が立った。
男性が立ったのに気づいたのか部屋が段々と静かになった。
「初めまして、プレイヤーの皆さん。艦隊これくしょん2開発/運営スタッフ兼世界連合海軍少将の田中です。さて皆さんは、多くのプレイヤーから選ばれし100名であります。ここは、『惑星ネーレウス』の皇国にある世界連合海軍司令部です。…そうです皆さんは、遥か遠くの数百光年の地球から転移してきたのです」
部屋全体がざわつき始める。
「私たちが求めるのは、深海棲艦との戦いに勝利してもらいたいのです。勝利した暁には、地球に帰還することが出来ます。では、この後これからのことを詳しく説明いたしますのでもうしばらくお待ちください」
男性がそう言って部屋を出ていった後に、部屋の中に怒号が飛び交い始める。中には、崩れ落ちる者、考え込む者などもいた。そんな俺は、考えこんでいた。
あの男の言うことが本当ならば、ここはゲームの舞台となっている惑星ネーレウス。帰還方法は深海棲艦との戦いに勝利すること。つまり俺たちは、戦う兵士として呼ばれたのか?ゲームの容姿でなく、現実の容姿から察するにここは現実。
俺は、天井を見上げる。うれしかった、でも後悔もあった。大学に入ったもののこれから先の人生に迷い、彼女もいないし、サークルにも入ってないので退屈な人生だった。そこにこんな刺激的な出来事が起きた。しかも艤装を身に着け戦うことが出来るそれだけでうれしかった。でも、家族に心配をかけているのではと思ってしまう。
そうこうしている間に、新たに軍人が入ってくる。先ほどの少将の人と違い軍服ではなく、訓練着を着ている。
「静かにしろ!これより説明会を行う、よーく聞け!おまえらはもう、世界連合海軍の軍人だ!つべこべ言わず覚悟を決めろ!!俺は、お前らの教育を担当するターナ少佐だ!」
怖そうな軍人からいよいよ説明会が始まる。
〇用語説明コーナー
『東方海域』
艦これでは2つ目の海域は南西諸島海域だが、艦隊これくしょん2では、皇国や人民共和国のある東方海域に置き換えられている。近日実装予定である。
『階級』
艦隊これくしょん2ではプレイヤーの階級によって、使用できる艤装のティアや艦娘の運用数が決まっている。一番下から少尉、中尉、大尉と上がっていき、少佐から艦娘の運用が可能になり艦隊指揮ができるようになり、中佐、大佐、少将、中将、大将、元帥となる。