オーシア連邦召喚   作:スカイキッド

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皆さんはエスコンどの順番でやりましたか?
自分は3D→04→5→ZEROです。
7も6も∞もXもAHも未プレイなんですよね……
7とAHはプレイ動画で履修しましたが、プレイしようにもハードがないんですよ……

追記:2020/11/26、一部文章を修正


第2話「未知との遭遇」

 

2022年1月23日 08:00

洋上 オーシア本土より西に600km

 

 

 オーシア連邦の西側洋上を、オーシア空軍に所属する2機のF-16Cファイティング・ファルコン戦闘機が、水平線の先にも永遠に続くかのような海面の上の空を飛行していた。コクピットには当然オーシア軍人が乗っている。

 

 

「メイジ1よりメイジ3、何か見つけたか?」

≪こちらメイジ3、何もありません。ずっと海ですよ≫

 

 

 コールサインをメイジ1とメイジ3とするこの2機のF-16戦闘機は現在、偵察飛行に出ていた。大統領命令でオーシア周辺の調査飛行に駆り出されたオーシア軍機の一部で、翼下には撮影用機材を搭載している。

 

 先日から人工衛星を喪失したため、GPSによる航法支援が無い中での危険な飛行だが、常に後方に展開した早期警戒管制機(AWACS)がレーダーで2機の大雑把な位置を報告してくれるので遭難することはないだろう。

 

 

「メイジ1よりAWACSウィンドメーカー。メイジ3と共に今のところ収穫なし」

 

 

 編隊長を務める片方のF-16のパイロット、メイジ1というコールサインを持つ彼は、かつては国連(IUN)の国際停戦監視軍に所属し、ユージアに駐屯していた経歴を持つ。国際停戦監視軍は俗に言う国連平和維持軍だ。

 

 オーシア連邦は2010年の環太平洋戦争以降、世界に平和を輸出するのが超大国たる自らの使命だと考えるようになり、世界の警察として、全くの善意から世界各地に自らの軍を駐留させるようになっていた。

 

 当然オーシアは、IUN国際停戦監視軍(PKF)へもまた自国軍事力を大量に派遣させており、灯台戦争開戦直前には4隻の大型空母を含めた大戦力をIUN-PKFに所属させてユージア大陸に展開させていたほどだ。

 

 メイジ1もまたオーシア空軍として、IUN-PKFに他のパイロットらやオーシア軍人らと共に派遣されていた。そのように派遣されたオーシア国防軍の人員は全軍の五割にもなるのでは、と噂されるほどに多かった。

 

 しかし転機は訪れる。2019年のエルジア王国とオーシアの間に勃発した『灯台戦争』である。この戦争はオーシアの『善意』を『支配』と受け取ったエルジア王国が、自らの大陸からオーシアを追い出すべく引き起こした戦争だ。

 

 オーシアは超大国であるのに対し、エルジアはただの中規模国家である。国力で劣るエルジアは無人機やサイバー戦で超大国オーシアに対抗したが、戦争後半には敵も味方も分からなくなり、結局曖昧な形で戦争は終わった。

 

 そんな灯台戦争の過程でオーシア軍は大損害を被った。何を隠そう、開戦直後にオーシアはエルジアの奇襲で停泊中・建造中だったすべての空母に損害を受け、そのうちの半分近くは撃沈されたのである。

 

 さらにユージア大陸に派遣していた陸空のオーシアの部隊も無人機の物量に消耗。さらに戦争中盤の衛星通信網が断絶したことに伴う混乱で、先述のとおり敵も味方も分からなくなったことで同士討ちが多発。

 

 加えて戦争終盤の軌道エレベータ周辺での戦闘でオーシア軍は最後の大損害を被り、他にも様々な理由から多くの戦力を失った。戦後の復興のために軍事予算が大きく削られたのもオーシア軍戦力の低下に拍車をかけた。

 

 結論を言えば、2200万平方キロメートルにもなる巨大な領土を持つオーシアは、灯台戦争における戦力損失が原因で国外のオーシア軍部隊を引き戻し、大半を国土防衛に充てざるを得なくなったのだ。

 

 メイジ1もIUN-PKF所属であったが、灯台戦争後に国内に引き戻されていた。いまやIUN-PKFに参加している部隊は少数であり、その少数の部隊も何故か数日前、国内の空き地に突然出現するという謎の怪奇現象に見舞われている。

 

 

≪こちらAWACSウィンドメーカー。メイジ隊、燃料にはまだ余裕がある筈だ。引き続き調査飛行を続けよ≫

「メイジ1、了解(ウィルコ)

 

 

 政府はオーシア連邦の転移を把握したのち、すぐさまオーシア軍機に国土周辺の調査を命じた。オーシアが転移したという情報は尉官以上の階級の軍人のみに知らされており、当然パイロットらは全員士官なので知っている。

 

 とにかく政府は情報が欲しかったので、メイジ1らのF-16のような戦闘機の他にも、長距離を飛行できるB-52などの戦略爆撃機、U-2など偵察機、P-1などの哨戒機などなど、あらゆる航空機を調査に出していた。

 

 

≪メイジ3よりメイジ1。前方に何か見えます≫

 

 

 メイジ1の僚機を務めるメイジ3――練習飛行隊から上がったばかりのひよっこだった――の無線を通した若い声が、無線を通してメイジ1のもとに届く。戦力低下は経験不足のパイロットを前線に送り出す事態も引き起こしていた。

 

 

「んん? なんだ……陸地か?」

 

 

 そのとき、メイジ1もまたキャノピー越しに広がる視界の先、水平線上に何かを捉える。水平線の一部が黒く低く盛り上がっており、近づくうちに若干だが緑が見えてきた。間違いなく陸地だ。

 

 だが、おかしい。本来ならここはセレス海のど真ん中である。いつもであればだだっ広く何もないはずの海域であるはずなのだが、メイジ1とメイジ3が見る限り、そこには確かに陸地の姿があった。

 

 

「こりゃあ、驚いたな、こんなところに陸地が現れるとは……」

 

 

 今はまだ遠すぎて水平線の上が黒く盛り上がってるようにしか見えていないが、陸地であることに間違いはない。おそらくだが、オーシアが転移したことで現れたこの世界の陸地だろう。だとすれば大発見だ。

 

 

≪メイジ1、メイジ3。こちらウィンドメーカー、緊急事態だ≫

 

 

 突如後方のAWACSから無線が入る。

 

 

≪貴機らから見て方位270、距離120km、高度14000フィートにアンノウンが一機出現した。敵味方識別装置(IFF)に応答なし≫

 

 

 突然の正体不明機(アンノウン)出現の報告、すぐにデータリンクによりAWACSのレーダーが捉えたデータが届けられ、F-16のディスプレイ上に表示される。よりによって、アンノウンは件の陸地の方角から来ているようである。

 

 

「アンノウン? 速度は?」

 

 

 少しの間が入ったあと、AWACSのオペレーターはそれに応答する。

 

 

≪時速200キロほど、かなり遅い。セスナ機かヘリ並みの速度だ。メイジ1、メイジ3はアンノウンに接近、これを確認せよ≫

「メイジ1、ウィルコ(了解)

≪メイジ3、ウィルコ≫

 

 

 メイジ1とメイジ3はF-16を加速させ、アンノウンに接近させる。アンノウンまで残り20kmの距離に近づいたところで、先にメイジ3が反応する。

 

 

≪……タリホー。1時の方向。やや低いです≫

 

 

 メイジ1は、メイジ3が言った方向に視線を向けると、そこに小さな黒い点が飛んでいることを自身の肉眼でも確認した。

 

 

「メイジ1、こちらでも確認。これより接近して不明機を確認する」

 

 

 2機のF-16に乗るパイロットらは機体を正体不明機の方向へと転舵させ、未確認機に接近する。近づくにつれて徐々にその全容が明らかとなってゆき、距離10kmで2人は不明機の異様な姿に言葉を失った。

 

 

「なんだあれは……」

 

 

 その姿と見た目は、彼らを絶句させるには十分なパワーを持っていた。それは空の上では目立つ赤い色をしており、鳥のように()()()()()()()

 

 

「ドラゴン……?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

中央暦1639年1月23日 同時刻

ロデニウス大陸沖合い 上空

 

 

 クワ・トイネ公国軍飛竜隊の竜騎士マールパティマはその日、相棒のワイバーンという飛竜に跨がって本土周辺の哨戒飛行を行っていた。その最中、彼とその相棒は洋上にて奇妙な飛行物体と遭遇した。

 

 

「な、なんだ!? あれは!」

 

 

 それはまるで矢の鏃のように鋭く尖った形状をした2つの灰色の物体だった。キーンという空気を切り裂くような甲高い音を上げながら、マールパティマの乗騎であるワイバーンをはるかに凌ぐほどの超高速で飛翔する。

 

 

「な、なんて速度だ!!」

 

 

 未確認騎なので要撃行動をとる必要があったのだが、ワイバーンの速度は時速200キロとちょっとしかない。対する未確認騎の速度は時速1000キロはあるのではなかろうか。これでは要撃しようにも追い付けそうにない。

 

 

「クソッ! 追い付けない!」

 

 

 マールパティマは追跡を諦め、悪態をつきつつ司令部に魔導通信を入れる。

 

 

「司令部、司令部!我、マールパティマ!未確認騎と遭遇、これの要撃を試みるも速度が違いすぎて追いつけない!なお、未確認騎はマイハーク方面へと進行!」

 

 

 マールパティマの通信はすぐさまクワ・トイネ公国軍司令部のもとへと流れ、すぐに各飛竜隊の基地から多数のワイバーンが飛び立つ。未確認騎の向かったマイハークは経済都市であり、司令部も現状の危うさに気づいたらしい。

 

 だからこそ公国軍司令部は全力出撃を命じた。だが結局のところ、公国軍による未確認騎への要撃が成功することはなかった。それもそのはず、未確認騎があまりにも速すぎて要擊が間に合わなかったからである。

 

 2騎の未確認騎は公国軍竜騎士らによる迎撃をまったく受けることなく公国内部の奥深くへと進行、自由に公国の上空を飛び回り、ついにはクワ・トイネ公国の経済都市マイハークの上空に到達した。

 

 

 

 

 

 

 

数分後

マイハーク上空

 

 

 2機のF-16戦闘機は、正体不明のドラゴンと遭遇したのち、これを高速で振り切って謎の陸地の偵察活動を開始した。その最中、その陸地に都市のようなものを発見したため、撮影用機材を用いてこれの偵察活動を試みていた。

 

 

「人の乗るドラゴンと遭遇したかと思えば、今度はまるで中世時代のような都市か……これはベルカ王朝時代あたりか?」

 

 

 メイジ1は機敏に動く機体を操りながら、翼下にぶら下げたカメラで地上の様子を撮影する。街路は石畳、建物も石かレンガ造、屋根は瓦葺きのようだが、窓辺が陽光を反射してることからガラスの技術もあるらしい。

 

 

≪メイジ3よりメイジ1、下方に先ほどのドラゴンと同じのが多数います。数は12機、まさか緊急出撃したのでしょうか≫

 

 

 メイジ1は地上のカメラ映像を映すディスプレイから、レーダー情報を映すレーダー・スコープの画面へと視線を映す。そこには自機のレーダーが12個の飛行物体を捉えたことを確かに表示していた。

 

 

「かもしれない。俺たちは今思い切り領空を侵犯してるんだからな。だが……」

 

 

 メイジ1は少し考え、すぐに再び口を開く。

 

 

「だとしても、緊急出撃までの時間が短すぎる気がする。もしかしたら無線とか、何かしらの通信手段でも持ってるのかもな」

 

 

 実のところメイジ1の推測は言い得て妙であったのだが、彼らがその事実を知るのはまだ先のことである。2機は旋回しつつ、異世界の都市の画像を何枚も撮影した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

同時刻

マイハーク市

 

 

「やはり速いな」

 

 

 公国軍所属、マイハーク防衛騎士団団長のイーネは、持ち場のマイハークにある監視塔で上空の未確認騎を睨み付けていた。今マイハークの上空では、明らかにワイバーンと異なる異様な2つの物体が旋回しつつ高速で飛翔している。

 

 キーン、と甲高い音を鳴り響かせ、少し高度を落として何度も何度もマイハーク上空を旋回した。明らかな領空侵犯だが、あれほどの高空では弓矢は届かないし、ワイバーンは追い付けない。現状、対抗手段なんてものはない。

 

 

「我々では対処不能か……」

 

 

 イーネは腹いせとばかりに弓矢を飛行物体に向けてみるが、あまりにも未確認騎の速度が早すぎてまるで照準に捉えられない。それにやはり弓矢も届かないような高いところを飛んでいるため届きそうもない。

 

 

「無駄、だな……」

 

 

 諦めてイーネは弓を下ろす。2騎の飛行物体の下ではマイハークの住民達が逃げ惑い、追い付けない飛竜が悔しそうに空を睨んでいる。悔しいが何も出来ない。飛行物体は何度も旋回してたが、やがて北東へ飛び去ってしまった。

 

 

「北東に何かがあるのか……?」

 

 

 イーネは飛び去る鉄の竜を眺めながら呟いた。

 

 

 

 

 

 この日、オーシア空軍に所属する2機のF-16戦闘機は、この異世界の陸地を発見することとなった。

 

 




F-16ファイティング・ファルコン
オーシア製の小型軽戦闘機。
大型主力制空戦闘機であるF-15イーグル戦闘機の補佐を目的に開発された。
フライ・バイ・ワイヤなど開発当時では最先端技術を導入しており、高い機動性と安定性を同時に獲得している。
汎用性とコストに優れるため、世界各国にて採用され運用されている。
現実世界のアメリカの開発した戦闘機であるF-16と酷似する。


――
オーシアの転移先は、原作日本よりちょいと東寄り、大東洋の真ん中あたりだと思ってます。

てか、下手したらオーシアってアメリカと変わんないような……エスコンなんだし東側兵器も出そうかな……J-20出したい
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