マリア様はみてるだけ   作:行雲流水

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第二十話:自習室と雑談と雨

 そろそろ近くなってきた学園祭のクラスの出し物を決めようと、ホームルームの時間に黒板へと書き出されたみんなの希望は、食べ物系にアトラクション系に展示系とさまざまである。冗談半分でこの時代にはまだ概念のないメイド喫茶を提案したら、そんな破廉恥なことは出来ないことと、女子校のこの学園だと需要がないと即座にクラスメイトから総スカンを喰らったのだった。

 ツンデレなんて言葉もまだ存在しないから、少し早すぎたかと反省する一方で、勿体ないとも考えてしまう。本物のお嬢さまたちが集うこの学園で、クラシカルなメイド服に身を包んで接客サービスをすれば集客数一位は簡単に取れそうなのだけれど、と俗なことを頭の片隅で思い描いていたのだった。

 

 「樹さんは、山百合会のお手伝いがあるのでしょう?」

 

 それが駄目ならばいっそのこと男装して執事喫茶にと他所事を考えながら黒板を見ていると、ふいに声を掛けられた。

 

 「ああ、うん。忙しくなるから手伝って欲しいって言われているけれど」

 

 強制ではないだろう。クラスの出し物だって手伝わなければならないのだから、薔薇さまにそれをきちんと伝えれば理解して貰えるはずだ。山百合会の手伝いよりもクラスの出し物の方に比重を重くしておかないと、批判が怖いし。

 

 「なら、樹さんにはあまりクラスの出し物で重要な役を担わせるにはいけませんわ。みなさんもそれでよろしくて?」

 

 トップの子が突然声を上げてそんなことをみんなに言い放った。いや、ちょっと待って欲しい、私の意思はどうなるのだろうか。手伝って欲しいと言っただけで、クラスの出し物を手伝えないとは言っていないのだから。山百合会のこととなると少し熱くなり過ぎだろうと、肩を下げる。私の同意ではなく、周囲の同意を得たトップの子は誇らしげな顔で、私に意味深な視線を送るとそれ以上は言うことはないようで、真っ直ぐに黒板を見据えたのだった。

 

  「――樹さんも大変ね」

 

 出し物は展示系となり、ある程度の意見をまとめ終えたいいんちょが、席に座ったままの私に声を掛けてきた。

 

 「止めてくれても良かったのに」

 

 むう、と怪訝な顔をした私を見たいいんちょは苦笑いをしながら、こう答えてくれた。

 

 「助けたい所だったのですが、無理だと判断しましたので」

 

 いいんちょの淡白な言葉を聞くと薄情な人だと思えてしまうが、親切心で無理に言い出して厄介ごとに巻き込まれるくらいなら、これで正解なのだろう。真面目な上に正義感も強いようだから、弱い人が的になっていれば必ず盾として行動するのがいいんちょなのだけれど、口を出さなかったのは、私だったからという可能性もある。

 

 「酷いなあ」

 

 「ええ、そうかもしれません」

 

 ふふ、と目を細めて笑ういいんちょに笑い返す。今日は山百合会の手伝いはないので放課後はフリーだった。そういえば宿題が結構出ていたなあと、面倒くさい気持ちと共に思い出す。家に帰って宿題を捌くよりも学園で済ませてしまいたい。一瞬、図書室へと赴いて一角を陣取って宿題を終わらせるかとも考えたけれど、人気の場所である図書室で読書以外の用事で席を占有するのは不味いだろう。

 

 「あ、いいんちょ、宿題を学校でやりたいんだけれど、教室と図書室以外でどこかいい場所ないかな?」

 

 私立校であるし、お金持ちのお嬢さまたちが通う学園なので、その為の設備は充実している。更衣室のロッカーなんかも、一人に与えられるスペースが広いし他の場所でもそういう所が垣間見える。少々古いのが玉に瑕ではあるけれど、あることに越したことはないのだから。

 

 「それなら自習室がありますよ」

 

 「へえ、そんなのあったんだ」

 

 「入学式翌日のオリエンテーションで案内されたはずですが……樹さん」

 

 「ごめん、必要のないことって忘れやすくて」

 

 優先すべきものが沢山あったので、使用頻度の低そうなものは覚える気が全くなかったというのもあるけれど。それを正直に言う必要もないのだけれど、今言った私の台詞もどうなのだろう。老後を迎えた人のような発言に呆れ返るいいんちょも、自習室で勉強をするそうなのでついでに案内してくれるとのこと。いそいそと宿題が出ている教科の教科書とノートを抱えて、いいんちょと横に並んで歩き、立派な木製の観音扉を開けるとその空間には静寂が漂っていた。

 

 「迷惑にならなければ、多少のお喋りも大丈夫ですよ」

 

 一人で静かに勉強をしたい人は奥へ行くのが、ここでの暗黙のルールだそうだ。入り口手前の丸テーブルには、椅子が数脚備えられているので一緒に勉強をすることを目的とされているのだろう。なるほど、出入り口付近はどうしても人の行き来があるから、その辺りでは必要のあるお喋りならば黙認されるということなのだろう。一緒に捌いた方が楽だろうと下心が見え見えな状況だけれど、声を掛けると快諾してくれるいいんちょ。入り口付近の丸テーブルを一つ陣取り持ってきていた筆記用具と教科書を広げて、さっそく宿題を開始する。私の横に座るいいんちょは、明日の予習をするようだ。相も変わらず真面目だなあと笑いながら、ノートに向かう。

 私の頭の出来はポンコツなので、よく文章を読まないと勘違いしたり、意図を読み間違えたりとこういう所でもやらかしている。勉強を教えてくれる兄や姉から『ケアレスミスが多い』とも言われ、一旦落ち着いて読んでゆっくりと解いていきなさい、と。なので、はじめてすぐに問題に取り掛かるよりも一度息を吐いて落ち着いてから始めるようにしていた。

 

 「あら、樹ちゃんじゃない」

 

 頭上から響く慣れ親しんだ声に、振り返るとそこには当然蓉子さまが居て。その後ろには蓉子さまの友人であろう、三年生らしき人の姿が二人。

 

 「蓉子さま、ごきげんよう」

 

 「ごきげんよう、宿題かしら?」

 

 奇麗に切りそろえられた横髪を右耳に掛けながら問うてきた蓉子さま。私の横に座っていたいいんちょが珍しく驚いた顔をしていて、少しおかしくなる。

 

 「ええ、家に帰ると捌くのが億劫になりそうでしたから」

 

 「そうだったの。――そういえば以前に約束したこと、貴女は覚えていて?」

 

 「アレですか」

 

 「そう、アレよ、アレ。貴女たちさえよければ、同席してもいいかしら?」

 

 二人しか判断のつかない会話に、いいんちょや蓉子さまの後ろに控えている先輩二人が不思議そうな顔をして、黙ったまま私たちのやり取りを見ていた。

 

 「私は構いませんが、蓉子さまのお連れの方たちは……?」

 

 「――どうする?」

 

 その言葉の後に友人二人に視線を向けると私の疑問は割とあっさりと解決してしまった。見ず知らずの下級生の面倒を見なければならないことになったのだけれど、蓉子さまのカリスマにより押し切られたようにも見えるが、どうやらお二人とも同席するのは構わないらしい。……割と横暴な気もするのだけれど、いいのかなあと目を細めつつ気にしても仕方ないと割り切るけれど、私の横に座っていたいいんちょが固まっていた。

 

 「いいんちょ、いいんちょ、戻ってきて」

 

 「はっ。樹さん、どうしてこんなことに……?」

 

 戸惑っている彼女を尻目に、これまでの経緯を説明すると『薔薇さま方と交渉なんて』と小声で頭を抱えていた。せっかくなんだし教えてもらえばいいじゃないと軽い口調でいいんちょを諭してみるも、眼鏡の奥で光る視線が鋭い。

 どうやらこの状況に納得していないようで、文句を言いたいのだけれど紅薔薇さまである蓉子さまと先輩方が居る手前、言い出せないといったところだろう。私といいんちょのやり取りを見ながら苦笑している三人を横目に、諦めてと一言伝えて取り合えず作業を再開させた。蓉子さまたちも自分たちの勉強があるので、あまり関知する気はないようだ。

 

 出された宿題の山を崩していくこと暫く。ふと、手が止まってしまう。数学の問題だったのだけれど、分からないからといって直ぐに聞いてしまうのも駄目だし、自分の脳味噌にインプットされそうにないからもう少し考えてみようと、握っていたシャープペンを廻しながら、思案していた。

 

 「ここと、ここ。――それさえ判れば簡単よ。あとは数をこなして慣れることね」

 

 私が手を止めていたことを目敏く見つけた蓉子さまから、アドバイスが入る。その指摘を基にもう一度考えてみると、さっくりと解けてしまった。

 的確な説明に、蓉子さまの頭の出来が良いのか、同じところで躓いたことがあるのかは謎だけれど、今は感謝だけ述べて先に進もうとノートに視線を向けたまま、問題を解いていく。どこからともなく聞こえてきた生徒の声は少し騒がしい。どうやら雨が降り出したようで、外に居る子たちは濡れないようにと、避難を始めたようだった。暫くすると、雨に濡れた地面が独特の匂いを風に含ませて、自習室へと運んでくる。静かな自習室にとつとつと響く雨の音は、耳に心地いい。

 

 「ああ、そこはこうした方が分かりやすいかしら」

 

 「は、はいっ」

 

 いいんちょが珍しく問題に詰まっているのを、蓉子さまは見逃さなかったようだ。緊張気味に蓉子さまに返事を返すいいんちょの顔は少し赤い。流石のいいんちょも薔薇さま相手では緊張するのだな、と心の中で苦笑いをしながら、真面目に課題をこなすのだけれど、蓉子さまは一緒に来ていた友人二人にもアドバイスを送っている。

 ここでも彼女のお節介スキルはパッシブで発動しているようで、誰かの面倒をみることを苦にしている様子がない。疲れないのだろうかと一瞬頭をよぎるけれど、彼女にとって気になることがある方が疲れてしまうのかも。本当に面倒見がいいなあと感心しつつ周りを見ると、私以外の人たちは一通り終わってしまったようだった。

 

 「あ、済みません、私は最後まで終わらせてから帰るので、お先にどうぞ」

 

 私に最後まで付き合わせるわけにはいかないかと、そう声を掛けておいた。上級生に関しては最後まで歩調を合わせる程仲が良いわけでもないのだし、あとは各々の判断で解散すればいい。

 

 「みなさん申し訳ありません、予定があるのでこれで失礼します」

 

 真っ先に退室を言い出したのは、誰でもないいいんちょだった。普段ならば根気強く最後まで付き合ってくれるのだけれど、上級生に囲まれて緊張してしまったのだろう。悪いことをしてしまったから、明日にでも頭を下げなければなんて考えていると、上級生二人もいいんちょに続いて自習室を出ていったのだった。

 

 「蓉子さま、お二人に付いて行かなくて良かったのですか?」

 

 「いいのよ。樹ちゃんの勉強をみる約束をしていたのだし、それにあの子たちなら教室でも教えることができるのだもの」

 

 「そうですか。てか、蓉子さまも私に最後まで付き合わなくても。――受験だってあるでしょうに」

 

 「偶には息抜きしたって良いじゃない。それに復習を兼ねているようなものだし、こうして貴女の面倒をみるのも悪くないわ」

 

 片肘をついてその手に顔を預けて笑う蓉子さま。見返りとして勉強を教えてもらうのは間違いだったかもしれないと少し反省をするけれど、蓉子さまの解説は分かりやすいので正直助かる。

 

 「お喋りはいいから、早く済ませてしまいましょう。雨、酷くなると困るでしょうし」

 

 「……頑張ります」

 

 私の頭がショートしなければの話だが。蓉子さまに何を言っても私の分が終わるまで、梃子でも動かないだろうから説得は諦める。雨も気になるところだし、手早く終わらせて帰路についたほうが良さそうだ。広げていたノートにまた向かい、蓉子さまは蓉子さまで持参していた教科書を読み込むらしい。そろそろ私の頭が限界になりそうな頃、出された課題がやっとのことで終わったのだった。

 

 「お疲れさま、樹ちゃん」

 

 「ありがとうございます。結局最後まで付き合わせてしまいました」

 

 軽く頭を下げると、蓉子さまは小さく首を振る。

 

 「いいのよ、気にしないで。さあ、用は終わったのだし帰りましょうか」

 

 お礼がてらの賄賂とか受け取ってくれないだろうし、これは学園祭の手伝いは頑張らないといけないなあと考えながら、席を立つ。少し暗くなり始めた外は雨。朝、天気予報を見てから家を出てよかったと安堵する。

 

 「大分降っているわね」

 

 「そうですね。蓉子さま、傘は?」

 

 生徒が随分と減った廊下を歩きながら、聞いてみた。

 持ってきた傘とロッカーに忍び込ませている折り畳み傘があるので、持っていなければ濡れ鼠になってしまうだろうと念の為に聞いてみたけれど、雨に濡れても絵になっている蓉子さまを想像してしまい、余りの格差に何故だか心が切なくなる。これ以上、妙な妄想を繰り広げると私の心のダメージが積もっていくだけなので、頭を切り替える。

 

 「それが忘れちゃって」

 

 「ありゃ、珍しいですね」

 

 ばっちり天気予報とか見てて備えていそうな蓉子さまだけれど、口から出た言葉は意外なものだったので、ついそんな言葉が出てしまう。

 

 「忘れ物くらい誰だってあるでしょう?」

 

 「まあ、そりゃそうですが」

 

 教科書を忘れて志摩子さんや由乃さんに声を掛けて借りて難をしのいだ私が、蓉子さまを笑えないか。

 

 「どうにかできるアテはありますか?」

 

 「いいえ。濡れて帰るしかないわね」

 

 肩を竦めて笑うと、丁度昇降口に差し掛かり別れる場所となる。

 

 「なら、傘渡しますよ。持ってきた傘と置き傘があるので」

 

 「あら、いいの?」

 

 「ええ、今日のお礼がてらに」

 

 「それだと貴女が要求した見返りを返せないじゃない」

 

 苦笑いをしながらそんなことを言っている蓉子さまだけれど、冗談のつもりなのだろう。本気で言っていないのは直ぐにわかったから、私も冗談で返すとしよう。

 

 「あはは。じゃあツケってことで」

 

 「全く、高くついたものね」

 

 そんな馬鹿なやり取りをしながら、荷物を取りに行ってまたここで合流しようと約束。私は一年藤組の教室を目指し、蓉子さまもまた自身の教室へと行くために去っていった。上級生を待たせるのは申し訳ないと急いで教室へと戻り、置いていた折り畳みの傘を手に取り通学鞄も忘れずに抱える。そうして昇降口に戻ると蓉子さまの姿はまだなく、それならばと持参していた傘を取りに行く。

 

 「ごめんなさい、待たせてしまったかしら?」

 

 「いえ、平気です」

 

 昇降口からだと、一年の教室よりも三年の教室の方が遠いのだ。それは仕方ないし、どうしようもないことだけれど、蓉子さまはそう言わずにはいられない人だ。ゆっくりと左右に首を振って、やんわりと否定しておく。

 

 「どうぞ」

 

 持ってきた傘の方がサイズが大きいので濡れづらいだろうと、傘の柄を蓉子さまに向け、そちらを渡す。

 

 「樹ちゃん、私が借りる立場なのだから、折り畳みの方でいいわ」

 

 やはりそうきたかと苦笑いをしつつ、引き下がるわけにもいかない。

 

 「いえ、バス停までしのげればいいですし、降りてからもあまり歩きませんから大丈夫なので――」

 

 「――いいえ、駄目よ」

 

 そんなこんなの問答を続けること暫く、どちらも引き下がる気はなく終わりが見えない。そんなやり取りに終止符を打ったのは意外な人の登場だった。

 

 「蓉子、傘入れてもらってもいい?」

 

 唐突に後ろから声が掛り振り返ってみると、そこにはにっと笑いながらこちらへと歩いてくる聖さまが。予定がなければさっさと帰っていそうなイメージがあったのだけれど、どうやら違ったようだ。

 

 「聖、まだ居たの?」

 

 「ああ、うん。暇つぶしにウロウロしてたらこんな時間になってた」

 

 いやあ参ったよ、と言いながら後ろ手で頭を掻いている聖さまは、蓉子さまが持っていた傘をかっさらってネームバンドのボタンを外して広げ、下はじきを押し込んでばっと傘を開いたのだった。

 

 「二人とも帰らないの?」

 

 あまりにも素早い聖さまの行動にあっけにとられていた蓉子さまと私に、きょとんと不思議そうな顔をして首を傾げている。私の横に立っていた蓉子さまは、呆れたように溜息を吐く。

 

 「聖、その傘は樹ちゃんのものなのよ」

 

 「えっ、そうなの?」

 

 あちゃーと言いたげな顔をありありと浮かべて、聖さまは私を見る。

 

 「蓉子さまに貸したので、好きにしてもらって構いませんよ」

 

 「そっか。んじゃあ借りてくね」

 

 にっと笑って蓉子さまの肩を掻き抱き、傘を差したまま歩き出した。ここ最近の聖さまの変わりように驚くけれど、私はどちらかというと今の聖さまの方が好感が持てるので、以前のような壁をまた作らないで欲しいと願いつつ歩き出す。

 

 「聖、もう少し遠慮というものを覚えたら?」

 

 「えーいいじゃん。樹ちゃんも好きにしていいって言ってくれたんだし」

 

 仲が良いなあと横目で見つつ校門を目指して歩く。バス停は校門横のすぐそばにあるので、この雨の強さならばそうそう濡れることはない。あとは二人が濡れないことを願うばかりなのだけれど、どうするのやら。そんな私の心配を他所にまだ言い合いは続いている。

 

 「樹ちゃんも、黙っていないで聖に言ってやって頂戴」

 

 「あ、いえ。夫婦喧嘩は犬も食わないって言いますし、邪魔しちゃ悪いですから」

 

 蓉子さまの言葉にそう言い放ちながら歩を進める私と、その言葉で立ち止まった二人。暫く止まったままなので後ろを向いてみると、見たこともない妙な顔をしてお互いの顔をマジマジと見つめて、ぷいと違う方向へと顔を反らす。そんなことをするから、そんなことを言われてしまうのだと苦笑いをしながら、それでも濡れないようにと蓉子さまの側を離れない聖さまは優しい人なのだなと、改めて知る。

 

 「ないないないない。蓉子とそんな関係じゃあないからね?」

 

 「そうよ、樹ちゃん。聖とは腐れ縁で面倒を仕方なく見ているだけだもの」

 

 「え、ちょ、その言い方は酷くない、蓉子っ」

 

 「あら。今の今まで面倒をかけてきたのは何処のどなた?」

 

 「ぐ……」

 

 蓉子さまの止めの言葉に押し黙る聖さま。そんな気の置けないやり取りが羨ましくもあるけれど……。

 

 「ぶっ」

 

 学園のあこがれの的である薔薇さまの内の二人が、こんな馬鹿なやり取りをしているのが可笑しくてつい吹いてしまうのは仕方のないことなのだろう。

 

 「笑わないでくれるかしら……」

 

 「……笑わないでよ」

 

 ジト目を私に向けてくるけれど、いつもの薔薇さまオーラは健在せず。私はあははーと誤魔化すように笑って先に歩き始め、二人も私に追随する。誰も何も言わないけれど、バス停までの心地よい時間が流れていた。

 




 7316字

 いいんちょ、とばっちり。

 自習室ってリリアンに存在するかは謎です。アニメのいばらの森の回だか白き花びらの回で、夏休みに栞さんを待つ聖さまが座っていた場所が図書室ぽかったのですが、蟹さま登場回に祐巳ちゃんが図書室に行っていた時と雰囲気が違うので無理くりにでっち上げ。
 あとオリ主と一緒にいいんちょを連れていくつもりはなかったのだけれども、オリ主だけ薔薇さまとエンカウント率高いのもどうかと思い一緒に行動。いいんちょ、蓉子さまと面識を持ったのでちょいちょい関わっていてくれれば嬉しいなと。まあ、その話はオミットですが。

 そんなことをさせているので、いいんちょのキャラが立ってきたので名前……と考えたのですが、やっぱり止め。いいんちょはいいんちょで。私がオリ主以外のオリキャラになるべく名前を与えないのは、他の作品を読んでいると唐突に登場したキャラがあなた様はだあれ? となることが多々あるからです。何度か読み返したり見返したりしてようやく名前を覚える始末。ようするに作者の頭がポンコツなのです。てへぺろ(・ω<)
 
 あと聖さまが勝手に出てきて、勝手に場面をかっさらっていった。どうしてこうなったの……。

 蓉子さまみたいな姉ちゃん欲しい。親父化した聖さまもいいなあ。江利子さまも、五人兄が居てその下に妹が居たら可愛がってくれそう。大半はからかいだろうけれど。しかしまあ、完璧超人みたいな人たちだから、下手をすればコンプレックスの塊になりそうだから、図太い人間じゃないと妹になれなさそう。
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