マリア様はみてるだけ   作:行雲流水

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第三十話:学園祭②と白薔薇さまと銀杏王子

 更衣室は演劇部とダンス部や有志の人たちに先に開放されるので、山百合会のメンバーは時間差をつけて最後に着替えることとなっていた為に、集合場所は慣れ親しんだ薔薇の館である。友人と別れて喧騒から遠のいている薔薇の館のいつもの部屋へ入ると由乃さんと志摩子さんが既に来ており、ごきげんようと掛けられた声にごきげんようと返す。まだ少し時間には早い為か、二人はお茶を淹れてゆっくりしていたようだった。

 

 「樹さん、初めてのリリアンの学園祭はどう?」

  

 自分が飲む為のお茶を淹れていると、背中から由乃さんの声が聞こえてきた。

 

 「いつもより騒がしいけれど、やっぱり落ち着いた雰囲気があるよね。この学園のイベントって」

 

 「そうかしら?」

 

 普通の学校だと羽目を外して馬鹿騒ぎをしている男子とか、大勢と徒党を組んで大移動をしている女子とか見るけれど、この学園だとそんな景色は当然のようにない訳で。教育の差って偉大だなあと感じつつも、あのどこか懐かしく若者らしいエネルギー溢れる喧騒も知っている身としては少し寂しくもあるのだけれど。

 

 「中学の時なんて、徒党を組んで馬鹿騒ぎしながら回ってる男子とか居たからね」

 

 「なんだか楽しそう」

 

 目を細めながら笑う由乃さんと、少し驚いた様子を見せた志摩子さん。どちらもはかなげで大人しい外見の二人は、それぞれ反応が違っていて面白い。由乃さんとはよく話すので、大分彼女の人となりは見えてきている。外見の大人しい雰囲気と中身とは大違いで、随分とさっぱりとした性格をしているから『楽しそう』と語った言葉は彼女の本心だろう。

 志摩子さんも大人しい見た目ではあるが、その心根は強い人だ。私の言葉に何を思ったのかは分からないけれど、駄目なものは駄目だと言ってしまえる人だから、単純に見たことのない光景を想像したのだろう。

 そうして三人でお茶を飲んでいること暫く、祐巳さんと祥子さまがやって来た。少し遅くなったことに謝罪をしながら、部屋へと入ると祥子さまと目が合った。

 

 「樹さん、先程の方は?」

 

 「劇があるので別れましたよ」

 

 「……そう」

 

 ゆっくりと目を伏せて何かを考える様子を見せる祥子さまを、心配そうに祐巳さんが見ているけれど一体何だろうか。

 

 「樹さん、あまり言いたくはないのだけれど、ああいう方とはお付き合いを控えた方が良いのではなくて?」

 

 ああ、やはり。――彼女の言い放った言葉は、あらかた予想が付いていた。この学園では滅多に、いや見ない部類の友人の外見はとても目立っていたのだから。連れてくるべきではなかったのだろうかと一瞬頭の中によぎるけれど、友人は学園祭を楽しんでいたのだから、間違いではなかったのだろう。

 反省すべきはこの学園の人たちが友人をどういう目で見るのかを思い至らなかった私の浅はかさだろうか。この学園の生徒からみれば私の友人は『不良』の類に見えてしまうのだろうけれど、彼女は一応チケットを用意して正規に入場した客人なのだ。主催者側に属する生徒にはもてなす必要があるし、邪険に扱えばこの学園の品に関わるから表立って行動に出る生徒は居なかったのだが。

 

 「……分かりました。考えておきます」

 

 声に出して苦言を呈したのは祥子さまらしいのだけれども、友人との付き合いを改めるつもりはない。が、祥子さまとも関係を疎かにするつもりもなく。当たり障りのない言葉で場を有耶無耶にしてしまおうとするのは、私が擦れた人間故だろうか。

 本来なら、友人の良い所を述べ外見に捕らわれるべきではないと諭すべきなのだろうが、そうすると祥子さまも私もどちらも譲らない展開となってしまいそうな気がするのだ。不毛な争いを好むほど若くはないし、これから一仕事があるのだからここで体力を使う訳にはいかないし、一触即発の空気を感じ取って不安そうな顔をしている一年生組に悪いだろうと自分を納得させ、いつの間にか握りこんでいた両の拳を解いたのだった。

 

 「ええ、そうして頂戴。その方が貴女の為にもなるのでしょうから」

 

 祥子さまの性格を考慮すれば分かっていたこととはいえ、こうストレートに口に出されると受け入れ辛いというかなんというか。彼女に悪意がないのは明白で悪気も何もないのだし、重くとらえる必要もないのだけれど、それでも心の隅に何か引っかかるものを感じてしまうが首を振って無理矢理に振り払い、二人分のお茶を用意しようと流し台に立つ。

 

 「大丈夫?」

 

 いつの間にか私の横に立っていた志摩子さんに顔を覗かれながら音量を下げた声でそんな言葉を掛けられた。

 

 「うん、大丈夫、大丈夫」

 

 肩眉を上げて無理矢理に笑うと、少し困ったような何とも言えない顔を志摩子さんは作り上げ『そう』と私の言葉に短く返してくれたのだった。

 

 「――ごきげんよう」

 

 何の前触れもなく部屋へと入ってきた令さまの声で少し重かった空気が霧散し、数分も経たずに三人の薔薇さまたちがようやくやって来る。そうして先輩たちのお茶を用意して飲み終わると蓉子さまの一声で、部屋を出てぞろぞろと体育館の更衣室へと向かう。道中、見知らぬ生徒から『頑張ってください』『楽しみにしています』などと口々に声を掛けられる山百合会のメンバーの最後方で、ぼんやりとその背を見ながら歩いていく。

 

 「樹さんっ」

 

 「うん?」

 

 私の少し前を歩いていた祐巳さんが一度足を止めて私の名を呼び、横に並ぶと再び歩調を合わせて歩き始めた。彼女もまだ山百合会のお手伝いとして出入りしている生徒だから、役職持ちの人と比べ生徒から声を掛けられることは少ない。

 

 「あの、えっと……さっき祥子さまの言っていたことなんだけれど……」

 

 「アレの事なら気にしてないよ」

 

 少し時間が経ち平常心はもう取り戻しているし、祐巳さんが気にする必要もないのだから。

 

 「でも、上手く言えないけれど……お友達のことをああやって言われたらって思うと……」

 

 あの子を連れてこの学園を闊歩すれば、どういう目で見られるのかは予想はついていたので友人の頼みじゃなければ連れて歩かなかったし、もし誰かから頼まれてもチケットがないからと断るつもりでいたのだ。

 

 「祥子さまに悪気はないのは理解してるつもりだよ。この学園にあんな派手な子は居ないしね」

 

 ニュースでも流行りものとして取り上げられている格好ではあるけれど、お金持ちのお嬢様たちが通うこの学園では遠い存在だろうし無縁のものだろう。特に上流階級と呼ばれる人たちになら尚更だ。社会に出れば嫌でもいろんな人と付き合わなければならないし、あの頃は若かったと祥子さまの黒歴史にならなければ良いのだけれど。

 

 「えっと、うっ……」

 

 あまりにも率直な私の言葉に答えあぐねている祐巳さんを見て、つい可笑しくなり笑みが零れる。

 

 「気にしてないって言うと嘘になるけれど、こうして気にかけてくれる人が居るから平気だよ。――行こう、みんなに置いて行かれる」

 

 話し込んでいて随分と先を行くみんなと距離が開いてしまった。祐巳さんと私が遅れていたことに気が付いたのか、祥子さまが振り返る。

 

 「祐巳、樹さん、急ぎなさい」

 

 「は、はいっ!」

 

 「了解です」

 

 スカートのプリーツを翻さない程度に小走りする祐巳さんと、大股で早足になる私。嬉しそうな顔をしながら祥子さまの隣に並ぶ祐巳さんを眺めながら、この人たち何時くっつくのだろうかと疑問符を頭の上に浮かべる私だった。

 

 ◇

 

 そんなこんなで更衣室に着いて着替えはすぐさま終わると、周りのみんなはまだ着替えていた。昔取った杵柄とでも表現すべきか化粧も自分で出来てしまうので、演劇部の人たちの手を煩わせる必要もあるまいと道具を借りる許可を取って勝手に終わらせ。髪も適当にワックスで撫でつけ残った髪は結わえ、眼鏡からコンタクトに付け替えると準備は終了してしまった。さて、どうしたものかと周囲を見渡すと、まだ着替えている蓉子さまと目が合った。

 

 「樹ちゃん、申し訳ないのだけれど柏木さんを迎えに行って貰えないかしら」

 

 柏木さんなら男性教員用の更衣室で、衣装に着替えている筈である。メイクは演劇部が行う事になっているのだけれど、誰が柏木さんに化粧を施すのか演劇部内で闘争があったとかなかったとか。

 

 「あ、はい。――行ってきます」

 

 その言葉と同時に、ふっと影が差し横を向くと着替えを終えた聖さまがいつの間にか立っていて、何故か私の肩を抱いたのだった。

 

 「蓉子、私も樹ちゃんについて行っても良い?」

 

 「ええ、そうね。聖にもお願いしましょうか」

 

 聖さまの言葉に一瞬考えたような雰囲気が見えたけれど、すぐさま了と返した蓉子さまはにっこりと笑っている。

 

 「いや、一人でも大じょ……」

 

 「了解ー。さ、行こうか樹ちゃん」

 

 大丈夫という言葉は、聖さまが私の肩に回していた腕によって遮られ、無理矢理に方向転換させられた。マリア像前での祥子さまと柏木さんの一騒動から、山百合会の人たちからの柏木さんの株が暴落しているのは目に見えているけれど、それにしたって信用されていないのではと考えてしまう。

 祥子さまと柏木さんは親同士が決めた婚約相手としか知らないので、二人の関係性には憶測を立てるしかないのだけれど、柏木さんが下手を打つような人には見えないし何故祥子さまに嫌われてしまったのかは謎。事実は祥子さまが柏木さんを嫌っているというか敬遠しており、それを追いかけているのが柏木さんだ。相手は手強いだろうから、何時捕まえることができるのか分からないが。

 それはさておき、花寺学院の生徒会長という立場を担っている柏木さんが、リリアンの学園内で滅多な行動は起こせないから無用な心配なのだけれども。例え人前でキスをしようとした柏木さんでもだ。祥子さま相手ならば婚約者として言い訳がたつけれど、他の生徒に手を出せば最悪強姦未遂くらいにまで話が発展しそうだ。お嬢さま校だけに。

 

 「聖さま、私一人でも大丈夫ですので中のみんなを手伝った方が効率良いんじゃあ……」

 

 「その辺りは心配しなくていいよ。蓉子と江利子が仕切ってくれるから」

 

 付き合いが長い所為なのか信頼を寄せている言葉に納得しそうになるけれど、やはり柏木さんを迎えに行くことに二人も人員を費やすのは余りにも無駄というかなんというか。着替え途中のみんなはこの後、化粧や髪をセットしなければならないし人手は多い方が良い気がするのだけれど。蓉子さまが許可を出したのだから、時間には間に合うのだろうと歩を進める。

 

 「さっきも思ったんだけれど、背高くなってない?」

 

 「男役なので背が低いと格好がつかないので、靴の中に中敷きを仕込んだのでその所為ですね」

 

 一緒に踊るダンス部の人の背は低いけれど、少しでも見た目が良くなるようにと秘かに購入していたのだ。貯めていたお小遣いが減ったのは痛かったけれど、自己満足の為なので仕方ない。

 

 「なるほど。――妙な所で真面目だよねえ」

 

 群舞だしそう目立たないだろうから気にする必要はないかもしれないが、家族は楽しみにしているとビデオカメラ片手に観客席に座っているだろうし、友人も見ている。それにお前のせいで山百合会の劇が台無しだ、などと言われてしまう可能性も秘めているので無難にやり過ごしたいという下心も多分にあったりするのだ。

 

 「みんな奇麗に着飾っているのに、一人だけ野暮ったいのは不味いですしね」

 

 奇麗どころや可愛い人が多いし、男装してもきっちりと似合っているのだし羨ましい限りだ。特に山百合会のメンバーが群を抜いていて、黄色い声を上げられるのも理解できる。衣装を着ている聖さまと一緒に歩いていると視線が刺さること刺さること。本当、目立つ人たちだなあと目が遠くなる。

 

 「そんなことないって……おっと、もう着いたか。悪い、あの人の相手お願いしてもいい?」

 

 名前を呼ばずに『あの人』と表現されてしまった柏木さん。本当あの一件から山百合会の人たちから苦手意識というか、嫌われている柏木さんを少し不憫に感じてしまう。何度か彼とやり取りをしているけれど、話しやすいし冗談を飛ばしても受け止めてくれる柔軟性は持ち合わせているのに。イケメンで頭が良くて家柄も良い優良物件の柏木さんを、肉食女子の中へと放り込めば一瞬で喰われるだろうに、ここの人たちは無欲らしい。

 

 「構いませんが、それだとついてきた意味がなくないですか?」

 

 「まあ良いじゃない」

 

 にっと笑って聖さまが私の左肩を二度叩く。

 

 「分かりました。――柏木さんの横に立つなら聖さまの方が似合ってるんだけどなあ……」

 

 小さく呟いた最後の言葉を聞き取ったのか笑っていた顔が一瞬で曇り、私の両頬に聖さまの細長い指が伸びて掴む。

 

 「今、何かおぞましいことを言わなかったかな、樹ちゃん……」

 

 にっこりと笑っているけれど青筋を立てている聖さまに、どこに切れる要素があったのかまったく分からないまま抗議の声を上げたのだった。

 

 「せい、さま。けしょう……取れる」

 

 割と痛いので、どうやら彼女の逆鱗に触れてしまったらしい。地雷がどこに埋まっていたのか全く見当もつかないまま踏んでしまったのだけれど、ぺちぺちと聖さまの腕を叩くと取り合えず解放してくれた。

 

 「銀杏王子の横に立つなんて、絶対嫌だね」

 

 「子供じゃあないんですから……」

 

 「子供で結構」

 

 ぷいと私から顔を反らす聖さまは、本当に子供である。一応生徒会役員なのだから猫を百匹でも用意して、柏木さんの隣に立つべきではと思うけれどどうやら無理らしい。

 

 「面白いやり取りをしているじゃないか、二人して」

 

 扉を開けた柏木さんが、今までのやり取りを聞いていたのかそんなことを言いながら顔をだしたのだった。

 

 「ごきげんよう、柏木さん。少し遅くなってしまいましたが、お迎えにあがりました」

 

 「ありがとう。それにしたって白薔薇さまは客人に対しての態度がなっていないんじゃあないかな?」

 

 にっこりと笑ってそんな言葉を吐いた柏木さんに、聖さまがむっとした顔をすぐさま浮かべて、柏木さんと聖さまの間に私を挟み込む。あー盾にされたなあと思った瞬間、ゴングが鳴り響いたのは気のせいではないのだろう。

 

 「はっ。仮にも花寺の生徒会長だっていうのに公衆の面前で女の子に手を出そうとしたヤツに言われたくないねっ!」

 

 「おや、僕とさっちゃんは婚約者同士なんだ。べつにキスの一つくらいで怒ることもないだろうに」

 

 「嫌がってる相手にあんなことをするアンタが気に喰わないっての」

 

 最近、祐巳さんとのじゃれ合いが増えている聖さま。それから逃れようと一生懸命になっている祐巳さんだけれど、三年生相手に無茶は出来ず逃げられないまま捕まっている所を良くみるのだが……。

 

 「――へえ。それじゃあ君は可愛い女の子に手を出さないのかい?」

 

 「むっ」

 

 妙なセリフを吐きながら、柏木さんの両手が私の両肩に乗り引き寄せられる。密着とまではいかないけれど、お互いの衣装が引っ付くくらいには柏木さんとの距離は近い。男装をしているし普段の私は可愛いには程遠い人間なのだけれど、柏木さんなりの気遣いなのか聖さまを煽る為の道具なのか判断がつかないのだが、痴話げんかに巻き込むのは勘弁して欲しい。これで腰でもくっつけるような素振りでも見せてくれれば、即座に彼の手を振り払うのだけれども。

 

 「汚い手でウチの生徒に手を出すなっ!」

 

 勢いよく腕を掴まれ柏木さんの乗せていた手からすり抜けて、聖さまの腕の中にすっぽりと納まり、私の腹に両腕を絡ませ肩越しに顔を近づけて叫ぶので、耳に響く。

 

 「リリアンの生徒会役員は乱暴者なのかな? 彼女が驚いているじゃないか」

 

 「うっさいっ!!」

 

 一向に収まりそうにない同レベルの罵り合いにどうしたものか、眉間にしわを寄せて仏頂面になる。

 

 「……似た者同士」

 

 「は?」

 

 「うん?」

 

 ぼそりとボヤいた言葉はしっかりと二人に聞こえたようで、ありありと不満を表した声。どうやら矛先は私になったのだけれど、美人とイケメンの凍り付いた顔が一瞬で氷解して私に視線が刺さる。さっきは物理的に痛かったのだけれど、今度は精神的に痛い。

 

 「何の冗談を言っているのかな、君は……!」

 

 ドが付くほどの美人の聖さまを随分と見慣れて耐性が出来たつもりだったけど、至近距離で凄まれると迫力があり過ぎる。最近は随分と丸くなり以前のような態度はとらなくなったけれども、こんなことで怒るものだろうか。

 

 「白薔薇さまの意見に同意するつもりはないが、それだけは同感かな」

 

 にこりと特上の笑みを見せているけれど、口の端が吊り上がってる柏木さん。落ち着き払って余裕そうな姿をいつも見せているというのに珍しいもので、なかなか見れる光景ではないのだけれど彼も何故そんなに不機嫌になるのやら。

 

 「二人ともなんでそんなに怒るんですか?」

 

 疑問を素直に口にするとヒートアップしていた雰囲気が急に気配を収束させ、柏木さんは一つ溜息を吐き聖さまは右腕だけ私から離し頭を何度か掻いて。

 

 「……行こうか。銀杏王子は放っといて」

 

 「いや、柏木さんを迎えに来たのに本末転倒じゃないですか」

 

 「アレなら勝手についてくればいい」

 

 「銀杏王子って僕のことかい?」

 

 「それ以外に誰がいるんだよ」

 

 むっとした顔でまた柏木さんを睨む聖さまは回した左腕を解く様子はなく、本当に歩き出してしまった。柏木さんが付いてきているのか気になって、後ろを振り返ると苦笑いを浮かべながらゆっくりとした足取りで私たちの後を追っていた。道中、すんすんと鼻を鳴らして私に顔を近づける聖さまが怪訝な顔をして、一言零す。

 

 「樹ちゃん、銀杏の臭い移ってる……」

 

 「え、マジですか?」

 

 どうやら祥子さまとひと悶着した時に銀杏を踏んでしまい、王子さまの衣装を着たまま滑って転倒したそうだ。シミ取りに被服部が頑張ってくれたのだけれど、臭いは未だに残っていて。どうやらソレがさっきの間に移ったようで。

 

 「……うん」

 

 そういって後ろを振り返るとにっこりと笑った柏木さん。

 

 「だって一人だけ臭うなんて不公平だろう」

 

 いけしゃあしゃあといつもと変わらぬ素敵笑顔でそんなことを抜かした王子さまに初めて腹が立ったのだった。

 




 7244字

 祥子さまが悪いように書いていますが、茶髪で見目が派手な女の子をみて苦言を呈さない祥子さまは居ないと思うので。代わりに他のメンツでオリ主のフォローに回る展開に(苦笑

 調子が良ければ次の日曜である10/25日よりも前にどこかで更新をしたいのですが、あくまで予定は未定で。更新があればラッキーくらいでお願いします。┏○))ペコ



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