マリア様はみてるだけ   作:行雲流水

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第五十九話:冬休みとナンパ

 終業式が終わりクリスマスの二十五日から冬休みへと突入した。社会人の長期休暇とは違い、学生の身であるが故に課題が机の上に積まれている。残していても仕方ないので終業式の夜から取り掛かっているのだけれど、分からない所があれば家族に聞けば割とすんなりと解決してしまうので、有難い限りである。

 課題をこなしながら数日がたち約束の日がやって来た。街へと繰り出して待ち合わせ場所で立ち止まり周りをキョロキョロと見回して友人たちを探してみるが見当たらない。腕時計を見ると約束の時間まであと十分。誰も来ていないことに友人たちのルーズさを嘆きながら、時間には来るだろうと心を落ち着かせる。

 

「うぐちゃん!」

 

 手を振りながら笑みを浮かべてこちらへとやって来るのは、学園祭に来ていた友人ともう一人中学時代に仲の良かった女の子が。

 恐らく途中で合流して、ここまで来たのだろう。二人ともこの寒空の下だというのにミニスカートで厚底ブーツに生足である。若いなあと目を細めつつ『久しぶり』と言葉を交わし、未だ来ない友人たちを待ちながら雑談を続け。

 

 「悪い、遅れた」

 

 約束の時間から十分遅れて、以前剣道の試合で再会した顔の怖い男友達とその連れ二人がようやくやって来たのだった。学園祭と剣道の試合で会った二人以外は中学の卒業式以来なので、本当に久方ぶりである。

 少しばかり待ち合わせ場所で近況報告をお互いに交わした後、適当に街を歩きながらビルの谷間にポツリと佇む小さな公園でまたお喋りに興じ。時計の針が十二時を指す頃に誰かがポツリと『お腹空いた』と零して、全国チェーン店のファミリーレストランへと赴いて昼食を済ませて。さてカラオケにでも行きますかねと、コンクリートで出来ている森の中の雑踏を六人で進んでいた時だった。

 

 「おい、鵜久森」

 

 「ん?」

 

 最後尾を歩いていた私に振り向き顎であっちを見ろと言われて、指された方向へと視線を向けると、その先に居たのは良く見知った三人にあからさまに堅気ではなさそうな格好の男の人二人。男の人二人に詰め寄られて、若干引き気味に対応しながらも押しが強いのか。ナンパだろうけれど、関りを持ちたくはない感じの男の人に、強く出られないのか困っている様子である。

 

 「あ」

 

 私の口から漏れた声に気が付いて、短く刈り込んだ頭を掻きながら声を掛けてくれた男友達。そういえば彼女たちがリリアンの学園生で私とは顔見知りだと、剣道の試合でのことを覚えてくれていたのだろう。割と遠い距離だし通りから少し見え辛い場所だから、よく気付いたものだ。立ち止まる私を見て先を行く友人たちを呼び止めてみんなが立ち止まる。

 

 「……少し様子を見るか」

 

 私の腕に腕を絡ませていた学園祭に来た子は、ひょいと体を乗り出して遠くのその光景を見ると、少ししかめっ面になり。

 

 「あーなんだかヤバそうじゃん。大丈夫かな?」

 

 二人の声につられ、他の仲間たちも視線の先を凝視すると同じようなことを口に漏らす。誰が見ても不味そうな光景に、息を長く吐いて視線の先を見つめ。

 

 「ごめん、ちょっと行ってくる」

 

 流石に、このあと碌な展開になりそうもないあの光景を放っておくのは寝覚めが悪い。一声みんなに掛け組まれていた腕をやんわりと解いて歩き出す。

 

 「ま、鵜久森ならそうなるわな。俺も行く」

 

 「んじゃあ、俺も行くかな」

 

 「俺も、俺もっ!」

 

 歩き出す剣道部の友人に続いて、残りの男友達二人が続く。

 

 「どーぞ、どーぞ」

 

 「どーぞ、どーぞ」

 

 一旦立ち止まり、二人の声が重なって最後に歩き出した友人だけが取り残される形となって。

 

 「おいっ!! 俺一人であの中に突っ込むのは流石に無謀だろっ!?」

 

 男三人の中で一番のお調子者の彼が慌てた様子で、声を上げる。悪い、冗談だと笑いながら彼の肩を組んで歩き出す男衆たちの姿に苦笑しつつも横目でナンパの様子を探りながら、剣呑な雰囲気を見せているがまだ大事には至っていないことに安堵しつつ先を急ぐ。

 

 「鵜久森、プランCな」

 

 「了解」

 

 お調子者の彼を真ん中にそんな声を上げながら親指を立てる三人に苦笑で返して私の親指を立てると、その横で『男って馬鹿よねえ』と男衆に聞こえないように呟く女子二人。その後続いて『それに乗るうぐちゃんも馬鹿だよね』と失礼極まりないことを言っている。全く。

 

 「じゃあ、私たちはあとで合流するね」

 

 軽く手を振って私たち四人と離れる女子二人。私たち四人のやり取りを聞いていたから、やるべきことを悟ってくれたのだろう。中学の頃一緒に遊び倒した六人組だから、その辺りの呼吸の合わせ方は理解している。そうして私たち四人は、迷惑そうにナンパされている彼女たちへの下へと歩いて行くのだった。

 

 「ねーねーオレらと一緒にいいコトしようよー」

 

 「そんなに警戒しなくてもいいじゃーん」

 

 「予定があるので、申し訳ありませんが」

 

 冬休みだからなのか年若い人たちが多い中で、こんな連中に目を付けられたのは運が良いのか悪いのか。こういう手合いに出会いたくはないので、遊び場所は治安は良い所を選んだはずなのに。恐らく気分で自分たちのシマから流れてきたであろう、この辺りを根城にする人たちとは随分と毛色の違う男二人に呆れて溜息を吐く。

 やんわりと迷惑だと言っているにも関わらず、諦めずにアプローチを掛け続けるのは彼女たちを逃がすのが惜しい為なのか。空気を肺に取り込んで、足に力を入れて三人の前へと向かう。

 

 「ごめーんー! 遅れた。つか、このおにーさんたちはどちらさまで?」

 

 テンションは上げ目で言葉遣いはラフに。こういう場所ではなるべく個人情報は掴まれないように気を使う必要がある。

 三人とナンパ二人組の間に割り込み、一人の腕を握ろうとしていた男の手を素知らぬ顔で払いのけ、きょろきょろとわざとらしく全員の顔を見回した後にこてりと顔を傾げて、空気の読めない奴を演出。三人は驚いた様子を見せるが、知った顔が現れたためか少し緊張感から解かれた様子。私の後をついてきた男友達三人は、少し後ろで待機中である。

 

 「え、あ……」

 

 状況について行けないのか腕を取られそうになっていた蓉子さまが言い淀み目を白黒させているし、江利子さまと聖さまもナンパ男の対処に困り果てていたのか少し気を抜いている様子なので、慣れていない手合いのナンパ手法だったのだろう。とびぬけて美人の三人が街に出れば確実にそういう目に合いそうだから慣れているだろうに、どうやら諦めないしつこさに根負けしそうになっていたようだ。

 

 「え、なに? 君も彼女らの友達なん? じゃーさーオレらと一緒にイイトコ行こうぜ」

 

 私が割り込んで伸びていた手を払いのけたことに不機嫌全開の男の顔は一瞬で鳴りを潜めさせて、笑顔へと変わり猫なで声を上げる。

 

 「そそ。めっちゃ楽しいよー。全部オレらモチだし、なーんも気にすることねぇからさぁー」

 

 下卑た笑いは、下心を隠せていない。そんなナンパの仕方じゃあ誰も釣れないだろうにと、大きくため息を吐いた瞬間に私の肩に腕が回される。

 

 「えー、マジっすか!? おにーさんたち超優しいじゃーん。俺ら金欠で困ってたんっスよ。超助かるっスわ!」

 

 「いやー、ほんと神っているんっスね! 腹減って死にそうだったもんなっ!」

 

 「マジマジィっ!? しばらくマトモなもん食ってねえから助かるッス!!」

 

 と男衆三人で波状攻撃を掛けつつ、顔を覚えているかどうかは分からないが剣道部の男友達が後ろを向き、三人に小さく頭を下げた。

 

 「チっ! 男連れかよ」

 

 「なんだよ、行くぞ」

 

 あからさまに舌打ちをしながら去っていくガラの悪いナンパ師二人組に『おとといきやがれー』『悪は滅びた』なんて阿呆なことを言っているが、あまり言い過ぎるとさっきのナンパ師二人と同レベルになるよ、とは口にせず。去っていく男たちが雑踏の中に消える頃、離れていた残りの友人二人が手を上げながらこちらへとやって来た。

 

 「大事にならなくて良かった。でもさ、アレで成功するって思ってるなんて頭が幸せだよね」

 

 「ホント、何を勘違いしてるんだか」

 

 「ごめん、ありがと」

 

 ゆっくりとこちらへと合流した二人は割とナンパ師たちに向けて辛辣なことを言う。彼女たちはどうにもならなくなった時には、最終兵器お巡りさん招聘を担うはずだったのだが、その行動に移さなくてよかった。そうなってしまえば色々と面倒なことになりかねないから、野郎三人の登場であっさりと引き下がってくれたことには感謝している。だらだらと仲間内でそんなやり取りを終えて後ろを振り返る。

 

 「割り込んで申し訳ありませんでした」

 

 先程とは変わり対リリアン用の態度に変えて三人と対面し頭を下げるのだけれど、目の前の彼女たちが普段あまり見せない顔でだんまりを決め込まれているのは何故か。私の背の後ろで『鵜久森がキモイ』とか『うわっ猫百匹くらい被ってる』とか好き放題言われているのだけれど、取り合えず無視を決め込んでおく。

 

 「いえ、ありがとう。助かったわ」

 

 「本当、しつこくて困っていたの」

 

 「いやあ、どう撒くか思いつかなかったから、すごいタイミングだった」

 

 「なら良かったです」

 

 受験の追い込みを掛けているであろう冬休み、外に出るのは余裕のある証なのだろうか。リリアンでトップの成績なのだから、こうして息抜きをしても大丈夫だろうけれど、羨ましいとも思える。三人に初めて会った友人たちがうしろで声を潜めながら話し込んでいるけれど、内容が聞こえ漏れてくる。まあ前の三人に届かなければ問題はないので構わないけれども、男共は鼻の下を伸ばし過ぎではないだろうか。

 

 「樹ちゃん、後ろの方たちを紹介してもらっても良いかしら? お友達なのでしょう?」

 

 にっこりと笑っていつもの調子を取り戻した蓉子さまが、みんなに視線を向けてアルカイックスマイルを見せつけると、ついでに江利子さまと聖さまも余所行き用の笑みを浮かべれば、その破壊力に五人全員がやられている。三人の笑みが私を対象に向けられていたならば、面倒事が起きる予感しかないのだけれど、友人五人に向かっているのだから心配は無用である。

 あーあ。見事に五人とも三人の神々しさにやられて固まっているのだけれど、慣れてしまえばなんとも思わないのだから、時間というものは恐ろしいが、このまま彼女の言葉を無視するのは余計に怖いので素直に友人たちを紹介するのだった。

 

 「それじゃあ、中学の時の仲の良かったお友達なのね」

 

 江利子さまの言葉に何を思ったのか、学園祭に遊びに来ていた友人が私の腕に腕を絡ませて江利子さまを見つめる。背の低い友人なので江利子さまを見上げる形になっているが為に、何故かハブとマングースのような構図が思い浮かび、やれやれと首を振る。友人の何かに気が付いたのか、面白いものを見る目で見下ろす江利子さま。

 

 「ええ」

 

 中学で終わらず未だに交友が続いているのは幸運なのだろう。離れていてもこうして長期休暇や暇な時分には集まって、騒いでいるのだから。こちらの紹介が終わると、三人が名乗る。彼女たちが同級生ではなく上級生だということを知り驚く友人たちを見て、江利子さまと聖さまが爆弾投下を始めたのだった。

 

 「私たち生徒会役員なのだけれど、彼女にはいつもお世話になっているのよ」

 

 「だね。樹ちゃんが生徒会に入ってから仕事が楽になったし、顔が広いから助かってる」

 

 顔が広いのは薔薇さまであるあなたたち三人だと言いたいけれど、余計なことを言ってしまうといろいろとリリアンでの出来事を暴露されそうなので黙り込む。

 私の顔が広くなったのは山百合会で雑用をこなしていたことが原因だし、私が広げようと思って広げた訳ではないのだと抗議もしたいけれどこれもぐっと堪えて。私が生徒会役員だと知った瞬間に友人たちの視線が一気に集まる。恥ずかしいからあえて友人たちには生徒会に所属していることを伝えていなかったことが裏目に出てしまったと、手を顔に当てて溜息を吐くけれどもう遅い。そんな私の様子を見た江利子さまがほくそ笑んでいるし、蓉子さまと聖さまが苦笑いを浮かべてる。

 

 「……それじゃあ私たちは行くところがあるので、これで失礼――」

 

 「貴方たちはこれからどうするの?」

 

 します、という言葉は江利子さまの声に虚しくかき消されたのだった。

 

 「鵜久森の門限ギリギリまで、カラオケにでも行こうかと」

 

 今日は私に合わせてもらい、午前中から街へ出ていたのだった。遊びに行くならば六時までと門限が決まっている私に合わせて貰っていた。

 

 「そう。私もご一緒しても良いかしら?」

 

 江利子さまの言葉に少し驚く聖さまと蓉子さま。予定があったのではと思いつつ、彼女たちもただ単に街をぶらぶらとしていただけなのだろう。一番背の高く目つきの悪い剣道をやっている友人がこれからの予定とその返事を『かまいませんよ』と言ってしまったので、断れなくなってしまった。

 

 「あ、私も行っていい?」

 

 美人がそんなことを言えば男共はNOとは言えず。女友達二人も私の知り合いならば問題はないし、今の時間ならばフリータイムで人数頭で割ると安くなるので文句はないらしい。腕を組んでいる友人を他所に聖さまが私の肩へと腕を回すと、むっとした顔を友人が浮かべる。なんだこの状況と思いつつ、聖さまが後ろへと振り返るとそこには蓉子さまが。

 

 「蓉子はどうする?」

 

 「貴女たち二人だけを行かせるのは、申し訳ないから付いて行くわ」

 

 その言葉を聞き蓉子さまに向かって目くばせして小さく礼をすると、苦笑いを浮かべながら小さな声で『ごめんなさいね』と謝られた。私の本心は二人の保護者役GETと心の中でガッツポーズを取っているのだから、あまり気にしないで欲しいものである。結局、九人なんて大所帯になり適当な近場のカラオケ屋さんへと足を向けて、カウンターでの手続きを経て部屋へと入る。はてあの三人はどんな選曲をするのやらと受話器を取ってそれぞれの飲み物とつまめるものを頼み、歌詞本三冊を適当に回しながらリモコンを操作する。

 

 「うぐちゃん、一緒にうたおっ!」

 

 「え」

 

 女子二人に手を引かれてお立ち台の方へと導かれる。そこにあるテレビ画面に浮かんだ文字は『アジア〇純真』。随分と懐かしくあるけれど、当時凄く流行っていた二人組の女性ユニット。この後もヒット曲を出していたが、自然に消えていった記憶がある。それにしても懐かしいと目を細めつつトップバッターを切り、野郎陣はビジュアル系バンドをメインに時折ヒップホップなどの変化球を。友人女子は安室〇美恵やSP〇EDに九十年代を彩った女性アーティストがメインだった。

 

 「センパイたちも遠慮なく入れましょう! 時間が勿体ないですよ!」

 

 友人たちがこういう場で遠慮することはないので、上級生組は私たちが歌っている所を見ていただけだった。それを察知したのは私と腕を組んでいた彼女である。人懐っこい性格が出たのだろうし、お金を出しているのに歌わないのは勿体ないからと、私の腕を引っ張って歌詞本とリモコンを携えて三人の下へと寄っていく。道端で江利子さまと睨み合っていたのは忘れた様子に、笑いが零れる。男連中を放置して、女だけで輪になりあーでもないこーでもないなんてやり取りをしながら、それぞれ選曲し。

 J-POPの流行歌を奇麗に歌いこなす蓉子さまと江利子さまに、洋楽メインに流暢な発音で歌っている聖さまにあっけに取られたりと。声が良いうえに歌までうまいと来たもんだ。羨ましい限りである。

 

 そうして数時間、疲れたことと私の門限が近くなり解散しようかとなるのだった。

 

 「センパイ、ありがとうございましたっ! また時間があれば一緒に行きましょう!」

 

 いつの間に打ち解けたのか、三人に笑顔を向けながら挨拶をする女子二人。数時間で打ち解けるのは難しかったのか、野郎どもはこの光景を見ているだけである。

 

 「ええ、楽しかったわ。また機会があればご一緒しましょう」

 

 「うっす!」

 

 調子よく蓉子さまの言葉に笑いながら敬礼してその場を離れる旧友五人。

 

 「樹ちゃん、今日はありがとう」

 

 「いえ。こちらこそありがとうございました」

 

 まさか街中で蓉子さまたちに会うだなんて思ってもいなかったが、世間は狭いともいうしこういうこともあるのだろう。

 

 「良い気晴らしになったわ」

 

 「うんうん。――あ、そうだ、樹ちゃん。お正月の予定は?」

 

 「親戚回りで顔を出さなければならないので、元日は埋まってますけれど……」

 

 大晦日と元日は親戚回りで忙しい。といっても父方と母方の祖父母の家に赴いて、おせち料理を食べつつお年玉を貰うだけなので気楽なものだけれど。

 

 「そっか。だって、蓉子」

 

 聖さまが私の予定を聞き出して、蓉子さまへと話題を振る。一体なんだと思いつつ、蓉子さまの言葉を待つ私。

 

 「全く、聖は。――樹ちゃん、お正月明けに祥子の家に集まることになっているのだけれど、暇なら貴女も一緒にどうかしら?」

 

 行き成り振られた話題に溜息を吐きつつも、聖さまの意図を受け継いだ蓉子さま。江利子さまは黙って二人を見ているのだけれど、その沈黙は一体なんだろうか。

 

 「私が祥子さまの家に行っても大丈夫なんですか?」

 

 「もちろんよ。山百合会のみんな来る予定なのだし、問題なんてないわ」

 

 「んー、それなら行きます」

 

 課題も終わらせている頃だし、暇なので問題はない。それに天下の小笠原グループと呼ばれる家がどんなものなのか気になるし。みんなが揃っているのならば、そんなに緊張することはないだろう。

 

 「お、良い返事。詳しい日程とかまだ決めかねてるから、後で電話を入れるね」

 

 「分かりました。よろしくお願いします」

 

 「ん。――それじゃあ、帰ろうか」

 

 蓉子さまから聖さまへと代わり、詳しい予定やらは後日という事らしい。こうして土壇場で予定が決まるのは珍しいなと首を捻りつつ、暇な予定が埋まったので良いかとこの時は軽く考えていたのであった。

 

 「ええ、そうね。樹ちゃんごきげんよう」

 

 「ごきげんよう」

 

 そうして軽く手を振りながら三人と別れたのだけれど、このやり取りを少し下がって見ていた友人たちに『お嬢様だ』『本物、本物がいる』だなんてからかわれるのだけれど、もっと本物がいるのだからこのくらいのやり取りで驚かないで欲しいものである。




 7194字

 すみません、予定では小笠原邸にお邪魔している筈だったのに長くなったので一旦ここで切り。

 力技でナンパを撃退するオリ主を多々みますが、ウチのオリ主の場合女であることと暴力で解決すると面倒ごとにしかならないので、友人たちに頼りました。ぶっちゃけオリ主のかっこいい所を見せたいのですが、無理。
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