幻想郷に店を構えてます【完結】   作:鷹崎亜魅夜

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 小悪魔の待遇についてはお許しください。
 三人称視点。
 では本編どうぞ。


十話 『図書館の魔女』

 魔理沙は地下へと進み、攻撃してくる妖精メイドを倒していき──大きな扉の前に立った。

 

「……ここが当たりだろ。この先に私の求める物がある」

 

 魔理沙は扉を開き、風景を確認すると──辺り一面に広がる本、本、本……数え切れない本が多数の本棚に納められているのを確認。

 

「わぁ、本がいっぱいだ」

 

 箒で飛翔して周りを確認するも、本ばかり。中には魔理沙が興味を持つような本──魔導書関連の本もあった。未知の知識がここに多数あるとわかり、気分を高揚させていた魔理沙だが──

 

「(……一先ず、どんな内容かはとりあえず確認するか)」

 

 そう予定を決め、前に進んでいたときに──スーツを着た、背中と頭に悪魔の翼が生えている女性が現れたのだが──

 

「侵入者ですかっ!? ここは通しません──」

 

「【イリュージョンレーザー】!」

 

「こぁっ!? いきなり攻撃って──(ピチューン)」

 

 チルノを倒した弾幕で、まともに自己紹介すらできなかった女性はそのまま倒れてしまった。魔理沙はそれを気にせず進む。

 

「ここの住人なら問題は無いな。どっちみち霊夢と封結もしばくだろうし」

 

 そう言いながら、魔理沙は近くにあった本棚に近づき、試しに本を持って軽く確認。ざっとパラパラと捲ってページを見通した後、少し満足したかのように、呟くように言った彼女だが──

 

「後で、さっくり貰っていこ」

 

 

 

 

 

『持ってかないでー』

 

 

 

 

 

 彼女の声に反対するように、聞き覚えのない女性の声が聞こえてきた。魔理沙は本を本棚に戻し、道に出ると──ナイトキャップみたいな帽子に三日月のアクセサリー、もみあげの両方には赤と青のリボンが二つずつ、紫をベースとした服だ。足下を良く見たら浮いているが。

 

 おそらく、彼女が本の持ち主だと魔理沙は理解したが、気にする様子を見せないで言う。

 

「持ってくぜ」

 

「えぇーと、目の前の黒いのを消極的にやっつけるには……」

 

「(載ってるのか?)」

 

 薄暗い部屋の中で、魔理沙を倒す方法を本で見つけようとしている少女。無論、魔理沙の思っている通り本に載っている事は怪しいが。

 

 しばらく本を読んでいた少女だが、本から目を離して魔理沙に向かい合うが……悩むように言う。

 

「うーん、最近、目が悪くなったわ」

 

「部屋が暗いんじゃないのか? こんな暗い中で本なんか読んでいたら目は悪くなるに決まっているぜ」

 

「鉄分が足りないのかしら」

 

「どっちかっつーとビタミンAだな」

 

 少し的外れな事を言った少女の言葉を魔理沙は訂正する。そして、確認するように少女は魔理沙に尋ねる。

 

「あなたはどうなの?」

 

「足りてるぜ、色々とな」

 

 

 

 

 

「──じゃあ、頂こうかしら」

 

 

 

 

 

「私は栄養満点で美味しいぜ。ただ、癖は強いだろうけどな」

 

「えぇーと、簡単にアクを取り除く調理法は──」

 

 途中の言葉で魔理沙は察した。食べる云々の真意はわからないが──追い出そうとしていることに。そして少女は本を浮かせ、その本は速いスピードで捲られていく。そしてある事に確信した魔理沙は少女に話し掛けた。

 

「……やっぱ、魔法使いなのか。そりゃ当然か。これだけの魔導書があれば」

 

「えぇ。この図書館を管理しているパチュリー・ノーレッジ。どのみちあなたに本を渡すつもりはないわ」

 

「ま、それよりも先に元凶を退治してからだな。外の紅い霧を何とかしてもらわないと」

 

「ふーん。人間がレミィに勝てるとは思えないけど……」

 

 魔理沙の言葉に少女──パチュリーは客観的に、挑発的に言うが──魔理沙は平然と答える。

 

「人間を舐めちゃいけないぜ? 今の人間は妖怪退治のプロに、それを補佐出来る店主もいるんだぜ? 中々の強者だと思うが」

 

「……? 妖怪退治のプロは……博麗の巫女の事ね。確かに、異変を起こせば彼女はやってくると思っていた。妖精メイドの伝えで、今いるらしいけど……店主? 異変解決者で店主なんていなかったはずよ?」

 

 パチュリーは聞き覚えの無い単語に疑問を覚えたが……魔理沙は指を二本出しながら注意するように言う。

 

「二つ、訂正があるぜ。一つは──その店主の手柄は私か霊夢になるんだ。本人はそういう事で有名になるのが嫌らしくてな。それを利用して宣伝すればいいのにと常々思っているんだが。それで二つ目は──妖怪退治のプロは目の前にもう一人いるぜ! 人間の魔法使い、霧雨魔理沙! さっさと元凶を退治して、霊夢達を追わなきゃならん! だからさっさと片付けるぜ!」

 

「……ふん」

 

 そして、二人の【魔法使い】の弾幕ごっこが始まった……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 紅魔館の魔法使いである──パチュリーから四本のレーザー、円球状の弾幕が繰り出される。それに対して魔理沙は先ほどのレーザーの弾幕では無く、ショットに近い弾幕に切り替えた。

 

「【マジックミサイル】!」

 

 緑色に近い、連続して放たれる弾幕。それを打ち続けて弾幕を相殺させる。魔理沙の弾幕を見てか、感心するように言う。

 

「へぇ……人間の魔法使いが無属性の魔法をね……」

 

「そういうお前の円球の弾幕は属性があったな。火だったり水だったり。さぞかし、お前は属性魔法か?」

 

「えぇ、その通りよ。それじゃあスペル宣言でもしましょうか──」

 

 そう言いながらパチュリーは一枚のスペルカードを取り出し、宣言。

 

「──木符【シルフィホルン】」

 

 そう宣言すると、全域から小さな風の弾幕が魔理沙を襲う。数は多いが、魔理沙は箒での素早く移動し、回避していく。

 

 それを見たパチュリーは少し驚いていたようだった。

 

「……へぇ。中々速いじゃない。おかげで当てにくいわ」

 

「そりゃどうも! 封結特性の箒だからな! いつもより凄い動きやすいぜ!」

 

「(……誰かの名前? その人物が作った箒……どうしてか、あの箒に【何か】掛けられているわね……? 一体、どんな箒なのかしら……?)」

 

 パチュリーは魔理沙の箒に【何か】の違和感を感じていたが……パチュリーの放った弾幕は魔理沙は避けていく。そして時間が来たのか──スペルブレイク。

 

「何だ? 属性魔法を使っている割にはたいしたことないな」

 

「……じゃあもう少し、強いモノを宣言しようかしらね──」

 

 パチュリーは新しいスペルを宣言。

 

「──火符【アグニシャイン上級】」

 

 今度は広範囲に、大きな火の弾幕が魔理沙を襲う。数もそれなりにあるので、魔理沙は場合によって速く躱したり、ちょん避けに近い動作をしながら躱していく。

 

「おまっ!? 箒を燃やすつもりか!?」

 

「あら? そんなつもりはなかったんだけど……それは万々歳ね。じゃあ箒を狙うとしましょうか」

 

「(やぶ蛇だったーっ!?)」

 

 軽率な発言に後悔し始める魔理沙。だが、パチュリーは手を休めない。彼女の狙いを魔理沙ではなく、箒を狙っていく。当然、魔理沙は躱していく。

 

「せっかく封結が作ってくれた箒を壊させる事はしないぜ!」

 

 魔理沙はやってくる弾幕を躱しながら、彼女も弾幕を放って相殺していく。彼女の弾幕は無属性だが、今回はそれでよかった。仮に魔理沙も属性魔法だったら、パチュリーは魔理沙の弾幕に合わせて弾幕の属性を変えてきただろう.無属性弾幕に優勢な属性はないが、同時に劣勢の属性も無い。魔法の熟練度は総合的には向こうが高いかもしれない。しかし、それは複数の属性の使い分けの結果だ。一つの属性を極めている魔理沙はそれが有利に働くと考えていたからだ。

 

 根気よく、火の弾幕を躱し続け──スペルブレイク。

 

「ふぅ……熱いどころか冷や冷やしたぜ……」

 

「本当にすばしっこいわね……あなた、ネズミか何か?」

 

「ネズミより龍の方が良いぜ」

 

「はいはい。戯言はそれまでで──ここから、舐めない事ね。属性魔法の真髄をみせてあげる」

 

「(……流されちまったぜ)」

 

 魔理沙の言葉を打ち切り──パチュリーは次のスペルを宣言すると──

 

 

 

「木&火符【フォレストブレイズ】」

 

 

 

 彼女が宣言したと同時に──小さな風の弾幕、大きな火の弾幕が魔理沙に襲いかかる!

 

 魔理沙は驚愕しながらも、必死に回避を続けながら声をあげた。

 

「!? さっきの二種類のスペルを複合させたスペル!?」

 

「そうよ。単発の属性魔法だけだと思ってた? 私は七つの属性魔法が使えるのよ」

 

「七つ……!?」

 

「そう。これらの属性魔法は単発でも行使する事が出来る。でも──私はそれぞれの属性を合わせる事が出来るのよ。その内の七つの二つの属性魔法。さらにはこれ以上の複数の属性を組み合わせる事も可能よ」

 

「……私、無属性以外も極めた方が良いのか……?」

 

「(……まぁ、喘息や貧血のおかげで唱えきれないのもあるけどね……)」

 

 魔法に関しては腕があるパチュリーだが──肉体を動かす事は苦手としている。本来、自分の足で移動したり、魔理沙の弾幕を避ければいいのだが……彼女は魔法で体を動かしている。運動能力を自身の魔法でカバーしているのだ。

 

 しかし、魔理沙は冷静に避けながら考える。

 

「(慌てるな私。これはさっきの二種類を合わせた弾幕だ。しっかりと観察し続ければグレイズ出来る……!)」

 

 魔理沙は懸命に弾幕をグレイズしていく。先ほどの二つのスペルカードを思い浮かべながら、しっかりと。パチュリーに弾幕を放つことも忘れない。

 

 そしてその行動が結びついたのか──スペルブレイクすることに成功した。パチュリーは少し咳き込みながら、魔理沙に話し掛けた。

 

「コホッ……伊達に異変解決者を名乗っているわけじゃないのね……」

 

「そりゃな。そうじゃないと異変解決業は名乗れないぜ」

 

「……私達は退治されるわけにはいかないのよ……! だから次で落ちなさい──」

 

 再びパチュリーは新しいスペルカードを構え、宣言。

 

「──土&金符【エメラルドメガリス】!」

 

 再び属性を複合させたスペルを唱え──質量感がある多くの円球状の弾幕が魔理沙に襲いかかる。それと同時にパチュリーから大きな弾幕も一緒に放たれる!

 

 次々と弾幕が魔理沙に襲いかかるのを見て……パチュリーは勝利を得たと思っていたが──

 

「(……勝った──)」

 

 

 

 

 

 

 

「──魔符【スターダストレヴァリエ】!」

 

 

 

 

 

 

 

 ──魔理沙のスペル宣言が図書館内に響いた。彼女の宣言と同時に、彼女の周りに大きな星形の弾幕が広がり──パチュリーの弾幕を次々と飲み込んでいく!

 

「!? まさか……スペルカード!? それに弾幕の密度がかなりある……!?」

 

「やれやれ……スペルカードは温存しておきたかったんだけどなぁ……。異変の元凶に。でも……しょうがないか。そうじゃないときつかった」

 

 徐々に魔理沙の姿が確認されていく。彼女は誇るように、言葉を続ける。

 

「パチュリーは確かに強いさ。でも──弾幕はパワーだぜ! いくらたくさんの属性を極めたって、それにパワーがなかったらしょうがないぜ!」

 

 そして魔理沙の弾幕はパチュリーに飲み込んでいき──決着が着いた……。

 

 

 

 

 

 

 

 弾幕ごっこは魔理沙の勝利で終わり、満身創痍なパチュリー。だが、魔理沙は腑に落ちないようで話し掛ける。

 

「魔法が本当に得意ようだな。まだ、隠しもってんじゃないのか?」

 

「しくしく、貧血でスペルが唱えきれないの」

 

「(……鉄分も足りなかったのか)」

 

 意外すぎて、しょうもない理由に魔理沙は少し呆れている様子の魔理沙だった。

 

 その中、その図書館内で──さらに地下に続く道を魔理沙は見つけた。そして魔理沙は確信したようにこう思った。

 

「(やっぱ地下に近づく程強くなるパターンじゃないか! まぁ、それなりの実力者なんだろうな。異変の元凶は。一先ずは──私が一番乗りで退治するか!)」

 

 方針を決め、魔理沙はその地下へ続く道に行こうとしたが──焦りのある声でパチュリーは引き止めようとする。

 

「! 待ちなさい! 地下に行っては行けないわ!」

 

「ん? どうしてダメなんだぜ──はは〜ん? どうやらこの先に異変を起こした元凶がいるんだな? それでお前は守っていたと……」

 

「そういうのじゃなくて、そっちには──」

 

「ま、何を言われようともこの先を進むだけだぜ!」

 

 パチュリーの話を聞かず、魔理沙は地下へと進んでいった……。

 

 

 

 

 

「──ゴホッ。少し……やばいかもしれないわ……調子が良くないみたいだし、妹様を止められるかどうか……」

 

 

 

 

 

 




 露骨なフラグ……。

 ではまた。
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