三人称視点。
では本編どうぞ。
封結がルーミアに勝利した頃。幻想郷の異変解決者である【博麗霊夢】と【霧雨魔理沙】は、襲いかかってくる妖精などを蹴散らし──霧の湖まで来ていた。
霧の湖に着くなり、霊夢は隣に併走して飛んでいる魔理沙に声をかける。
「……ねぇ、この湖ってこんな白い霧が掛かってたっけ?」
「私の記憶が正しければこんな霧が掛かってなかったな。それに……何で少し寒いんだ? もうそろそろ夏のはずなのに」
「太陽が紅い霧で隠されているっていうのもあるんでしょうけど……私の勘が正しければ、他の奴が干渉しているわね」
「おう、そうなのか。じゃあそろそろ──」
二人が会話を進めている間に──とある羽根が生えている少女に見える人物が霊夢達の目の前に現れる。少し遅れて、その少女の後ろに違う少女がいるのだが。後ろにいる少女も羽根が生えている。
霊夢達の目の前に出現した青く見える妖精──チルノが彼女達の道を塞いだ。
「もう陸には上がらせないよ! ここでアンタ達はアタイのいしずえになって貰うわっ!」
喧嘩を売るような言葉で高らかに言う氷の妖精──チルノ。その後方で、焦ったようにして引き留める、他の妖精よりも知性がある妖精──大妖精。
「ち、チルノちゃん!? この人達って異変解決者の人達だよっ!? 多分、この紅い霧の異変を解決しに行っているんだから邪魔しない方が良いよ!?」
「心配いらないわ大ちゃん! 今日のアタイはすっごく調子が良いのっ! 異変解決者だか知らないけど、サイキョーはアタイなんだからっ!」
無自覚で挑発的な言葉を言っていたチルノだが──異変解決者組はというと──
「「最初はグッ、ジャンケンポン。あいこでショッ。あいこでショッ──」」
──何故かジャンケンをしていた。チルノの言葉は全く気にする素振りは見せなく、二人はジャンケンをし続けている。
当然、精神面はまだ子供なチルノは二人の自分への態度を見て憤怒。
「コラーッ!! アタイを無視するなーっ!」
両腕を上下に振りながら訴えていた彼女だったが……ようやく、ジャンケンで異変解決者組は決着がついたようだ。結果は──
「じゃ、魔理沙。妖精の相手をよろしくね」
「畜生……あの時パーを出していたら……」
どうやら霊夢の勝利で収まり、魔理沙は渋々といった形でチルノの正面に立つ。ジャンケンの内容は【負けた方が面倒事を引き受ける】ということで、ジャンケンの勝者である霊夢は先に進める権利を得た。
そこに──飛翔して霊夢達に近寄る人物が一人。普段の姿と格好が違い、表通部分としてまとめた後ろ髪、眼鏡を目元に掛けている男。その人物──封結が現状を把握するように魔理沙に話し掛けた。
「戦闘する気満々のチルノと控えめな大妖精がいて……。それで魔理沙が迎え撃つようにやっているということは……次は魔理沙の番か」
「不服ながらな。いっそ、向こうは二人みたいだから二対二で封結もいて構わないんだぜ?」
「相手の戦闘意欲によるな。それで……大妖精はどうしたい?」
「え、えっと、私は──」
友達なので、申し訳ないですが二対二に──そう言おうとした大妖精だが……霊夢が彼女に視線を送り続けていた。そして大妖精にとっては霊夢の視線の意味はこう捉えていた。
【手間を掛けさせないでくれるかしら……?】
気のせいだろうか、大妖精は身震いして首を横に振った後に答える。
「……異変を解決する人達の邪魔をしてはいけないので、私は控えさせてもらいます……」
「大ちゃんは優しいからねー……。大丈夫よっ! アタイ一人でも問題ないわ!」
友人が戦闘をしないと意思表示したのだが、チルノも友達思いなのか彼女の言葉を承諾。一人でもやる気に満ちあふれていた。
大妖精の言葉を聞いた霊夢は魔理沙に勝ち誇るようにして、封結の手を掴みながら言う。
「相手は一人みたいだから魔理沙だけで十分ね。私は封結と一緒に元凶をしばきに行くからよろしく♪」
「……上等だ! こいつをさっさと片付けてお前達に追いつくからな!」
「その勢いで倒しちゃいなさい。封結、行くわよ。どうせ道中で妖精はわんさか攻撃してくるんだろうし、働いて貰うんだから」
「……俺、これでも一戦やってきたばかりなんだけどな。それで、魔理沙──」
普段、ぶっきらぼうな言葉を主体にする封結だが──応援の声を。
「──頑張れ」
「……頑張るっ!」
その言葉を最後に、霊夢と封結は先に進んでいった。その二人の行動にチルノは止めようとしたが──
「! ちょっと待ちなさい──!」
「悪いがもう弾幕ごっこは始まっているんだぜっ!」
魔理沙はすかさず弾幕を放った。反応できず、彼女は被弾。
「イタッ!?」
「あいつらを追うなら私を倒してからにすればいい。最も──私がお前を倒してあいつらを追いかけるけどなっ!」
「じょーとーよ! アタイを舐めない事ねっ!」
普通の魔法使いと、氷の妖精による弾幕ごっこが始まった……。
魔理沙とチルノの弾幕ごっこが始まり……チルノは無我夢中で冷気で凍らせた弾幕を放つ。攻撃を放たれている魔理沙はというと──
「そんな見え見えな弾幕じゃ私は喰らわないぜっ!」
箒で空中を駆け抜けるように、素早い動きでチルノを翻弄。それでもなお彼女は手から弾幕を放ち、チルノに被弾させる。
「ッ!? どーして当たんないのよーっ!?」
「所詮ただの妖精だ。普通の弾幕を放っている時点で私には当たらないぜ……しっかし、封結の作った箒使いやすいなー……」
「【冬】にはこの間勝ったもん! だからアンタだって簡単に倒せるはずなのよっ!」
「甘過ぎるぜ。断言してやっていい。その時の封結は本気を出してない」
「むぅ〜っ! だったら──氷符【アイシクルフォール】!」
チルノはスペルカードを取り出し宣言。魔理沙の両側面から氷の弾幕が、正面からも弾幕が放たれてくる。
魔理沙は躱しながらも、感心したように言う。
「何だ。やれば出来るじゃないか」
「【冬】の言う通りに、正面からの弾幕を加えたわ! これでまた一歩サイキョーになっているんだからっ!」
「(……側面だけで正面の弾幕が無かったのか。確かに正面の弾幕が無かったら正面が安置だっただろうなぁ……。封結のやつ、見た目結梨華に似た幼い外見の奴に結構優しいところがあるんだよな……)」
欠点を直させた友人を少し溜息を感じているようだった魔理沙だったが……それでも彼女は躱し続ける。それを見てチルノは弾幕を放ち続けるが、あまり効果はなく……スペルブレイク。
「ほらほら、攻略しちまったぜ? さっさと降伏した方が良いんじゃないか?」
「まだまだ、よゆーよ! 凍符【パーフェクトフリーズ】!」
すぐさまチルノは新しいスペルカードを宣言。彼女は手を構えると、色とりどりの弾幕を広範囲に放つ。それを魔理沙は平然と躱し続けているが──疑念が生まれてくる。
「(……? ただ弾幕を乱発するスペル? こんなの大したことは──)」
「これで当たっちゃえーっ!」
チルノがそう言ったとき──弾幕がその場で凍りついて、止まった。急なことで魔理沙は急ブレーキして方向転換。
「おぉっ!? 止まった!?」
「逃がさないっ」
そしてチルノの手元から違う弾幕が放たれ、躱しているときに──止まって凍りついていた弾幕も動き出す!
「こりゃ他の妖精と違うと言うしかないな……! 面白いスペルじゃねぇかっ!」
「何でそれでも避けられるのよーっ!?」
悔しがっているチルノだが、実際魔理沙は内心驚いていた。弾幕が急に止まっては動き出す。それで別の弾幕まで襲ってきているのだ。それでも、彼女は躱し続けながらもチルノに弾幕を当て続けていると──スペルブレイク。
「ふぃー……。今のは少し焦ったぜ。だが、これで──」
「まだよっ! 雪符【ダイアモンドブリザード】!」
まだ彼女は諦めが悪いみたく、次のスペルカードを宣言した。弾幕の速度は先ほどと比べて遅いが、量はそれなりになる。
そして魔理沙はしびれを切らしたのか──
「いい加減しつこいぜっ!【イリュージョンレーザー】!」
彼女は先ほど放っていた弾幕とは違い、白色の質量のあるレーザーを放ち始めた。今まで放っていた弾幕と比べると攻撃力が高く、彼女はチルノのスペルを躱しながら被弾を続けさせ──
「うっ──(ピチューン)」
──スペルブレイク。そして魔理沙の最後の通常弾幕が偶然にも額に当たった所為か、倒れて気絶。離れて見守っていた大妖精が駆けつけた。
「ち、チルノちゃん!? 大丈夫!?」
「心配ないだろ。そいつも妖精なんだ。一定時間経ちゃ目覚める。それと……お前は霧の影響は大丈夫なのか? 封結の推測曰く、妖精とか妖怪が活性化しているみたいなんだが……」
魔理沙は霧の影響について大妖精に尋ねると、彼女は首を一先ず縦に振って肯定。
「確かに……調子が良いとか、そういう感じはします。でも、私はあまり戦う事が好きじゃなくて……」
「(……妖精にしては何か賢い気がするぜ……)そうか。じゃあ私は霊夢と封結を追いかける事にするぜ。そいつ……チルノだったか? 看病してやってくれ」
「は、はい……」
魔理沙はこの場を大妖精に任せ、霊夢と封結を追った……。
今更ですが、男主人公以外にも原作主人公は戦わせます。
ではまた。