幻想郷に店を構えてます【完結】   作:鷹崎亜魅夜

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 ようやく三戦目。
 しばらく三人称視点が続きそうです。
 では本編どうぞ。


九話 『紅い館の門番』

 魔理沙がチルノと弾幕ごっこをしている時。霊夢と封結は攻撃してくる妖精を撃退しながら進んでいた。

 

 そして、霊夢が今の状況を見て呟く。

 

「……多分、そろそろ元凶に近づいているのかしら……? 妖精が頻繁に来るようになったし、何か来るかもね」

 

「安定の【霊夢レーダー】か。勘で呟いた事は大抵本当になると言われている」

 

「人の勘をあんた何だと思っているのよ……?」

 

「だってお前の勘は一種の予言と言って良い。それとも何だ?【運命を勘で決める程度の能力】じゃないのか?」

 

「何その能力怖い」

 

 他愛のない会話をしながら進んでいく二人。

 

 そして……霊夢が控えめに、封結に話題を振ろうとした時──

 

「ねぇ……封結。あんたは──」

 

 

 

 

 

『やっぱり、博麗の巫女が来ましたか! ですが──ここからは通行止めですよ!』

 

 

 

 

 

 ──帽子に『龍』という文字があり、外界で言うチャイナ服を着た女性。両耳の傍には黒いリボンで留められている三つ編みにしている女性が、森の中を移動している霊夢達立ちふさがった。

 

 当本人の霊夢はというと──

 

「人が話している最中に割り込んでくるなっ!」

 

 怒りを含めた声でありったけのアミュレットをその女性に投げつけた。投げつけられている女性は戸惑うばかり。

 

「ちょっ!? 痛い!? 痛いですって!? 不意打ちにも程がありますよ!?」

 

「あんたの登場が不意打ちよ! 空気を読みなさい!」

 

「むしろ私の方が読みましたよ!? ここで博麗の巫女が来たら私は止めなくてはいけないんですから!」

 

 負けずとその中華風の女性も弾幕を放つ。円球状の弾幕だったり、ばらつきのある円球の弾幕だったり。しかし、霊夢は空中を泳ぐように躱しながらアミュレットを投げ続ける。

 

 ……一方、封結はというと。

 

「……休憩するか」

 

 二人の弾幕ごっこに被害が及ばないよう、離れて傍観していた。

 

 そして、中華風の女性は攻撃を受け続けてか、場の空気を変えるようにスペルカードを取り出して宣言。

 

「華符【芳華絢爛】!」

 

 そう宣言すると、一定の弾幕の後に、縫われるような弾幕が放たれている。弾幕の並びも綺麗で封結は感心するように見ていたが、霊夢はというと──

 

「邪魔っ!」

 

 細かい動き、または少し大きめな動作でひょいひょいと彼女は躱しながらアミュレットを投げ続ける。中華風の女性も当てるように放つが当たらなく──スペルブレイク。

 

「くっ……背水の陣ですね……!」

 

 そうして、中華風の女性は撤退。撤退していく彼女を見て、霊夢は呟く。

 

「あんた一人で陣じゃないでしょうに……」

 

 どうやら彼女の言葉に疑問を持っていたようだ。それとは別に封結は近づき、霊夢に行動を促す。

 

「……『博麗の巫女が来たら止めなくてはいけない』……これから考えることは、異変に荷担している人物と見て問題なさそうだ。霊夢、今の女に着いていくぞ」

 

「……そうね。そうしましょ」

 

「それと霊夢……さっき何を言いかけたんだ──」

 

「言う気が失せたわ。さっさと行くわよ」

 

「……そうかい」

 

 霊夢は一歩先に中華風の女性を追い始めた。溜息をしながらも、封結も着いていく。

 

 そして、襲いかかる妖精を二人で倒していき──目の前に紅い洋館が広がった。その前の門に、構えながらも困ったように言う中華風の女性。

 

「ちょっ!? 着いてこないでくださいよ!?」

 

「道案内ありがとー。ってかあんたのその行動は着いてきてくださいって言っているようなものじゃない」

 

「あら、私についてきてもこっちには何もありませんよ?」

 

 霊夢の言葉に平然と応える中華風の女性だったが、封結が追い打ちの言葉を。それに霊夢も荷担。

 

「お前さっき『博麗の巫女が来たら止めなくては』云々の事を言っていたじゃないか? 明らかに異変の関係者だろ」

 

「封結の言う通りよ。それに何もないところに逃げないでしょ?」

 

「うーん……逃げるときは逃げると思うんですけど……それより、男のあなたは誰ですか?」

 

 自分なりの言い訳を展開していたところで、中華風の女性は封結に話し掛けた。彼は機嫌の悪いように言葉を返す。

 

「お宅らが異変を起こした所為で巻き込まれたんだよ。今日はまともに店が出来ないじゃないか。どうしてくれる?」

 

「あ……それについてはすみませんとしか言いようがありません」

 

「おい」

 

 軽い彼の怒りの言葉を聞いて彼女は気まずそうにしているが、霊夢は尤もな事を切り出し始めた。

 

「ちなみにあんた、何者?」

 

「えー? 普通の人ですよ」

 

「さっきあんた私達の進行を邪魔したでしょ?」

 

「それはあなたが先に攻撃してきたからです。攻撃されたら普通のことだと思いますよ?」

 

「あんたが普通以外なのよ。私は巫女をしている普通の人よ」

 

「普通の巫女は人の店にたかりに来ない」

 

 霊夢の言葉にツッコム封結。しかし、霊夢は気にする様子は見せないで言葉を返えす。

 

「普通の店はあんなばらつきのある商品は売らないと思うけど? あんたはいろんな商品に手をつけすぎなのよ」

 

「その結果、繁盛しているんだ。俺の商品を霊撃札で買っている奴のセリフじゃない」

 

「ま、結局結果が良ければ良いと思うけどね」

 

「……お二人さん、結構仲がよろしいんですね?」

 

 二人の会話に中華風の女性はその事にツッコムと──

 

「「腐れ縁だから(よ)だ」」

 

「(息ぴったりじゃないですか……あ、確か巫女は──)」

 

 心の内にそう思っていた女性だが、ある間違った知識を思い出しながら言う。

 

「確か……巫女は食べても良い人類だって言い伝えが──」

 

「言い伝えるなっ!」

 

 当事者である霊夢の言葉。呆れたように封結はしながら、中華風の女性に話し掛ける。

 

「結局、後ろの赤い洋館が異変の発端なんだろ? さっさと解決させろ」

 

「……通すわけにはいきません。門番である私の役目なんですから! 紅美鈴、行きます!」

 

 態度を変え、拳法のような動きをしながら戦闘態勢をとった中華風の女性──紅美鈴。それを見た霊夢は前に出る。

 

「封結はそこで待ってなさい。こいつの巫女の間違った知識は巫女が何とかしないといけないわ」

 

「あぁ。任した」

 

「……何か言いなさいよ。魔理沙みたいに」

 

 封結の態度に不満があるような霊夢。それに察した封結は改めて言葉を。

 

「霊夢が負けるとは思えないが──頑張れ」

 

「……えぇ。もちろん!」

 

 そうして、博麗霊夢と紅美鈴の弾幕ごっこが始まった……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 封結は手を貸さず傍観。弾幕を放ち続ける赤い洋館の門番である紅美鈴だが……一向に攻撃が当たる気配がない霊夢に苦戦していた。苦虫を噛み潰したように、美鈴は霊夢に話し掛ける。

 

「さすが幻想郷の異変解決者と言われる博麗の巫女ですね……! 攻撃が当たらないです……!」

 

「あんたの弾幕は空きがありすぎるのよ。封結でも避けられるわ」

 

「……そういえば、あなたに勝ったとしても、あの男の方も相手をしなければなりませんね……! でも、あなたを甘くはみません!」

 

 そして美鈴はスペルカードを取り出し、宣言。

 

「虹符【彩虹の風鈴】!」

 

 そう彼女が宣言すると、規則正しい、順に七色の色鮮やかな弾幕を繰り出してくる。それに対して霊夢は弾幕の空きの道を見つけると、縫うように躱していく。それでもなお、霊夢はアミュレットを投げ続ける。

 

「スペルカードは使わずにすみそうね。全然避けられるわ」

 

「くっ……!」

 

 そして霊夢は被弾する事はなく、ずっと躱し続けて弾幕を美鈴に被弾させ続け──スペルブレイク。苦々しい顔をしている美鈴だが、次のスペルカードを宣言。

 

「彩符【彩雨】!」

 

 宣言し、今度は先ほどの規則正しい弾幕とは違い、七色の弾幕は雨が降るように霊夢へ襲いかかる。

 

「……ふーん。綺麗じゃない」

 

 何か感心するように言った霊夢だが……それでも彼女は涼しい顔で避け続けている。彼女を遠くで傍観している封結は呟く。

 

「……霊夢にそんな攻撃は当たらないだろうな……」

 

 そのような彼の発言に二人は気づかない。美鈴は霊夢に焦点を合わせて弾幕を放ち続けているが……当たる気配を美鈴は感じられない。

 

「……どうしてそんな涼しい顔で避けられるんですか……!?」

 

「勘」

 

「勘っ!? それだけで!?」

 

 たった一言の言葉に驚きを隠せない美鈴。それでも彼女は奮闘するものの──スペルブレイク。

 

「まさかここまでの実力とは思いませんでした……!」

 

「いいから終わりにしない? いい加減この霧を何とかしたいんだけど?」

 

「まだです! そういう事は、このスペルを攻略してからにしてください──彩符【彩光乱舞】!」

 

 彼女がそう宣言すると──彼女は一点にとどまり、先ほどのスペルカードの弾幕と比べて、遥かに量が増えていた。それと同時に、多方向から弾幕が霊夢を襲う。

 

 しかし……当本人の霊夢はというと──

 

「動かないならちょうど良いわね。この弾幕が当てやすいわ──」

 

 霊夢は大きな動きをやめ、必要最低限の動きで弾幕を躱しながら──袖から違う弾幕を放ち始める。

 

「──【封魔針】」

 

 霊夢の構えた腕から──次々とアミュレットと共に針の弾幕を投げつけた。

 

 その場を動かず、当てることに集中していた美鈴に、次々と針の弾幕を含めた攻撃を喰らい──

 

「つ、強い──」

 

 その場で美鈴は崩れ落ち──スペルブレイク。自分の勝利を確実に確信した霊夢は、傍観していた封結に声を掛けた。

 

「ほら封結。さっさと行くわよ」

 

「そうだな。さっさとこの霧を止めてもらわないと」

 

 封結は霊夢に近づくのと同時に、門番である美鈴に声を掛ける。

 

「門番がやられたら道を譲るのが鉄則だ。進ませて貰うぞ」

 

「うぅ〜……すみません、お嬢様──」

 

 悔しそうに美鈴は唸るように言っていたが──霊夢と封結の背後に来て、空中から足を着く白黒な人物。場を確認するようにその人物は霊夢達に声を掛けた。

 

「やっと追いついたぜ。それでこの状況となると……順番的に霊夢が倒したってところか?」

 

「あら、魔理沙じゃない。てっきりあの氷の妖精にやられたかと」

 

「魔理沙……お前はあの時俺達を庇って死んだはずじゃ──」

 

「死んでねぇし、二人とも酷くないか!? 特に封結! お前、私を応援していたじゃないか!」

 

「単なる冗談だ。魔理沙がチルノに負けるだなんてそうそう無いと思っていたからな」

 

「ったく、冗談にしても質が悪いぜ……」

 

 二人の態度に魔理沙は不服を申し立てているが、現状を確認した美鈴は魔理沙を知らなかったようで驚愕。

 

「えっ!? もう一人いたんですか!?」

 

「ん……何だ? この中国を感じさせられる奴は? やっぱり門番か?」

 

 魔理沙の疑問に、霊夢が簡潔に答える。

 

「そうみたいだけど、私が勝ったからこの洋館に進むのよ。魔理沙も異変解決したいなら着いてきなさい。封結も行くわよ!」

 

「だから魔理沙。お前もさっさと着いてこい。お前達どっちか二人が異変を解決してくれるだけで俺は万々歳なんだからな」

 

「じゃあ封結は犯人をギリギリまで追い詰めてくれ。私がトドメを刺すからな!」

 

 三人は、赤い洋館──紅魔館へと入って行った……。

 

 

 

 

 

 

 

「……博麗の巫女はともかく、確かあの白黒の人も確か異変解決者……!? 二人も一緒に行動していただなんて──? そうなると、あの男の方は……? もしかすると、咲夜さんが言っていたお店の人なのでしょうか……?」

 

 

 

 

 

 

 

 紅魔館へと入って行った霊夢と魔理沙に封結。三人は攻撃してくるメイド服を着た妖精を撃退し続けていた。そして──道が二つに分かれる。おそらくそのまま上に行く道と、地下に続く道。

 

 二つの道を見て、封結は悩むように言う。

 

「どっちかが【当たり】だよな……上へ行くか、下へ行くか。どっちが当たりなのか……?」

 

 そんな彼に、魔理沙は行動を促すように自分の意見を述べる。

 

「こういうのは地下に行く方が正解なんだぜ! 地下に行くほど、敵が強くなるみたいな感じだ!」

 

「魔理沙は下だと思うのか……確かに、霖之助が拾ってきた外界の【げぇむ】では言う通りに、洞窟の下に潜るほど強くなっていったな……」

 

「そういうこった! だから強い奴、つまりは異変の犯人である実力者は地下にいると私は考えた! だから封結、一緒に──」

 

 彼女が封結の手を取って行動を促そうとしたところ──先に霊夢が封結の手を取った。そして霊夢は彼に行動を促す。

 

「上に異変の犯人がいるわ。向かいましょう」

 

「……一応聞いておこう。どんな根拠で上にいると思ったんだ?」

 

「勘」

 

「良し、上に行こう──」

 

「いやいやちょっと待てよ封結!? 何で霊夢の何もない根拠の勘で上に行くんだぜ!?」

 

 霊夢の【勘】という言葉だけなのにも関わらず、即決した彼の行動を魔理沙は引き止めようとしたが──彼は、尤もなことを言った。

 

「だってなぁ……霊夢の【勘】だぞ? 多分、霊夢の判断は間違ってないと思う」

 

「……私の根拠は何だったんだぜ……?」

 

「まぁ、もしもという可能性もあるからな。行った先に犯人がいなかったらそっちに向かうから安心しろ」

 

「……だけどよ──」

 

 それでも腑に落ちないのか、魔理沙はまだ封結と話をしていたが──霊夢が割り込む。

 

「だったらさっさと地下で誰もいなかったとしても、さっきみたく追いかければ良いでしょ? それで良いじゃない」

 

「……まさかだと思うが霊夢……お前私に対抗して──」

 

「さ、封結行くわよ」

 

「悪いな魔理沙。こっちに犯人がいなかったら駆けつける」

 

 魔理沙の言葉を気にしない霊夢をよそに、彼女に行動を促されるまま封結は霊夢の後に着いていった。

 

 そして、魔理沙は──

 

「──追いつくからな! 待ってろよ!」

 

 箒に乗り直して、速いスピードで地下へと向かっていった……。

 

 

 

 




 とある人物は除いて、一人一人戦わせる予定です。

 ではまた。
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