やはり俺がサッカーをするのは間違っている。   作:セブンアップ

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ムゲン・ザ・ハンド

 星の使徒研究所から移動した場所は、また大きいグラウンドである。FFスタジアムより劣るものの、辺境のグラウンドにしては設備がいい。

 そして目の前には、ついこの間戦った雷門が揃っていた。

 

「おめでたいやつらだ」

「負けると分かっていながら、のこのこ現れるとは」

 

 いや、多分現れたのはどっちかというと俺達の方なんですけどね。バーンとガゼルに、心の中でツッコミを入れる。

 

「円堂守!宇宙最強のチームの挑戦を受けたこと、後悔させてやる」

「負けるもんか!こっちには、地上最強のチームが揃っているんだ!」

「勝負だァ!!」

 

 カオスと雷門の試合が始まる。フォーメーションは4-4-2のベーシックな陣形。LBにはクララ、RBにはバーラ。CBは、ゴッカとボンバの巨漢のダブルディフェンス。LMにリオーネ、RMにはドロル、CMには俺とネッパー。FWは言わずもがな、ガゼルとバーンのツートップ。GKにはグレント。

 

 対してあちらは、円堂がフィールドプレーヤーとして立っていた。GKには立向居。

 この間の試合を鑑みて、フォーメーションを変えてきたのか。

 

 雷門からのキックオフで試合が開始。ホイッスルが高らかに鳴り響き、まずはショートパスで繋ぎつつ攻め上がっていく。

 

 ボールは財前に渡り、ドロルがボールを奪いに行く。

 

「お前なんかに取られるかよ!」

 

 だが、財前はすれ違い様にボールを奪取される。ドロルはその勢いのまま、雷門の連中を次々と抜き去っていく。

 

「任せろ!」

 

 綱海がドロルに突っ込んでいく。ドロルは、FWのガゼルにパス。

 

「今度こそ教えてあげよう……凍てつく闇の冷たさを!ノーザン…インパクトッ!!」

 

 ガゼルはノーザンインパクトを発動。対して立向居は、

 

「マジン・ザ・ハンドッ!!ッぐあああァァッ!!」

 

 立向居は、マジン・ザ・ハンドを繰り出すも一瞬で粉砕される。カオスは簡単に一点を取った。

 

「これが我らの真の力…」

「エイリア学園最強のチーム、カオスの実力だ!」

 

 ……こいつらは、この試合に全ての力を注いでいる。いつもガイアで練習していて身体能力の差は少し分かりづらかったが、こいつらの身体能力はこの間よりも上がっている。

 全ては、ジェネシスの称号を手に入れるために。

 

 

 点を取られた雷門から試合再開。ボールは豪炎寺に渡る。上手く前線に上がっていく。

 しかし、ゴッカとクララがディフェンスに付いた。

 

「アフロディ!」

 

 アフロディに繋がる。アフロディはそのまま上がっていくが、真正面からはネッパーが向かっていく。

 

「ヘブンズ…タイム」

 

 ヘブンズタイムが発動。しかし、ネッパーはアフロディのボールをカットした。あのチートなドリブルを破ってみせた。

 

「な、何っ…?」

 

 動揺するアフロディを傍らに、ネッパーはバーンにロングパス。目の前には壁山と円堂が。

 

「ジェネシスの称号は俺達にこそ相応しい!それを証明してやるぜ!」

 

 バーンは壁山と円堂を跳躍で躱してそのままオーバーヘッドキックの構え。

 

「アトミック…フレアアァッ!!」

 

 灼熱の炎を纏った豪快なシュートが立向居に襲いかかる。

 

「マジン・ザ・ハンドッ!!」

 

 だが、マジン・ザ・ハンドは再び破れる。立向居ごとゴールに叩き込んだ。

 

 更に試合は一方的な展開になっていく。豪炎寺が攻め上がっていくが、クララがディフェンスでボールを奪う。

 

「クララ、こっちだ!」

 

 俺はクララにパスの要望を出した。クララは頷き、俺にボールを繋ぐ。

 

「行かせるかよ!ボルケイノカット!」

 

 土門はボルケイノカットを繰り出す。これは地面からマグマが吹き出すような壁を作っている。だが、この壁にも高さがある。その高さは、きっと限度がある。

 

 俺は真正面からボルケイノカットに向かっていき、ボルケイノカットの壁を跳躍で躱す。

 

「まだっス!今度は俺っス!ザ・ウォォォール!!」

 

 壁山はザ・ウォールを繰り出す。それを俺はお構いなしに、必殺シュートの体勢。

 

「アストロゲートッ!はああァッ!」

 

 壁山に向かってアストロゲートを放つ。アストロゲートはそのまま壁山のザ・ウォールを崩し、立向居に飛んでいく。

 

「マジン・ザ・ハンドッ!!」

 

 だが、三度マジン・ザ・ハンドは破れる。カオス、これで3点目。

 

 今の立向居は、円堂やガイアのネロのガードより遥かに劣っている。だから無理に打っても入るのではないかと思ったが、思いの外柔かった。

 

 しかし、これだけではカオスの勢いは止まらなかった。ガゼルとバーンが主軸として、雷門を圧倒する。ものの十数分で、10-0というスコアになっていた。

 雷門は攻めあぐね、カオスは大量リードにより勢いが乗っている。

 

 ボールはネッパーに渡り、ネッパーの正面には鬼道が。

 

「こっちだ!」

 

 俺はネッパーに呼びかけるが、ネッパーは俺を無視してバーンにパスを繋いだ。

 

 え、俺何かした?まさか俺の知らないところでハブられてる?お前ごときが指示すんな調子のんなってやつ?なんかすいません。

 そう心の中でネッパーに土下座している中、再びネッパーにボールが渡る。

 

「ネッパー!」

 

 次に、横からリオーネの呼びかけがかかる。しかし、ネッパーはリオーネを無視してバーラに繋いだ。

 

 俺だけならまだしも、リオーネまで無視される。それに、やたらとプロミネンスのメンバーばっかりにパスを回しているが…。

 まさか、あのネッパーという男は…。

 

 三度ネッパーにボールが渡り、またもやバーラにパスを出す。だが、そのボールを鬼道がインターセプト。

 

「行くぞ!」

 

 鬼道を中心に、土門と円堂が上がっていく。一体何のつもりなのだろうか。

 鬼道が上にボールを打ち上げ、それとともに三人が回転しながらジャンプ。三人はボールを囲いつつ回転することで、ボールに気を送っている。

 

「デスゾーン……2!!」

 

 鬼道と土門、そして円堂の三人が同時にキック。凄まじい威力を放つシュートがグレントに飛んでいく。

 

「バーン……アウトォッ!!」

 

 両手を燃やしてボールにぶつける。だが、威力はデスゾーン2が優っており、グレントを弾き飛ばしてゴールに叩き込んだ。

 

「……なんて威力だ…」

 

 正直、豪炎寺の爆熱ストームとアフロディのゴッドノウズにしか警戒していなかった。まさか、この数日の間にこんな威力のシュートを完成させていたとは。

 

 今度はカオスのキックオフ。ボールはバーンに渡り、猛然と切り込んでいく。鬼道がバーンに向かって走っていくが、バーンのスピードに乗ったフェイントに躱されてしまう。

 次に円堂がディフェンスに入るが、バーンの得意なジャンプで躱す。

 

「たかが一点で調子に乗ってんじゃねェ!!」

 

 バーンはそのまま、アトミックフレアの体勢に入った。

 

「アトミック…フレアアァッ!!」

 

 バーンのアトミックフレアが炸裂。立向居に向かって飛んでいく。立向居は、マジン・ザ・ハンドを繰り出す……と、思いきや、全く違う体勢に入った。

 彼が両手を合わせると、立向居の背後から無数の手が伸び始める。

 

「ムゲン・ザ・ハンドォッ!!」

 

 無数の手はボールを次から次へと包み込み、アトミックフレアを完璧にキャッチしていた。

 

「な、何だとッ!?」

 

 アトミックフレアを止められたバーンは驚愕していた。恐らく円堂の正義の鉄拳を破るであろう、アトミックフレアを完璧に止めていたから。

 こうなってしまっては、話が違ってくる。ガゼルのノーザンインパクトも恐らく止められる。

 

 立向居がアトミックフレアを止めたところで前半終了。依然カオスリードに変わりないが、後半も油断せずに行かなければならいな。

 

 

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