やはり俺がサッカーをするのは間違っている。   作:セブンアップ

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決着

 リミッター解除で、ジェネシスの動きが異常に速くなり、次々と雷門を抜き去っていく。完全に人間の力を超えている。

 

「人間は、身体を守るために限界の力を超えない様に無意識に力をセーブしている……では、その力を出し切れるとしたら?」

 

 ちょっと待て。そんなことすりゃあいつら全員身体がボロボロになって立っていられなくなる。

 

「お、おい!あんた、いくらなんでもやりすぎだろ!」

「残念ですが、リミッター解除をさせたのは雷門イレブンです。意見するなら、雷門イレブンにして下さい」

 

 俺の言葉はあっさり取り下げられた。自分の子どもですら道具扱いかよ…。

 

 俺はウルビダ達を止めるために、上がっていく。

 

「ま、待てウルビダ!グラン!それ以上動いたら…!」

「黙って見ていろエイト!!これが、我らジェネシスの真の力だ!!」

 

 ウルビダは身体に力を込めてオーラを放つと、周りからペンギンが現れる。ペンギンと共に、グランとウィーズが飛んで、ツインシュート。

 

「スペースペンギン!!」

 

 ペンギンと共にとてつもない威力のシュートが立向居に襲いかかる。

 

「ムゲン・ザ・ハンドッ!!」

 

 しかし、ムゲン・ザ・ハンドは三度破れてしまう。スーパーノヴァよりも強力な必殺技、スペースペンギンが炸裂。ジェネシス、勝ち越しになるが…。

 

「!ぐ、うぅッ…!!」

「か、身体がッ……!!」

 

 ジェネシスのメンバーは、自分の身体を抑えていた。限界以上の力を意識的に発動なんてすれば、筋肉痛どころの騒ぎじゃない。

 

「もうやめとけ!それ以上したら、確実に身体をぶっ壊すぞ!」

「黙れエイト……!私に意見するな……お前は…私の言う通りに従っていればいい……ぐッ!」

「う、ウルビダッ!」

「お父さんのためなら……この程度の痛み…!!」

「ぐ、グラン……」

 

 そう言って、ジェネシスのメンバーは自分の位置に戻っていく。その後ろ姿は、悲痛に見えた。

 

 そんな中、試合が再開される。円堂がボールをキープし、攻め上がっていく。

 

「遅いッ!」

 

 ウルビダが円堂に向かって突っ込んでいく。だが、円堂は鬼道とのワンツーでウルビダを抜き去る。

 

 リミッター解除したウルビダを躱しやがった……。

 これも、雷門の力なのか…?

 

「豪炎寺!」

 

 円堂から豪炎寺へのセンタリング。

 こいつらが進化している以上、豪炎寺のシュートも下手すりゃ点を取られてしまう。

 

「打たせるかよッ!」

 

 そう危険だと思った俺は、そのセンタリングをカットする。そのまま攻撃に転じようとするが、

 

「ふッ!」

「しまったッ!」

 

 吹雪のスピードによりボールを奪取される。そのまま豪炎寺と吹雪は二人で攻め上がっていく。

 

「豪炎寺くん!」

「あぁ!」

 

「「うおおおおォォォォッ!!」」

 

 豪炎寺は炎の、吹雪は氷の波動を纏い、お互いが交わした瞬間にツインシュートをネロに打ち込んだ。まるで、ファイアブリザードの様なシュートが飛んでいく。

 

「時空の…壁ッ!!」

 

 だが、時空の壁は簡単に破れてしまい、三度雷門と同点になってしまう。リミッター解除をして尚、得点を許してしまう。こいつらの底が見えないわ。

 

 しかし、試合が再開してグランとウルビダが速攻で上がっていく。

 

「最強なのはジェネシスの…!!」

「父さんのサッカーだ!!」

 

 雷門を抜き去り、ウィーズと合流してスペースペンギンの体勢に入る。

 

「スペース…ペンギンッ!!」

 

 スペースペンギンが立向居に襲いかかる。

 

「ムゲン・ザ・ハンドッ!!」

 

 立向居は、気力でスペースペンギンを止めようとするが、少しずつ押されていく。

 だが、

 

「もう一点も……ゴールをやるわけには、いかないんだッ!!」

 

 そう言って、立向居はムゲン・ザ・ハンドをまたも進化させて、スペースペンギンをしっかりと止めた。

 

「ジェネシス最強のシュートが……!」

 

 止めた立向居は綱海にパス。綱海は木暮に。一人一人、ボールを回していくと、ほのかにボールが輝き始める。

 

「なんだ……あの光……」

 

 ボールは円堂に。円堂の後ろには、豪炎寺と吹雪が共に上がってきている。

 

 ほのかに輝いているボールを中心に、円堂、豪炎寺、吹雪が合掌して立つ。残りの八人は、三人に気を送る。雷門の想いが込められたボールと共に三人は飛び、凄まじい勢いでボールにキックを入れる。

 

「ジ・アアアアァァーース!!!」

 

 三人に蹴られたエネルギーが11本の矢の様に分かれ、再び一つになって矢の様に飛んでいく。

 ジェネシス全員は身を挺して止めるが、呆気なく吹き飛ばされてしまう。

 

「グラン、エイト!!」

 

 俺とグランとウルビダで、ゴールに入れまいとジ・アースを死に物狂いで止めようとする。

 

「お父様のために……!!」

「負けるわけにはいかない!!」

 

 彼らは吉良星二郎のために。俺は小町のために。負けられない理由を課せて、今日まで戦ってきていたのだ。

 それでも。

 

「うああああァァァッ!!」

 

 あいつらの、雷門の信じる力、サッカーへの想いが俺達、ジェネシスを勝る。ジ・アースが決まり、雷門の逆転となる。

 そして、ホイッスル。試合終了。

 

 勝ったのは雷門イレブン。ジェネシスを倒して、地上最強のメンバーが誕生した。

 これが、心の力、か……。

 

「…勝ちたかった……!お父様のために……私はッ……!」

「ウルビダ……」

 

 掛ける言葉が見つからない。5年にも渡って、吉良星二郎に尽くしてきていたのにも関わらず、それが全て無意味となった。

 

「円堂くん。……仲間って、凄いんだね」

「…そうさ!それを、ヒロトにも教えたかったんだ!」

 

 グランと円堂は握手を躱す。仲間が生み出す力は、10倍にも100倍にもなるってか……。

 

 本当、超次元サッカーぱないわ。

 

「ヒロト……」

 

 すると、いつの間にかグラウンドに降りてきていた吉良星二郎が申し訳なさそうな表情をしてグランに話しかける。

 

「ヒロト、お前達を苦しめて済まなかった……」

「父さん……」

「……私は、あのエイリア石に取り憑かれていた……。雷門イレブンのお陰で目が覚めた……。そう、ジェネシス計画そのものが間違っていた…」

 

 すると、ウルビダは立ち上がり、怒りの表情で吉良星二郎を睨み付ける。

 

「ふざけるなッ……!これほど愛し、尽くしてきた私達を、よりにもよって貴方が否定するなァッ!!」

 

 ウルビダは吉良星二郎の向かって思い切り打ち込んだ。

 

「バカ!」

 

 だが、吉良星二郎は動かなかった。

 ボールは吉良星二郎に………と、思いきや、その人物を庇った者が。

 

「ぐ、グラン…お前……」

 

 グランはウルビダのシュートをまともに受けて、倒れてしまった。

 

 

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