やはり俺がサッカーをするのは間違っている。 作:セブンアップ
地上最強から世界一
エイリア学園の事件から3ヶ月。地上最強のメンバーとしてスカウトされていたみんなは、それぞれの故郷に帰り、それぞれの生活を送っていた。
そして、この俺、比企谷八幡も。
「せんぱいせんぱい!サッカー部に入りましょうよ!」
いつも通りの時間を送れると思っていたのだが……。
どうやら、雷門で共に戦っていたことがこの間のダークエンペラーズ戦で知られた。そういえば、確かに中継されていたけども。それを見ていた一色が、毎度毎度サッカー部に勧誘してくる。
「やだよ面倒だよ第一リア充の部活なんて入りたくねぇよ」
「あはは……ヒッキーは相変わらずヒッキーだね」
「大体、そこの男にチームプレーを求めることが間違いよ」
「そうだぞ。俺は普段からぼっちなんだからみんなに合わせるとか無理だ」
「全く、この愚兄は……」
雷門でサッカーをやろうが変わらない俺。これこそ、ヒッキークオリティ。
サッカーとも距離を置き、受験勉強に励んでいた。とはいえ、第一志望も第二志望も適当に自分が行けるところを選んでるけど。
とまぁ、奉仕部で平和に過ごしていると。
「比企谷、ちょっといいか」
部室に平塚先生が入ってくる。
「どうしたんですか?また依頼ですか?」
「いや、今日はお前に客が来てな。済まないが、今すぐ生活指導室に来てくれ」
「はぁ……」
俺は平塚先生に言われるがままに、生活指導室に向かった。生活指導室に向かうと、そこには。
「…久しぶりだな、比企谷」
そこには、雷門の監督である響木監督がいた。
「お久しぶりです……えっと、何の用ですかね?」
「……明日、サッカーをする準備をして雷門中の体育館に来てくれ」
「明日ですか……」
明日は普通にゴロゴロして休もうかもって思ったんだけど。雷門に呼び出すくらいだから何かそれなりの用なんだろう。
「分かりました」
俺は了承の返事をして、少しして響木監督は総武中から去って行った。
果たして何の用だろうか。
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翌日になり、俺は総武中のジャージを着て雷門中に向かった。普通に少し寝坊してしまったため、やっちまったと思った。
一時間程度くらい電車に乗り、稲妻町に到着。俺は新しく買ったケータイの地図アプリを頼りに、雷門中を目指した。
しばらく歩いていると、雷門中が見えてきた。なんだか久しぶりのようだと懐かしみながら、体育館へと向かう。
体育館のドアを開くと、何やら見覚えのある顔が揃っていた。
「比企谷!!お前も来たのか!!」
朝から相変わらず声が大きいな円堂くん。
「これ何?何の集まりなの?」
「いや、それが俺もよく分からなくて……」
円堂でさえ知らないこの状況。雷門中のメンバーは勿論、浦部と財前、何故か一之瀬や土門を除いた地上最強のメンバーも集まっていた。
「やぁ、久しぶりだね」
円堂の後ろから声がした。
その顔、その声。円堂より過ごした時間が長いからすぐ思い出した。
「グラン……か?」
ジェネシスのキャプテン、グランがそこにいた。
「もう今はグランじゃないよ。基山ヒロトとして、俺はここにいる」
「……そうか。そら良かったな」
「あぁ。あと、君に会えるって言って聞かない人が……」
「八幡ッ!!」
「うぉっ」
後ろから俺は抱きしめられる。勢い余って、俺は前に倒れてしまう。
というか、この声……。
「会えた……やっと八幡に会えた……やっぱり、私は八幡がいなければどうにかなってしまいそうだ………」
「う、ウルビダ……か……?」
エイリア学園きってのヤンデレちゃん、ウルビダこと八神玲名が俺を離すまいとしがみ付いていた。
「…あ、相変わらずだな……」
「…八幡……もう離さないからな……。私の下から離すものか…」
段々と、八神の締める力が強まっていく。強くなる度に、ウルビダのメロンが当たるのですが。柔らかい。
「まさか、あのウルビダがここまで惚れてるなんてね」
グラン、もとい基山の後ろから誰かが来た。緑色の長髪を、ポニーテールで纏めている男。
「…誰?」
「俺は緑川リュウジさ。エイリア学園、ジェミニストームのキャプテン。よろしく!えーっと、八幡でいいかな?」
「…お、OK」
「なんで英語なのさ…」
緑川って言ったか。宇宙人の時からこいつはこんな気さくなやつだったのかな。
「……しかし、一体どういう集まりなんだろうな」
円堂が不意に疑問を投げかける。確かに、まさかエイリア学園メンバーまでいるとは思わなかった。大体、なんか昔の不良みたいなやつもいるし。
この集まりは一体なんなのかを考えていると、
「みんな揃ってるか?」
響木監督とマネージャー三人組が現れた。俺達は響木監督のところに集合しようとすると、誰かがボールを蹴り込んだ音が聞こえてくる。
ボールは鬼道に飛んでいくが、反応の早い鬼道はそれを打ち返す。打ち返されたボールは、トサカの様なモヒカンの髪型をした目つきの悪い少年がトラップする。
「不動!」
不動と呼ばれる人物は、不敵な笑みを浮かべる。
「不動!何の真似だ!」
「何って、挨拶だよ挨拶。シャレの分かんねェやつ」
「ひ、響木さん!まさかあいつも!?」
眼帯を付けたロングヘアーの男が響木監督に尋ねると、響木監督は笑みを浮かべて話し始めた。
「これで全員だな。いいか、よく聞け!お前達は、日本代表候補の強化メンバーとして招集された!」
「日本代表?」
「今年から始まるサッカーの世界大会……フットボールフロンティアインターナショナル…通称"FFI"が開催されることになった。少年サッカーの世界一を決める大会だ。お前達は、その代表候補なのだ」
サッカーの、世界大会……。
「……うおおおおぉぉッ!!スゲーぞみんな!!次は世界だあ!!」
みんなが大きく盛り上がる。
この俺が、サッカーの日本代表候補に抜擢されるなんて……。小町やあいつらに言ったら、どんだけ驚くかな。
「いいか。あくまでこの22人は候補だ。この中から、17人を絞り込む」
「まず、11人2チームに分けます。その後、その2チームで日本代表選手選考試合を行います。では、メンバー編成を発表します」
そして、選考試合のチームを分けられた。
俺は、Aチームだった。円堂を始めとして、基山、綱海、吹雪などがいた。しかし、対するBチームは不安要素が生まれてしまった。
鬼道と不動の仲は、どうやら最悪と言っても過言ではなく、試合になってしっかり戦えるのかと思うくらいである。
「円堂、鬼道。お前達がキャプテンだ。いいな?」
「はい!」
「はい…」
「試合は二日後。一人一人の力を見るために、連携技を禁止とする。持てる力の全てを出してぶつかれ」
「「はい!!」」
今日はとりあえず、ここまでとして解散となる。練習は明日、雷門中学で行われる。
最低限の話を聞いて、俺は家に帰ろうと駅に向かう。
だが。
「私も八幡の家に行くとする。我が愛人の家を確認しておきたいからな」
「いや、帰って?基山と緑川と一緒に帰って?」
八神が付いてきたら小町が困惑するだろうよ。俺は却下すると、八神はハイライトを消して、俺に迫る。
「何故だ?私とお前は常に一緒にいなければならないだろう?それとも、私がきては何か不都合なことがあるのか?」
「いや、そんなもんはないけど……」
「ならばいいだろう。この3ヶ月あまり、お前が隣にいないことで私は苦しい思いをしたのだ。あんな別れをしたとはいえ、辛かった。絶望した。死にたくなった。もうお前とは一生離れたくない。それこそ、1秒たりともな」
エイリア学園が無くなり、エイリアだった者達は身寄りがないため保護下に置かれていた。それが却って、八神の依存を更に増大させた。
「だから、私達は共にいなければならない。お前がもし、私から離れようとしたり、見捨てようとするなら覚悟しておくがいい。ただでは済まさないからな」
「………頼むから、何もすんなよ」
俺は八神の依存の重さに溜息を吐いて、家に帰ることにした。
因みに家に帰ると、予想通り小町が困惑していたのはここだけの話である。
はいウルビダさん登場。全く久しぶりじゃないですけどね読者側からしたら。