やはり俺がサッカーをするのは間違っている。 作:セブンアップ
昨日は散々でした。
我が家に八神が乗り込んで小町はパニックになってしまったのに、更に俺が日本代表の候補に選ばれたと言って更にパニック。あまりの情報量に、小町は倒れてしまった。
まぁ無理もないわな。
そして翌日。日本代表選考試合の練習のために、雷門中に訪れていた。勿論、八神も一緒です。
「…今思ったんだけど」
「何だ?」
「仮に、俺が選ばれたとしてお前どうすんの?ていうかこれからどうすんの?帰るのか?」
「もし八幡が代表に選ばれたなら、私は八幡専用のマネージャーとして付いて行こう。八幡の世話を、他の女にやらせるわけにはいかん」
「そうですか……」
どうやら本気で付いてくるようです。
読者の皆様、ヤンデレ八神ちゃんはこれからマネージャーとして活躍すると思うのでよろしくお願いします。
……俺は一体誰に説明してるんだろう。
グラウンドに向かうと、もう円堂達が集まっていた。
「遅いぞーっ!」
「悪い。普通に寝坊したわ」
どうやら最後に来たのが俺だったらしく、念入りにストレッチして練習に合流した。
全然知らんやつとコミュニケーションを取ることになり、気が滅入った。そんな感じで2日が経つ。
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選考試合当日。流石に試合に遅れないわけにはいかないと思い、早めに家を出た。勿論、八神さんは我が家に泊まっています。
「お兄ちゃんの試合、雪乃さん達と観に行くからね!」
そう笑顔で言った小町は可愛かった。小町がマネージャーになってくれんかな……。したら俺ハットトリックとか頑張って目指すんだけどな。
だが、忘れないで欲しい。嫉妬深く、束縛が激しい八神が隣にいたことを。小町はさっき「雪乃さん達と観に行くからね!」と言っていた。
何が言いたいか分かるか?
八神の前で、雪ノ下の名前を出したのだ。そんな八神は聞き逃すはずもなく。
「…雪乃、とは誰だ。お前に近づく女か?その女と一体どういう関係なのだ?……まさか、私に隠れてその女と何か関係を持っているわけではあるまいな?」
はい、見ての通りです。俺と雪ノ下の関係を明確にするために、俺は八神に詰められている。
「…気に入らん。私の八幡と近づくだけでも気に入らんのに、なんらかの関係を持っていること自体が気に入らん。……まぁいい。私と八幡は相思相愛。私達の深くて濃厚な関係を、その女達に見せてつけてやろう……」
挙げ句の果てには、こんな物騒なことを呟く始末。気が滅入りながらも、俺は雷門中に向かった。
雷門中に着くと、選考試合を観にきた観客がそれなりにいた。それだけではなく、テレビに映すカメラやパソコンなど、あらゆる機材が置かれていた。
俺は集合場所である体育館に向かった。そこではAチームのユニフォーム、および日本代表として戦うユニフォームが配られていた。
鮮やか青と黄色の袖が良い色を醸し出している。日本代表と言っちゃあ日本代表っぽいユニフォームと言えるだろう。
「こいつを着て、絶対世界に行くぞ!!」
「「おぉ!!」」
そして試合の時間となり、俺達はグラウンドに向かった。グラウンドには、先程より観客層が多くなっていた。
日本代表が懸かった試合だから、当然と言えば当然か。
俺達は円陣を組んで、手を重ねていく。
「みんな!悔いのないゲームにしようぜ!」
「「おぉ!!」」
俺達は自分の位置に着く。靴紐を結び、俺も行こうとすると。
「お兄ちゃーん!!」
俺達が先程までいた逆側の観客席から、小町の声が。それだけじゃない。小町を始めとした奉仕部の面々、マイエンジェル戸塚や一色、更には葉山や三浦などのグループに川なんとかさんまでいる。平塚先生や雪ノ下姉、まさかの城廻先輩までもがいた。
いや、知り合い多くね?ほぼオールスターじゃん。材木座?そんなやつは俺の知り合いにおらん。
でも、これだけ俺の知り合いが来ているんだ。みっともない真似は出来んよな。
俺は自分の位置であるCMFに着いた。FWは、染岡と吹雪。MFには、武方、基山、俺、佐久間。DFは綱海、壁山、土方、飛鷹。GKは我らがキャプテン、円堂だ。
しかし、相手もこちらと同程度の実力を持つ人材ばかり。鬼道や豪炎寺は勿論、栗松や木暮、風丸に立向居。簡単に勝てるとはいかないだろう。
そして今、選考試合開始のホイッスルが鳴り響く。キックオフはAチームから。ボールは基山に渡る。
「染岡くん!」
基山からボールを受け取る染岡。Bチームのゴールに向かっていくと、不動が不敵な笑みを浮かべて立ちはだかる。染岡はフェイントで躱す。
「どうだ!!」
「そこだああァァッ!!」
躱した先には風丸のスライディング。対応しきれない染岡はボールを奪われる。
「鬼道!」
奪った風丸は鬼道に。続けて鬼道は前線の豪炎寺にパスを出す。武方のマークを振り切った豪炎寺は、ゴールに向かって走る。だが、巨漢の土方がディフェンスに入る。
鬩ぎ合いを制したのは豪炎寺。土方の足元にボールを転がして抜き去っていく。
「行くぞ、円堂!」
「よし、来い!!」
豪炎寺は炎を足に纏いながら回転して飛んでいく。
「ファイア…トルネードッ!改!」
豪炎寺のファイアトルネードが円堂に向かって飛んでいく。円堂はファイアトルネードに対して。
「真…ゴッドハンドッ!!」
虹色を輝かせながら繰り出した大きな手は、ファイアトルネードを完璧に止める。
止めた円堂は前線にパントキック。ボールを受けたのは俺だ。俺はそのまま攻め上がっていく。
「行かせないよ!」
MFの緑川がディフェンスに入る。俺はそのままスピードに乗りながら、ひとりワンツーで抜き去っていく。
「染岡!」
俺は染岡にセンタリング。
「ワイバーン……クラッシュ!V2!!」
進化しているワイバーンクラッシュが立向居に向かって飛んで行く。
「ムゲン・ザ・ハンドッ!!」
前よりムゲン・ザ・ハンドをパワーアップさせている。ワイバーンクラッシュをガッチリとキャッチし、ゴールを守った。
「鬼道さん!」
立向居から鬼道に渡る。鬼道は上がっていくが、吹雪と武方がマークに着く。
「こっちだ!」
フリーと不動が鬼道に指示を出す。鬼道は苦虫を噛み潰した表情をしたが、不動にボールを繋げる。
「行かせるかァー!!」
佐久間の強烈なスライディングで不動のボールを弾く。弾いたボールは俺が拾って上がっていく。基山には風丸、染岡には目金弟がマークが付いてる。
ならば俺が打つしかない。
俺は木暮を躱していく。
「行かせないでやんす!」
木暮を躱した俺は必殺シュートの体勢。
「アストロゲート…V2ッ!!」
俺は栗松にお構いなくアストロゲートを打ち込んだ。栗松は躱したが、立向居は反応出来ずにゴールを許してしまう。
Aチームが先制。なんとかアピールは出来たと思う。
Bチームからのボールで試合再開。Bチームは反撃を試みる。ボールは、不動に渡る。
「通すな、飛鷹!」
「う、うっす」
飛鷹が不動に向かって走っていく。
「お前ごときじゃ…!!」
不動は走りながらのループシュート。飛鷹と円堂の頭を超えていく。
「しまった!」
だが、綱海の横っ飛びディフェンスで不動のシュートをクリア。ボールは場外に転がっていく。相変わらずの身体能力の高さよ。
対して飛鷹は、お世辞にも日本代表候補に選抜される実力がない様に見える。どうやらサッカーは無経験な様だが……何かあるのか?
Bチームのスローインで再開。ボールはすぐに豪炎寺に渡る。
「爆熱……ストォォーーム!!」
豪炎寺の渾身の必殺技が炸裂。
「正義の……鉄拳ッ!!」
対して円堂は正義の鉄拳を繰り出す。だが、爆熱ストームの方がやや勝り、ゴールにねじ込んだ。
Bチームが点を取り返したことで同点になる。Aチームにも火が付いて、試合再開後、すぐに基山が上がっていく。
「流星……ブレードッ!!」
立向居はまたもや反応出来ず、点を許してしまう。
2-1でAチームがリード。だが、Aチームの勢いは止まらない。
MFのシャドウが攻め上がるが、武方がボールを奪う。前線には、染岡と吹雪がいる。
武方は染岡にパスを出すが、ちゃっかり目金弟がそれをインターセプト。目金弟は宇都宮に繋げる。ボールを受け取った宇都宮がそのまま攻め上がっていく。
「通しゃしねぇぞ!!」
土方がどっしりと構える。宇都宮は臆せず、誰もいないところにボールを蹴る。それとともに宇都宮は土方を抜き去り、蹴られたボールは宇都宮の足元に。
あれひとりワンツーじゃん。ぼっちの特技を会得しているとは。あいつ、まさかのぼっちか?
攻め上がる宇都宮。しかし、得点の要とも言える豪炎寺は厳しいマーク。
「豪炎寺さん!」
「行け!虎丸!」
すると宇都宮はシャドウにバックパス。それと同時に、前半終了のホイッスル。俺達のリードで前半を終えた。
疲れた俺はベンチで休む。
「八幡、飲め」
「…サンキュ」
八神からスポーツドリンクを渡される。俺は乾いた喉を潤すために、一気に飲み干す。
「いい活躍ではないか」
「…ま、それなりに目立たないとな」
普段のサッカーなら目立つ必要がないが、選考試合ともなれば話は別だ。小町達が応援に来てくれてるし、なんとしても日本代表にならねぇと。自慢の兄だって思って欲しいしね、個人的に。
「……あれがお前に近づく女共か。……気に入らん」
「頼むから今は何もしないでくれ。あいつらがいるいないに関わらず、今違う意味で目立ちたくはないからな」
「……仕方ない。だが、試合が終えたときは待っていろ。あの女共に、私達の関係を見せつけてやる」
「……頼むからそれもやめてくれ」
八神のヤンデレに気が滅入る中、少し考え事をしていた。
まず飛鷹。素人なのに選考試合を選ばれる理由が見当たらない。あるとするなら、隠れた才能を持っている、とかだろう。
もう一つは宇都宮。飛鷹と違ってサッカーの実力は本物だ。それこそ、地上最強のメンバーに選ばれないのもおかしいほどに。でもまぁ、それはいいとして。
さっきのバックパス。シュートチャンスだったはずなのに、シャドウに渡した。あれだけのサッカープレーヤーが、シュートを外すわけがない。止められるにしても、アピールしなきゃ選ばれない。
にも関わらず、あいつはシュートを打たなかった。何か、シュートを打つことができない、打ちたくない理由でもあるのだろうか。
人数やストーリーの制限上、マックスと八幡を入れ替えました。