やはり俺がサッカーをするのは間違っている。   作:セブンアップ

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vsビッグウェイブス

 今日はFFIアジア予選一回戦の日。対戦相手はオーストラリア代表ビッグウェイブス。場所はFFスタジアムで行われることになる。

 開会式も済ませて、俺達は試合の準備に入る。そんな中、久遠監督が今回のスターティングメンバーを発表した。

 

 FWは、豪炎寺、吹雪、基山。MFは鬼道、緑川、俺。DFは壁山、土方、木暮、綱海。GKは円堂。

 

「八幡、頑張るんだぞ。活躍したら褒美をやるからな」

「その褒美は褒美じゃないだろ」

 

 むしろそれ八神に対する褒美になっちゃうから。

 

「……頑張って」

「…あぁ」

 

 間も無く試合が始まる。俺達は位置につく。

 そして今、試合開始のホイッスルが高らかに鳴り響く。まず、ボールは鬼道に渡り、FW陣は前線へ攻め上がっていく。

 

 鬼道も共に攻め上がっていくと、ビッグウェイブスはいきなり仕掛けた。四人が一瞬にして、鬼道を囲む。

 鬼道に対して、続け様に足を伸ばす。にも関わらず、陣形が全く崩れない。

 攻撃を封じる戦術……まさかあれが。

 

「フッ……ボックスロック・ディフェンス!」

 

 鬼道はボールをキープしようとするが思うようにキープができない。そして、ドルフィンの足が鬼道のボールを弾く。

 弾かれたボールは、FWのジョーンズが拾う。そのままジョーンズは一気に攻め上がって、シュートの体勢。

 

「メガロドンッ!!」

 

 サメの一種であるメガロドンと共に放たれる必殺シュート。円堂は、正義の鉄拳の構えに入る。

 

「正義の……鉄拳ッ!!うおおおォォッ!!」

 

 メガロドンvs正義の鉄拳。

 正義の鉄拳が徐々に押され始め、ついには打ち破られてゴールに入れれてしまう。

 先制はビッグウェイブスとなる。

 

「……これが世界レベル…」

 

 紙切れの意味を実感した。こんなに早く点を取られるとはな。それも全て、向こうのボックスロック・ディフェンスからの速攻があったから。

 

「凄いな!こんな強い相手と試合出来るなんて、燃えてきたぜ!」

 

 強い相手ほど燃える……流石は円堂。あいつの闘志が、今までどれだけの人間を奮い立たせてきたか。

 

 俺達の反撃が開始する。ボールは豪炎寺に渡り、豪炎寺は攻め上がっていく。しかし。

 

「ボックスロック・ディフェンス!」

 

 鬼道の次は豪炎寺がボックスロック・ディフェンスに嵌められる。豪炎寺は鬼道と同様に、あの陣形の中でキープしようとするが思うようにいかない。

 

 そう考えた豪炎寺は上に飛び上がる。だが、それを読んでいたドルフィンもジャンプをして豪炎寺からボールを奪う。

 奪ったドルフィンは攻め上がる。だが、さっきと違いメガロドンを放つジョーンズを壁山と土方の二人がかりでマーク。

 

「ふっ!」

 

 すると、ドルフィンはジョーンズとは反対側にパス。そこに、もう一人のFWリーフが走り込んで、シュート。

 

「たぁッ!!」

 

 だが、これは円堂がしっかり止める。

 次に、ボールは吹雪に渡る。だが、またしても。

 

「ボックスロック・ディフェンス!」

 

 今度は吹雪がボックスロック・ディフェンスの餌食に。ビッグウェイブスは、このボックスロック・ディフェンスでボールを奪い、怒涛の攻撃で点を奪いに来る。

 

 円堂がなんとかボールを弾き、コーナーキックとなる。その時間を使って、俺はボックスロックのことを尋ねた。

 

「豪炎寺、吹雪。ちょっと聞いていいか?」

「どうした?」

「ボックスロックに囲まれたとき、どんな感じがした?例えば、動きにくいとか」

「どんな感じ、か……。そうだな……なんて言うんだろう。まるで箱の中に閉じ込められた様な息苦しさだった」

 

 箱の中に閉じ込められた……。ボックスロックとは、箱を閉じるという意味として捉えることができる。さっきの陣形を見る限りと、吹雪の感想を重ねると、狭いスペースでボールをキープしなければならない。

 

 狭いスペース………。

 

「……まさか」

「…何か分かったのか?」

「外出禁止………ある意味正解だったわ」

 

 久遠監督が伝えたかったのは、このことか。だとすれば、遠回しにも程がある。

 

 試合が再開し、コーナーキックからのシュートを円堂はキャッチする。

 

「円堂!こっちに回せ!」

「分かった!」

 

 俺は円堂からボールを受け取り、攻め上がっていく。隣で共に走っている鬼道が、俺に聞いてきた。

 

「何か分かったのか?」

「まぁ見とけ」

 

 俺が攻め上がってくると、ビッグウェイブスの四人が俺を囲む。

 

「ボックスロック・ディフェンス!」

 

 吹雪の言う通り、確かに狭く息苦しい。なら、この狭いスペースでボールをキープすればいい。

 

 俺は次々と伸びてくる足を躱しながら、部屋の中で練習したリフティングの応用を使ってキープしていく。

 

「何ッ!?」

 

 こちとら部屋で1000回もリフティングしてんだ。今更狭いスペースでボールをコントロールするなんてお茶のこさいさいだ。

 

「もっと激しくいけッ!」

 

 ドルフィンの指示で更にディフェンスが激しくなる。だが俺は、根気強くボールをキープし続ける。

 

「何を手こずっている!」

 

 俺がしばらくボールをキープし続けていると、ドルフィンとアングルの肩がぶつかり、その二人の間に隙が生まれた。俺はそこを見逃さずに、間を通して鬼道にボールを繋ぐ。

 

「ば、バカな!」

「ボックスロック破れたりってな」

 

 俺はドヤ顔で去っていく。

 

 あースッキリしたわ。あんなゴツい選手四人に囲まれるとか息苦しい前にむさ苦しい。しかも一人イケメンだから尚許さん。

 

 私怨?知るかそんなもん。

 

 鬼道が攻め上がっていくと、

 

「一度破ったからっていい気になるなよ!」

 

 鬼道が再びボックスロックに。だが、先程と違って鬼道も軽やかにボールをキープ。

 再び隙が生まれ、前線にいる吹雪に繋ぐ。

 

「ウルフレジェンドッ!!うおおおォォッ!!」

 

 吹雪必殺のウルフレジェンドが炸裂。しかし、GKのベイカーは余裕の表情。

 

「グレートバリアリーフ!」

 

 ベイカーが左手を横切ると、ゴール前に波が発生。ウルフレジェンドを包み込み、勢いを殺して止めてしまう。感覚的にはネロのプロキオンネットと近い。

 

 ベイカーからビーチにパス。だが、豪炎寺がそれをカットして必殺シュート。

 

「爆熱……ストォォーーム!!」

 

 豪炎寺の爆熱ストームが飛んでいく。だが、ベイカーは変わらずに余裕の表情。

 

「グレートバリアリーフ!」

 

 ベイカーの必殺グレートバリアリーフは爆熱ストームの勢いをも殺し、完璧にキャッチしてみせた。

 ベイカーからウォーターマンへ。だが、ウォーターマンはグラウンドの外にボールを出した。どうやら、選手を二人交代させる様だ。小柄なビーチとシュリンプに代わりに、サマーズとバラックを投入。

 

 イナズマジャパンからのスローイン。ボールは緑川に。

 ボックスロックが来るかと思いきや、バラック一人で緑川に挑む。

 

「グレイブ…ストーン!!」

 

 バラックが両手を地面に叩きつけると、緑川の周りには尖った岩が次々と伸びてきて、最終的には緑川の足元から伸びて吹き飛ばした。

 

 ボックスロックが効かないから個人技でのディフェンスで切り替えたってことか。流石は世界レベル。対応が早い。

 

 バラックからサマーズに。俺はサマーズの前に立つ。するとサマーズはボールを少し浮かせ、そのまま俺に背を向ける。

 

「カンガルー…キック!!」

「ぐぁッ!」

 

 背を向いたサマーズは両足でボールを俺に蹴り込み、吹き飛ばした。ちょうど鳩尾辺りに当たって超痛い。

 

 両チーム一進一退の攻防が続く。

 ボールは鬼道に繋がる。鬼道に向かって、アングルとウィンダスがスライディング。アングルのスライディングをジャンプで躱すが、着地した瞬間にウィンダスの大きな足が鬼道の足首辺りに直撃。

 

「うああァッ!!」

 

 鬼道は堪らず足首を押さえて倒れてしまう。今のはファウルだった様だ。

 

「鬼道、大丈夫か!?」

「あ、あぁ……大丈夫だ…!」

 

 フリーキックで試合再開。鬼道にボールが渡るが、まともに歩くことも出来ず、足首を押さえていた。そしてここで前半終了。

 0-1という不利な状況から、後半に挑むことになった。

 

 

 

 

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