やはり俺がサッカーをするのは間違っている。   作:セブンアップ

40 / 96
海を制する者

 0-1でハーフタイムに突入。鬼道は先程のスライディングで足首を痛め戦線離脱。代わりに宇都宮が入ることになる。

 

「後半の指示を伝える。吹雪、お前は中盤に下がって相手の攻撃の芽を詰め。宇都宮は、そのまま鬼道のポジションに入れ。前にボールを繋げろ」

「そ、そんな大事なポジション、俺でいいんですか?」

「お前がやるんだ」

「…はい!」

 

 宇都宮は、どこか緊張している。そんな宇都宮に、綱海が軽く励ます。

 

「ま、気楽にいけって。後ろには俺達が付いてっからよ」

「それから綱海」

「えぇッ!まさか、俺も交代?」

「綱海。お前は俺の指示を聞かず、外で特訓していた様だな」

 

 お前何してんだよ。つーか、逆によくバレずに外に出れたな。

 

「その責任として点を取れ。新たな必殺技でな」

「……知ってたのか。けど、まだ全然出来てなくってよ…」

「完成していないのは、頭にビジョンがないからだ。ビッグウェイブスを倒すためにどんな必殺技が必要なのか、お前には分かるはずだ。ヒントは、あのフィールドにある。誰にだって自分だけのステージがある。…行け!海はお前のモノだと証明しろ!」

「…はい!」

 

 後半戦が間も無く始まる。ボックスロックがなくても十分に固いGK技のグレートバリアリーフ。あれを打ち破るには何が必要だろうか。

 

 ホイッスルが鳴る。

 FWのリーフとジョーンズが共に攻め上がってくる。だが、入ったばかりの宇都宮がディフェンスに行った。

 宇都宮に対して、リーフとジョーンズがワンツーパス。宇都宮は抜かれた……と思いきや、宇都宮は抜かれた瞬間に左足を後ろに伸ばしてボールをインターセプト。

 

 宇都宮はそのまま攻め上がり、ドルフィンとアングルを躱して豪炎寺に繋ぐ。

 

「爆熱……ストォォーーム!!」

「グレートバリアリーフ!」

 

 豪炎寺は爆熱ストームを打ち放つが、ベイカーのグレートバリアリーフに止められてしまう。

 後半も前半と同様、一進一退。時間だけが削れていく。

 

 ボールは俺に回され、バラックを抜き去ってシュートを打つ。

 

「アストロゲート…V2!!」

「グレートバリアリーフ!」

 

 アストロゲートを打ち込むが、やはりベイカーに止められてしまう。ベイカーからアングルへと大きくパス。だが、それを宇都宮がトラップ。

 

「俺に回せ!」

 

 後ろから攻め上がってきている綱海が宇都宮にパスの指示。宇都宮は綱海にパスを出し、綱海は新必殺技の体勢に入る。

 

「うおおおォォッ!!!」

 

 綱海の新技が炸裂。しかし、

 

「グレートバリアリーフ!」

 

 綱海の新技はグレートバリアリーフによって防がれる。

 

「その程度で乗りこなせると思うな」

 

 まだ綱海の新技は完成していない。綱海の表情から察しても、それは伺える。

 

 ビッグウェイブスの逆襲。ベイカーからドルフィン、そしてサマーズからFWのジョーンズに繋がった。ジョーンズのシュートチャンス。

 

「メガロドンッ!!」

 

 ジョーンズはメガロドンを放つ。対する円堂は。

 

「この技は一度見た!」

 

 円堂はなんと目を閉じる。そして目の前にメガロドンが迫ると目を開き、正義の鉄拳の体勢。

 

「正義の……鉄拳!!」

 

 なんと円堂、土壇場で正義の鉄拳を進化させてメガロドンを完璧に弾き飛ばす。弾き飛ばされたボールは綱海に渡る。

 

「俺に乗れねぇ波はねぇ!!」

 

 綱海は再び新技の体勢に入る。ツナミブーストの波以上に更に荒れ狂う中で、綱海は完璧に乗りこなしてみせた。

 

「うおおおおォォォォッ!!いけえええェェェッ!!」

 

 ツナミブーストの進化技がベイカーに飛んでいく。

 

「グレートバリアリーフ!」

 

 ベイカーのグレートバリアリーフが綱海の新技を食い止めようとする。

 

「海は……俺のモンだあああァァッ!!」

 

 綱海が打ったシュートは激しく回転し、グレートバリアリーフを打ち破る。

 

「な、何ッ!?」

 

 ボールはベイカーの後ろに。

 綱海がグレートバリアリーフをついに破り、同点に追いついた。

 

「よっしゃああああァァァッ!!」

 

 綱海はガッツポーズをする。

 

 しかし、恐ろしい監督だ。綱海が必殺技を編み出しているということも知っていて、それでいて的確な指示。これだけを見ていると、久遠監督が事件を起こしたとは考えにくい。

 まぁ、あまり気にしないでおこう。本当に久遠監督がチームを潰す気があるなら、その時に考えればいい。

 

 するとここで、ビッグウェイブスはメンバー交代。アングルからクライブに。

 ここで交代させるということは、またこちらの動きを封じるためのもの……。恐らく、綱海の新技を危険視したんだろう。

 

 試合が再開すると、予想通り綱海にマンツーマンでマークが付く。

 

「陸では俺に敵う者はいねぇ」

「小せぇな、お前」

「何だと?」

「男ならこんなネチネチやってねぇで、ガツンとぶつかってきやがれ!」

 

 綱海はクライブのマークを振り切った。それを見た宇都宮は、再び綱海にパス。

 

「これ以上打たせるな!」

 

 綱海に対して徹底したディフェンス。綱海は仕方なく、壁山にパスを出す。だが、壁山以外は全員マンツーマンのマークに。壁山が孤立してしまった。

 そんな壁山を土方にマークしていたジョーンズが襲いかかる。

 

「ひいいぃぃッ!!どーしたらいいっスかぁぁ!?」

「一人で持ち込め!」

 

 壁山が慌てふためいた時、久遠監督の指示が飛んでくる。ジョーンズは壁山に向かってショルダーチャージ。一度体勢を崩されかけるも、

 

「負けないっスううぅぅッ!!」

 

 壁山は気合いで粘り、逆にジョーンズを倒して突破する。

 

 なんだよカッコいいな壁山。

 

 ジョーンズを突破した壁山は前にいる宇都宮に繋げる。宇都宮はシュートの体勢に入る。だが、豪炎寺をマークしていたカーメイが宇都宮に向かってスライディング。

 宇都宮は機転を利かせて、シュートと見せかけてカーメイのスライディングを軽やかに躱す。

 

「豪炎寺さん!」

 

 宇都宮から豪炎寺へのラストパス。豪炎寺は爆熱ストームの体勢ではなく、新たな必殺技の構えに入る。

 

「はあああァァ!!せあああァァッ!!」

 

 ファイアトルネードの回転を更に速くし、その勢いを使って爆熱ストーム以上の威力を生み出す炎のシュートがベイカーに襲いかかる。

 

「グレートバリアリーフ!」

 

 しかし、グレートバリアリーフは容易く破れてしまい、ベイカーごとゴールに叩き込んだ。

 

 2-1。ついにビッグウェイブスから逆転する。

 

 そして、試合終了の長い笛。

 ビッグウェイブスを下して、初戦を突破した。

 

「……ふぅ」

 

 大歓声の中で試合したせいか、どっと力が抜けてしまう。まぁ、俺前半頑張ったし?ボックスロック破ったし?

 

「ご苦労だった、八幡」

「お疲れ様、比企谷くん」

 

 八神と雪ノ下からスポーツドリンクを差し出される。

 

「…なんだ貴様。私が八幡に渡すのだ。他所へ行け」

「私、結構負けず嫌いだから。そう言われると余計に行きたくなくなるの」

 

 頼むから喧嘩すんな。

 俺は二人からスポーツドリンクをひったくり、一気に飲み干す。

 

「…これでいいだろ。頼むから喧嘩するなら他所へ行け他所へ」

 

 やばい。一気に飲んだせいでお腹ちゃぷちゃぷだわ。誰かこの場所変わってくれねぇかな。

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。