やはり俺がサッカーをするのは間違っている。   作:セブンアップ

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アジア予選決勝

「お久しぶりですねェ、飛鷹先輩」

 

 FFスタジアムに向かう途中、以前俺達に絡んできた不良のリーダーとまた違う取り巻きが妨害してきた。

 

「唐須……テメェ何の真似だ!」

「今から大事な決勝戦らしいじゃないですかァ。だから応援に来たんですよ。ほら、先輩にお世話になった連中もこんなに集まってくれましたよォ」

 

 借りを返すってのはこういうことだったか。この騒動を収めるために、円堂と飛鷹、それに綱海や土方がキャラバンから降りていく。

 

「そこを退いてくれ!スタジアムに急がなくちゃいけないんだ!」

「えェ?折角応援に来た友達を追い返すんですか先輩ィ?」

 

 そんな唐須の言葉に、綱海は苛立ちの表情を見せて迫る。

 

「何が応援だ!タチの悪い嫌がらせじゃねぇか!」

「おっ?いいんですかァ?喧嘩なんかしちゃったら折角の決勝戦、出場停止処分になっちゃいますよォ?」

 

 確かにここで揉め事を起こせば決勝戦には出れなくなる。かと言ってこのまま手を拱いていると決勝戦に出れなくなる。こいつらはどうしても俺達を試合に行かせたくないらしい。

 

「お別れです、みなさん」

 

 そんな中、飛鷹が突然に別れを告げる。

 

「行ってくれキャプテン。俺がこいつらの相手をする。元は俺が招いた問題。こんなことで、みんなの夢を台無しにしたり出来ねぇ」

「へェ……やるんですかァ?」

「あぁ」

 

 飛鷹が不良達に詰めて行こうとすると、円堂が飛鷹の肩を掴み引き止める。

 

「やめろ、飛鷹」

「大丈夫ですよ。こんな連中、俺一人で…」

「違う。お前も一緒に試合に出るんだ。誰一人欠けちゃいけない……俺達は、全員でイナズマジャパンなんだ!」

 

 円堂は飛鷹にそう説得する。だが、そんなやり取りに唐須は鼻で笑う。

 

「美しい友情っすねェ………そんなもん!!全部俺達がぶち壊してやるぜえええェェ!!」

 

 唐須と取り巻きは飛鷹と円堂に襲い掛かろうとするが、それを阻止した者達が俺達の前にスケボーで現れた。

 

「間に合ったみたいですね…!」

「す、鈴目?」

 

 そいつらは、以前俺達に絡んできた不良の取り巻きだった。あとの一人は、初めて見る顔だ。

 

「飛鷹さん、ここは俺達に任せてください!」

「これ以上、唐須のやつに好き勝手にはさせません!」

「お、お前達……」

「急いでください!試合に遅れちゃいけません!」

「す、鈴目……」

「俺達の夢を消さないでください…!飛鷹さんが活躍するのが、俺達の夢なんです!…羽ばたいてください、飛鷹さん!世界に!!」

 

 俺達は鈴目とかいう不良に後を任せて、キャラバンでFFスタジアムまで向かった。

 本当、なんだあのカッコいいあいつらは。ドラマでも中々ないぞ。

 

 

 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 俺達はFFスタジアムに到着。出口前には、久遠親子が待っていた。

 

「遅れてすみません!」

「…全員揃っているな?行くぞ」

「「はい!!」」

 

 俺達はFFスタジアムに入場。観客席を見回すと今まで以上に人が増えている。流石は決勝戦だ。

 

 俺達はベンチ前で円陣を組む。

 

「みんな!いよいよ決勝戦だ!絶対に勝って、世界に行くぞ!!」

「おぉ!!」

「…元気そうだね」

 

 俺達が円陣で意気込むと、俺達に話しかける者が現れる。そちらに目線を向けると、そこにはあいつがいた。

 

「それでこそ、全力で倒す価値があるというものだ」

「あ、アフロディ!?」

 

 俺達の目の前には、世宇子のキャプテンで一時的に雷門の仲間だったアフロディがいた。いや、アフロディだけではなく、後ろからまた見知った顔が現れる。

 

「やっと会えたね」

「長くて退屈したぜ。決勝戦までの道のりは」

「ガゼル!?」

「…バーンまでもが何故ここに……」

 

 アフロディの後ろから現れたのは、エイリア学園ダイヤモンドダストのキャプテンであるガゼル、そしてプロミネンスのキャプテンであるバーンがアフロディと同じユニフォームを着ていた。

 その顔ぶれに俺は勿論、基山や八神、緑川が驚く。

 

「涼野風介。南雲晴矢。彼らもまた、僕のチームメイトさ」

「それじゃあ、まさか……」

「そう。韓国代表…ファイアードラゴン!」

 

 バーンとガゼルがいなくなったのは、韓国代表に入ったからなのだろう。

 とはいえ、三人とも日本人なはず。何故韓国代表に選ばれているのか。

 

「でも、なんで…?」

「不思議ではないだろう?僕が母国のチームに選ばれても」

 

 アフロディって、韓国出身だったのね。

 

「俺達は、アフロディにスカウトされてこのチームに入ることを決めた」

「もう一度、君達と戦うためにね」

「かつての僕達だとは思わないことだ。各々が過酷な特訓を重ねた。そしてこのチームには、チェ・チャンスウがいる」

 

 彼らの隣から現れたのは、藍色のアフロ頭にゴーグルが特徴で、目を閉じている戦士。左腕にキャプテンマークを付けているので、ファイアードラゴンのキャプテンは彼らしい。

 

「初めまして、イナズマジャパン。今日はいい試合にしましょう」

「あぁ」

「しかし、気をつけて。決勝戦のフィールドには、龍がいますから」

 

 彼はそう告げ残して、俺達の前から去っていく。

 ……韓国代表にも材木座みたいなやつがいるんだな。材木座に比べれば数十倍はマシなんだろうけど。

 

「……アフロディ達が相手とはな」

「確かに彼らも強力なプレーヤーだけれど、一番警戒すべきなのはあのチャンスウという男よ」

「…そんな強いのか?」

「…フィールドを支配する韓国きっての司令塔。その巧みなゲームメイクは完全なる戦術と呼ばれ、あらゆる敵を倒してきたそうよ。まさに希代の天才ゲームメイカー……龍を操る者と呼ぶ者もいるわ」

 

 流石はユキペディア。本当、どっからそんな情報仕入れてるのか気になるな。

 そんな情報を聞いて、怖気付くこともなく、逆に闘志に火が付いた者が一人。

 

「面白いじゃないか!やろうぜみんな!決勝戦だ!」

「「おぉ!!」」

 

 俺達は試合前のストレッチやウォーミングアップを入念に行なった。

 

「…まさか、ガゼルとバーンが韓国代表だったとはな……」

「まさに青天の霹靂だな。けど、こうやってエイリア学園の仲間達と戦い続けるのは、俺達の運命なのかもしれない」

「…成る程。なら、尚のこと負けられないな。砂木沼達の思いに掛けても」

「…そうだな。どのみち、勝つしかねぇな」

 

 そう。勝つしかない。世界一になる以上、相手が誰だろうが勝てばいいだけだ。

 ストレッチが終わり、決勝戦のスタメンを発表される。

 

「FWは吹雪、豪炎寺、基山。MFは風丸、鬼道、緑川。DF、比企谷、土方、壁山、綱海。そしてGK……立向居だ」

「「え、ええええぇぇッ!?」」

 

 このスタメンには俺も驚かされた。まさかの円堂がベンチスタートとは。このスタメンに、みんなが納得せずに意見する。

 

「ち、ちょっと待ってください!何故円堂をベンチに!?」

「今のチームに円堂は必要ない。それだけのことだ」

 

 久遠監督は簡潔に理由を述べた。俺達はその指示に従い、フィールドへと向かっていく。

 

 ……監督が意味もなく円堂を戦力外通告を言い渡すわけがない。つまり、今のあいつには足りない何かがあるということだ。それを円堂が気付かない限り、今日の試合には出られない。

 

 頼むからさっさと戻ってきてくれ。

 

 

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