やはり俺がサッカーをするのは間違っている。 作:セブンアップ
「エクス…カリバアアアァァー!!」
エドガーが自陣のゴールエリアからエクスカリバーを放った。徐々に威力を増していくエクスカリバーに、再び壁山が挑む。
「ザ・マウンテン!!」
壁山がザ・マウンテンでエクスカリバーを止めようと食らいついていくが、
「無駄だ!」
ザ・マウンテンが砕かれてしまい、そのまま円堂へと飛んでいく。
「いかりのてっつい!!」
円堂はいかりのてっついを繰り出し、エドガーのエクスカリバーを間一髪で死守する。円堂がボールを止めて、反撃を開始しようとするが、壁山がうつ伏せのまま倒れて立ち上がらないでいた。
「壁山ッ!!」
どうやらさっきのエクスカリバーで無理をし過ぎた様だ。今までエクスカリバーを止めようと必死でブロックしていたからな。恐らく、これ以上のプレーは難しいだろう。
「壁山、よく頑張ったでやんす!」
「根性あるな、お前」
「何度もやられたら悔しいっス!イナズマジャパンの失点は、俺達だけの失点じゃないっスから!」
「…壁山……」
「…分かった。後は任せとけ」
壁山がベンチに下がり、代わりにFWの染岡が入る。アブソリュートナイツが綻びを見せ始めている今、攻撃中心のフォーメーションは妥当なところだと言えるだろう。
試合が再開し、円堂から俺に渡る。ナイツオブクィーンは、アブソリュートナイツの体勢になる。
「鬼道!栗松!」
俺達は再び縦の布陣で攻め上がっていく。先程と同じ様にアブソリュートナイツに向かって進行していく。
「宇都宮!」
俺は栗松と見せかけて相手の裏をかき、宇都宮にパスを出すが、ジョニーがそれをインターセプト。読まれていたのか。
「エドガー!」
「行かせるかよ!」
ジョニーからエドガーへのパスを染岡がカット。そのまま攻め上がっていく。
「染岡!」
少し先行している豪炎寺へとパス。デービッドとGWのフレディが豪炎寺に警戒を始めた。豪炎寺はその裏をかいて、染岡へとボールを戻す。
「このユニフォームを着ることの重さは、俺が一番知っているんだ!」
染岡は必殺技の構えに入る。上空から翼と手足のある巨大なドラゴンが降臨し、大地を踏みしめた反動でボールが浮き上がる。
「ドラゴン……スレイヤァァァーッ!!」
足を大きく振りかぶってボールを蹴り込むのと同時に、ドラゴンがボールに撃ち出す形に口から破壊光線みたいなものを発射。
強烈な威力を誇るシュートが、フレディの逆を突いてゴールに叩き込んだ。
「よっしゃあああぁぁッ!!」
入って早々に染岡の同点ゴール。選考試合からだいぶ特訓を重ねたのか、染岡は化けた。その積み重ねが、今の1点に繋がったのだ。努力は結果を裏切らないとは、まさにこのことである。
「……凄ぇわ」
見えないところで染岡は努力をしていた。その姿に素直に敬服するよ。
1-1の同点となった中、ナイツオブクィーンがメンバー交代。MF4人と控えのGKメンバー以外を全員交代させた。
オーストラリア戦みたいに、アブソリュートナイツが破られたから違う策で来るという可能性が見られる。
次はどういう策なのかと気構えていると、ナイツオブクィーンは妙な布陣に切り替わった。両サイドをガラ空きにして、中央に密集する布陣となる。
ここにきて揺さぶりをかけてきたな……。
試合が再開し、エドガーがボールを持つ。豪炎寺がエドガーへと向かっていくと、エドガーは後方にいるデービッドにバックパス。同時にDFがサイドから上がってくる。そのDF達をサイドにいた俺と染岡、宇都宮と基山が警戒する。
デービッドに向かって再び豪炎寺が走っていく。デービッドは前線にいるエドガーへとパス。
エドガーが駆け上がってくるが、同時にエドガーの前からフィリップが、サイドにはニックとマイキーが着いた。刹那、4人は青いオーラを纏い、まるで槍の様にイナズマジャパン陣内に攻め込んでくる。
センターにいた鬼道と土方が止めようと試みるが、簡単に中央突破されてしまう。そのままエドガー達はDF達を次々と倒していく。
「見たか!これが攻撃型必殺タクティクス……無敵の槍!」
ナイツオブクィーンがメンバーを変えたのは、無敵の槍を発動させるためだったのか。
エドガー以外のメンバーはバラけて、円堂と一対一に持ち込んだ。
「行くぞ!」
「何がなんでも止めてやる!」
「フッ…ここはこの技だ」
エドガーはエクスカリバーの体勢ではなく、横に一回転して左足でトーキック。
「パラディン……ストライクッ!!」
エドガーのもう一つの技が円堂に向かって飛んでいく。
「いかりの…てっつい!!」
円堂はいかりのてっついを発動。だが、威力はパラディンストライクの方が勝り、再びゴールを決められてしまった。
エクスカリバーの他にもあんな強烈なシュートを持ち合わせていたとは。流石はプロが注目しているプレーヤー。
円堂が決められて前半を終える。俺達は後半のためのミーティングのため、控え室へと戻る。
「これ以上の失点は許されない。後半はボールをキープして、常に動かし続けろ。鬼道、お前がコントロールしろ。分かったな」
久遠監督の指示に鬼道が頷く。
「そしてもう一人は不動。後半はお前達二人が司令塔だ。同時にピッチにいる意味を考えてプレーしろ」
「……そういうことだよ、鬼道クン?」
「…あぁ。…円堂、ゴールは任せたぞ」
「あぁ」
後半の作戦を練り、再びグラウンドに戻る。ここでメンバー変更。土方、綱海、栗松に代わって不動、佐久間、木暮が入る。
後半開始のホイッスルが鳴る。俺達は中央を大きく空けて、ナイツオブクィーンを誘い出す。
「ならば遠慮はしない!無敵の槍!」
再びナイツオブクィーンは無敵の槍を発動。
「飛鷹!狙うのはシュートの瞬間だぞ!」
「あぁ!」
無敵の槍が解け、シュートを撃つ瞬間を見逃さず、木暮と飛鷹がエドガーに迫り来る。木暮は躱されてしまうが、エドガーは躱した反動で飛鷹を抜き去ることが出来ず。
「どりゃあああァァッ!!真空魔!!」
飛鷹のディフェンス技でエドガー、および無敵の槍を封じ込めた。
シュートを打つときを狙ってガードをしている選手を引きつけ、ボールを奪った。
飛鷹から鬼道へと渡る。
「相手にボールを渡すな!」
鬼道から木暮に、木暮から基山に。
「飛鷹くん!」
基山から飛鷹にボールが行く。
「右に流れるぞ!」
飛鷹から今度は俺に渡る。鬼道、そして不動の指示の下で俺達はボールを繋げ続ける。目まぐるしくボールが移動することでナイツオブクィーンを翻弄する。
次にボールは不動に渡る。
「染岡!豪炎寺!」
前線にいる染岡と豪炎寺が一気にゴールへと上がって行く。
「これ以上好きにはさせない!」
エドガーが不動に迫る。
「今だ、ヒロト!」
不動から基山へのパス。
「1m右だ!」
鬼道の指示で基山はボールをトラップ。そして、必殺技の体勢。
「流星ブレードッ!V2!!」
基山の流星ブレードがフレディに向かって飛んでいく。
「ガラティィィーン!!」
フレディは気を右手に溜め、上に突き上げる。すると、右手には巨大な剣が備わり、それを流星ブレードへとぶつけて一刀両断。
しかしイナズマジャパンの攻めは止まらない。ボールは不動に渡る。
「虎丸!」
不動から宇都宮へのパス。だが、目の前に立ちはだかるのはDFのランスである。
「何度来ても無駄だ!ストーン…プリズン!!」
ランスはストーンプリズンを発動。しかし、柱を隔てて様子を確認するが宇都宮はどこにもいなかった。
「これならどうだ!」
宇都宮は豪炎寺と同じくストーンプリズンをジャンプで躱す。そのまま宇都宮は必殺技の構えに入る。
「はああァァ!!」
宇都宮が両手を広げると、同時に周囲に鋭い剣が出現する。
「せぇやああァァ!!」
宇都宮がボールを蹴り込む。すると、出現した剣もワンテンポ送れてボールと共にフレディに向かって飛んでいく。
「ガラティィィーン!!」
フレディはガラティーンで宇都宮の新技にぶつける。しかし宇都宮の新技の方が威力が高いため、ゴールを許してしまう。
イナズマジャパンは2-2の同点に追いついた。
試合時間はあまり残されていない。次の1点が決勝点となる。ナイツオブクィーンからキックオフで試合再開。
フィリップにボールが渡るが、
「もらったッ!」
すれ違い様に俺はフィリップからボールを掠め取る。ビートとニックがマークに入るが、奪われる前に染岡へと繋げる。
「行け!染岡!」
ボールを受けた染岡はデービッドを躱してゴール前に。
「轟け!!ドラゴン……スレイヤァァァーッ!!」
染岡が渾身のドラゴンスレイヤーを放つ。
「負けるわけにはいかない!代表の誇りにかけて!!」
だが、エドガーが前線からゴール前まで戻ってきていた。そしてエドガーはドラゴンスレイヤーに挑み始める。
「エクス……カリバアアアァァァァーッ!!」
エドガーはエクスカリバーを発動し、ドラゴンスレイヤーにぶつける。
「ぐおおぉぉッ!!」
するとエドガーは染岡のドラゴンスレイヤーを直接蹴り返す。
「なんだと!?」
ドラゴンスレイヤーと自陣のゴールから打ち放った威力が合わさって、史上最強のエクスカリバーが地面を抉って円堂に向かって飛んでいく。
「旋風陣ッ!はああァァ!!」
しかし、木暮は簡単に吹き飛ばされてしまい、残るは円堂ただ一人となる。今の円堂ではエクスカリバーを止められない。ここで踏ん張るかどうかは円堂の力量次第だ。
「…そうかッ!止める必要はない!ゴールに入れなければいいんだ!」
円堂はいかりのてっついの構えではなく、気を右手に溜めて上空へジャンプする。
「どんなシュートでもゴールに入らなければ、得点にはならないんだぁッ!!」
円堂は気の溜まった右手を地面に叩きつける。すると円堂の周囲にエネルギーフィールドが発生し、エクスカリバーを後方に受け流して得点を阻止。
「…なんじゃあれ……」
エクスカリバーを止めたことにも驚いたが、その止めた方法だった。
大体は何かしらの手段でボールをキャッチしたり、パンチングで跳ね返していたのだが、あいつはキャッチもパンチングもせずにエクスカリバーを止めた。
止めた、というより外させた、あるいは逸らしたというべきなのだろうか。
「やった!出来たぞ!」
あんな技を土壇場で繰り出すなんて……。
我がチームのキャプテンは本当に無茶苦茶だわ。
「比企谷ぁッ!!」
円堂からボールを受け取って、ナイツオブクィーンを次々と突破していく。しかし、俺の前にはエドガーとランスが立ちはだかる。
「行かせはしない……騎士の誇りにかけて!」
「鬼道、不動!行ったれ!」
俺は後ろにいる鬼道にパスを出して、相手に隙を生み出す。
「行くぞ不動!」
「偉そうに命令すんじゃねェ!」
鬼道と不動は、韓国戦で見せたあの連携技の構えに入る。
「キラー…フィールズ!!」
キラーフィールズで二人を吹き飛ばし、宇都宮へとラストパス。
「行くぞ!」
「はいッ!」
宇都宮と豪炎寺はゴール前に。そして、あの連携技の構えに入った。
「うおおォォッ!!タイガー……!!」
「ストォォーームッ!!てぇやああァァッ!!」
韓国戦で見せた連携技、タイガーストームがフレディに向かって飛んでいく。
「ガラティィィィーーン!!」
フレディも全力のガラティーンでぶつかってくるが、タイガーストームはそれを破ってゴールに叩き込んだ。
3-2の逆転。そして試合終了のホイッスルが鳴り響く。強豪ナイツオブクィーンを辛うじて撃破。
「よぉーっし!!やったぞ、みんな!!」
今回は特に染岡と円堂が活躍したと思う。特訓を重ねた末のドラゴンスレイヤーに、規格外の技でシュートを逸らした円堂の技。
今更だが、改めてイナズマジャパンのサッカーは凄いということを実感した。
しかし、大会はこれからだ。
アルゼンチンやアメリカ、それにイタリア……イギリスと同等、もしくはそれ以上の実力を持つチームがまだ残っている。
気を引き締めないとな。
つくづくエクスカリバーはチート技だと思うんです。エクスカリバーもだけどエドガーも。