やはり俺がサッカーをするのは間違っている。 作:セブンアップ
アルゼンチン代表ジ・エンパイアに敗北した俺達は、次の試合に向けて特訓を行なっていた。次の対戦相手は、アメリカ代表ユニコーン。一ノ瀬や土門などがいるチームだ。
特訓しているそんな中、俺達の耳に朗報が入った。
「久しぶりに会えるな、あいつに!」
みんな
宿舎前にキャラバンが止まり、その人物はゆっくりとこちらに歩いてきた。
「相変わらずだね、みんな」
その人物は、穏やかに微笑む。
「吹雪!!」
そう。イナズマジャパンのストライカーである吹雪士郎が帰ってきたのだ。韓国戦での怪我で、もう合流することは難しいと思われていたのだが。
「吹雪、よく帰ってきてくれた。怪我はもう大丈夫なのか?」
「予定よりだいぶ早いじゃないか。頑張ったんだな、リハビリを」
「うん……。アルゼンチン戦を観ていてとても悔しかったんだ。何も出来ない自分がね……。だから、早く合流したかったんだ。みんなと一緒に、世界と戦いたかったんだ…」
アクシデントだったとはいえ、一時的に代表から外されてしまった。きっと悔しかったんだろう。それでも、世界と戦いたいという理由が彼を奮い立たせて、辛く苦しいリハビリもあっという間に終わらせてきた。
染岡達と同様、凄い努力だ。
「吹雪さんがいれば、イナズマジャパンはもっと強くなるっス!」
「…喜んでる場合かよ。吹雪が代表に戻ってきたってことは、誰かが落とされるってことだぜ?」
不動の言う通りだ。吹雪が帰ってきた反面、人数制限により誰かは必ず代表から外されてしまう。
「…その通りだ。…吹雪に代わって代表から外れるのは……」
監督は一度、俺達を見回す。そして、代表から外れる者の名を挙げる。
「……栗松だ」
「えっ……!」
「栗松っスか!?」
「これは世界に勝ち抜くための判断だ」
久遠監督は淡々とそう言い放つが、栗松の脱退に壁山や立向居などが納得していなかった。
「監督、栗松はアルゼンチン戦で凄く頑張ったっス!」
「俺が魔王・ザ・ハンドを完成させることが出来たのも、栗松の協力があったからです!」
「…既に決定したことだ。栗松、帰国の準備をしろ」
「監督!」
しかし、彼らの説得は久遠監督には届かなかった。
「栗松!お前からも頼むっス!」
「やめろ!」
壁山が栗松からも頼むように促すが、染岡がそれ止めた。
「栗松に必要なのは同情じゃねぇ。さっさと日本に帰ることだ」
「染岡……」
「さぁ、さっさと練習始めようぜ!」
染岡はそう言って一人、練習を開始しようとした。
「染岡さん、どうしてそんな冷たいことが言えるんスか…?」
「…染岡だから言えるのさ」
「えっ?」
「染岡は、アジア予選の代表に選ばれなかっただろ?凄く悔しかったと思う。でも、諦めないで必死に練習して、そしてレベルアップした。それが監督に認められたからこそ、代表に呼ばれたんだ」
染岡も一度は落とされた。だが並々ならぬ精神力で必死に練習して代表を勝ち取った。その結果が、あのドラゴンスレイヤー。
「…"とっとと日本に帰れ"……早く日本に戻って特訓しろ……時間を1秒も無駄にするなってことでやんすか…?」
中々のヒールっぷりだ。しかし、カッコいいじゃねぇか。
「……分かったでやんす。俺もレベルアップして、戻ってくるでやんす!」
栗松はそう意気込んで、帰国の準備を始めた。
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空港にて、俺達は栗松の帰国を見届けた。栗松が乗るイナズマジェットは、ゆっくりと動き始めていく。
「へェ。中々の去り際じゃないか。ま、足の怪我も軽くないみたいだしな」
そう。彼はアンデスのありじごくを突破して豪炎寺にボールを繋げる際、かなり強引な体勢で繋いだ。着地した瞬間、彼は右足を捻ってしまったのだ。
「…テレビ越しでよく気付いたな、お前」
「…まァな」
栗松が乗るイナズマジェットは、段々と宙に浮いていき、そのまま空の彼方へと飛んでいく。
頑張れよ、栗松。
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翌日。
俺達はみんなで集まって試合を観ていた。エドガー率いるイギリス代表ナイツオブクィーンvsミスターKが就任したイタリア代表オルフェウス。
結果は2-1のオルフェウスの逆転勝ちだった。
最初は、ナイツオブクィーンの必殺タクティクス、無敵の槍で相手のディフェンスを突破し、エドガーが1点をもぎ取る。前半はナイツオブクィーンが優勢で終わるが、後半からオルフェウスの動きが明らかに代わってナイツオブクィーンを翻弄。一気にキャプテンであるフィディオが2得点。
「鬼道……!」
「あぁ、間違いない。イタリア代表の力を引き出し、イギリス代表を破る作戦を授けたのは影山だ」
曲がりなりにも40年間帝国を優勝に導いた指導者。率いて間もないチームを劇的に変えてしまった。その手腕は恐ろしいものだと理解した。
そして俺達は、再び次の試合に向けて特訓を開始した。
しかし、いつもより周りがピリピリしており、特に円堂、鬼道、佐久間、不動が特に気が荒だっていた。恐らく、影山の采配を観て少なからず影響してしまったのだろう。
俺は一人、リフティングを続けていた。
「比企谷くんは合流しないの?」
「正直、今特訓しても得られるものは何もない」
影山に影響されていつものあいつらのサッカーが出来ていない。そんなやつを相手にしても、無意味だ。
「練習中止!グラウンドでサッカー以外のことを考えるな!頭を冷やせ!」
監督はそう喝を入れて、グラウンドから去っていく。まぁ、妥当な判断だわな。
俺はとっとと宿舎に帰って、残りの時間はベッドでひたすらゴロゴロして暇を潰した。
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さらに翌日。
「久遠監督。昨日はすみませんでした」
「もう大丈夫です」
「「よろしくお願いします!!」」
練習開始時に、昨日の練習を反省していることを伝え、気を引き締め直して特訓に臨む姿勢を見せる。
「…それでは、今日の練習を始める」
「「はい!!」」
俺達は再び特訓を開始した。打倒ユニコーンという目標を胸に抱いて。
この部分を投稿する意味あったのか疑問なところ。
正直なところ、この話は栗松の別れと吹雪の再会がメインです。フユッペの話は、八幡となんら関係ないと思ったので飛ばしました。
その結果、短くなってしまったのであしからず。