やはり俺がサッカーをするのは間違っている。 作:セブンアップ
魔界軍団Zから音無を奪還し、天空の使徒から円堂達が浦部を取り返した。決勝トーナメントに戻れると思いきや、魔界軍団Zのリーダーのデスタと、天空の使徒の長であるセインが、何故か同じユニフォームを着て、俺達を睨みつけていた。
「ぐッ…円堂ッ…!」
すると、セインは頭を抑えて苦しみ出す。
「セイン!」
「……黙れ」
しかし、セインはまた冷たく、憎しみを込めた目に戻る。
何なのあいつ。二重人格か何かなのん?
「どうなってるんだ…」
「魔界が天界を飲み込んだのだ」
円堂の疑問に答えたのは、謎の老人達だ。
「…お前らマジで何者なんだよ」
「「我らは天界魔界の儀式を執り行う者」」
「セインに何かしたのか?!」
「…数刻前、この者達は花嫁と生贄を奪われたことで、もはや互いに相手を実力で封じようと考えた…。古よりの定め……魔界は天界を、天界は魔界を憎み…。その憎しみはデモンズゲートの地中深くに溜め込まれていった…。長い時間をかけて満たされた双方の憎しみは、新たなる邪悪な力を生み出すこととなった……」
「…均衡していた二つのバランスは崩れ、そして魔が天を飲み込み、世界を絶望に染める……。その天魔の化身こそ……"ダークエンジェル"なのだ!」
感覚的には、ダイヤモンドダストとプロミネンスが混ざったザ・カオスに近いチームってことか。…まぁ過程は全く違うが。
「ついに……ついに復活したンだ……魔王様がァ!」
「魔王?」
「ど、どこにいるんスか!?」
「……多分、あいつらのことだろ。魔王って」
「えぇッ?!」
俺はやつらに指差して、みんなに教える。状況的に考えて、十中八九ダークエンジェルが魔王に違いない。
すると、再びセインが頭を抑えて苦しみ始める。
「…あ、悪魔に意識を支配されるなど、なんということだ……。…止めてくれ!我らの手が穢れぬうちにッ……!」
「セイン!?」
「フフハハハ……フハハハハハッ……」
セインは高らかに笑い始めた。先程までは、自我を持っていたのだろうが、今のセインは完璧に悪魔に染まってしまっている。
「はあァッ!」
セインがサッカーボールを、円堂目掛けて打ち込んだ。円堂はボールを受け止めようとするが、ボールのあまりの威力に吹き飛ばされてしまう。
「円堂!」
「フハハハッ………お前達の魂、寄越すがいい」
「…サッカーは、そんなことのために使うんじゃない…!お前は俺達と試合して、サッカーの楽しさを分かってくれたんじゃないのかよ?!」
「…円堂よせ。今のあいつらに何言っても無駄だ」
セイン本来の意識は悪魔に乗っ取られている。セインの目的はサッカーを楽しむことではなく、俺達を徹底的に潰す気なんだろう。
「我らは魔界も天界も超えた存在……ダークエンジェル。魔王なのだァ!」
すると、俺達の周りからスポットライトが当てられる。そのスポットライトが俺達の周りを回転し始める。
「な、なんやこれ……?」
「戦って分かった……お前達の魂は素晴らしい。よって、我々がより完璧なる魔王になるための、生贄にしてやるぜ」
デスタが指を弾いて鳴らすと、特定の11人がスポットライトに包まれる。
「今光に包まれた者が選ばれた11人。共にこの11人で儀式を行う……交代はなしだ」
「さぁ、昇天するがいい。お前達の愛するサッカーでな」
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ダークエンジェルとの試合が始まろうとしていた。FWは基山、豪炎寺、レアン。MFは、不動、鬼道、フィディオ。DFは俺、壁山、テレス、吹雪。GKは円堂。
「これより、儀式を執り行う」
ダークエンジェルからのキックオフでホイッスルが鳴り響いた。
「ダークエンジェルの力…」
「思い知るがいい」
基山とレアンがボールを奪いに行こうとするが、目にも留まらぬ速さで抜き去る。
次に豪炎寺が向かっていくが、素早いパスであっという間に突破した。
「速くなってるわ!」
「パワーアップしてるのか!」
セインとデスタのツートップが次々と抜き去って、ゴール前にまで迫ってくる。
「恐怖しろォ!」
「そして魂に還るがいい!」
デスタが空中でボールを足で挟みながら回転する。するとサッカーボールの色が反転する。
「シャドウッ…!!」
デスタは反転したボールをセインにパス。
「レイッ!!」
そのボールをセインがオーバーヘッドキック。凄まじいオーラを纏ったシュートが円堂に向かっていく。
「イジゲン・ザ・ハンドッ!改ッ!!」
しかし、イジゲン・ザ・ハンド改は簡単に破られてしまう。
たった数分で1点を取られてしまった。これがダークエンジェル……魔王の力なのか。
「いいぜェその顔。恐怖を味わうほど魂は美味くなる……もっと恐怖しろォ……もっとォ!」
ダークエンジェルのあまりの強さに、みんなは唖然としていた。
「何ボーっとしてんだお前ら!」
不動がみんなに喝を入れる。
「取られたら取り返す!それがサッカーってもんだろ!」
「不動……」
「…そうだ!みんな反撃だ!」
俺達のボールで試合再開。
不動にボールが渡り、鬼道と共に持ち込んでいく。
「キラー……フィィールズ!!」
二人の連携技のキラーフィールズで突破しようと試みる。しかし、MFの位置にいるサタナトスは顔色一つ変えずに必殺技を繰り出した。
「ゴー・トゥー・ヘル!!」
キラーフィールズで纏った強烈なオーラさえも、サタナトスのゴー・トゥー・ヘルによって返り討ちにされた。
サタナトスからボールはウイネルに渡る。
「行かせない!」
フィディオとテレスは、同時にスライディングを仕掛けるがウイネルが簡単に躱す。
「スノー…エンジェルッ!!」
躱した先には吹雪が回り込んでおり、スノーエンジェルで間一髪攻撃を防いだ。しかし、3人がかりでやっとという感じだ。
ボールを奪った吹雪はオーバーラップして、豪炎寺と共にゴール前に詰めていく。
「うおおおォォ!」
「うおおォォッ!」
「クロスファイア!改!!」
進化したクロスファイアをGKアスタロス目掛けて打ち込んだ。アスタロスは右手をかざしてあの必殺技を繰り出す。
「ジ・エンドV2」
アスタロスも、進化したジ・エンドでクロスファイアに挑んだ。クロスファイアは圧縮されて、消されてしまう。
「フフフ……」
スピードやパワーが上がっているのは分かってはいたが、技まで進化してるとはな。ダークエンジェル優勢だ。
「恐怖しろォ。魂はますます美味くなる」
「魂魂しつこい!なんならお好みソースも付けたろか!?」
デスタの言葉にイラついた浦部が喧嘩を売った。
お好みソース付けた魂ってなんやねん。美味いんかそれは。
デスタは浦部に向けて、ニヤリと笑みを浮かべる。
「こいつらの後…お前の魂も美味しくいただく」
そんな発言に恐怖を感じた浦部はデスタに言い訳を伝える。
「う、ウチは根性が腐っとるから魂はめっちゃまずいで!?この二人なんてどうや!」
浦部はすぐさま音無と財前に指差す。あいつの変わり身の早さってば凄ぇ。
「なーんて、冗談や冗談……」
浦部は気を取り直して、俺達に向かって応援する。
「…万が一の時はあいつからだな」
「…はい」
浦部死亡のお知らせですご愁傷様でした。
ボールはサタナトスに渡り、不動がディフェンスに入る。
「デビルボール!」
サタナトスが蹴り込んだボールに悪魔の羽が生え、ボールが不動の周りを飛んで撹乱する。
ボールはそのままデスタに渡る。
「シャドウッ…!!」
「レイッ!!」
2発目のシャドウ・レイがゴールに向かって飛んでいく。
「ザ・マウンテン!!」
シャドウ・レイに壁山が立ち向かう。しかし、ザ・マウンテンは粉砕されてしまう。
「アイアン……ウォォール!!」
続いてテレスがアイアンウォールを繰り出す。だが、テレスのアイアンウォールでさえも破られてしまう。
「イジゲン・ザ・ハンド!改!!」
ザ・マウンテンとアイアンウォールで威力をかなり封じたシャドウ・レイにイジゲン・ザ・ハンドをぶつける。今度はなんとかゴールから逸れていき、追加点を死守した。
「助かったぜ!壁山、テレス!」
「よく守ったな」
「だが、それもどこまで持つかな?」
こいつらの力はバケモン並みだ。このまま攻められっぱなしじゃ、いずれジリ貧になる。点を取るのは簡単じゃない。
「…鬼道、不動」
「あぁ…」
「…言われなくて分かってんよ」
どうやら、俺の考えが彼らと一致しているようだ。流石は頭の冴える司令塔。何も言わずに伝わるとか便利だなおい。
「…豪炎寺、レアン、基山。お前らは絶対前線から離れんな。守りに徹するとか考えなくていい」
「……あぁ」
「…分かった」
豪炎寺と基山は前線に戻っていく。しかし、レアンだけが戻らずにいた。
「…はよ戻れ」
「……怪我だけは無しだから」
「…今更だな」
彼女は彼女なりの心配をして、前線に戻っていった。
気を引き締めて、俺達果敢に攻め上がる。しかし、ダークエンジェルの防御が崩せない。それどころか、再び一方的に攻められ続けてしまう。
ボールは再びデスタに渡る。
「やるぞ」
「ハッ、また二人でシャドウ・レイか…。一人で来いよ。それとも俺が怖いか?」
不動は息切れしながらも、デスタに挑発する。
「息切れしているお前など恐れるわけがねェ!」
デスタは荒々しいタックルで不動を吹き飛ばした。這い蹲る不動を、デスタは嘲笑う。
「話にならねェな……セイン!」
二人は再びシャドウ・レイの体勢に入った。デスタが回転をかけて、セインにパスを出そうとするところで。
「打たせるかァッ!」
俺は空中でデスタの強烈なボールをインターセプト。
「クソ痛ぇ…!」
俺は腹を押さえながら、なんとか意識を保って立ち続ける。俺はデスタに、皮肉げに感謝を伝えた。
「…パスしてくれて……ありがとさん…」
「ふざけるなァ!」
デスタは逆上して、こちらに向かって突進してくる。俺はヒールパスで、鬼道にボールを繋いだ。
「豪炎寺!」
鬼道は前線にいる豪炎寺へと繋げる。
「豪炎寺!ヒロト!グランドファイアよ!」
「けど、あれは虎丸くんがいなきゃ…!」
「いいから!私を信じなさい!」
「…よし!分かった!行くぞヒロト!レアン!」
三人がゴール前に攻め上がって、グランドファイアの体勢に入った。
「グランド……ファイアアァァッ!!!」
完全なるアドリブでのグランドファイアが、思った以上の威力を放ってアスタロスに向かって地面を抉りながら襲いかかる。
「ジ・エンドV2!」
アスタロスはジ・エンドを発動。しかし、グランドファイアがそれを上回って、ゴールに入っていった。
ダークエンジェルから1点を返して、前半が終了する。1-1の同点のまま、ハーフタイムとなった。
ゲームではレアン確かグランドファイアを使えたので、虎丸の代わりにレアンを出しました。虎丸好きの人はすんまそん。