Angel Beats! IF   作:Weikoo

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連投…。


No.2 いきなりなんだけど

「見苦しいところを見せたわね…」

 

泣き止んだゆりは、鼻をすすると少し恥ずかしそうにそう言った。

 

「いや、前にも言ったかもしれないけど、なんか女の子らしくていいと思うぞ。うん。」

 

「なっ!そ、そんなこと軽々しく言わないでよ!恥ずかしいでしょ!」

 

少し顔を赤くして、でも本当に嫌そう、という感じではない。

 

「はは、悪い。…それにしても、髪、黒になったんだな、染めたのか?」

 

前世では赤よりのピンクって感じの色だったが、すっかり綺麗な黒に染まっている。

 

「ちがうわ、生まれた時にこの色だったからそのままってだけ。……おかしい?」

 

少し不安そうに尋ねてくる。

 

「いや、似合ってるぞ」

 

「そ、そう…ならいいわ」

 

もじもじして、髪を指で巻いてくるくるしている。こんな様子は初めて見るな。

 

「なんだ、恋する乙女みたいだな、ゆり。随分と女の子してるじゃないか。…今は楽しいか?」

 

「…少し見ない間にちょっとタラシになったのかしら、まあ、充実はしてるわ、あなたこそどうなの?」

 

「俺も、人を助けられる人になりたいっていう目標に一歩ずつ近づいてる感じかな。ほらここの医学部入れたし」

 

するとなっ!?とゆりは酷く驚いたようだ。

 

「自分を過大評価する訳では無いけど、この大学って相当難しい大学よ?それに医学部なんて偏差値いくらだと思って……、あなたって頭良かったのね。」

 

かけ値なしに褒められるからさすがに少し照れてしまうが、まぁ自分で言うのもなんだがここの医学部は相当に難しい。正直入れたことは奇跡だ。

 

「まあ、かなり難しかったけど、前世の知識もあったしな、その分アドバンテージがあったんだよ。」

 

「…そういうものかしら、まあいいわ。学部は違うけど仲良くやっていきましょ。改めてよろしく、音無くん。」

 

「いや、今は音無じゃないんだ、鷹原弓弦、この際だし、よかったらゆづる、てよんでくれ。」

 

「ええ、そうね…同じ名前って訳には行かないわよね。それなら私も、今は空門ゆり、ていうの。今まで通りゆりでいいわ、ゆづるくん。」

 

名前で呼ばれて、少し照れてしまう。なんとも言えない、ちょっと仲良くなったみたいな気分だ。というかゆりも、ゆりだったんだな。名前は前と一緒かまさかな…。

 

「何照れてるのよ今更…、まあいいわ。とりあえず入学式あるでしょ?その後まあ色々用事が済んだらまたここで落ち合いましょ。14時くらいでいいかしら?」

 

「おーけー!それじゃあとりあえずいこうか。」

 

再会したも慌ただしく、入学式、入学説明会と色々と用事を済ませなければならない。しかしゆりのことだ、これから死んだ世界戦線のみんなを探そう、とでも言い出すのだろう。俺も同じことを考えていたし、方法を少し考えてみるか。

 

 

「さて、わかってると思うけど、今回の作戦会議は他の戦線組のみんなを探し出すという題目についてよ。」

 

近場のカフェに入りコーヒーが届くや否や、懐かしい感じでゆりは作戦会議を始めた。

 

「まあ分かってたが、しかしどうする?そもそもの話、全員が記憶が戻っているとも限らないんだぞ?」

 

「そのことだけど音無くん、…いえ、ゆづるくん、あなた、記憶が戻ったのはいつ?」

 

「え?そうだな、4歳の時だ。急に思い出したんだ。まるで誰かに与えられたみたいにな。」

 

「私も記憶が戻ったのは4歳のときだった。それから私が、何もせずに今までを過ごしてきたと思う?」

 

確かにゆりが何もしないとは考えにくい。何かしらのアクションを起こしていると考えるのが妥当だろう。

 

「まあ、そんなわけは無いな。あのゆりが何もしない、なんてのはありえない。」

 

「そうね。その通りよ。私はSNSを使って記憶が戻っている戦線組がいないのか探していたの。何度ネタ垢だと思われてちょっかいをかけられたことか…思い出したら腹が立ってきたわ。」

 

ギリッと歯ぎしりが聞こえるほどに顔を歪めるゆり。そこまで怒らなくても…実際関係のない人間からすれば厨二病もいい所だ、て感じだろうしな。

 

「そして、私の求めてる人達、つまり戦線組の人は誰もアクションをとってこなかったの。つまりこれは私以外に記憶が戻ってる人がいない。だから半ば諦めかけていたのよ。」

 

「それは辛かったな…。」

 

するとゆりの額に青筋がピキっとはったかとおもうと、凄い勢いで睨んできた。

 

「な、なんだよ。何がいいたいんだ?」

 

「あなた、、本当にわかってないの?私もあなたも、4歳のときに記憶が戻っていた。そして私は記憶が戻った人にならわかる暗号にも似た投稿をSNSでやっていたの、それも今ある主要なSNS関連のもの全てでよ。」

 

「はあ……、それで?」

 

バンッと机が叩かれたので、思わず仰け反ってしまう。今まで見た事のないくらいの怒気を孕んでいる。俺は一体何をしでかしてしまったんだ!?

 

「あなたがそのただのひとつでもいいから何か死んだ世界戦線のことを調べようとしていたら、私とあなたはもっと早くに出会えたって言ってるのよ!!私がどんな思い出この18年、、いえ、正確には14年を生きてきたと思ってるのよ!?」

 

「な!?た、たしかに…!?」

 

そ、そう言われてみれば…、なぜ俺は今の今までそれをしてこなかったのだろうか。…自分が以下に馬鹿だったのかをいやでも理解してしまった。

 

「あなたって、絶対バカ、ていうかアホね、もう信じらんないわ!!」

 

「返す言葉もない…。」

 

本当に馬鹿すぎてアホすぎて、自分で自分が分からなくなってきた。なにやったんだおれは…。

 

「もし奇跡的に大学で出会わなければ、私たちはもしかしたら死ぬまで出会えなかったのかもしれないのよ?そのことをちゃんとわかってる?」

 

「はい…」

 

ショック過ぎて項垂れてしまう。ゆりを必要以上に悲しませてしまった。いくらなんでもSNS関連のものをひとつも確認してこなかった俺はどうかしてる。

 

「…まあいいわ。こうして結果として出会えたわけだし、あまり責めても仕方ないもの。でもこれは、何かお詫びが必要だとは思わない?」

 

「…ああ、なんでも言ってくれ。死ねとか以外ならなんでも言うことを聞く。」

 

「じゃあそうね。何にしようかしら。」

 

と言いつつも、もう何にするかは決まっているようで、少し悩んだ後、意を決したようにこちらに向き直った。

 

「…これから先、戦線組のみんなと必ず出会えるとは限らない。もしかしたら会えたのは私とあなた、、ただそれだけかもしれない、そうよね?」

 

「ああ、そうだな。それでもしょうがないとは思ってる。むしろゆりに会えただけでも俺は嬉しい。」

 

これは本当のことだ。まさか会えるだなんて思ってなかった。これだけで奇跡みたいなものだし、ゆりのSNS作戦で記憶が戻ってない戦線組が大半だと言うのも予想はつく。俺はレアケースだ。

 

「それなら、、それなら、もし見つからなかったらその時は、私と一緒にいて欲しいの。…だめ、かしら。」

 

いきなりの告白じみた言葉に俺は困惑を隠せなかった。まさかゆりからそんな言葉がでてくるなんて。

 

「それは…つまり、あれか…?」

 

「告白…今はそこまで重い拘束の意味はないけど、そうとってもらって構わないわ。」

 

「そ、そうか…」

 

だが俺は、ゆりもわかっているとは思うがかなでのことが好きだ。それは今でも変わらない。だから…、

 

「分かってるの。あなたがかなでが好きだってことは。でもあなたの考えている恋って感情とは私のは少し違うわ。」

 

「それはどういう…」

 

好きでないなら、一体どういう感情だというのだろうか。

 

「…失いたくないの。卒業式のあの時、、納得していなかった訳じゃない。でも出来るならもっとみんなと一緒にいたかった。」

 

「……そう、だな。」

 

それは俺もそうだった。みんなが消えたあと、かなでが消えたあと、俺は、俺は深い悲しみに包まれたんだ。それはゆりも同じだったんだろう。

 

「だから、次は一緒にいたいの。みんないなかったとしてもゆづるくんがいればそれだけでも私は嬉しい…。…幸せなの。」

 

なるほど。それなら俺だってそうだ。できるならゆりと一緒にいたい。前はできなかった色んなことをこっちでやりたい。

 

「ゆりの気持ち、恋って感じじゃないっていうのもちょっと分かったよ。ならそもそも追い込んだのは俺、ていうのもあるし、拒否する理由もない。」

 

「ほんと!?なら、、今日から一緒の家に住んでもいいのね!」

 

「いやちょっと待て!?それはいくらなんでも話が飛びすぎじゃないか!?」

 

先程までのしとやかな態度はどこへやら、急に元気になったと思ったら無茶苦茶言い出した。

 

「何を言ってるのよ、告白と取ってもらっても構わない。そう言ったわよね?わたし。ゆづるくんはそれをオーケーした。つまりこれはもう恋人よ?」

 

「ままま待ってくれ!恋とかそういうのじゃないって言ったじゃないか!」

 

いくらなんでも暴論じゃないか!?言質を取ったりみたいな悪い顔をされても困る!

 

ニヤついて、してやったり顔に磨きがかかりもはや悪魔のようだ。

 

「ちょっと違うだけ、それなら大方同じよ。何も問題は無いわ。そもそも私を傷つけたのはあなたなんでしょ?ここで四の五の言うなんてかっこ悪いと思わない?」

 

「いや、だけど、でもな…一緒に住むのは…」

 

「私、実はもうアパートの方解約の手続きしてるの。入学説明会に出ずにその時間でやってきたのよ。私、ゆづるくんのお家に行けなかったら今日からホームレス…、ゆづるくんは女の子の貞操が危うい時でも助けてやろう、て気にはならないの?」

 

そ、そこまで用意周到に…。流石に元戦線リーダーなだけはある。…これはもう為す術なしか。

 

「分かった。でも俺の家で貞操が守れるとは限らないぞ?」

 

ひとつ無けなしの抵抗を試みてみる。ゆりは少し驚いたようだが。

 

「同居の意味、、分かってないわけじゃないわよね?むしろあなたが注意しておくことね。」

 

「ゆり、それは…。」

 

難なく返されてしまった。俺は一体どうしたら…。

 

「大丈夫、かなでちゃんが見つかったら私は身を引くから。そこは安心しておいて。」

 

「もし見つかっても、一緒に住んでることがバレたらどう思われるだろうな…。」

 

「それは知らないわ。ゆづるくんがどうにかしてくれると助かるって感じかしら。」

 

と、にへっと笑うゆりに俺は本当に為す術がないのであった。




キャラが勝手に動いてくれる…。二次創作はよいものです…。
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